*1ターンキル/"One Turn Kill" or "First Turn Kill"[#a2115896]
 本来は[[自分]]の1[[ターン]]目に勝利をする事。~
 先攻1ターン目に勝利する事は「先攻1ターンキル」、後攻の場合は「後攻1ターンキル」と表現する。~
 しかし、原作では「1ショットキル(開始から数[[ターン]]後に1[[ターン]]だけを使って勝利条件を満たす事)」を1ターンキルと呼んでいたため、OCGでは1ターン・1ショットをまとめて「1ターンキル」と呼ぶ事が多い。~
 通称は「1キル(ワンキル)」。

 先攻1ターンキルを妨害できる方法は乏しく、[[《D.D.クロウ》]]や[[《エフェクト・ヴェーラー》]]などの[[手札誘発]]系[[モンスター効果]]にほぼ限定される。~
 一方で後攻1ターンキルの場合は、[[《神の宣告》]]等の[[カウンター罠]]が使えるため[[無効]]にする手段がより豊富になる。~
 よって「先攻1ターンキル」の方が「後攻1ターンキル」よりも凶悪である。~
 また、後攻1ターンキルを前提にしたタイプは[[戦闘ダメージ]]によって[[相手]][[ライフ]]を0にするものが大半であり、通常の[[ビートダウン]]と同じ[[カード]]である程度対処が可能なのも「先攻1ターンキルの方が凶悪」とされる理由の1つである。~
 後攻1ターンキルに対しては、古くは[[《クリボー》]]、近年では[[《バトルフェーダー》]]等の[[戦闘ダメージ]]を発生させない[[カード]]が対策として使われる事が多い。~

 かつての1ターンキル[[デッキ]]は[[【デビル・フランケン】]]や[[【サイエンカタパ】]]のように、勝利の方法を1つの[[コンボ]]にのみ求めた[[デッキ]]が多かった。~
 このため、そのコンボを何らかの形で潰してしまえば勝利を奪うことが可能であり、[[マストカウンター]]を見分けやすかった。~
 しかし、第5期末期から[[シンクロモンスター]]を筆頭とする強力な[[特殊召喚モンスター]]が激増し、容易に高[[レベル]][[モンスター]]を並べる戦術が増加。~
 「[[ビートダウン]]の速度が早すぎるため、結果として1ターンキルできる」という[[デッキ]]が爆発的に多くなっている。~
 [[【ライトロード】]]、[[【アンデシンクロ】>【アンデット族】]]、[[【BF】]]、[[【聖刻】]]など、第6期以降[[環境]]に登場したテーマ[[デッキ]]のほとんどは1ターンキルが可能である。~
 [[【インフェルニティ】]]・[[【六武衆】]]の様な大量展開系の場合、1ターンキルを狙うと同時に逆転を難しくさせる強固な布陣を敷いてくるため、1ターンキルだけを阻止しても全く対策にならないことが多い。~
 第7期末期以降の[[環境]]では、[[【ゼンマイハンデス】>【ゼンマイ】]]や[[【神光の宣告者】]]、[[【甲虫装機】]]といった「1ターンで相手の戦力又は戦意を根こそぎ奪う」という意味での「1ショットキル[[デッキ]]」が用いられている。~
 こちらは、その特性から「変則1キル」とも呼ばれている。~

 第6期以降、1ターンキル可能なテーマ[[デッキ]]が新登場し、[[環境]]で暴れた後に[[制限改訂]]で規制され、新たな1ターンキル[[デッキ]]が後釜を奪う、というサイクルが繰り返されている。~
 大会等では1ターンキルは当然仕掛けられるものであり、むしろ1ターンキルを容易に通してしまう側の[[デッキ]]構築に問題があると考えるべきである。~
 結果として第6期後半以降の[[公認トーナメント>環境]]では「[[主流デッキ]]vs[[メタデッキ]]」、もしくは「主流[[デッキ]]vs[[地雷]][[デッキ]]」という図式が成立しやすくなっている。~

 [[マッチ]]戦の場合、[[サイドデッキ]]から以下の[[カード]]を投入するのが有効。~
+[[【デミスドーザー】]]・[[【未来オーバー】]]・[[【デビル・フランケン】]]などの一撃必殺系、大量展開系~
→[[《バトルフェーダー》]]・[[《威嚇する咆哮》]]・[[《和睦の使者》]]~
→[[手札]]消費の激しい大量展開系の場合:[[全体除去]]・[[《増殖するG》]]~
+[[【サイエンカタパ】]]・[[【キャノンバーン】]]・[[【ドグマブレード】]]・[[《ダーク・ダイブ・ボンバー》]]利用型1キルなどの[[バーン]]系~
→[[《ハネワタ》]]・[[《ライフ・コーディネイター》]]~
→[[墓地]]利用が基本なので[[《D.D.クロウ》]]
+[[【デッキ破壊1キル】]]などの[[デッキ破壊]]系~
→[[《ネコマネキング》]]・[[《墓守の監視者》]]・[[《ヂェミナイ・デビル》]]など

-[[デュエル]]開始の[[ドローフェイズ]]の前に勝利する事を0ターンキルと言う。~
先攻の場合は、初手5枚全てが[[エクゾディアパーツ>封印されし]]だった時に発生するが、実現可能性は天文学的に低い。~
後攻の場合は、[[エクゾディア>封印されし]]以外でも[[相手]]の先攻1[[ターン]]目の動向次第で発生する可能性があるが、やはり机上の空論の域を出ない。~

-先述の通り、元々は「ゲームが始まって1[[ターン]]目に[[相手]]を倒す」ことを意味するが、遊戯王の原作で「1[[ターン]]の内に致死量の[[ダメージ]]を与える」という意味で使われたことで、意味が変化してしまった。~
アニメ5D's公式サイトのデュエルワンポイントレッスンでも、「1[[ターン]]目で勝つのではなく、1[[ターン]]で勝つことであり、何[[ターン]]目でもいい」と説明されている。~
一方で、[[【インフェルニティ】]][[【魔轟神】]]といった1キル可能な[[デッキ]]が普及するにつれ、本来の1ショットキルという呼称がOCGプレイヤーの間でも普及しつつある。~
また、一部には1ショットキルを「ぶっぱ」と呼ぶプレイヤーも存在する。

--元々の「ゲームが始まって1[[ターン]]目に[[相手]]を倒す」1ターンキルは、英語の"Turn One Kill"から来ている。~
日本語では、助数詞は必ず数詞のあとに来るため「1ターンキル」という言葉で定着したのであろう。~
一方で、英語圏であっても遊戯王TCGのプレイヤーは日本にならって「One Turn Kill」という言葉を愛用しており、略語である「OTK」と呼ぶことが多い。~
「ゲームが始まって1[[ターン]]目に[[相手]]を倒す」場合には、1の序数である「First」を使用し「First Turn Kill」及び「FTK」と表現されている。

-ヴァリュアブルブック4において「1ターンキル」はサンプル[[デッキ]]として登場。~
[[《青眼の白龍》]]等の[[攻撃力]]の高い[[モンスター]]と[[《カタパルト・タートル》]]を[[《手札抹殺》]]等で[[墓地に捨てて>墓地に捨てる]]、[[《早すぎた埋葬》]]等で[[蘇生]]、[[《カタパルト・タートル》]]の[[射出]][[ダメージ]]で先攻1[[ターン]]で勝利する、という物だった。(後攻になってしまった場合にも[[ビートダウン]]できるように[[《サンダー・ボルト》]][[《ハーピィの羽根帚》]]が入っている)~
当時は[[《死者蘇生》]]や[[《早すぎた埋葬》]]・[[《リビングデッドの呼び声》]]の制限が現在よりも緩かったため、この戦術が可能であった。~
それより前のヴァリュアブル・ブック2でも1[[ターン]]目では勝負がつきにくいものの本来の「1ショットキル」に近い[[デッキ]]が紹介された。~
[[《デビル・フランケン》]]で[[《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》]](当時は[[《青眼の究極竜》]]などがレプリカ流通していなかったので、手に入りやすい[[カード]]ではこの[[カード]]が最強だった)を呼び出して[[攻撃]]、前後の[[ターン]]の相手からの妨害や抵抗は[[カウンター罠]]で防ぎ、遅くも2[[ターン]]で勝負を決めるというものだった。~

-初手での1ターンキルは[[相手]]にやりたい事をさせずに勝利する事であり、1ターンキルが頻出するのは本来カードゲームとしては望ましい状態ではない。~
そもそも他のTCGでは、ほとんどの行動に[[コスト]]が伴うため、1ターンキルは不可能か机上の空論である事が多い。~
しかし遊戯王OCGでは主流[[デッキ]]・[[地雷]][[デッキ]]を問わず、1ターンキルを狙える[[デッキ]]は極めて多い。~
そのため、他のカードゲームと遊戯王OCGを比較する際、ゲームバランス及びゲームシステムが悪いと批判・非難される原因にもなっている。~
//小売側からの証言より

--「先攻1ターンキルが流行るとそのTCGは廃れる」(これに「単純なパワーや数の勝負なら別」とも付けられる事もある)と言われる。~
そもそも遊戯王を含めて一般的なTCGは[[相手]]との駆け引きを楽しむようにデザインされている。~
だが、あまりに安定性の高い先攻1ターンキルができるようになると、先攻や後攻がそのまま勝敗に繋がるようになり、事実上ジャンケンや[[コイントス]]が勝敗を決する事になる。~
TCGの醍醐味である駆け引きを行うことができない以上、やがて[[プレイヤー]]がそのTCGから離れてしまい、結果としてそのTCGは廃れてしまうのだ。~
ゆえに、先攻1ターンキルは規制されてしかるべきである。~

--OCGは古くから先攻1キルも多く、最初期の[[【エクゾディア】]]や、[[【サイエンカタパ】]]、[[【現世と冥界の逆転】]]、[[【デッキ破壊1キル】]]が横行していた時代は、まさにジャンケンで勝敗を決していた。~
また、[[サイドデッキ]]による対策すら許さない[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]入り[[【サイエンカタパ】]]や[[【MCV】]]の存在も「ジャンケンゲー」に拍車を掛けた。~

--これに懲りたのか、近年の[[KONAMI]]は先攻1ターンキルに重要な[[カード]]は比較的素早く[[禁止・制限カード]]化する傾向にある。~
[[デッキ集/その他]]での1ターンキルの項目のほとんどに構築不可能印が付けられている事からも、その事が分かるだろう。~
かつては[[【ドグマブレード】]]系統をしばらく放置したり、先攻1ターンキルを助長する[[カード]]を作ったりと不可解な行動もあったが、現在は基本的に1ターンキルは後攻のもののみ容認する方向で固まっている。

--ただし、1ショットキルを行う上でも先攻は有利である。~
[[環境]]のほとんどの[[デッキ]]が1ショットキルか変則1キルを搭載している現在、大会での勝敗は事実上ジャンケンの勝敗に大きく依拠してしまっている点は否めない。~
しかし、そういった[[デッキ]]の多くは構成上[[モンスター効果]]や[[モンスター]]の[[大量展開>特殊召喚]]からの[[総攻撃>ビートダウン]]に依存していることが多い。~
その為、多くの[[プレイヤー]]が[[メタカード]]として[[《エフェクト・ヴェーラー》]]や[[《バトルフェーダー》]]といった[[相手]]の戦術を妨害出来るカードを採用して反撃しやすい構築を行っている。~

-第3回カリスマ最強決闘者決定戦1回戦第3試合では、[[【魔轟神】]]を使用した先攻のカーリーなのさは、[[《魔轟神獣ユニコール》]]を[[シンクロ召喚]]しておきながら自分の[[手札]]を0枚にできなかったため、シロノスの[[【インフェルニティ】]]に後攻1ターンキルを許してしまった。

-原作・アニメにおいて―~
単語としての初出は「バトルシティ編」の闇マリクによるもの。~
この時は「ある1[[ターン]]で[[コンボ]]を決め勝利する」という意味で使われている。~
[[《ラーの翼神竜》]]の[[効果]]により[[相手]][[ライフ]]を上回る[[攻撃力]]による一撃必殺がマリクの言う1ターンキルであり、遊戯や海馬も同様に呼んでいた。~
ただし初めて発言された「闇マリクvs闇バクラ」戦では既に闇バクラのライフが[[戦闘ダメージ]]や[[ライフコスト]]により半分以下にまで減少していた上に[[攻撃力]]が3999のため、実際は1ターンキルどころか1ショットキルですら無い。~

--闇マリクによる発言以前から、1ターンキルに該当する行為はしばしば行われている。~
ただ、原作初期はルールが曖昧なため、「どれが最初の1ターンキルか」を定義するのは難しい。~

--キャラクターの強さをわかりやすく表す方法として、1ターンキルは頻繁に行われる。~
また、紙面や放送時間の都合でデュエルを素早く終わらせるために1ターンキルが行われることも多い。~
あちらの世界では初期LPが4000のため、1ターンキルは非常に成立しやすい。~

--先攻1ターンキルはアニメ5D'sの「ロットンvsラモン」戦でロットンが《ガトリング・オーガ》による[[バーン]]で決めたのが唯一の事例である。~
アニメGXの「斎王vsオージーン」では、斎王は自分の[[ターン]]が来る前にオージーンのライフを0にし、三沢から「0ターンキル」と称された。~

--[[タッグデュエル]]等では2人の相手を同時に1ターンキルすることもあり、「1ターン2キル」と通称される。~
更に、遊星はアニメ5D'sの「遊星vsマルコムの手下3人」で「1ターン3キル」、万丈目はアニメGXの「万丈目vsノース校四天王」戦で「1ターン4キル」を成功させている。

//アニメでの1キルはすでに珍しいことではなく、1キルのたびに書いていてはキリがありませんので起源と珍しい例だけに

--アニメ5D's公式サイトのデュエルワンポイントレッスンでは、「[[相手]]によっては不快感を与えるプレイング」と言われていた。~
OCGでも対策の難しい先攻1ターンキルをすると、[[相手]]に不快感を与えてしまう事もあるので注意。

**関連リンク [#m32b50ae]
-[[デッキ集/その他]]

-[[用語集]]