相手にすると何かと厄介な《スライム増殖炉》をフルに使ったデッキ。
毎ターン確実にトークンを生み出せるというのはとても便利だが、いかんせん攻撃表示がネックとなってしまう。
さらにセットはできるもののその他一切の召喚行為が封じられてしまう。
このデッキは、それらの欠点をうまく補えるようにすることで、《スライム増殖炉》の強さを存分に発揮することがコンセプトとなる。
構築難度は高めではあるが、型にはまったときの制圧力は他の追随を許さない強さを秘めている。
なお、トークンなので相手に《DNA改造手術》+《サイバー・ドラゴン》で《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を出されることもない。
《スライム増殖炉/Jam Breeding Machine》 永続魔法 自分のスタンバイフェイズ毎に自分のフィールド上に「スライムモンスタートークン」 (水族・水・星1・攻/守500)を1体攻撃表示で特殊召喚する。 このカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、 自分はモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する事はできない。 (「スライムモンスタートークン」を除く)
《下克上の首飾り/Amulet of Ambition》 装備魔法 通常モンスターにのみ装備可能。 装備モンスターよりレベルの高いモンスターと戦闘する場合、 装備モンスターの攻撃力はレベル差×500ポイントアップする。 このカードが墓地へ送られた時、このカードをデッキの一番上に戻す事ができる。
《強制転移/Creature Swap》 通常魔法(準制限カード) お互いが自分フィールド上モンスターを1体ずつ選択し、 そのモンスターのコントロールを入れ替える。 選択されたモンスターは、このターン表示形式の変更はできない。
《鹵獲装置/Creature Seizure》 通常魔法 お互いが自分フィールド上モンスターを1体ずつ選択し、 そのモンスターのコントロールを入れ替える。 ただしこのカードのコントローラーは自分フィールド上に 表側表示で存在する通常モンスターを選択しなければならない。
《スライム増殖炉》があるとセット以外の召喚行為ができなくなるので、投入するモンスターは裏側守備表示でも十分に活躍できるカードにしたい。
《聖なる魔術師》等のリバース効果モンスターか、アタッカーなら守備力の高めのカードを採用すると良いだろう。
また、《非常食》で召喚ロックを取っ払う奇襲戦法も面白い。
手札に腐るのを嫌うなら、モンスター0体の構築も不可能ではない。
《スライム増殖炉》をキーカードとするコンボデッキのため、万能サーチ《封印の黄金櫃》は是非投入しておきたい。
同様にサーチするカードに制限のない《タイムカプセル》も3枚フル投入で良いだろう。
《スライム増殖炉》を処理するのに必須の《非常食》と相性のいい《ゴブリンのやりくり上手》やリバース効果モンスターの《メタモルポット》で大量ドローして引き当てるのもいい。
また、墓地に行った《スライム増殖炉》を回収するためにも《聖なる魔術師》は投入しておこう。
《スライム増殖炉》の効果で生み出される弱小トークンをいかに使うかがこのデッキの肝となる。
活用方法を大きく分けると、スライムモンスタートークンを
などが挙げられる。
脆弱なスライムで殴る場合、装備魔法を駆使し強化することとなる。
スライムモンスタートークンは、その低レベル故《下克上の首飾り》の効果を最大限に発揮できる。
自分のモンスターカードゾーンが同名カードですぐ埋まる事から《団結の力》《アクアの合唱》《ヘル・アライアンス》との相性も良い。
カウンター罠を伏せまくれば、《魔導師の力》の攻撃力上昇値も増える。
一応水属性のため《ウォーターワールド》で攻撃力の底上げにはなる。
《強制転移》はもちろんだがトークンは通常モンスター扱いなので、《鹵獲装置》もおいしく活用できる。
低ステータスで攻撃表示のスライムモンスタートークンを相手のフィールドへ送る事で相手モンスターを奪い、モンスターによってはそのまま戦闘破壊もできる。
スライムモンスタートークン は毎ターン生成されるので、《鹵獲装置》と《強制転移》が手札にそろえば、相手モンスターを奪いつくす最高レベルのコントロールデッキと化す。
スライムモンスタートークンは羊トークンなどと違い、生け贄召喚の生け贄に使うことができる。
十分にスライムを場に並べたあと、《非常食》等で《スライム増殖炉》を処理すれば、手札に溜め込んだ上級・最上級モンスターで奇襲することができる。相手は度肝を抜かれるだろう。
また《スライム増殖炉》の召喚ロックはセットまでは及ばないので、上級・最上級のモンスターのセットには使える。
《砂漠の光》等でリバースさせるといいだろう。
その他生け贄利用の一環として、モンスター除去に《痛み分け》が有効。
「破壊」ではなく「生け贄に捧げる」ため、耐性を持つモンスターは非常に限られる。
強力なモンスター除去として活躍するだろう。
カウンター罠《昇天の角笛》も厄介なモンスター対策に便利。
《水霊術−「葵」》で手札破壊する手もある。
2枚以上発動している場合は《エクトプラズマー》も有効。
《スライム増殖炉》は、《大嵐》《サイクロン》《氷帝メビウス》《魔導戦士 ブレイカー》《砂塵の大竜巻》などの魔法・罠カード除去で容易く破壊されてしまう。
これを防ぐため、カウンター罠を導入しておきたい。
万能カウンター罠《神の宣告》に加え、魔法カードには《マジック・ジャマー》《八式対魔法多重結界》《魔宮の賄賂》、効果モンスターには《天罰》《畳返し》、罠カードには《盗賊の七つ道具》《魔宮の賄賂》が効く。
投入バランスは、周囲の流行やデッキ傾向をふまえて考えるべきだろう。
スライムモンスタートークンが通常モンスターなのに注目して《スキルドレイン》するのも面白い。
《氷帝メビウス》の他、《イグザリオン・ユニバース》など厄介な貫通効果も封じる事ができる。
これら対策はサーチ手段の《タイムカプセル》や防御用のロックパーツを守るのにも有効となる。
スライムモンスタートークンは攻撃力500と脆弱の上、攻撃表示で特殊召喚される。これは大ダメージを自ら誘発しているようなものである。
《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《レベル制限B地区》《光の護封壁》《平和の使者》などのロックパーツで身を守ってもいい。
これらのカードはこのデッキでは(上級・最上級不採用の場合)自軍に影響を与えないので、こちらだけ一方的に殴ることもできる。
またモンスターが場に残り続けることから、《スピリットバリア》も有効活用できる。
何より《スライム増殖炉》に頼り切るデッキのため、このカードを引けない、または割られてしまうと他の多くのカードが腐ってしまう。
これだけは何としても避けたい。
いかにして《スライム増殖炉》を手札に引き入れ、場に維持するかが勝利の鍵となる。
また永続魔法がキーカードな以上、魔法&罠カードゾーンが圧迫され行動が制限されるのは避けられない。そのことを念頭に入れたプレイングが必要となるだろう。