エクシーズモンスターである《No.39 希望皇ホープ》および、その派生モンスターを軸としたコンボ型のビートダウン。
エクシーズモンスターは性質上、多くのデッキで利用できるカードであるが、このデッキにおける希望皇ホープの役割は通常の「状況に応じその効果を利用する」といった運用とは異なる。
各種サポートカードとそれぞれの効果を必要とされる状況に齟齬があるため、これらはあくまで「サポートカードを運用する」ために用いる必要がある。
全体的な傾向としては、本来のエクシーズモンスターの利点である汎用性を犠牲にする代わりに攻撃性能を高めた動きが特徴である。
《No.39 希望皇ホープ/Number 39: Utopia》 エクシーズ・効果モンスター ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000 レベル4モンスター×2 (1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。 そのモンスターの攻撃を無効にする。 (2):このカードがX素材の無い状態で 攻撃対象に選択された場合に発動する。 このカードを破壊する。
《No.39 希望皇ホープ・ダブル/Number 39: Utopia Double》 エクシーズ・効果モンスター ランク4/光属性/戦士族/攻 0/守2500 レベル4モンスター×2 このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。 デッキから「ダブル・アップ・チャンス」1枚を手札に加える。 その後、「No.39 希望皇ホープ・ダブル」以外の「希望皇ホープ」Xモンスター1体を、 自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は倍になり、直接攻撃できない。 この効果は相手ターンでも発動できる。
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング/Number S39: Utopia the Lightning》 エクシーズ・効果モンスター ランク5/光属性/戦士族/攻2500/守2000 光属性レベル5モンスター×3 このカードは自分フィールドのランク4の「希望皇ホープ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。 このカードはX召喚の素材にできない。 (1):このカードが戦闘を行う場合、 相手はダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない。 (2):このカードが「希望皇ホープ」モンスターをX素材としている場合、 このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、 このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。 このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ5000になる。
《エクシーズ・チェンジ・タクティクス/Xyz Change Tactics》 永続魔法 (1):「エクシーズ・チェンジ・タクティクス」は 自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。 (2):自分フィールドに「希望皇ホープ」モンスターがX召喚された時、 500LPを払って発動できる。 自分はデッキから1枚ドローする。
上述の通り、このデッキの性質は希望皇ホープ自身ではなくそのサポートカードの存在によって成り立っており、希望皇ホープ自身を利用する選択肢は無数に存在する。
反対に、希望皇ホープを展開の段階で指定して補助したり、ZW全体の連携をとるようなカードは少ないため、明確な【希望皇ホープ】という構築が定まっていない。
ゆえにデッキの構築としては、どのようなサポートカードを用いるかを決めた上で、それに合わせてエクシーズ召喚の手段を選択する形となる。
エクストラデッキの多くは希望皇ホープとその関連カードで埋まるのが基本となる。
とは言え、他のモンスターを全く採用しないのはエクシーズ召喚の利点である対応力の広さを損ねるのである程度は汎用モンスターも採用しておきたい。
また、進化先や派生カードにはRUMを必要とするものと必要としないものが存在し、採用するRUMの枚数によってその割合を調整したい。
―相性の良いリンクモンスター
効果とのシナジーを考慮して採用したい。
―ZW
RUMと併用しすぎると手札事故の元となるため、採用枚数を多くする場合はある程度特化した構築が求められる。
また、ZWはモンスターによって装備対象や装備効果の発動可能の場所が異なっているため、使用する際には間違えないように注意しておきたい。
ZWのページに一覧表があるため、そちらも参考しておくと良い。
―エクシーズ召喚を行うためのギミック
《No.39 希望皇ホープ》のためのレベル4が基本となるが、《ZW−獣王獅子武装》も利用するならばレベル4とレベル5の両方が必要になる。
このデッキのアドバンテージ回復方法はほとんど戦闘に限られるため、展開速度だけでなく消費や他のカードとの連携も重要である。
複数のモンスターを要求する性質上、カテゴリ単位での利用も視野に入る。
以下、特に相性に優れるエクシーズ召喚ギミックを挙げる。
あくまでZWや他のサポートカードの投入が前提となるので、デッキスペースや召喚権の兼ね合いなどにも注意が必要になる。
構築難易度は上がるが、必要枚数の少ないギミックは併用を検討しても良い。
―その他相性の良いモンスター
―RUM
一部の希望皇ホープとその派生カードを出すためにほぼ必須となるカード群。
出せるモンスターが増えるので爆発力は大いに上がるが、代わりに手札事故の危険性もまた上がるので採用枚数とバランスはよく考えたい。
それぞれのRUMには独自の利点があるが、中には癖の強いものもあるので、採用する場合は手札コストに変換できる《No.99 希望皇龍ホープドラグーン》・《SNo.0 ホープ・ゼアル》の採用は必須。
―相性の良いカード
デッキ自体が希望皇ホープの存在を前提として成立しているため、どのような構築であっても希望皇ホープの展開が必須となる。
基本的にはこれを狙い、展開後はサポートカードの選択肢の豊富さを活かしつつエクシーズモンスターによるビートダウンを行う。
他のランク4エクシーズモンスターは、主力となる希望皇ホープの援護や、サポートを期待した運用となるだろう。
デッキ構築によってはランク5の展開も視野に入れる事が出来る。
上級ZWは耐性を付与しつつ攻撃力を上げられるため、どちらか1枚でもそれなり高い制圧力を発揮できる。
手札にこれがあるのならば、一気に攻めこむ事も考えられる。
反面、エクシーズ召喚時の隙を狙われる危険もあり、その際のディスアドバンテージは大きい。
展開できる状態であっても、あえて他のエクシーズモンスターを利用し除去を誘導するのも手である。
しかし、このような状況でもエクシーズ召喚にディスアドバンテージが伴う点に変わりはない。
《エクシーズ・チェンジ・タクティクス》を活用できている場合は別だが、これも常に使用できる類のカードではない。
こちらはデッキ構成のほとんどをこれの展開に費やす事になりやすいため、連打自体は難しくないが、持久戦は不利。
またZWの装備が可能な状況でも、タイミング上の穴もあり、無理に複数装備を狙わないほうがよい場合もある。
伏せカードはもちろんだが、相手の対抗手段を見据えた上で、展開を行いたい。
基本的に高い爆発力で戦闘を行ってこそ意味があるデッキなので、戦闘できない先攻1ターン目などをどのように動くかも重要。
できることならば高い制圧能力を持つ《SNo.0 ホープ・ゼアル》を立てて牽制したいが、それが無理な様ならば時間稼ぎに適する《No.41 泥睡魔獣バグースカ》等で凌ぎたい。
あるいは防御・妨害カードを多めに採用しておき、《エクシーズ・チェンジ・タクティクス》の大量ドローで引く事を期待するのも手。
サイドチェンジを上手く利用し、先攻時にはRUMを多めに入れて《SNo.0 ホープ・ゼアル》を狙い、後攻時には《No.39 希望皇ホープ・ダブル》で短期決戦を狙うというのも良い。
後者の場合は《ライトニング・ストーム》や《墓穴の指名者》をフル投入して後攻1ターンキルに特化した構築を組むのも一興である。
《ZW−獣王獅子武装/ZW - Leo Arms》 エクシーズ・効果モンスター ランク5/光属性/獣族/攻3000/守1200 レベル5モンスター×2 このカードは直接攻撃できない。 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、 デッキから「ZW」と名のついたモンスター1体を手札に加える。 また、フィールド上のこのモンスターを、 攻撃力3000ポイントアップの装備カード扱いとして 自分フィールド上の「希望皇ホープ」と名のついたモンスターに装備できる。 装備モンスターが攻撃したバトルフェイズ中に、 装備されているこのカードを墓地へ送る事で、 そのバトルフェイズ中、装備モンスターは相手モンスターにもう1度だけ攻撃できる。
希望皇ホープに装備可能なモンスターであるZWを多く取り入れたタイプ。
《ZW−阿修羅副腕》・《ZW−風神雲龍剣》・《ZW−雷神猛虎剣》・《ZW−玄武絶対聖盾》といった通常の構築でも利用されやすいZWだけでなく、ZWのサポートカードである《SZW−天聖輝狼剣》も採用しやすい。
発動条件の関係上腐る可能性はあるが、《シャイニング・ドロー》で複数種類のZWを一気に装備する事を狙うのも面白い。
ZWをサーチする《ZW−獣王獅子武装》のエクシーズ召喚には、ランク4と5のどちらにも使い分けられる《アステル・ドローン》や《EMプラスタートル》、下級モンスターのレベルを1つ上げて蘇生できる《強化蘇生》等を使用したい。
《No.39 希望皇ホープ・ダブル》のために採用した《ダブル・アップ・チャンス》が手札に来た場合でも、この構築ではZWの効果で《No.39 希望皇ホープ》が強化されやすいためかなりの攻撃力が期待できる。
ランク4の希望皇ホープに装備しても十分な攻撃力と耐性が得られるため、事故の可能性があるRUMはあまり多く採用しない方が良い。
代わりに《ホープ・バスター》ならば安定して発動しやすいが、ややオーバーキルの面もあるか。
また、RUMを多く採用しない関係上、通常の構築に比べてエクストラデッキに空きが生じやすい為、汎用エクシーズモンスターを採用しやすいのは利点である。
【忍者】ギミックを取り入れれば忍法により上級ZWもリクルート出来るので、そちらを中心にして構築を行っても良いだろう。
《ブラック・ガーデン/Black Garden》 フィールド魔法 (1):「ブラック・ガーデン」の効果以外でモンスターが表側表示で召喚・特殊召喚される度に発動する。 そのモンスターの攻撃力を半分にする。 その後、そのコントローラーは、相手のフィールドに 「ローズ・トークン」(植物族・闇・星2・攻/守800)1体を攻撃表示で特殊召喚する。 (2):フィールドの全ての植物族モンスターの攻撃力の合計と同じ攻撃力を持つ、 自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。 このカード及びフィールドの植物族モンスターを全て破壊する。 全て破壊した場合、対象のモンスターを特殊召喚する。
相手フィールドに攻撃表示の弱小トークンを生み出す《ブラック・ガーデン》を中心に組んだタイプ。
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》との相性は抜群であり、エクシーズ素材が4つあれば攻撃表示のローズ・トークンに2回攻撃するだけで8400ダメージとなり勝利できる。
《ZW−阿修羅副腕》や《かっとビング・チャレンジ》、《アサルト・アーマー》などを採用することで連続攻撃が可能になるので1ターンキルが成立する。
相手フィールドにこちらから的を用意する関係上、このデッキが苦手としやすい破壊耐性を持つモンスターがいても、それを無視して相手を倒すことが出来るのもさり気ない利点。
《ブラック・ガーデン》には攻撃力800の倍数のモンスターを蘇生する効果もあるため、《召喚僧サモンプリースト》、《ブリキンギョ》、《アステル・ドローン》などを中心に構築するとより安定する。
連続攻撃が出来ない場合でも、相手のアタッカーを《ホープ・バスター》で焼き切り、《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》で攻撃するだけで相当なダメージ数は稼げる。
《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》を中心とする構築のため、RUMを採用する場合はサクリファイス・エスケープに使える《RUM−クイック・カオス》くらいで良いだろう。
《ブラック・ガーデン》で攻撃力が下がる関係上、バーンダメージを与える《CNo.39 希望皇ホープレイV》よりも、連続攻撃と相性の良い《CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー》の方が優先しやすい。
《希望郷−オノマトピア−/Onomatopia》 フィールド魔法 (1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、 自分フィールドに「希望皇ホープ」モンスターが特殊召喚される度に、 このカードにかっとビングカウンターを1つ置く。 (2):自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、 このカードのかっとビングカウンターの数×200ポイントアップする。 (3):1ターンに1度、このカードのかっとビングカウンターを2つ取り除いて発動できる。 デッキから「ズババ」、「ガガガ」、「ゴゴゴ」、「ドドド」モンスターの内いずれか1体を特殊召喚する。
《オノマト連携/Onomatopaira》 通常魔法 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。 (1):手札を1枚墓地へ送って発動できる。 デッキから以下のモンスターの内1体ずつ、合計2体までを手札に加える。 ●「ズババ」モンスター ●「ガガガ」モンスター ●「ゴゴゴ」モンスター ●「ドドド」モンスター
《希望皇オノマトピア》・《希望郷−オノマトピア−》・《オノマト連携》等に対応しているガガガ・ドドド・ゴゴゴ・ズババを中心に組んだタイプ。
中でも【ゴゴゴ】はランク4を中心にするデッキなので、これを軸に使いやすいガガガやドドドを少量採用していくのが基本となる。
《No.39 希望皇ホープ》⇒《SNo.39 希望皇ホープONE》か《CNo.39 希望皇ホープレイ》⇒《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》と繋げるだけで《希望郷−オノマトピア−》にカウンターが3つも溜まる。
《No.39 希望皇ホープ・ダブル》から《No.39 希望皇ホープ》&《ダブル・アップ・チャンス》へと繋げた場合、カウンター2つの強化が地味に効果的であり、相手モンスターの攻撃力が2800以下なら1ターンキルが成立する。
リクルート効果には同名カードの制限は無いため、張り替えを行ってカウンターを貯めていけば1ターンで複数回のリクルートも十分に狙える。
《オノマト選択》を使えばレベルを統一できるので異なるレベルのリクルートにも対応できる。
リクルート対象では追加の特殊召喚が行える《ゴゴゴゴースト》や《ドドドウィッチ》が優秀であり、更なるエクシーズ召喚が可能になるので、1ターンで十分な火力を得られる。
また、《ガガガマンサー》は効果の発動後の制約はかかるものの、その前に展開を行う分には影響がないため、蘇生後に《ガガガザムライ》に繋げれば大きな戦闘ダメージを与えられる。
RUMによる展開でも同様にカウンターが溜まっていくので、これらを駆使して1ターンで一気に攻めていくことを基本にしたい。
《ドドドバスター》をアドバンス召喚すればランク6のエクシーズ召喚を行えるため、《RUM−アストラル・フォース》無しで《No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ》のエクシーズ召喚も狙える。
特殊召喚が絶対条件であるため、これを妨害するカードに関しては、どのようなギミックでも影響を受ける。
エクシーズ召喚が複数のカードを使用して行われ、さらに装備までの過程で多くの妨害タイミングが存在するので、フリーチェーンの除去には弱い。
展開の要となる《No.39 希望皇ホープ》が枯渇すれば、機能停止に追い込まれる。
また、耐性が意味を成さない、エクシーズ召喚そのものを無効にするカードを多く利用されると攻め手を失う。
サーチまでも妨害する《ライオウ》は天敵ともいえるカードである。
通常のエクシーズ召喚中心のデッキよりもエクストラデッキの選択肢が限られる関係上、破壊耐性のあるモンスターやロックを行うカードも苦手としやすい。
特に《始祖竜ワイアーム》を守備表示で置かれると非常に面倒であり、汎用除去を採用していない場合は《ホープ・バスター》か《ZW−一角獣皇槍》が無いと突破できなくなる。
戦闘ダメージを中心とするデッキのため、特殊勝利デッキや【ロックバーン】などの戦闘ダメージを防ぐ手段の多いデッキとも相性が悪い。
起点となる《No.39 希望皇ホープ》を直接潰してくる《浮幽さくら》・《轟雷帝ザボルグ》・《禁止令》などは天敵である。
中でも《浮幽さくら》は発動条件が緩く、《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の採用率がエクシーズモンスターでは高いこともあって、相手のエクストラデッキに《No.39 希望皇ホープ》が入っていることも珍しくない。
《No.39 希望皇ホープ》を1体でもエクシーズ召喚していればそれを使いまわすことでまだ対策できるが、1ターン目などに打たれるとどうしようもなくなってしまう。