*スイスドロー/Swiss Draw [#top]
 別名「スイス式」・「スイスラウンド(Swiss Round)」・「スイストーナメント(Swiss Tournament)」とも呼ばれる大会の開催形式の一つ。~
 勝敗にかかわらず同じ試合数をこなすのが基本であり、定義や順位の決め方等についてはTCGの元祖「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」の「[[スイスドロー>http://www.mtgwiki.com/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC]]」形式(外部サイト)に基づいている。~
 大会参加者全員と対戦する「総当たり」戦とは異なり、次の対戦[[相手]]は「[[自分]]と同戦績の[[相手]]」となっている。~
 (例えば4回戦目を戦う時、それまでの戦績が1勝2敗なら1勝2敗の[[相手]]と、3勝0敗なら3勝0敗の[[相手]]と戦う)~
 これを[[マッチ]]戦毎に繰り返して1人の優勝者を選ぶ場合、具体的に第何回戦(第何ラウンド)までやるのかは、大会の参加人数によって決まる。~
 従って以下の表(一例)にある回数だけ[[マッチ]]戦を行えば、必ず全勝者が1人になり、優勝が決定可能となる。~

|CENTER:|CENTER:|c
|大会参加人数枠|[[マッチ]]戦での対戦数(目安)|
|4人|2回戦|
|8人|3回戦|
|16人|4回戦|
|32人|5回戦|
|64人|6回戦|





 上記の表からもわかるように大会の形式上、(大会参加人数枠が16名以上の大会において)上位入賞又は優勝を狙うのならばほぼ全勝が求められる。~
 これにより「スイスドロー」形式が採用されている大会やイベントの場合、2敗した時点で上位に残ることは難しい仕様となっている。~
 その為2敗がトーナメントから[[棄権>サレンダー]]する引き際となっており、多くの[[プレイヤー]]は予選で2敗した時点でその次の[[対戦>デュエル]]には参加しない場合が多い。~
 もちろん、''大会やイベントでの[[対戦>デュエル]]前に不参加・[[棄権>サレンダー]]の意思表示を示したい場合は、次の[[マッチ]]戦までに審判・大会運営スタッフにその趣旨を伝える''のがマナーである。~
 しかし、中には2敗した時点で審判・大会運営スタッフへ報告無く、勝手に不参加・[[棄権>サレンダー]]する[[プレイヤー]]もいる為、こうしたマナー違反は一種の問題行為として位置づけられている。~

 非公式の大会やイベント等での「トーナメント」は予選等で「スイスドロー」形式を行うのが常態化している為、一般的な「トーナメント」というと''この「スイスドロー」形式と「[[シングルエリミネーション>トーナメント]]」形式を併用したもの''を指す場合が多い。~
 一般的な「トーナメント」の大会形式が普及するようになってからは、上記のマナー違反への対策の一環も兼ねて参加人数が100人以上の大会やイベント等では、予選段階での参加人数に応じて(2敗までの[[プレイヤー]]でも)本選出場が出来るよう、ブロック毎に区切って下記の「スイスドロー」形式の対戦を実施し、本選出場者を決定する形式も普及するようになった。~
 所謂「[[シングルエリミネーション>トーナメント]]」形式・「総当たり」戦に比べ構造的に以下の[[メリット]]・[[デメリット]]がある。~
-[[メリット]]~
--「[[シングルエリミネーション>トーナメント]]」に比べて「まぐれ優勝」が減る。~
--「[[シングルエリミネーション>トーナメント]]」とは異なり(基本的には)勝敗に関係なく最後まで大会に参加できる。~
--(少なくとも中〜後半は)実力の近い者同士が対戦可能なので純粋にゲームを楽しみやすい。
--(大会の規模によっては)全ての参加者の順位を算出できる。
--成績によっては(1敗〜2敗の場合でも)上位に食い込む可能性が残る。~

-[[デメリット]]
--[[マッチ]]戦が1回終わるたびに全ての試合が終了しないと次の対戦表を作れない。~
--参加者全員の対戦結果集計+次回戦の組み合わせ作成作業が入るため、運営者の負担が大きい。
--対戦が終わってから組み合わせを作るので、この先誰と対戦するのかが分かりにくい。~
--次の[[マッチ]]戦までに時間が掛かる為、多くの[[プレイヤー]]が対戦会場に必要以上に拘束されてしまう。~
--同位・同成績[[プレイヤー]]が複数並んだ場合の[[優劣の付け方>ショップデュエル#ranking]]がかなり複雑であり、ルールに詳しい人でないと分かりづらい。

このため、実際の大会やイベントでは大会参加人数枠に応じて以下の対応を行っているケースが多い。~
-大会参加人数枠4名〜8名の場合:スイスドロー形式は実施せず、代わりに「総当たり」戦を行う。~
-大会参加人数枠9名〜16名の場合:参加人数枠が「奇数」又は「偶数」によって以下の形式になっている。~
--「奇数」の場合は以下の通り~
(1):参加者の中に事前に「他の大会での上位入賞者もしくは優勝者」又は「序盤(特に第1回戦)前での組み合わせで余った人」が存在する場合、その[[プレイヤー]]1名〜3名を不戦勝扱いにして上位の試合から参加する権利(所謂「シード権」)を与える。~
(2):「シード権」を持っている[[プレイヤー]]以外でスイスドロー形式の[[マッチ]]戦を2回程度行い、その時点での成績上位3名〜5名の[[プレイヤー]]は「シード権」を持っている[[プレイヤー]]同様、待機列に移動する。~
この時点で残った[[プレイヤー]]は引き続き対戦を行う。~
(3):(2)で待機していた[[プレイヤー]]同士で[[マッチ]]戦を3回程度行い、その成績で順位決定を行う。~

--「偶数」の場合は以下の通り~
(1):参加者の中に事前に「他の大会での上位入賞者もしくは優勝者」''2名''が存在する場合、その[[プレイヤー]]を不戦勝扱いにして上位の試合から参加する権利(所謂「シード権」)を与える。~
(この時点で「該当者がいない」又は「1名のみ」の場合はそのまま次へ移行する)~
(この時点で「該当者がいない」又は「1名のみ」の場合は、上記の「シード権」の付与は行わずそのまま次へ移行する)~
(「該当者が3名以上」の場合は[[ジャンケン]]や[[ダイスロール>サイコロ]]等を用いて「シード権」を付与する[[プレイヤー]]を''2名''選定し、残りは次へ移行させる)~
(2):(1)以外の[[プレイヤー]]同士でスイスドロー形式の[[マッチ]]戦を2回程度行い、その時点での成績上位2名〜3名の[[プレイヤー]]は「シード権」を持っている[[プレイヤー]]同様、待機列に移動する。~
この時点で残った[[プレイヤー]]は引き続き対戦を行う。~
(3):(2)で待機していた[[プレイヤー]]同士で[[マッチ]]戦を2回〜3回程度行い、その成績で順位決定を行う。~

-大会参加人数枠17名以上の場合:参加人数枠が「奇数」又は「偶数」によって以下の形式になっている。~
--「奇数」の場合は以下の通り~
(1):上記同様、参加者の中から成績・抽選に基づいて事前に[[プレイヤー]]3名〜5名(大会参加人数枠が65名以上の場合は最大7名)を不戦勝扱いにして上位の試合から参加する権利(所謂「シード権」)を与える。~
(2):「シード権」を持っている[[プレイヤー]]以外でスイスドロー形式の[[マッチ]]戦を3回〜6回程度(大会参加人数枠が65名以上の場合は最大8回)行い、その時点での成績上位3名〜5名(大会参加人数枠が65名以上の場合は最大8名)までの[[プレイヤー]]は「シード権」を持っている[[プレイヤー]]同様、待機列に移動する。~
この時点で残った[[プレイヤー]]は引き続き対戦を行う。~
(3):(2)で待機していた[[プレイヤー]]同士でスイスドロー形式の[[マッチ]]戦を3回〜4回程度行い、その成績で順位決定を行う。~
--「偶数」の場合は以下の通り~
(1)上記同様、参加者の中に事前に該当者''2名''が存在する場合、その[[プレイヤー]]に上位の試合から参加する権利(所謂「シード権」)を与える。~
(この時点で「該当者がいない」又は「1名のみ」の場合はそのまま次へ移行する)~
(この時点で「該当者がいない」又は「1名のみ」の場合は、上記の「シード権」の付与は行わずそのまま次へ移行する)~
(「該当者が3名以上」の場合は[[ジャンケン]]や[[ダイスロール>サイコロ]]等を用いて「シード権」を付与する[[プレイヤー]]を''2名''選定し、残りは次へ移行させる)~
(2):(1)以外の[[プレイヤー]]同士でスイスドロー形式の[[マッチ]]戦を3回〜6回程度程度(大会参加人数枠が65名以上の場合は最大8回)行い、その時点での成績上位4名(大会参加人数枠が65名以上の場合は最大8名)までの[[プレイヤー]]は「シード権」を持っている[[プレイヤー]]同様、待機列に移動する。~
この時点で残った[[プレイヤー]]は引き続き対戦を行う。~
(3):(2)で待機していた[[プレイヤー]]同士でスイスドロー形式の[[マッチ]]戦を2回〜3回程度行い、その成績で順位決定を行う。


-[[マスタールール2]]施行以降、この形式での[[公認大会]]・[[ショップデュエル]]では、[[エキストラターン]]における勝敗決定のルールが変更された。
詳しくは[[エキストラターン]]を参照。~

**関連リンク [#link]
-[[トーナメント]]
-[[大会用語集]]