ファンデッキ/Fun Deck †
ユーザーが好むカードやカテゴリ、ギミックを使用する面白さを追求したデッキのこと。
個人の好みや趣向を重視したデッキであり、主流デッキのような大会で活躍することを目標としたガチデッキとはコンセプトが異なる。
遊びの要素があり無駄が多い反面、普段使われることの少ないマイナーなカードが活躍する様に魅せられる構築者は多い。
勝率優先のガチデッキと比較的すると安定性が低く勝率は低くなる傾向にある。
型にはまった時は勝てるが、それ以外はデッキパワーの低さから厳しい戦いになりやすい。
しかし、上手く回った時の楽しさや嬉しさはガチデッキで勝つのとはまた違うものであり、その喜びを求めてデッキを洗練させるプレイヤーも多い。
主流デッキと違い、勝てる構築が完全には確立されていないため、1からデッキを構築したいプレイヤーにも好まれる。
また、遊戯王OCGには主流でないカテゴリやテーマが非常に多く、原作の漫画やアニメファンの存在もあってファンデッキが生まれやすい。
ガチデッキによる真剣勝負のデュエルだけでなく、ファンデッキによる和やかなデュエルも遊戯王OCGの醍醐味の一つと言えるだろう。
- ファンデッキに近いものとして、「ネタデッキ」がある。
境界線は曖昧だが、ある程度勝つことを考えているファンデッキに対し、ネタデッキは勝敗をほぼ無視しているという違いがある。
- ただし、元々の意味合い的にはネタも含んだ「楽しむ(Fun)デッキ(deck)」の総称であり、他TCGや海外では遊戯王OCG的なファンデッキの呼称は通じない可能性が高いので注意。
- 愛好を意味する方のファン(fan)デッキ(deck)と混合されて使われているのが理由。どちらも主流ではないデッキを指すため、該当するデッキはほぼ同じになる。
- 特殊なファンデッキの一つとして「キャラクターデッキ」が存在する。
原作の漫画やアニメのキャラクターを意識した構築、名場面の競演をフィールド上に再現するためのデッキであり、採用されるのは原作の漫画やアニメで使われたカードが最優先となりやすい。
- その中にはOCGにおいて強力なカテゴリのデッキも存在するが、使われた全てのカードが実戦向きではないため、結果として弱体化しやすい。
また、OCGで一般的に使われる汎用性の高いカード(特に除去系)が原作やアニメで使われないことが、実際のOCGのデッキとのミスマッチを引き起こす原因となる。
実戦向きとは言えないため、趣きとしてはネタデッキに近い。
- このように様々な構築背景を元に考案されるためデッキ内容は多種多様である。
- コンボでしか使えないカードや、アドバンテージを失う可能性があるカードであっても自分が活躍させたいのであれば問題なく投入される。
故に、デッキ構築の段階で、「決めたいコンボを決めるために相手へどう対応するのか」をある程度考えて構築する必要がある。
- 安定性は低い一方でコンボが決まれば強力なデッキが多い。
主流デッキは総合力により安定した強さを意識するのに対し、こちらはコンボの結果やシナジーを意識し特化するため、意図せずとも爆発力に秀でやすい。
その一方で安定性に難を抱えることが多く、ギミックの複雑化・肥大化により手札の消耗が激しい構築に寄りやすい。
そのため、コンボとそのフォローを意識するのは必須の上、相手の行動や次のターンの予測、手札消費対策等、考えることは大量にある。
故に高度な構築・プレイングテクニックが必要となり、使い手にはかなりの応用力が要求されるテクニカルなデッキが多い。
- 自分のデッキがマイナーな型であるほど、情報アドバンテージの面で有利になる。
動きの特殊なものはマストカウンターが見極めづらく、更に専用のコンボ・シナジーによって自然に相手の裏をかける場合もあり、知識を持たない相手には完勝できることも多い。
マイナーであるからこそ、使い手と相手の知識量・構築力・応用力が如実に試されるため、刺激的なゲームが楽しめるだろう。
- マイナーなデッキを作るために先駆者の構築を参考にしようとしても、類似する構築が見当たらないばかりか、ネタや派生ばかりでちっとも有益な情報にたどり着けないことは珍しくない。
経験や知識もないままにただキーカードを揃えただけでは「自分だけのファンデッキを作る」ことは夢のまた夢なので、いきなりオリジナルを求めるのではなく、最初はある程度構築の幅が煮詰められた主流デッキなどを手に取り、様々なコンボやシナジーに気付けるよう経験を積むことが望ましい。
- 誤解されやすいが、「ただ自分の好みのカードしか入れず勝利は目指さないデッキ」という認識は誤りである。
そのようなものはネタデッキであるし、好みを重視したからと言って必ずしも弱くなるわけでもない。
「好み」と「勝つこと」の両立が、全くの不可能というわけではないし、勝ちに行く意識が無ければせっかくの好みのカードも死に札となり、活躍できないだろう。
- ファンデッキだからといって最初から負けることを前提にして戦うのは、相手を不快にする場合があるため控えるようにしたい。
特に、負けた後に「ファンデッキだから負けた」などと対戦相手に言うのは御法度。
前述の通り、やりたいことや使いたいカードが定まっているからこそ、それを成功させる工夫まで織り込まなければ、まともなゲームにはならない。
- 逆に、現在ではトーナメントクラスでないデッキや環境の変化についていけなくなった【グッドスタッフ】などの過去の主流デッキや、サポートが少なくパワーの劣るデッキジャンルに対して貶す意味で使う人も少なからずいるが、これは本来の意味とは異なる。
- 原作・アニメにおいて―
原作・アニメの主要キャラクターたちが使うデッキを現実の場で使うと多くの場合、ファンデッキとなる。
キャラクターたちは演出の都合上、欲しいタイミングで特定のカードが引けるのが当然であり、それを前提としてようやく回るデッキが多いためである。
- アニメGXの死神と契約した決闘者・橘一角が使用する1ターンキルデッキも、「決まれば相手が驚く」コンボに偏った、ファンデッキ要素が強い構築のようだ。
自分の思い描く最高の勝利のために長々と研鑽を重ねる彼の姿勢は、ある意味でファンデッカーの鑑と言えるだろう。
- アニメ5D'sにおいてはカーリー渚の「占い魔女デッキ」もこれにあたるだろう。
そもそも「占い魔女」は占いの道具としてデザインされたシリーズのようだ。
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