*&ruby(こうこう){後攻};/Second Player [#top]
 [[ジャンケン]]をして、勝者が[[先攻]]後攻を選択します。~
 なお、次の[[デュエル]]の[[先攻]]後攻の選択権は、前の[[デュエル]]の敗者にあります。~

(公式ルールブック ver2.1より引用)
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 後攻(こうこう、あとぜめ)は、[[先攻]]ではない[[プレイヤー]]のこと。~
 [[デュエル]]の第2[[ターン]]が最初の[[自分]]の[[ターン]]となる。~
 「[[デュエル]]の2[[ターン]]目を[[ターンプレイヤー]]として[[プレイ]]すること」自体を指す事もある。~
 [[先攻]]後攻の有利不利については「[[先攻]]」のページを参照。

-1[[ターン]]目に[[通常のドロー]]と[[バトルフェイズ]]が行えない[[先攻]]と異なり、後攻は1[[ターン]]目から全ての行動を取る事ができる。~
一方、[[先攻]]の[[プレイヤー]]は(基本的に)1[[ターン]]目に[[罠カード]]を恐れずに行動できるのに対し、後攻の[[プレイヤー]]は初手から[[相手]]の[[罠カード]]を警戒しなければならない。~
また、[[先攻]]が[[《ライオウ》]]や[[《真六武衆−シエン》]]のようなこちらの行動を阻害する[[モンスター]]を初手で出してきた場合、後攻の行動は1[[ターン]]目から更に制限されてしまう。~
言うなれば、[[先攻]][[プレイヤー]]は「初手で自由に動く権利」の代わりに1[[ターン]]目の[[ドロー]]を失い、後攻[[プレイヤー]]は1[[ターン]]目の[[ドロー]]の代わりに「初手で自由に動く権利」を失っていると言える。~

--[[マスタールール3]]導入以前は[[先攻]]1[[ターン]]目も[[通常のドロー]]が可能だったため、[[先攻]][[プレイヤー]]は何のリスクもなく1[[ターン]]目を自由に[[プレイ]]し、[[自分]]に有利な布陣を敷いて後攻[[プレイヤー]]を[[制圧]]する事ができた。~
よって、[[新エキスパートルール]]制定から[[マスタールール2]]までの期間、遊戯王[[OCG]]は長らく後攻が圧倒的に不利なゲームであった。~
[[マスタールール3]]導入以降も、[[アドバンテージ]]の獲得が容易く、尚且つ[[相手]]の妨害手段を複数積んでいる[[環境]]クラスの[[デッキ]]では[[先攻]]を取る[[メリット]]の方が[[手札]]1枚のそれよりも大きいことが多い。~
昨今の[[環境]]の高速化や後攻[[1ターンキル]][[デッキ]]の多様化が顕著になったとはいえ、現在の遊戯王[[OCG]]では結局のところ、後攻不利という風潮はあまり変わっていない。~


--[[戦闘ダメージ]]を与えることに特化しており盤面の[[制圧]]が苦手な[[デッキ]]や、[[相手]][[フィールド]]に[[モンスター]]が存在することを求める[[デッキ]]の場合はトーナメントでも後攻を取りに行くことが多い。~
前者の例としては[[【未来オーバー】]]や[[【ファーニマル】]]、後者の例としては[[【壊獣】]]が、両方の特徴を程なく合わせ持つものとしては[[【ヌメロン】]]などが挙げられる。~
ただし、それらの[[デッキ]]ですら一時期は、[[【十二獣】]]などの他の[[デッキ]]の要素を取り入れて[[先攻]]を取りに行く例も見られた。~
それらから後に登場した[[【御巫】]]はある程度[[先攻]]の制圧力と高い[[耐性]][[効果]]を持ち、後攻[[1ターンキル]]を可能とした後攻[[デッキ]]のハイブリッド様な存在である。~

--[[【デミスドーザー】]]流行時のカードプールでは有力な[[手札誘発]][[カード]]に乏しく、[[ミラーマッチ]]での後攻[[1ターンキル]]を警戒して後攻を選択するプレイヤーも見られた。~


--基本的に「圧倒的[[先攻]]有利」が鉄則である[[遊戯王OCGの歴史]]の中でも、この風潮に一石を投じた[[カード]]も極少数存在する。~
第4期〜5期にかけて猛威を振るった[[《サイバー・ドラゴン》]]は、まさにその開祖といえる。~
[[シンクロ召喚]]・[[エクシーズ召喚]]のない時代に[[攻撃力]]2100が[[特殊召喚]]で出現することは大きな脅威であり、[[先攻]]1[[ターン]]目に[[《サイバー・ドラゴン》]]以上の[[攻撃力]]の[[モンスター]]を出す手段も乏しかった。~
[[《サイバー・ドラゴン》]]を先出しできる事は後攻にとっての大きな[[アドバンテージ]]となっていたのである。~
その後、第9期までは「[[相手]]の[[先攻]]1[[ターン]]目でも[[手札]]から使える[[カード]]」として優秀な[[手札誘発]][[カード]]が次々と登場したものの「後攻にとっての大きな[[アドバンテージ]]」には結びつかないケースが多かった。~
第10期では[[相手]]の[[先攻]]1[[ターン]]目でありながら[[《オルターガイスト・マルチフェイカー》]]+[[《無限泡影》]](又は[[《タイフーン》]])の[[コンボ]]で[[相手]]の行動を大きく妨害でき、後攻であっても大きな[[アドバンテージ]]を得られる[[【オルターガイスト】]]が[[18/01/01>リミットレギュレーション/2018年1月1日]]以降の[[環境]]に姿を見せるようになる。~
この[[コンボ]]は「[[相手]]の[[先攻]]1[[ターン]]目に[[相手]]の[[マストカウンター]]を潰して行動を邪魔しつつ、こちらは[[オルターガイスト]][[モンスター]]を[[リクルート]]して複数展開を行う」という所謂「後攻0[[ターン]]目」という概念を確立させた。~
更に、第10期後半ごろからは[[《ダイナレスラー・パンクラトプス》]]・[[《ライトニング・ストーム》]]・[[《冥王結界波》]]などの[[先攻]]初手では[[腐る]]が後攻初手では有効利用できる[[カード]]が増えてきている。~
これらの[[カード]]は[[サイドデッキ]]に投入して2戦目以降の後攻時に投入される事が多いが、あえて[[メインデッキ]]に[[積み>積む]]後攻に特化した[[デッキ]]も存在する。~
11期後期に登場した[[【御巫】]]はテーマ単位で後攻での[[1ターンキル]]を得意としており、[[攻撃]]の的となる[[壊獣]]に加え上記の「捲り札」も多く採用している。~
[[【エレキ】]]は12期に受けた強化で展開力を得、これも後攻[[1ターンキル]]を得意する[[デッキ]]となった。~

--大会における後攻特化の[[デッキ]]の強みは勝敗が[[ジャンケン]]に左右されにくい点にある。~
大会では一般的な[[先攻]]を取りに行く[[デッキ]]の場合、最初の[[ジャンケン]]に勝って初戦で[[先攻]]を取れるか否かが[[マッチ]]全体の勝敗を左右しかねない大きな要素となる。~
一方、[[後攻]]に特化した場合は最初の[[ジャンケン]]でたとえ負けようとも大概は望み通り後攻が得られるため、([[カード]]の引きを別にすれば)運に委ねる要素を減らせる。~
というより、下手に[[ジャンケン]]に勝って後攻を選ぶと[[相手]]に[[自分]]の[[デッキ]]の特徴を悟られるので、寧ろ負けた方が都合が良いとも考えられる。~

-原作・アニメにおいて―~
アニメGXの「十代vsカイザー亮」(2戦目)では、十代に[[先攻]]・後攻の選択権があったのだが、後攻にすることを選んでいる。~
上記の様に後攻で力を発揮する[[《サイバー・ドラゴン》]]を使う亮への対策であり、またこの際、「カイザーは後攻を得意とするデュエリスト」とはっきり言及している。~

--亮のように明言はされていないが、アニメ5D'sのジャックも後攻を得意としている。~
後攻1[[ターン]]目で[[《サイバー・ドラゴン》]]と同じ[[召喚条件]]を持つ[[《バイス・ドラゴン》]]と[[レベル]]3[[チューナー]]を並べ、[[《レッド・デーモンズ・ドラゴン》]]を[[シンクロ召喚]]するのが物語中盤以降のお決まりの戦術となっている。~
序盤では後攻1[[ターン]]で[[貫通]][[効果]]持ちの[[モンスター]]で[[攻撃]]を行い、[[ライフポイント]]を削っていく戦術だった。

--アニメVRAINSの主人公である遊作/Playmakerは殆どの[[デュエル]]で後攻を選択しており、(尺の都合からか)1話で終わる短い[[デュエル]]では後攻[[1ターンキル]]で決着がつくこともしばしば見られる。~
同番組で頻繁に行われる[[スピードデュエル]]は初期[[手札]]が4枚と少なく、彼が扱う[[【サイバース族】]]は[[手札]]消費が荒いため、少しでも[[手札]]を増やしたいという制作側の事情も関係していると思われる。~
彼が[[先攻]]を取ったのは放送開始9か月後の「vsリボルバー」(3戦目)が最初であり、この際わざわざ「[[先攻]]で行かせてもらう」と断っている。~
「vsアース」戦では初期[[手札]]5枚を引いてからしばし無言となり、Aiから開始を促されたアースの方から後攻を希望する珍しいシーンも見られた(この時はPlaymakerが譲歩して[[先攻]]を選んでいる)。~
なお、言うまでもないことだが、[[OCG]]では不正防止のため初期[[手札]]を引く前に[[先攻]]・後攻を決めなければならない。~

--同作の「島直樹/ロンリーブレイヴvsハノイの騎士」戦では、初期[[手札]]が完全な[[手札事故]]に陥っていたロンリーブレイヴは後攻が決まった瞬間に心の中で喜んでいる。~
後攻1[[ターン]]目の[[ドロー]]で[[手札事故]]を解消するチャンスが貰えたためだろうが、後攻を喜ぶ描写は非常に珍しい。~
なお、(本人の思惑とは外れた形ではあっただろうが)実際に1[[ターン]]目の[[ドロー]]1枚で勝利しているため、後攻の利が活きた[[デュエル]]だったと言える。~

-コナミのゲーム作品において―~
--[[スピードデュエル]]準拠のゲームである「デュエルリンクス」では、初期[[手札]]・[[ライフ]]の少なさ、そして[[魔法&罠ゾーン]]が狭い事に加え[[手札誘発]]の防御札が充実していない事もあって、[[OCG]]と比較すると後攻が有利になる場面が多い。~
また「デュエルリンクス」では[[デュエル]]開始時に自動的に[[先攻]]後攻が決まる為[[プレイヤー]]が自由に決める事はできない仕様になっている。~
---期間限定イベント「レイドデュエル」では、プレイヤー側が必ず後攻になる。~
このイベントでは10ターン(自分ターンで数えて5ターン)しか猶予がない関係上、[[先攻]]よりも1ターン攻撃のチャンスが多い後攻の方が都合が良いためだろう。


**関連リンク [#link]
-[[先攻]]

-[[デュエル]]
-[[マッチ]]

-[[公式用語集]]
-[[公式ルールブック:http://www.yugioh-card.com/japan/howto/rule_book.php]]