遊戯王カードWiki - リミットレギュレーション/2023年4月1日のバックアップ(No.16)

2023年4月1日適用のリミットレギュレーション †

　BEFORE：リミットレギュレーション/2023年1月1日

2023年4月1日適用のリミットレギュレーション

　太字は制限が強化されたカード。
　斜体は制限が緩和されたカード。

　前回の改訂で主流デッキが弱体化した結果、特定のデッキが圧倒的なシェアを占めていた環境は比較的改善された。
　しかし、2022年登場のカードが環境主流デッキに居座る結果は変わらなかったため、それらを中心に多くのカードが前回・前々回に続いて規制された。
　一方で、環境全体のインフレに伴い、相対的なカードパワーが下がり許容範囲となったためか、多数のカードも引き続き緩和されている。
　また、【クシャトリラ】は前回の改訂で登場早々に多数の制限カード指定を受けたこと、新たな主流デッキとして実績を出している【ピュアリィ】と【超重武者】もCYBERSTORM ACCESSでの強化後まだ間もない商業的理由からか、今回の規制を免れている。

2017年6月の「YU-GI-OH.Jp」サイト開設以降（2017年7月1日～適用分）は、適用の半月ほど前に同サイトにて公表され、その数日後に発売されるVジャンプにも掲載される流れであった。
（これよりも更に前は、Vジャンプが初公表の場であった）
だが今回は、3月13日に「3月26日公開予定」とTwitterで事前告知したのみで（該当ツイート）3月20日発売のVジャンプにも情報は掲載されなかった。
情報解禁日の事前告知に加えて、適用日まで１週間未満という遅い時期の発表も、これまでと比べると異質な対応である。

制限強化されたカードについて―
- 直近２回の改訂で禁止カード指定を含む規制を受けながら、なおも主流デッキに居続けた【イシズティアラメンツ】からは、更に多数のカードが規制されている。
  ティアラメンツ側は《ティアラメンツ・ハゥフニス》・《ティアラメンツ・メイルゥ》が、イシズ側は《剣神官ムドラ》・《古尖兵ケルベク》がいずれも制限カードとなった。
  - この４枚はTCGで先んじて制限カードとなっており、それも考慮した結果だろうか。

この規制を受けて、デュエリストパック－輝石のデュエリスト編－で初登場したイシズ関連の新規モンスターは、４枚全てが制限カードとなった。

コナミカードゲームステーションサテライトショップで行われているイベント「サウザンド・ミーティング」のデッキ構築ルールの１つに「『現世と冥界の逆転』とカード名・カードテキストに記載されたカードを20枚以上メインのデッキに使用」がある。
23/04/01時点で存在する８種類の内４種が制限カードとなり、８種類のカードをデッキにフル投入しても規定枚数には足りない為、この構築ルールでの参加はできなくなってしまった。

【ビーステッド】からは《深淵の獣ルベリオン》・《深淵の獣ドルイドヴルム》・《深淵の獣バルドレイク》が制限カードとなった。
出張パーツとして多用されていた事や、今後の光・闇属性の販促の妨げになるという商業上の理由も兼ねての規制と見られる。
- この規制を受けて、ビーステッドは共通効果を持つレベル６モンスター４体の内３体が制限カードに指定された。
  いわゆる優遇属性とも言われる光・闇属性のメタとしてデザインされたのだろうが、流石にやり過ぎたことが否めない結果と言えるだろう。

【スプライト】からは《スプライト・エルフ》が禁止カードに、《スプライト・ブルー》が制限カードとなった。
- 《スプライト・エルフ》は、スプライトとは関係なくとも、レベル２を採用するデッキ全体でパワーカードになることが遂に問題視されたのか、準制限・制限カードを経ない禁止カード指定となった。
  加えて《スプライト・ブルー》も制限強化されているのは、純構築【スプライト】の環境での活躍は収まったものの、他カテゴリとの混合構築デッキが依然として活躍していることによる判断だろう。

【神碑】もキーカードの《神碑の泉》が準制限カードとなり、多少の弱体化となった。

汎用カードからは《スキルドレイン》が制限カードとなる。
直前の環境では【神碑】・【ラビュリンス】等で使われており、これらは主流デッキとまではいかないものの、上記のデッキが規制された事による今後の台頭を見越したものだろうか。
あるいは、年々モンスター効果の重要性が高くなり影響力が強まっていることを考慮したのだろうか。

総じて、【スプライト】や【イシズティアラメンツ】は全体的にTCGのリミットレギュレーションに近い内容となっている。

今回の規制を受けて、2022年の４月以降に発売され、登場１年以内に規制を受けたカードは合計21枚にもなった。
（スプライト４枚、ティアラメンツ６枚、《現世と冥界の逆転》関連４枚、ビーステッド４枚、クシャトリラ３枚）
しかもこれらの規制は、《スプライト・エルフ》と《ティアラメンツ・キトカロス》の禁止カードを除いて全て制限カードであり、準制限カードに留まった者がいない。
この１年でのパワーカードの乱発、急激なインフレは、この結果が示していると言えよう。
- また、これらのインフレの傾向として、特定のカード１枚の効果だけではなく、カテゴリの共通効果自体が強力であるというものが多い。
  カテゴリ・シリーズカードの一部を規制するだけに留まらず大量規制せざるを得なかったのは、そのためでもあるだろう。

制限緩和されたカードについて―
- 《焔征竜－ブラスター》と《グローアップ・バルブ》が制限復帰となった。
  前者は以前から度々《嵐征竜－テンペスト》に続く征竜の復帰候補としてプレイヤーから名前が挙がり、実際にマスターデュエルではOCGに先駆け制限復帰しており、それも参考にした判断だろう。
  後者は主な規制理由であった《水晶機巧－ハリファイバー》の禁止カード化が考慮された制限復帰であろう。
  同様の理由で規制された《ＢＦ－隠れ蓑のスチーム》が制限復帰後に環境で目立った活躍をしなかった事も後押ししている。

《グローアップ・バルブ》は２度目の制限復帰となる。

過去の主流デッキのキーカードや汎用カードが多数制限緩和ないし制限解除されている。
制限緩和は、《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》・《転生炎獣ガゼル》・《鎖龍蛇－スカルデット》・《星守の騎士プトレマイオス》・《ＢＦ－隠れ蓑のスチーム》・《雷鳥龍－サンダー・ドラゴン》・《天底の使徒》・《魔導書の神判》の８枚。
制限解除は、《オルフェゴール・ガラテア》・《鬼ガエル》・《閃刀姫－カガリ》・《八汰烏》・《呪われしエルドランド》の５枚である。

《鬼ガエル》の制限解除はスプライト本体の規制が続いたのと引き換えの面もあるのだろう。
また、《呪われしエルドランド》は上記の《スキルドレイン》規制による【エルドリッチ】の弱体化を意識したものか。

規制開始後にはDUELIST NEXUS・デュエリストパック－爆炎のデュエリスト編－の販売が控えており、そこで強化される【シンクロ召喚】・【炎属性】と相性がよい《グローアップ・バルブ》・《焔征竜－ブラスター》の制限復帰は販促の面も考慮されたのだろう。

《焔征竜－ブラスター》と《魔導書の神判》は、丁度10年前にあたる2013年の環境を席巻した【征竜】と【魔導書】のキーカードでもある。
これらが同時に緩和される点からも、この10年間でいかに環境がインフレしたのかが伺える。

禁止カード86枚、制限カード78枚、準制限カード26枚。
合計枚数は190枚。

合計枚数が初めて190枚以上になった。

禁止カード †

制限カード †

準制限カード †

制限解除 †

《呪われしエルドランド》