*非公開情報 [#top]
 [[公開情報]]ではなく、[[相手]][[プレイヤー]]が確認できない情報の通称。~
 具体的には、以下の情報が該当する。~
 これらの[[カード]]の表面を[[相手]][[プレイヤー]]は確認することができない。~
-[[手札]]の[[カード]]
-[[フィールド]]に[[裏側表示]]で存在する[[カード]]
-[[デッキ]]の[[カード]]
-[[エクストラデッキ]]に[[裏側表示]]で存在する[[カード]]
-[[裏側表示で除外>ゲームから除外する(取り除く)#ura]]された[[カード]]

 なお以下の情報は[[公開情報]]である。~
-非公開情報となっている[[カード]]の枚数
-[[裏側表示]]の[[エクシーズモンスター]]の[[エクシーズ素材]]

***非公開情報が[[効果]]処理に関わる場合について [#syori]
 遊戯王[[OCG]]には、[[相手]]の非公開情報を[[確認]]しないと[[効果]]処理が正確に行われているか判断できない場合がある。~
 例えば[[《マインドクラッシュ》]]は「[[カード名]]を1つ[[宣言]]し、その[[カード]]が[[相手]]の[[手札]]にある場合、[[相手]]はその[[カード]]を全て[[墓地]]へ[[捨てる]]」[[効果]]を持つ。~
 しかし、[[相手]]が「[[宣言]]した[[カード]]は[[手札]]にない」と回答した場合、その回答の真偽は非公開情報である[[相手]]の[[手札]]を誰かが[[確認]]しなければ判断できない。~

 この様な事態が生じた場合の処理について、[[遊戯王OCG事務局]]は以下の様に回答している。~
+どう処理するかを定めたルールはない。~
+どのように処理を行うかは、[[プレイヤー]]同士で相談して決めて欲しい。~
+[[プレイヤー]]同士で解決できない場合は、審判の判断を仰ぐこと。~

 また、審判に判断を仰いだ場合、おおむね以下のどちらかの判断がくだされる事が多い。~
-非公開情報を審判などの第三者が[[確認]]する。
-非公開情報を[[公開]]し、対戦[[相手]]に確認させる。

 当然ながら、非公開情報を有する側は[[相手]]に与える[[情報アドバンテージ]]が最小で済む前者、その対戦相手は後者の処理の方が有利である。~
 これを相談で決めようとすると、互いに自分に有利な処理を主張し平行線を辿る可能性が高いため、大会等ではまず審判を呼んで処理方法を尋ねたほうが良いだろう。~
 大会で非公開情報が関わる可能性の高い[[カード]]を使用する場合、予め審判に処理方法を確認しておくのが望ましい。~
 審判の存在しないフリーデュエルにおいても、問題が発生してからトラブルにならないよう予め処理方法を決めておいたほうが良い。~
 ショップによってはフロアルールとして定められている場合もある。~

 [[相手]]に確認できない情報だからといって、意図的に不正を行うのは当然競技者にあるまじき行為である。~
 しかし[[相手]]を極端に信用せず、頻繁に審判を呼び確認を求めるのもまた紳士的な行為とは言えない。~
 [[公認大会規定]]にも、審判により罰則を与えられうる行為の例として「必要以上に疑う等の威圧的な行為」が挙げられている。~
 互いに譲り合いの精神を持ち、円滑に[[デュエル]]することを心がけたい。~

―非公開情報が[[効果]]処理に関わる[[カード]]の例~
 非公開情報が問題となる主なパターンは、以下の4つである。~
 特にパターン1と2は発生率が高いため、該当する[[カード]]を使用する場合は注意したい。~
 パターン3・4は発生率こそ低いものの、非公開領域が関わる[[カード]]ならば極めて広範な[[カード]]で発生しうる。~

-パターン1:[[相手]]の[[手札]]・[[デッキ]]・[[エクストラデッキ]]から、特定の[[カード]]を別の場所に移す[[カード]]。~
特に「[[カード名]]や[[カードの種類]]を[[宣言]]し、その[[カード]]があった場合に[[墓地へ送る]]」といった処理の場合に発生しやすい。~
--[[手札]]:[[《マインドクラッシュ》]]・[[《アポクリフォート・キラー》]]等
--[[デッキ]]:[[《天声の服従》]]・[[《マジシャンズ・サークル》]]・[[デッキデス]][[効果]]を持つ[[ヴァンパイア]]等
--[[エクストラデッキ]]:[[《成功確率0%》]]等
---[[《マインドクラッシュ》]]とよく似た[[効果]]を持つ[[《異次元の指名者》]]は、[[テキスト]]に「[[相手]]の[[手札]]を[[確認]]し」という一文があるため、非公開情報の確認が問題になることはない。

-パターン2:[[自分]]の[[デッキ]]・[[エクストラデッキ]]から[[サーチ]]・[[リクルート]]等を行う[[強制効果]]。~
主に「[[発動条件]]を満たし強制的に[[発動]]したものの、[[デッキ]]に該当[[カード]]が残っていない」場合に、非公開情報の[[確認]]が問題となる。~
--[[サーチ]]:[[《伝説の白石》]]・[[《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》]]等
--[[リクルート]]:[[《輪廻天狗》]]・[[《墓守の偵察者》]]等
--[[エクストラデッキ]]:[[《幻想召喚師》]]等

-パターン3:相手が[[チェーン]]した[[カード]]によって、最初に[[発動]]した[[カード]]の[[効果]]が[[不発]]になった場合。~
[[効果]]処理が行える前提で[[カードの発動]]を行ったが、[[相手]]が[[チェーン]]して[[除去]]などを行ったため、[[効果]]処理が行えず[[カードの効果]]が[[不発]]になる場合がある。~
この時、「本当に[[不発]]なのか」は非公開領域を[[確認]]しなければ判断できない状況が発生しうる。~
--例1:[[プレイヤー]]Aの[[《融合》]]に[[チェーン]]して[[プレイヤー]]Bが[[除去]][[カード]]を[[発動]]し、Aが[[融合素材]]にしようと考えていた[[カード]]が失われた。~
しかし[[《融合》]]で何を[[融合召喚]]するかは[[効果解決時]]に決めるので、何らかの[[融合召喚]]可能な[[融合モンスター]]が存在するならばAはそれを[[融合召喚]]しなくてはならない。~
「[[融合召喚]]を行うには明らかに場の[[モンスター]]や[[手札]]の数が足りない」などの状況を除き、本当に[[不発]]なのかはAの[[手札]]や[[エクストラデッキ]]を[[確認]]しなければBには分からない事になる。~
--例2:Aの[[《増援》]]に[[チェーン]]してBが[[デッキ破壊]][[カード]]を[[発動]]し、[[デッキ]]の[[戦士族]]が全て[[墓地]]に送られてしまった。~
しかし「[[デッキ]]に[[戦士族]]が残っていない」事は、Aの[[デッキ]]を[[確認]]しなければBには真偽が分からない。~

-パターン4:[[空撃ち]]となるか否かが、非公開情報の状況による場合。~
--例1:[[《御前試合》]]の影響下において、[[《ローンファイア・ブロッサム》]]の[[効果]]で自身を[[リリース]]し[[炎属性]][[モンスター]]を[[特殊召喚]]することは、「[[デッキ]]に[[炎属性]]以外の[[リクルート]]可能な[[モンスター]]が存在する場合のみ可能」とされている。~
しかし[[デッキ]]は非公開情報なので、上記の条件をきちんと満たしているのかは[[相手]]には分からない。~
--例2:Aは[[チェーン]]1で[[《増援》]]、更に[[チェーン]]2で[[《貪欲な瓶》]]を[[発動]]し、[[《貪欲な瓶》]]で[[デッキ]]に[[戻した>戻す]][[モンスター]]を[[《増援》]]で[[手札]]に加えた。~
しかし[[《増援》]]の[[発動]]時点で[[戦士族]]が[[デッキ]]になかったのであれば、Aは[[《増援》]]の[[空撃ち]]を行った事になる。~

―以前の裁定について~
 長らく[[OCG]]では「非公開情報が効果処理に関わる場合、[[相手]]が非公開情報の[[公開]]を求めたならば応じなくてはならない」という裁定が出ていた。~
 2016年6月、[[《天声の服従》]]についての質問の中で[[裁定変更]]が明らかになり、''この件について[[遊戯王OCG事務局]]は公式な処理方法を定めない''という現行の形となった。~
 それまで確実に[[ピーピング]]できていた[[《マインドクラッシュ》]]等は[[弱体化]]し、逆に[[《伝説の白石》]]などは運用時のリスクが軽減された事になる。~

**リンク [#link]
-[[公開情報]]

-[[用語集]]