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《八俣大蛇(ヤマタノドラゴン)/Yamata Dragon》 †

スピリット・効果モンスター
星７/炎属性/ドラゴン族/攻2600/守3100
このカードは特殊召喚できない。
(1)：このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
自分は手札が５枚になるようにデッキからドローする。
(2)：このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。

　Mythological Age －蘇りし魂－で登場した炎属性・ドラゴン族の最上級スピリットモンスター。
　スピリットモンスター共通の召喚条件・誘発効果と、デッキからカードをドローする誘発効果を持つ。

　最大で５枚という驚異のドローが可能になる効果を持つ。
　魔法・罠カードをセットすれば手札は容易に減らせるため、《強欲な壺》以上のドロー効率を期待できる。
　スピリット共通の効果により特殊召喚できないが、多少無理してアドバンス召喚をしても、効果さえ発動できればアドバンテージの回復も難しくない。
　手札に戻っても、そのドローしたカードで召喚を補助してやれば、毎ターン恐ろしい速度でデッキを掘り進められる。

　ただし、相手に全く干渉しない効果のため、《素早いモモンガ》や《ジェスター・コンフィ》等を詰め込んでおけばいいという訳でもない。
　攻撃力も上級モンスターを少し上回る程度で、多くのエース級モンスターには遅れをとってしまうため、併用するカードはよく考慮する必要がある。
　併用するカードとしては、手札で余るモンスターよりも、事前にセットできる魔法・罠カードを多めにしたい。
　このカードの効果を通しやすくするカウンター罠と《人造天使》の組み合わせは非常に理想的だが、《人造天使》が引けない場合の手札事故が怖いので難しいところ。
　《火之迦具土》同様、《死皇帝の陵墓》等が重要となる。
　《帝王の烈旋》や《ふわんだりぃずと未知の風》も攻撃力の上回るモンスターを除去できるため相性が良い。
　《ふわんだりぃず×すのーる》との相性も抜群であちらの効果でこのカードのアドバンス召喚と戦闘ダメージを補助しつつ、あちらの手札コストを回復できる。
　《クシャトリラ・バース》ならレベル７限定でリリースが不要になるため《火之迦具土》にはない強みとなる。

　ドラゴン族であるため、《ミンゲイドラゴン》や《霊廟の守護者》のダブルコストモンスターに対応する。
　《テラ・フォーミング》で《死皇帝の陵墓》と使い分けられる《竜の渓谷》を用いれば、これらを墓地へ送る事はそう難しくない。
　手札に戻る分、《コアキメイル・ドラゴ》の維持コストに使える状況も僅かながら増える。
　手札に戻った後、再び召喚する事が難しい状況であるならば、《七星の宝刀》のコストにしてしまってもいいだろう。

　下級モンスターを軸とした【スピリット】では手札が溜まりやすいので、効果を最大限に発揮できる使いどころは意外と少ない。
　フィールドががら空きになりがちなので、対策用の罠カードをドローするぐらいといったところか。
　【クリフォート】に《荒魂》と併せて入れれば、リリースされて発動したクリフォートの効果で伏せカードやモンスターなどを除去できるため、効果の発動が容易になる。

スピリットモンスターの中でも維持が明確なメリットとなる数少ないモンスター。
《禁じられた聖杯》や《伊弉凪》といった維持カードも自身の効果でドローできる機会が増え、２回目のドローにさえ成功すれば、これらのディスアドバンテージも簡単に消し飛ぶ。
《エフェクト・ヴェーラー》を使われた場合、そのまま居座ることになるのは《火之迦具土》と同じだが、あちらと違い戦闘ダメージを回避できなければ被害を軽減する（手札を予め使用・セットしておく）という処置がとれない点で優れる。

第１期初頭に登場した《ヤマタノ竜絵巻》とはカード名が似ているが、公式書籍などで両者の関係について触れられたことはなく、関連は不明。

モチーフは記紀神話に登場する、身が１つで頭と尾が８つある大蛇「ヤマタノオロチ」。
『日本書紀』では「八岐大蛇」、『古事記』では「八俣遠呂智」と書き、このカードの「八俣大蛇」は合成である。
「やまた」とは「八つの山に跨ぐ」の意で、背に植物が生えるほどの巨体で村々を荒らしていた。
天界から追放されたスサノオに酒を飲まされ、泥酔し眠った所を全ての頭と尾を切って退治される。
最後の尾を切ろうとした時に、のちに「草薙剣」と呼ばれることになる、｢天叢雲剣（アメノムラクモノツルギ）」が尾の中から出現したという。
また、一説によるとスサノオとの戦いに敗れて逃げた後、そこで人間の娘との間に儲けた子供が、全ての鬼の原型とされる酒呑童子だという。

《ラストバトル！》のイラストでは、原典とは異なりスサノオではなく《火之迦具土》と戦っている。
名前が「ヤマタノドラゴン」となっているように、OCG界では日本神話とは異なるオリジナルのモンスターとして活躍しているようである。
なお、こちらの効果が手札増強であるのに対しあちらの効果はハンデス、と効果も対極になっている。

このカードを炎属性とするのは、八岐大蛇が火山による火砕流を神格化した怪物である、という説を元にしているのだろう。
一般的に、八岐大蛇は主に洪水の化身などとして解釈されることが多く、炎属性として描かれるのは珍しいと言える。
また一説には、八岐大蛇の赤い眼は、たたら場の炎をイメージしたものとも言われる。