【ヴォルカニック】

デッキの概要

 ヴォルカニックブレイズ・キャノンを中心としたバーン主体の【炎族】
 バーンモンスター除去を駆使するため、コントロール色が若干強い。
 採用するカードによって、【ビートバーン】【ロックバーン】のどちらにもできるのが魅力。

《ヴォルカニック・バレット/Volcanic Shell》
効果モンスター
星1/炎属性/炎族/攻 100/守   0
(1):このカードが墓地に存在する場合、1ターンに1度、500LPを払って発動できる。
このカードが墓地に存在する場合、デッキから「ヴォルカニック・バレット」1体を手札に加える。
《ヴォルカニック・リムファイア/Volcanic Rimfire》
効果モンスター
星1/炎属性/炎族/攻 300/守   0
(1):このカードが墓地へ送られた場合、以下の効果から1つを選択して発動できる
(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか適用できない)。
●墓地のこのカードを除外し、デッキから「ヴォルカニック・リムファイア」以外の「ヴォルカニック」モンスター1体を墓地へ送る。
●自分のフィールド(表側表示)・墓地から「ブレイズ・キャノン」カード1枚を除外し、
手札・デッキから「ブレイズ・キャノン」永続魔法・永続罠カード1枚を自分フィールドに表側表示で置く。
《ヴォルカニック・バックショット/Volcanic Scattershot》
効果モンスター
星2/炎属性/炎族/攻 500/守   0
(1):このカードが墓地へ送られた場合に発動する。
相手に500ダメージを与える。
(2):このカードが「ブレイズ・キャノン」カードの効果で墓地へ送られた場合、
手札・デッキから「ヴォルカニック・バックショット」2体を墓地へ送って発動できる。
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
《ヴォルカニック・トルーパー/Volcanic Trooper》
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻1000/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「ヴォルカニック・トルーパー」以外の「ヴォルカニック」カード1枚を手札に加える。
(2):手札を1枚捨てて発動できる。
相手フィールドに「ボムトークン」(炎族・炎・星1・攻/守1000)1体を特殊召喚する。
このトークンが破壊された時にそのコントローラーは500ダメージを受ける。
《ヴォルカニック・ロケット/Volcanic Rocket》
効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1900/守1400
(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。
自分のデッキ・墓地から「ブレイズ・キャノン」カード1枚を手札に加える。
《ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン/Volcanic Blaze Accelerator》
永続魔法
手札・デッキ・フィールド(表側表示)から「ブレイズ・キャノン」1枚を墓地へ送ってこのカードを発動できる。
(1):「ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
手札から「ヴォルカニック」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
デッキから炎族・レベル1モンスター1体を墓地へ送り、対象のモンスターを破壊する。
《ブレイズ・キャノン・マガジン/Blaze Accelerator Reload》
永続罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、魔法&罠ゾーンに存在する限り
「ブレイズ・キャノン−トライデント」として扱う。
(2):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
手札から「ヴォルカニック」カード1枚を墓地へ送り、自分は1枚ドローする。
(3):自分・相手のメインフェイズに、墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「ヴォルカニック」カード1枚を墓地へ送る。

デッキ構築に際して

 以降の文において、《ブレイズ・キャノン》効果発動するために必要となる「攻撃力500以下の炎族」を、「ブレイズ・キャノンの弾」と表記する。

 《ブレイズ・キャノン》《ブレイズ・キャノン−トライデント》攻撃不可のデメリットを持つため、軸に据えるならそのデメリットを前提とした構築が必要となる。
 《ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン》攻撃不可のデメリットも無く、且つデッキからコストを払えるが、1ターンに1度の制限に注意。

メインデッキモンスターについて

 ヴォルカニックであるかどうか、ブレイズ・キャノンの弾となるかどうかによって役割が大きく変わるため、その点を意識して選択する必要がある。

ヴォルカニックモンスター

炎属性モンスター

―その他のモンスター

エクストラデッキモンスターについて

 《ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン》による特殊召喚を活かして出すのが基本となる。
 ヴォルカニック単体では展開力は低めなため、それ以外では除去能力の高さを活かしターンを跨いで展開するか、《召喚僧サモンプリースト》を始めとした展開を補うカードを積極的に採用する必要がある。

リンクモンスター

エクシーズモンスター

シンクロモンスター

魔法・罠カードについて

ヴォルカニック及びブレイズ・キャノンの関連カード
 《ブレイズ・キャノン・マガジン》以外は炎族サポートも兼ねている。

炎属性炎族のサポート

─その他の魔法・罠カード

戦術

 《ブレイズ・キャノン・マガジン》を中心に、以下の3パターンによるアドバンテージの確保を行う。
 ビートダウンの場合は、得たアドバンテージを用いて《ヴォルカニック・デビル》エクシーズモンスター特殊召喚を狙う。
 バーンの場合、手札交換デッキ圧縮によりサーチのできないバーンカードロックカードを引き込む。

  1. 《ブレイズ・キャノン・マガジン》の(2)の効果ヴォルカニックドローに変換する。
  2. 《ブレイズ・キャノン・マガジン》の(2)または(3)の効果《ヴォルカニック・バックショット》墓地へ送り全体除去を行う。
  3. 墓地《ヴォルカニック・バレット》《ヴォルカニック・バックショット》《炎帝近衛兵》等でデッキに戻し、再利用する。

 1は《ヴォルカニック・バレット》墓地へ送る筆頭候補であり、自身の効果と合わせてハンド・アドバンテージを稼げる。
 次点は《ヴォルカニック・カウンター》で、直接的なアドバンテージとはならないが攻撃の抑制は大きい。

 2のコンボはできる限りメインフェイズ終了直前に発動することが望ましい。
 しかし、強力な効果を持つモンスター召喚特殊召喚される(された)場合など、たとえ相手モンスターを1体しか展開していなくとも積極的に発動したほうが良い場合もある。

 3については、回収に失敗すると継戦能力が失われるので、可能な状況では即座に回収するようにしたい。

デッキの種類

【ビートバーン】

 ロックカードは用いず、《魔法の筒》等のこちらの攻撃を抑制しない防御カードを主とする。
 戦闘を行うかブレイズ・キャノン等の効果を使用するかの見極めが重要となる。

 相手攻撃を行えるようになるため、《ヴォルカニック・カウンター》効果を活かすことができる。
 《ヴォルカニック・カウンター》強制効果であるので、《くず鉄のかかし》等で発動タイミングを調節したい。
 また、炎属性炎族で統一することが容易なため、《バーニングブラッド》《一族の結束》を入れるのも良いだろう。

 手札事故にも繋がりやすいブレイズ・キャノンや弾用モンスターを抜いた構築も考えられる。
 それでも《ヴォルカニック・エッジ》等のバーン要素は残るので、ロックデッキとも十分に戦える。
 空いたスロットに入れるカード【炎属性】【炎族】を参照の事。

【ロックバーン】

 《光の護封剣》《平和の使者》などのロックカード攻撃を封じることを主とする。
 こちらも攻撃ができなくなるため、ブレイズ・キャノン《ヴォルカニック・エッジ》等の攻撃不可のデメリットを持つカードの効果を気兼ねなく使用できるのが利点。
 一部のアタッカー攻撃できない故に腐ってしまうようにも思えるが、《火霊術−「紅」》《ブレイズ・キャノン−トライデント》もあるので活用は可能。

 火力が足りないと感じる場合、通常の【ロックバーン】に投入されるような、性能の良いバーンカードを追加するのも手である。
 その場合、上級モンスターアタッカーを減らすと良いだろう。

【メタビート】

 特殊召喚の頻度が少なく、手札交換デッキ圧縮をしやすいという特徴を活かしたタイプ。
 ブレイズ・キャノン《ブレイズ・キャノン・マガジン》のみ、ヴォルカニック《ヴォルカニック・ロケット》《ヴォルカニック・バックショット》《ヴォルカニック・バレット》程度に留め、それらを毎ターン《ブレイズ・キャノン・マガジン》手札交換していくことで大量の手札を確保する、低速のターボデッキである。
 使い切った《ヴォルカニック・バックショット》《ヴォルカニック・バレット》戻すために《炎帝近衛兵》《貪欲な壺》の採用も考えられよう。

 上記だけでデッキとしての基本的なギミックは完結しているため、空いた残りの枠に好きなカードを投入することでデッキが完成する。
 この空いた枠に何を投入するかでデッキの方向性は大きく変わってくる。
 たとえば、《ファイヤー・ハンド》《アイス・ハンド》《H・C 強襲のハルベルト》などのアドバンテージを稼ぎやすいレベル4を投入してグッドスタッフ寄りの【ランク4】にすることが可能。
 もともと《ヴォルカニック・ロケット》《炎帝近衛兵》をはじめレベル4を多用し、かつ一度召喚したあとは不要になるため、無理なくエクシーズ召喚につなげやすい。

 その他では、《カイザーコロシアム》《サモンリミッター》等のメタカードを投入して正に【メタビート】となるデッキを構築する、壊獣を投入して【ゴーレム】風味にする、空いた枠を神碑で固めて【デッキ破壊】にするなど、取れる選択肢は数多い。

《ヴォルカニック・カウンター》

 《ヴォルカニック・カウンター》効果相手攻撃を抑制し、遅延するタイプ。
 《炎王獣 キリン》《紅炎の騎士》破壊された時に《ヴォルカニック・カウンター》墓地へ送ることができるため、即座に発動条件を整えることができる。
 これらをリクルートする《UFOタートル》もあわせれば、防御の構えは維持しやすい。

 とは言え、《ヴォルカニック・カウンター》だけではライフ・アドバンテージに繋がらず、相手が無策で攻撃するとも考えにくい。
 バーンカードを使うなど、相手攻撃を躊躇っている間にライフ・アドバンテージを得る手段を用意しておきたい。
 特に、厄介なモンスター除去しつつ永続的なダメージを期待できる《ヴォルカニック・クイーン》《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》は便利である。

デッキの派生

【爆風ロケット】

 【爆風ライザー】《ヴォルカニック・ロケット》《ヴォルカニック・バレット》ブレイズ・キャノンを採用したデッキ
 詳しくは当該ページを参照。

【アマリリスカウンター】

 《ヴォルカニック・カウンター》《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》、及び植物族墓地へ送り、複数回蘇生した《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》によりライフポイントを削り、《ヴォルカニック・カウンター》でとどめを刺す。
 《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》炎属性である点、共に《異次元からの埋葬》と相性が良い点、墓地を肥やすことが利益になる点などのシナジーがある。

 元々は2009年頃に流行した【ライトロード】へのメタデッキとして誕生、相手《ヴォルカニック・カウンター》を警戒して攻撃しない場合、デッキ切れで自滅するというライトロード墓地肥やし能力の高さを逆手に取ったデッキであった。
 しかし、当時の構築では墓地肥やしのためにライトロードを採用していたのは皮肉とした言い様がない。
 後に《光の援軍》の規制などによりライトロードにあまり頼らない構築も生まれ 、《カードガンナー》《手札断殺》を採用したものや【クイックダンディ】に寄せた構築などもあった。

 現在は《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》禁止カードになり構築不可能となっている。

【ヴォルカニック列車】

 【列車】《ヴォルカニック・バレット》《ヴォルカニック・バックショット》《ヴォルカニック・ロケット》《ブレイズ・キャノン・マガジン》を採用したデッキ
 詳しくは当該ページを参照。

【ヴォルカニッククラウンブレード】

 【クラウンブレード】と組み合わせたデッキ
 《召魔装着》魔装戦士を採用した【魔装ヴォルカニッククラウンブレード】というタイプもある。
 どちらも【クラウンブレード】のギミックを使って【ヴォルカニック】の展開力を補い、《召魔装着》等の手札コストは【ヴォルカニック】のギミックで補う事ができる。
 《ダイガスタ・エメラル》エクシーズ召喚を容易にする事で、《ヴォルカニック・バレット》等を何度もデッキに戻し、ドロー加速が可能。
 デッキにいて欲しいカードが多い事からデッキ枚数が増えやすい傾向にあり、60枚デッキでの入賞例も少なくない。
 《ラヴァルバル・チェイン》禁止カードになった事により、他より安定性の低下を強く受けたと言える。

【アームド・ドラゴン】

 アームド・ドラゴン・サンダー手札コスト《ヴォルカニック・バレット》を使い、連続でアームド・ドラゴン・サンダー特殊召喚を繰り返す混合型。
 特に《アームド・ドラゴン・サンダー LV10》ヴォルカニックと相性の良いカードがあり、とりわけ《脆刃の剣》《No.60 刻不知のデュガレス》強化コンボ以外の使い道が見えてくる。
 あちらのコンボの詳細は【アームド・ドラゴン】を参照。

 《脆刃の剣》《ヴォルカニック・カウンター》自爆特攻と共有でき、《No.60 刻不知のデュガレス》《ヴォルカニック・デビル》強化と相性が良い。
 通常の【ヴォルカニック】は主要カードが多く、全て入れると枠が足りなくなるためどちらの構築に寄せるかはデッキと相談したい。

このデッキの弱点

 墓地効果発動するカードが多いため、墓地除外が最大の天敵。
 《マクロコスモス》《M・HERO ダーク・ロウ》などの永続効果はもちろんだが、ピンポイントで《ヴォルカニック・バックショット》を1枚除外されるだけでも、全体除去が行えなくなってしまう。

 また、破壊による除去がメインとなるため破壊耐性持ちや破壊無効にするカードも厄介。
 これらの数は少なくないので、バウンス除外など、破壊を介さない除去手段も入れておこう。
 ペンデュラムモンスターも、破壊された場合エクストラデッキへ行き、返しのターンペンデュラム召喚で再び展開されるため、対処しにくい部類に入る。
 特に毎ターンペンデュラム召喚を行う【クリフォート】などは、こちらの除去が追い付かず、押し切られやすい。

 何よりこのデッキブレイズ・キャノンへの依存度が高く、ブレイズ・キャノンがないと使い物にならないカードも多いため、事故に陥りやすいことにも注意したい。
 ブレイズ・キャノン手札に来た場合でも、速度が遅いこのデッキでは相手に逆転の機会を与えがちとなる。
 シンクロモンスターエクシーズモンスター対策として《業火の結界像》を採用する等、【メタビート】寄りの構築にしてみるのもよいだろう。

このデッキの歴史

第5期

 2007年にFORCE OF THE BREAKERヴォルカニックが、PHANTOM DARKNESS《ヴォルカニック・カウンター》が登場。
翌年、プロモカードとして《ヴォルカニック・ロケット》がイベントで配布。
 攻撃力1900のサーチ能力持ちの下級モンスターは当時としては画期的であり、【爆風ロケット】が開発されている。
 また、《炎帝近衛兵》が登場したことで《ヴォルカニック・バックショット》を使い回すことができる様になり【ヴォルカニック】も強化を受けた。

第9期

 流行した【ライトロード】へのメタデッキとして《ヴォルカニック・カウンター》《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を組み込んだ【アマリリスカウンター】が開発され大会でも使用されている。

 2014年にザ・シークレット・オブ・エボリューション《ブレイズ・キャノン・マガジン》が登場。
 当時流行した【クラウンブレード】の亜種として【ヴォルカニッククラウンブレード】が大会でも使用されるほどになる。
 ただし、使用されるヴォルカニックは極一部であり【ヴォルカニック】としての活躍は見られなかった。

第12期

 2023年にはデュエリストパック−爆炎のデュエリスト編−で大幅に強化され、安定性・バーン速度と量が上昇したことで【ヴォルカニック】だけでも十分に戦えるようになった。

代表的なカード

関連リンク

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