パーミッション

 パーミッション(Permission)とは「許可」の意味。デッキタイプの一つ。
 相手の行動を徹底してカウンター罠等で無効にし、相手の行動を妨害するデッキの総称である。
 遊戯王OCGでは、恐らく初めてにして唯一の純正コントロールデッキである。
 単純にパワーカードを詰め込むだけでは全く機能しないため上級者向きの玄人デッキと言われる。

 デッキ構成も玄人好みで、罠カード20枚程度が標準、更に魔法カードは5枚以下という狂った構成が最大の特徴。
 魔法カードは不要、と言うより投入スペースが無いのが現実。
 必要なカウンター罠ドローするための《天使の施し》は流石に必須だが、他に採用すべきカードも少ない。
 起用の可能性があるのは《光の護封剣》《スケープ・ゴート》《サイクロン》程度。《早すぎた埋葬》《強奪》も考慮に値する。
 『《天使の施し》のみという特化型を選択するのも十分選択肢の内』と書くと、本当に特殊な構築のデッキであるのが実感できる。
 「二大罠封じ」こと《王宮のお触れ》《人造人間−サイコ・ショッカー》全盛のご時世に、である。
 全てのパーミッションデッキがそうとは言えないが、完全にカウンターに特化した場合はそれ位のバランスもあり得る。
 徹底した阻害から相手のフィールドをがら空きにし、モンスターのステータスに関らず安全に殴り勝利する。
 この非常に薄く細い勝ち筋を全身全霊で守りきるのがこのデッキの至上命題であり、最大の醍醐味でもある。

 遊戯王OCGでは受動的なキャンセル系はコストが高めに設定されており、能動的な破壊系カードはノーコストなものが横行している。
 そのため、やみくもにキャンセルをかけているのでは徐々にアドバンテージを失ってそのままジリ貧になってしまう。
 それは基本的なカウンター罠《マジック・ジャマー》《天罰》《昇天の角笛》を見ればわかるだろう。

 基準となるこれらよりもコストが軽いものは、対象が狭い等汎用性が低いものがほとんどである。
 これらのカードを発動するコスト及びリソースを確保するためにドローエンジンとなるカードを採用するのである。
 伏せカードを多用する(手札が少なくなる)性質上、これを怠ると戦線維持は非常に困難である。
 ドローカードの中でも《豊穣のアルテミス》《デス・ラクーダ》はもっとも一般的なドローソースとなる。
 従ってコンボ主体にならざるを得ず、サーチカードに乏しいこのゲームでは手札事故率が高くデッキ構築には絶妙のバランスを要求される。
 手札使いが荒いからこそ手札の確保が最重要であり、ドロー加速カードは可能な限り守り続ける必要がある。
 手札がなければブラフさえかけられないのだから、このデッキにとって「手札確保」が如何に重要かは理解できよう。

 まれにビートダウンデッキロックデッキでサポートとしてカウンターを取り入れて構築される場合がある。
 モンスターの攻撃を抑制するカードに除去ではなく永続ロックカードを投入し、それらに対して発動された伏せ除去カウンターするのである。
 ロックして場を構築し数ターンが経過すれば、手札に余裕ができ、基本カウンターのコストを払いやすくなる。
 そうやって、ロックカードによって構築されたアドバンテージを固定する補佐となる。
 また、ビートダウンではモンスター除去、特に全体除去からモンスターを守るために使われる。
 このタイプでは手札事故をしないようにノーコストもしくはライフコストで賄えるカウンター罠を採用する。
 モンスター除去対策にはカウンター罠ではないが《我が身を盾に》が存在するため、それを基盤にするのが良い。

パーミッション系デッキ概論

 『絶対に発動させてはいけないカード』すなわち、「マストカウンター」の見極めが重要。
 当然ながら《人造人間−サイコ・ショッカー》《王宮のお触れ》等の『罠封じ』、《大嵐》《氷帝メビウス》等の多くの伏せカードを破壊する効果を持つカードはその最たるもの。
 それらに対応できるカードが無かった場合は、間違いなく致命傷を負う。

 概念的な話になるが、このデッキを扱うにあたって最も重要なことは、「いかに多くのカード・多くのデッキについて知っているか」ということである。
 勿論これはこのデッキに限らず全てのデッキについて言えることだが、このデッキでは他のデッキのそれよりさらに高いレベルが求められると言える。
 性質上、このデッキは基本的に受動的なデッキである。
 相手の行動を受けて、それを的確に止めチャンスを伺う…というスタイルだが、それをスムーズにこなさなければ勝ち目が薄まる。
 それには、当然、相手の行動をある程度予測し、的確な対処の布石を打つ必要がある。
 故に、相手が使ってくる幾多のカードの効果をしっかり把握しておかなければ、どうしようもないわけである。
 相手がカードをプレイする度にカードを見せて貰って確認するようなことでは話にならない。
 現環境でよく使われるデッキの構成やそのプレイング、カードの効果などをしっかりと把握し、対戦相手のカードやプレイングから速やかにデッキ構成を割り出し、的確な対処ができるようになろう。

 尖った構成であるゆえに、弱点も多い。
 やはり罠カードの多さから、《人造人間−サイコ・ショッカー》《王宮のお触れ》は天敵。
 確実にカウンターしたい所だが、通してしまった後のことを考えて対抗カードは温存するべき。
 対《王宮のお触れ》として、《砂塵の大竜巻》《盗賊の七つ道具》等を起用するのも選択肢の一つ。

 また、根本的に遅いデッキであるため【帝コントロール】【フルバーン】等の速攻デッキに弱い。
 一応【帝コントロール】には《スキルドレイン》【フルバーン】には《デス・ウォンバット》で対策が可能だが、これらのデッキにはあっさり負けることを覚悟しよう。

関連カード

関連リンク

コンボ

ロック

ビートダウン

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