*サクリファイス・エスケープ [#top]

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 「サクリファイス/Sacrifice([[生け贄に捧げる]])」と「エスケープ/Escape(回避する)」を連ねた語。(非公式用語)~
 原作でも使われた用語ではあるが、ルールの都合上、[[OCG]]とは厳密には異なるテクニックとなっている。~
 [[相手]]の[[モンスター除去]]に[[チェーン]]して[[除去]][[対象]]の[[モンスター]]を[[リリース]]することで、[[モンスター除去]]を回避するテクニックを指す。~
 その性質上[[チェーン]]2以降で[[発動]]する必要があるため、基本的に[[フリーチェーン]]の[[カード]]によって行うことになる。~

 具体例としては、[[自分]]の[[モンスター]]が[[除去]]の[[対象]]となった時に、[[《ゴッドバードアタック》]]を[[チェーン]]して[[対象]]となった[[モンスター]]を[[リリースする]]、などが挙げられる。~
 通常であれば[[《ゴッドバードアタック》]]は[[コスト]]を要するため、2:2交換となる。~
 しかし、[[除去]]される[[モンスター]]を[[コスト]]にした場合、[[相手]]の[[除去]][[カード]]が[[対象]]不在で無駄撃ち状態となるため、[[相手]]は[[《ゴッドバードアタック》]]で[[破壊]]される2枚に加え、[[除去]][[カード]]もタダで失うこととなる。~
 これにより事実上の2:3交換、[[相手]]の[[除去]]の[[コスト]]によってはそれ以上の[[アドバンテージ]]を疑似的に稼ぐことが可能となる。~
 [[カード・アドバンテージ]]を重視するこのゲームにおける重要なテクニックである。~

-[[カード・アドバンテージ]]は得られるが[[ボード・アドバンテージ]]は失ってしまうので、[[直接攻撃]]等で[[ライフ・アドバンテージ]]を稼がれる可能性はある。~
[[《月の書》]]による[[対象]]外しや[[カウンター罠]]で[[除去]]を直接[[無効]]にする方が[[フィールド]]の維持という点では優れている。~

-[[フィールド]]の自身を[[リリース]]する[[誘発即時効果]]を持つ[[モンスター]]はこの回避方法が使える。~
[[相手]]にも[[効果]]を把握されているため、実際にこの回避方法を使う場面は少ないだろうが、牽制としては十分機能する。~

-[[除去]]以外にも、[[《エフェクト・ヴェーラー》]]や[[《無限泡影》]]などの「[[対象]]の[[効果を無効]]にする」[[効果]]を[[不発]]にさせる手もある。~
//この点を利用して[[モンスター効果]]を通すのも、このテクニックの範囲に入る。

-[[対象をとる効果>対象をとる(指定する)効果]]に対しては有効であることが多いが、[[対象をとらない効果]]には注意。~
例として、「[[自分]]の[[フィールド]]に[[攻撃表示]][[モンスター]]が2体いる場合」の[[《炸裂装甲》]]と[[《万能地雷グレイモヤ》]]で比較する。~
[[《炸裂装甲》]]の場合、[[対象]]となった[[モンスター]]を[[リリースする]]ことで[[不発]]にさせることができ、[[相手]]が浪費したその[[カード]]分の[[アドバンテージ]]をとれる。~
[[《万能地雷グレイモヤ》]]の場合、[[効果処理時]]に[[破壊]]する[[モンスター]]を決定するので、[[発動]]時に[[モンスター]]を1体[[リリース]]しても結局残った方の[[モンスター]]が[[破壊]]されてしまう。~
そのため、[[不発]]になりづらい「[[対象をとらない効果]]」が一定の評価を得ているのである。~

-「[[モンスター]]を[[リリース]]して回避する」と前述したが、実際のところは下記のように[[リリース]]以外の方法で回避する場合でもサクリファイス・エスケープと呼ばれている。~
ただし、「ただ[[自分]]で[[破壊]]するだけ」では[[アドバンテージ]]を失うため、基本的には[[効果破壊]]を条件とする[[効果]]や、[[除外]]を防ぎ[[墓地]]に置くため等、[[コンボ]]が前提となる。~

--[[破壊]]:自ら[[モンスター]]を[[破壊]]する事で[[相手]]の[[モンスター除去]]等を回避する。~
[[《ジェネレーション・チェンジ》]]・[[《本陣強襲》]]等。~

--[[バウンス]]:[[モンスター]]を[[手札]]に[[戻す]]事で[[相手]]の[[モンスター除去]]等を回避する。~
[[《強制脱出装置》]]・[[《マジェスペクター・ユニコーン》]]等。~

--[[除外]]:[[モンスター]]を[[除外]]する事で[[相手]]の[[モンスター除去]]等を回避する。~
[[《亜空間物質転送装置》]]・[[《PSYフレームロード・Ω》]]等。~

--各種素材にする:[[モンスター]]を各種[[召喚>モンスターの召喚]]の素材にする事で[[相手]]の[[モンスター除去]]等を回避する。~
[[《フォーミュラ・シンクロン》]]・[[《I:Pマスカレーナ》]]等。~

-[[マスタールール]]以降は「[[生け贄に捧げる]]」から「[[リリースする]]」に名称が変更されたことから、「リリース・エスケープ」と呼ばれることもある。~
ただし、非公式用語であるためどちらが正しいということはなく、引き続きサクリファイス・エスケープと呼ばれることが多い。

-原作・アニメにおいて―~
「バトルシティ編」「闇遊戯vs闇マリク」戦において[[《ラーの翼神竜》]]の[[攻撃]]に対して[[《ディメンション・マジック》]]を[[発動]]した際に使われた用語である。~
また、「ドーマ編」の「闇遊戯vsグリモ」戦においても[[速攻魔法]]《&ruby(マジカルアカデミー){魔法大学};》([[《拡散する波動》]]参照)を使用する際に遊戯が発言していた。~
[[OCG]]では[[攻撃]]時に[[モンスター]]の数が増減した場合[[巻き戻し]]が発生するが、原作のルールでは[[戦闘]]の[[巻き戻し]]が行われないため、[[攻撃]]を終了させられる手段となっている。~

--漫画遊戯王Rの「闇遊戯vs天馬月光」戦において闇遊戯が行っている。~
[[《邪神ドレッド・ルート》]]の[[《THE トリッキー》]]への[[攻撃]]に際し[[魔法カード]]《魂の交換−ソウル・バーター》により[[《THE トリッキー》]]と[[墓地]]の[[《クィーンズ・ナイト》]]を入れ替え、[[攻撃]]を回避した。
---なお、この時は「リリーフ・エスケープ」と呼ばれていた。

--アニメGX以降のアニメでは[[バトルステップの巻き戻し]]ありのルールが採用されているため、[[攻撃]]に関してはサクリファイス・エスケープがまず発生しない。~
(一応、原理的にはダメージステップ中に何らかの効果を使用することで可能となる)~
そのためか、「[[バトルフェイズ]]を終了する」「[[戦闘ダメージ]]を減らす」系の[[効果]]を持つカードはいくつか登場している。~
[[対象をとる効果>対象をとる(指定する)効果]]に関しては、「十代vsエド」(2戦目)、「十代vsオブライエン」戦等において十代が[[《融合解除》]]による回避を実践している。

--アニメ5D'sの「ジャックvsシド」戦においてジャックが行っている。~
[[《バイス・ドラゴン》]]が《コンバット・ホイール》の[[攻撃]]を受けた際に、[[《バイス・ドラゴン》]]を[[《ナイトメア・デーモンズ》]]の[[発動]][[コスト]]にすることで[[ダメージを受ける]]のを回避した。~
[[《バイス・ドラゴン》]]が[[《コンバット・ホイール》]]の[[攻撃]]を受けた際に、[[《バイス・ドラゴン》]]を[[《ナイトメア・デーモンズ》]]の[[発動]][[コスト]]にすることで[[ダメージを受ける]]のを回避した。~
同じく「ジャックvsドラガン」(2戦目)でもジャックが行っている。~
この時は「[[リリース]]・エスケープ」と呼ばれていた。~
また、「アキvsアンドレ」戦では、アンドレが《スピード・ワールド2》の[[効果]]でアキの残り[[ライフ]]800を削りきろうとした際に、アキがその[[ライフ]]を[[コスト]]に[[《ウィキッド・リボーン》]]を[[発動]]している。~
これにより、《スピード・ワールド2》の[[効果]]を[[不発]]にした上で、次の走者の遊星に[[《スターダスト・ドラゴン》]]を託した。~
WRGPの特殊なルールだからこそできたプレイングではあるが、これも一種のサクリファイス・エスケープといえる。~

**関連リンク [#link]
-[[フリーチェーン]]

-[[用語集]]