*コスト/Cost(s) [#top]
 一部の[[カード]]には、その[[効果]]を[[発動]]するための条件となる手順やコスト([[手札]]を[[捨てる]]、[[ライフポイントを払う]]、等)が定められている[[カード]]も存在します。~
 効果を発動するために[[モンスター]]を[[リリース]]する行為や、[[戦闘]]による[[モンスター]]の[[破壊]]等は「[[カードの効果]]」には当てはまりません。

 (公式ルールブック [[新マスタールール]]対応 Ver.1.0 P79より引用)

***コスト [#top2]
-コストとは[[カード]]・[[効果]]を[[発動]]するために必要な行動の事である。
-コストは[[発動]]する際に払わなければならず、たとえそのカード・効果の発動が[[無効]]になっても払ったコストは戻らない。
-[[プレイヤー]]は、必要となるコストが払えない場合にはそのカード・効果を発動することができない。
-コストは[[カードの効果]]の扱いではない。
-特にカード[[テキスト]]に指定がない限り、コストは自分が[[コントロール]]するカードからしか払えない。

 (パーフェクトルールブック2017 P131より引用)
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 [[カードの発動]]・[[効果の発動]]を行う際、必要となる行為。~
 遊戯王[[OCG]]は全ての[[カード]]にコストが設定されているわけではなく、コストが必要な[[カード]]は[[テキスト]]にその旨が明記されている。~
 例えば以下の[[《ライトニング・ボルテックス》]]であれば、「[[手札]]を1枚捨て」の部分がコストとなる。
 《ライトニング・ボルテックス/Lightning Vortex》
 通常魔法
 (1):手札を1枚捨てて発動できる。
 相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。

***コストを払う処理 [#syori]
 コストは[[カード]]ないし[[効果]]の[[発動宣言時>効果発動時]]に支払う。~
 例えば、[[手札]]または[[セット]]状態の、コストが必要な[[魔法・罠カード]]を[[発動]]する場合の手順は、以下のようになる。~

+「[[手札]]から[[フィールド]]に[[カード]]を出す」または「[[セット]]状態の[[カード]]を[[表側表示]]にする」
+「コストを払う」
+「[[カードの発動]]を[[宣言]]する」
+「[[対象をとる効果>対象をとる(指定する)効果]]の場合は、[[対象]]の選択を行う」
+「次の[[チェーン]]の有無を確認する」

-[[モンスター効果]]の発動や、既に[[表側表示]]になっている[[永続魔法]]等の[[効果の発動]]の場合、手順1がないだけでその後の処理は同じである。~

-「[[魔法カード]]を[[フィールド]]に出す」のは、コストを払うより前の手順となる。~
この性質上、既に[[魔法&罠ゾーン]]に5枚[[カード]]がある場合は、例えコストで[[魔法&罠ゾーン]]の[[カード]]を退かす物であっても[[手札]]から[[魔法カード]]を[[発動]]する事ができない。

-他の[[カード]]を[[チェーン]]するタイミングは、コストの支払いより後になる。~
このため、「コストを支払う」事を[[チェーン]]して妨害する事はできない。~
詳細は[[コストと効果]]のページを参照。~

--例:[[モンスター]]を[[リリース]]する[[発動]]コストを持つ[[《魔のデッキ破壊ウイルス》]]の[[発動]]に[[チェーン]]して[[《生贄封じの仮面》]]を発動。~
しかし[[モンスター]]の[[リリース]]は既に終わっているので、[[《魔のデッキ破壊ウイルス》]]の効果は通常通り処理される。~

-[[発動]]や[[効果]]を[[無効]]にされたり[[不発]]となったりしても、払ったコストが戻ることはない。

***コストの[[テキスト]]上での表し方 [#text]
 基本的に、以下の[[テキスト]]の「〜」の部分が「コスト」として扱われる。~

 〜して発動できる。

 〜する事で、・・・する。

-第6期以前は[[テキスト]]の統一が殆どされておらず、ユーザーが「これはコストである」と明確に判断することはできなかった。~
しかし、第6期からは徐々に改善され、第7期以後に生産された[[カード]]は上記の2つのどちらかに統一されるようになった。~
第9期以降のカードは、「発動できる」の前に記されている行為は原則として[[発動条件]]かコストという形で統一されている。~

***コストの種類について [#syurui]
-コストの種類としては、払う場所から「[[フィールド]]コスト」・「[[手札コスト]]」・「[[ライフコスト]]」・「[[墓地コスト]]」がある。~
また、払い方としては「[[リリースする]]」・「[[除外]]する」・「[[墓地へ送る]]」等の他、[[《カードトレーダー》]]や[[剣闘獣]]等の「[[デッキ]]に[[戻す]]」特殊なコストがある。~

-[[モンスター]]自身を[[墓地へ送る]]コストについて。~
[[LVモンスター>LV]]や[[《ならず者傭兵部隊》]]のように、「このカードを[[リリースする]]ことで〜」・「このカードを[[墓地へ送る]]ことで〜」というコストを持っている[[効果モンスター]]が存在する。~
このとき、[[モンスター]]は[[効果]]の[[発動]][[宣言]]と同時に[[墓地へ送られている>墓地へ送る]]が、''[[効果]]自体は[[墓地]]ではなく[[フィールド]]上で[[発動]]している。''~
([[《エンド・オブ・アヌビス》]]等の処理で問題になる)~
しかし、[[フィールド]]上で[[発動]]しているから、[[《スキルドレイン》]]で[[無効]]化できるのかというと、[[効果]]の[[発動]][[宣言]]と同時に[[モンスター]]が[[墓地]]へ行ってしまうので、[[《スキルドレイン》]]も干渉する事はできない。~
([[《スキルドレイン》]]は、「[[発動]][[宣言]]」を封じる事はできない)~

-パーフェクトルールブック2015曰く。~
[[リリースする]]コストについては、条件を満たしていれば[[裏側守備表示]]の[[モンスター]]でも[[リリース]]可能。(例:[[《武神逐》]])~
[[墓地へ送る]]コストについては、条件を満たしていても[[表側表示]][[モンスター]]しか[[墓地へ送る]]ことができない。(例:[[《森羅の鎮神 オレイア》]])~

***コストの支払が[[効果]]の[[トリガー]]となる場合 [#trigger]
 コストを払う事が、別の[[効果]]の[[発動条件]]を満たす([[トリガー]]になる)場合の扱いについて。~

-[[「時」の任意効果>「時」と「場合」]]が発動条件を満たした場合、[[発動]]の[[タイミングを逃す]]扱いとなり、[[発動]]できない。~
詳細は[[タイミングを逃す]]を参照。~

--例:[[《キャノン・ソルジャー》]]が[[《魔知ガエル》]]を[[リリース]]して[[効果]]を発動。~
[[《魔知ガエル》]]は、自身がフィールド上から墓地へ送られた''時''に[[発動]]''できる''[[任意効果]]を持つが、「[[タイミングを逃す]]」ため[[発動]]できない。~

-[[「場合」の任意効果>「時」と「場合」]]または[[強制効果]]の場合、コストを払った[[効果]]の処理が終了してから、新しく[[チェーン]]を組んで[[発動]]する。~
コストを払った[[効果]]に[[チェーン]]して[[発動]]するわけではないため注意。~
コストを払った[[効果]]が[[チェーン]]2以降の場合は、同じ[[チェーンブロック]]に乗っている全ての[[効果]]の処理が終わってから[[発動]]する。~

--例:[[《ダンディライオン》]]を[[手札]]から[[捨てて>捨てる]][[《ライトニング・ボルテックス》]]を[[発動]]。~
そのまま[[《ライトニング・ボルテックス》]]の[[効果処理時]]となり、[[表側表示]][[モンスター]]を全て[[破壊]]したあと、新たに[[チェーン]]1で[[《ダンディライオン》]]の[[効果]]が[[発動]]する。~

***コストと効果について [#kouka]
 コストは[[カードの効果]]を[[発動]]するために払われるものであり、コスト自体は[[カードの効果]]として扱われない。~
 よって、カードの[[効果を受けない]][[カード]]をコストにする事も可能である。~

-例:[[《毒蛇神ヴェノミナーガ》]]を[[ウイルス]]の[[リリース]]にすることは可能。

 これら「コストと効果」の違いについては、[[コストと効果]]のページを参照。~

***[[維持コスト]]について [#iji]
 ここまで原則として[[カードの発動]]・[[効果の発動]]に必要なコストについて解説してきたが、例外的に[[発動]]を伴わないコストとして「[[維持コスト]]」が存在する。~
 これについては[[維持コスト]]を参照。~

***その他 [#sonota]

-''ある[[カードの効果]]のコストを、別の[[カードの効果]]のコストにも充てて節約するような事はできない。''~
例えば、[[《ならず者傭兵部隊》]]1体を[[《キャノン・ソルジャー》]]のコストにしつつ自身の[[起動効果]]を[[発動]]させたり、1体の[[モンスター]]を2体の[[《キャノン・ソルジャー》]]のコストにして500×2[[ダメージ]]を与えたりする事は不可能である。~

-コストが払えないならば、あらゆる[[効果]]は[[発動]]できない。~
特に[[ライフポイント]]が少ないときにコストに満たない[[ライフポイント]]を払って自滅することができないことに注意。~
[[ライフ]]がちょうどなら支払って自滅することになる。~
ただし、[[《破滅へのクイック・ドロー》]]の場合、[[ライフコスト]]を払えなければ[[ライフポイント]]が0になるという[[効果]]を持っている。

-コストが必要な[[効果]]は基本的に[[任意効果]]である。~
[[強制効果]]は[[《死霊騎士デスカリバー・ナイト》]]や一部の[[維持コスト]]などに限られる。~

-コストにできるのは[[自分]]の[[カード]]のみだが、ごく少数ながら[[相手]]の[[コントロール]]する[[カード]]をコストにする[[カード]]も存在している。~
例えば、限定的な状況ではあるが[[《ドラグニティナイト−ヴァジュランダ》]]が可能である。

--旧[[テキスト]]の[[《ヘル・ドラゴン》]]等は「[[自分]]の」と[[テキスト]]に書かれていないが、[[相手]]の[[モンスター]]をコストにすることはできない。~
これはただの[[テキスト]]不足であり、第6期以降で再録された際に「[[自分]][[フィールド]]」と[[エラッタ]]されている。~

-「コスト」はルールブックにも記載されている公式用語ではあるが、なぜか[[カード]][[テキスト]]中で使われる事は一切ない。~
コストにされる事を[[発動条件]]とする[[カード]]は、「この[[カード]]が○○の[[効果]]を[[発動]]するために[[リリース]]された場合」といった遠回りな書き口になってしまっている。~

**[[特殊召喚]]に関する手順について [#tejun]
 「[[ルール効果]]の[[特殊召喚]]」における、[[特殊召喚]]時の[[リリース]]・[[墓地送り>墓地へ送る]]・[[除外]]などは、[[発動]]コストでも[[効果]]でもなく、[[効果]]を[[適用]]する上での「手順」あるいは「条件」として分類される。~
 [[効果]]として扱わない点や、支払いが不可能な場合に手順を行えなくなるなど、基本的な面ではコストと同じである。~
 ただし、処理が[[効果]]と分かれているコストと違い、[[効果]]が[[無効]]になっている場合は、その[[効果]]に付随する支払い自体が行えない。~

 また、[[特殊召喚モンスター]]の[[召喚条件]]は、「[[特殊召喚]]の手順」と呼ばれる。~
 似たような点が多い用語であるが、[[効果]]の手順と[[特殊召喚]]の手順は全く別物なので注意が必要である。~

-例えば[[《冥界の魔王 ハ・デス》]]によって[[墓地]]の[[《ダーク・シムルグ》]]([[起動効果]])・[[《マシンナーズ・フォートレス》]](分類のない[[効果]])の[[効果]]が[[無効]]化されている場合。~
前者はコストを払って[[効果]]を[[発動]]する事は可能だが、結果的に[[効果]]部分が[[無効]]のため[[特殊召喚]]できないという処理になる。~
//(13/10/19)
対する後者は、手順を定めた[[効果]]自体が[[無効]]になっているため、[[手札]]を[[墓地へ送る]]行為自体が行えない。~
//(13/10/19)
--[[特殊召喚モンスター]]のように[[効果外テキスト]]として[[召喚条件]]を持っている[[モンスター]]や、基本ルールで定められている[[シンクロ召喚]]・[[エクシーズ召喚]]は[[効果]]で手順・[[条件>召喚条件]]が定められているわけではない。~
そのため上記のように[[無効]]化され支払いが行えない状態にはなる事は無い。
//-[[カードの効果]]によって手順・条件を追加しているものと、[[効果外テキスト]]あるいは[[シンクロ召喚]]などのような基本ルールとして手順・条件が存在するものとの両方が混在している。~
//後者は[[無効]]になりえないため、上記のような支払い回避・不可な状態が発生しない。

-この手順・条件は[[特殊召喚]]のために発生するものに限られない。~
[[アドバンス召喚]]の[[リリース]]する手順を追加する[[効果]]なども存在する。~

-手順・条件を満たす行為に[[チェーンブロック]]は作られない。~
「[[発動]]する」[[効果]]に分類されない性質上、必然的に[[海皇]]や[[《幻獣機ハリアード》]]などの[[トリガー]]を満たす事はなく、[[《脳開発研究所》]]による肩代わり、[[《強欲ゴブリン》]]による制限などを受けない。~
--[[特殊召喚モンスター]]の中には、[[特殊召喚]]を行う[[効果外テキスト]]ではなく、[[発動]]する[[効果]]によって[[特殊召喚]]されるものも存在する。~
これらは、[[発動]]する[[効果]]がその[[特殊召喚モンスター]]の[[召喚条件]]となっている。~
また、[[特殊召喚モンスター]]全てが手順を持つわけではない。~

//-[[特殊召喚モンスター]]の大半が該当するが、[[《Sin トゥルース・ドラゴン》]]や[[《ダークネス・ネオスフィア》]]のような例外も存在し、これらは[[誘発効果]]を[[発動]]するためのコストとして扱う。~
//(13/10/19)

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-コナミのゲーム作品において―~
DMシリーズでは[[ステータス]]や[[効果]]に応じて、[[カード]]1枚1枚に「コスト」という数値が設定されている。~
DM2・DM3・DM4・DM7・DM8では、[[プレイヤー]]の「デュエリストレベル」を上回るコストの[[カード]]は[[デッキ]]に投入できず、[[デッキ]]内のコストの合計が「デッキキャパシティ」を上回ってはいけないというルールがあった。~
このため、[[レベル]]の割に[[ステータス]]が高い[[モンスター]]を大量に投入する事ができず、ゲーム特有の[[融合]]要素や[[効果]]等もあり、意外な[[モンスター]]が活躍する事もあった。~

**関連リンク [#link]
-[[コストと効果]]

-[[手札コスト]]
-[[墓地コスト]]
-[[ライフコスト]]
-[[除外]]
-[[リリースする]]([[生け贄に捧げる]])
-[[墓地へ送る]]

-[[公式用語集]]

**FAQ [#faq]
Q:「[[特殊召喚]]のための手順」と「コスト」は異なる用語でしょうか?~
  また、どのような違いがありますか?~
A:基本的には、『手順』とは該当の[[モンスター]]を[[特殊召喚]]する際の行動となり、『コスト』とは[[カード]]を[[発動]]する際に払う行動の事を指すため、それぞれは別の意味となります。(13/02/04)~