*ピン挿し [#qd18e28c]
 ピン差し、ピン刺し、とも言う。~
 あるカードを1枚だけ[[デッキ]]に投入すること。~
 ピン挿しすることを1枚挿すと言う。~
*ピン挿し [#top]
 ある[[カード]]を1枚だけ[[デッキ]]に投入することを意味する俗称。~
 「1枚挿し」とも呼ばれる。~
 なお、「1枚積み」「ピン積み」という呼称は本来は誤りであるが、「2枚積み」「3枚積み」と語呂を合わせるために使われることもある。~

 コンセプトのあるデッキでは、同一種のカードを複数枚投入することが多い。~
 特定のコンボを決めるには、特定のカードをドローしなければならないからだ。~
 しかし、以下のような理由でピン挿しが行われることがある。~
 基本的に[[デッキ]]に多様性や対応力を持たせる事を目的とした行為である。~
 [[デッキ]]の理想的な上限枚数には限度があるので、安定性や確実性と天秤にかける事になり、[[プレイヤー]]の構築力が問われる。~
 また、[[ドロー]]に影響は与えないものの、[[エクストラデッキ]]の構築も同じ傾向を持つ。~
 状況に応じて対応できるのが[[シンクロモンスター]]・[[エクシーズモンスター]]・[[リンクモンスター]]の利点でもあるため、そもそも複数枚採用する理由が少ないからである。~

-1枚だけ投入されてるおおまかな理由
--[[制限カード]]に指定されているため、2枚以上投入できない。
--[[上位互換]]が3枚積みされて、数合わせとして追加で1枚投入されている。
--メインコンセプトとは外れている強力なカード。(→[[タッチ]])
--[[コスト]]がかかるカード。(→[[重い]])
--[[発動条件]]を満たすのが難しいカード。(→[[重い]])
--2種類のカードがあり、どちらのカードにするか迷った場合。~
([[《エネミーコントローラー》]]と[[《突進》]]のどちらを投入するか迷った時に[[《鎖付きブーメラン》]]を投入する)
--[[ドロー]]したくないカード。[[サーチ]]専用カード。~
([[《ホルスの黒炎竜 LV8》]]や[[《死のメッセージ「H」》]])
--カード資産が少なく、代用として使っている。
 なお、海外における比較的規模の大きい大会などでは、似たような役割の[[カード]]複数種をピン挿しで採用している[[デッキ]]がよく見受けられる。~
 これにはカードプールそのものの違いに加え、日本と比べ参加する[[デッキ]]の種類が多く、[[メタ]]が分散しやすい事も少なからず影響している。~
 ただし、当然ながら対峙した[[相手]]に有効な[[カード]]を常に利用できる保証はないため、併せて[[ドロー]][[効果]]を持つ[[カード]]が多く採用されやすい。~
 こうした状況を鑑みてか、[[ドロー]][[カード]]は[[レアリティ]]が高められる傾向にある。~

-2枚・3枚と同一種のカードを複数デッキに入れることは積むと言う。~
2枚投入した場合を「2枚積み」、3枚投入した場合を「3枚積み」。
-[[制限カード]]以外でピン挿しされる理由としては、以下のものが挙げられる。~
--[[キーカード]]を3枚積みした上で、数合わせとして[[相互互換]]・[[下位互換]][[カード]]を入れる場合。~
--[[デッキ]]コンセプトとは外れている[[カード]]を採用する場合。~
---主にスロットが余った際に[[汎用性]]の高い[[カード]]を採用する場合である。~
その[[デッキ]]とは相性が悪い場合もある。~
実例では、2009年度[[選考会]]にて日本代表の[[【BF】]]ではない[[デッキ]]に[[《BF−疾風のゲイル》]]が1枚だけ投入されていた。~
--[[デッキ]]の展開手段からは離れるが、[[サーチ]]等が容易な場合。~
---上記と似たような理由だが、その[[カテゴリ]]に属しているという点などが異なる。~
例として[[【EM竜剣士】>【EM】]]では、[[レベル]]や[[ペンデュラムスケール]]は他の主要な[[カード]]とは合わないが、苦手だが低[[守備力]]である[[モンスター]]を倒すために手軽に[[サーチ]]できる[[《EMヒックリカエル》]]が投入される。~
--[[相手]]を撹乱させるため。~
---[[《激流葬》]]等の[[パワーカード]]を1枚ずつしか投入しないことで、[[相手]]に[[伏せカード]]を予測しにくくさせられる。~
また、[[《爆導索》]]のように特定の条件下で威力を発揮する[[カード]]を1枚見せつければ、[[相手]]に2枚目以降を警戒させ暗黙のうちに行動を縛ることができる。~
これらは心理戦の要素が強く、上級者同士の対戦で効果的になる。~
--[[コスト]]・[[発動条件]]・[[召喚条件]]が[[重い]]、もしくは[[デッキ]]の中にないと機能しない[[カード]]である場合。~
---[[手札事故]]を起こしやすい[[カード]]であるものが多い。~
ただし、前者なら[[召喚]]・[[発動]]さえできれば強力であったり、後者ならその1枚を[[ドロー]]してしまうと完全に[[腐ったり>腐る]]するため、場合によっては[[積む]]こともある。~
--強力ではあるが、複数引くと弱い[[カード]]の場合。~
---[[《二重召喚》]]など[[ボード・アドバンテージ]]が取れる代わりに[[カード・アドバンテージ]]を失うカードが代表的。~
また[[墓地融合]]や[[《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》]]など[[墓地]]を[[除外]]するカードは2枚目以降は[[コスト]]が用意できず[[腐る]]ことがある。~
---[[効果]]に[[同名カード]]を含めた[[1ターンに1度]]もしくは[[デュエル中に1度しか使用できない>1ターンに1度#duel]]制限がある[[カード]]も該当する。~
特に後者は2枚目以降は性能が著しく低下するため、確実な[[サーチ]]手段があるならば、複数枚積みする必要は無い。~
--似たような用途の[[カード]]が複数あり、どれにするか迷った場合。~
---例えば、[[《サイクロン》]]と[[《ナイト・ショット》]]のどちらかを2枚投入するのでなく、1枚ずつ投入する等。~
--特定の[[カード]]が入手できず、代用として使っている場合。~
---例えば、3枚入れたい[[《ボタニカル・ライオ》]]を2枚しか持っておらず、代わりに[[《ギガント・セファロタス》]]を1枚採用する等。~
--異なる[[カード]]を採用すること自体に価値がある場合。~
---例えば、[[《裁きの龍》]]の[[召喚条件]]を満たすために各種[[ライトロード]]を1枚ずつ投入するなど。
--[[同名カード]]を全て使用不能にする[[カード]]を警戒した場合。~
---[[《撲滅の使徒》]]・[[《連鎖除外》]]・[[《封魔の呪印》]]など、「[[デッキ]]・[[手札]]から同名3枚を根こそぎ消滅、または使用不可能にさせる[[カード]]」が流行している場合、3積みではなく同じ役割を果たせる[[カード]]を挿す事がある。~
過去の[[【除去ガジェット】]][[【ハイビート】>ハイビート]]などにおける[[《炸裂装甲》]]と[[《万能地雷グレイモヤ》]]、[[《地砕き》]]と[[《地割れ》]]と[[《ソウルテイカー》]]などの関係が該当する。~
--個人的な思い入れがある場合や[[ネタ]][[デッキ]]を作る場合。~

-ピン挿しばかりのカードで作られた[[デッキ]]を[[ハイランダー]]という。~
-ピン挿しをしたくてもできない[[カード]]が幾つか存在する。~
2枚一組で[[効果]]を発揮できる[[《閃光の宝札》]]や、3枚ないと[[特殊勝利]]できない[[《ジャックポット7》]]などが該当する。~
これらの[[カード]]は1枚だけ[[デッキ]]に入っていても意味がない為、使いたいのなら必ず複数枚入れる必要がある([[同名カード]]参照)。~
人によっては、事実上使用が不可能であるのにわざとこういったカードを採用して楽しむ[[ネタデッキ>ネタ]]を組む事もある。~

**関連リンク [#u60558a6]
-[[ハイランダー]]は事実上全ての[[カード]]がピン挿しである。~
しかし、元々そのような構築の[[デッキ]]を指す呼称がそれなので、あえて「ピン挿し」とは言わない。~

-特定の状況に応じた[[カード]]を複数種類ピン挿ししておき、それらを[[サーチ]][[カード]]で使い分ける戦術を「[[シルバーバレット>《シルバーヴァレット・ドラゴン》]]」と言う。~
[[吸血鬼>ヴァンパイア]]や狼男に対して、一発の銀の弾丸が致命傷となるという伝承から名付けられた。~
状況に応じて様々な[[剣闘獣]]を[[リクルート]]して戦う[[【剣闘獣】]]は、まさにこれがコンセプトの[[デッキ]]である。~
[[《増援》]]が無制限の時代は[[【戦士族】]]でも似たような事が行われていたが、[[制限カード]]となった現在は多種多様な[[融合]]を行える[[【E・HERO】]]以外ではあまり見られなくなった。~

-原作・アニメにおいて―~
アニメでは互譲や謎の力などによって1枚だけ[[カード]]が手に入ることがあり、ある意味ピン挿しとなる。~
またアニメGXでは、主人公たちが「アイドルカード」と称して[[シナジー]]を度外視してピン挿ししている[[カード]]を見せ合ったことがある。~

**関連リンク [#link]
-[[デッキ]]
-[[積む]]
-[[ハイランダー]]

-[[制限カード]]

-[[用語集]]