1ターンキル/"One Turn Kill" or "First Turn Kill" †
自分の1ターン目に勝利をする事である。先攻1ターン目に勝利する事は「先攻1ターンキル」、後攻の場合は「後攻1ターンキル」と表現する。
相手にやりたい事をさせずに勝利するタイプのデッキの一つであるが、遊戯王OCGでは主流や地雷等を問わず、よくあるタイプの一つ。
そのため、カードゲームとして遊戯王OCGがゲームバランス及びゲームシステムにおいて批判・非難される原因にもなっている。
「1ショットキル(開始から数ターン後に1ターンだけを使って勝利条件を満たす事)」と合わせて「1キル(ワンキル)」と呼ばれる。
原作では1ショットキルの事を1ターンキルと読んでいたため、双方をまとめて扱う事が多い。
「先攻1ターンキルデッキは手札誘発系の効果モンスターに弱い」と言われる。
ENEMY OF JUSTICEで登場した、《緑光の宣告者》と《紫光の宣告者》はソリティア対策として注目された。
後出の《朱光の宣告者》や墓地利用を行うタイプに限ってだが、《D.D.クロウ》も同様である。
後攻1ターンキルの場合は、《神の宣告》等のカウンター罠が使えるため無効にする手段がより豊富になる。
よって「先攻1ターンキル」の方が「後攻1ターンキル」よりも凶悪さでは上回るというのが通説である。
また、「後攻1ターンキル」を前提にしたタイプは戦闘ダメージによって相手ライフを0にするタイプであり、通常のビートダウンと対処方法は同じである。
《威嚇する咆哮》や《バトルフェーダー》等の戦闘ダメージを発生させないカードが古くから対策として使われている。
最近の1ターンキルデッキは1つ妨害された程度では止まらなかったり、1ターンキルが成立せずとも普通に戦えるデッキも多い。
また、ビートダウンの速度が早すぎるため、結果として1ターンキル出来るようになってしまったようなデッキも存在する。(【BF】、【ライトロード】等)
【インフェルニティ】・【六武衆】の様な大量展開系の場合、1ターンキルを狙うと同時に逆転を難しくさせる強固な布陣を敷いてくるため、1ターンキルだけを阻止しても全く対策にならないことが多い。
そういったデッキはマストカウンターがある程度定められているとは言え、単純なビートダウンも行えるため、それらへの対策である(2011年8月までは)【メタビート】がトーナメントで優秀な成績を残していた。
だが、2009年〜2010年末には【BF】、【ライトロード】、【魔轟神】、【インフェルニティ】、【ガエル】らが驚異的な速さで仕掛けるため【メタビート】ですら対策が間に合わずに負けることも多かった。
しかし、このようなデッキはその後の制限改訂でキーカードを規制され、全盛期に比べて速度や安定性、爆発力が落ちる場合が多くなった。
こういった背景から現在の1ターンキルデッキは何らかの致命的な欠陥や弱点を抱えていることがほとんどであり、大抵の場合1ターンキルを容易に通してしまう側のデッキ構築に問題があることが多い。
基本的に1ターンキルデッキは一度コンボが崩されると脆いので、流行した場合そのメタを張ることが重要となる。
1ターンキル対策としてマッチ戦を前提にするのも一つの手といえる。
1戦目で1ターンキルが決まっても、対策を行い2戦目以降に帳尻を合わせることができ、1ターンキルを通すか通さないかの独特の駆け引きを行うことができる。
とはいえ1ターンキルが決まってしまう場合にはあっさり勝負がついてしまい、1ターンキルを狙えない場合もあっさり勝負がついてしまうため、相手が楽しめるかどうかは結局のところ人によるところが大きい。
大会以外での使用の際は注意が必要で、特に親しい相手の場合は独特の駆け引きを楽しめるかの見極めが重要となるだろう。
マッチ戦の場合、サイドデッキから以下のカードを投入するのが有効。
- 【デッキ破壊1キル】などのデッキ破壊系
→《ネコマネキング》・《墓守の監視者》・《ヂェミナイ・デビル》など
- 【デミスドーザー】・【未来オーバー】・【デビル・フランケン】などの一撃必殺系、大量展開系
→《ネクロ・ガードナー》・《威嚇する咆哮》・《和睦の使者》
→手札消費の激しい大量展開系の場合:全体除去
- 【サイエンカタパ】・【キャノンバーン】・【ドグマブレード】・《ダーク・ダイブ・ボンバー》利用型1キルなどのバーン系
→《ハネワタ》・《ライフ・コーディネイター》
→墓地利用が基本なので《D.D.クロウ》
- 元々は「ゲームが始まって1ターン目に相手を倒す」ことを意味するが、遊戯王の原作で「1ターンの内に致死量のダメージを与える」という意味で使われた。
アニメ5D's公式サイトのデュエルワンポイントレッスンでも、「1ターン目で勝つのではなく、1ターンで勝つことであり、何ターン目でもいい」と説明されている。
この後者の場合は、他のカードゲームでは「1ショットキル」と呼ばれる事が多く、このカードゲームでも【魔轟神】や【インフェルニティ】においてよく発生しやすいためそう呼ばれている。
- また最近(2011年11月以降)では【ゼンマイハンデス】や【神光の宣告者】、【甲虫装機】といった「1ターンで相手の戦力又は戦意を根こそぎ奪う」という意味での「1ショットキル」が用いられており、こちらはその特性から「変則1キル」とも呼ばれている。
- 元々の「ゲームが始まって1ターン目に相手を倒す」1ターンキルは、英語の"Turn One Kill"から来ている。
日本語では、助数詞は必ず数詞のあとに来るため「1ターンキル」という言葉で定着したのであろう。
- 英語圏では「One Turn Kill」及び略語の「OTK」という言葉が使用されており、海外の大会では広く浸透している。
「ゲームが始まって1ターン目に相手を倒す」場合には、1の序数である「First」を使用し「First Turn Kill」及び「FTK」と表現されている。
- 「先攻1ターンキルが流行るとそのTCGは廃れる」(これに「単純なパワーや数の勝負なら別」とも付けられる事もある)と言われる。
そもそも遊戯王を含めて一般的なTCGは相手との駆け引きを楽しむようにデザインされている。
だが、あまりに安定性の高い先攻1ターンキルができるようになると、先攻と後攻がそのまま勝敗に繋がるようになり、駆け引きを行うことができなくなる。
先攻1ターンキルは、ルール上ほぼ全てがバーン・デッキ破壊によって行われるため、勝つにしても負けるにしても単調なデュエルになってしまう。
その結果、TCGの対戦が事実上ジャンケンやコイントスに変わってしまい、やがてプレイヤーがそのTCGから離れてしまい、結果としてそのTCGは廃れてしまうのだ。
具体的には、最初期の【エクゾディア】や、【サイエンカタパ】、【現世と冥界の逆転】、【デッキ破壊1キル】が横行していた時代がそのような状況になっていた。
故に、先攻1ターンキルは規制されてしかるべきであると言える。
しかし、最近では先攻・後攻を問わず対策されにくい1ターンキルが横行しており結果として最近のOCG対戦の結果が事実上ジャンケンやコイントスによるものに変わってしまっている点は否めないがマストカウンターを見極めれば、対策は十分に可能である。
- 原作・アニメにおいて―
「1ターンで相手のライフを一気に0にする」という派手さから、キャラクターの強さを簡単に象徴できる戦術として、原作・アニメでは結構な頻度で行われている。
単語としての初出は「バトルシティ編」の闇マリクによるもの。
この時は「ある1ターンでコンボを決め勝利する」という意味で使われている。
《ラーの翼神竜》の効果により相手ライフを上回る攻撃力による一撃必殺がマリクの言う1ターンキルであり、アニメ版でもはっきり「1ターンキル」と呼称しており、遊戯や海馬もその戦術をそう呼んでいた。
ただし初めて発言された「闇マリクvs闇バクラ」戦では既に闇バクラのライフが戦闘ダメージやライフコストにより半分以下にまで減少していた上に攻撃力が3999のため、実際は1ターンキルどころか1ショットキルですら無い。
「開始直後の1ターン目で決着をつける」という意味での「1ターンキル」は、「羽蛾vs竜崎」戦(時系列上のはじめては「ペガサスvsキース」戦)で登場している。
ちゃんとした描写は「城之内vs舞」戦において登場。
「KCグランプリ編」の「ジークvs羽蛾&竜崎」戦においてジークが羽蛾&竜崎コンビに決めている。
- その他、海馬は「遊戯&海馬vsグールズ」戦で、ジークは「ジークvs羽蛾&竜崎」戦でそれぞれ後攻1ターン2キルを成功させている。
- Rでは遊戯、城之内、海馬、月行が1ターンキルを行っている。
- アニメGXでは、十代が光の使者やプリンセス・ローズ、ダークネスに、亮がマッドドッグ犬飼やマスター鮫島に、カミューラが亮に、斎王が万丈目やオージーン王子に対して1ターンキルを成功させている。
特に斎王は、オージーン王子の1ターンキルを防ぎ、その後自分のターンが来る前に1ターンキルを成功させ、三沢から「0ターンキル」と称された。
オブライエンも笑いの仮面(山中)に対して後攻1ターンキルを行おうとしたが、相手の願いを聞いてか、敢えて次のターンまで待った。
また、橘一角は1ターンキルに特化したデッキを使用している。
その他、万丈目が《破壊輪》、全体除去+帰還、おジャマの展開や捨て蘇生による1ターンキルを行っている。
- 万丈目は「万丈目vsノース校四天王」戦で1ターン4キルを成功させている。
- 漫画GXの「明日香vsデイビット」戦では、デイビットが明日香に後攻1ターンキルを行い、明日香と観衆を驚愕させた。
- アニメ5D'sにおいては遊星が龍亞やハイトマンに、クロウがセキュリティやヘルマンに、ゴーストが牛尾に、ジャックが炎城ムクロに、偽ジャックがジャックに対して1ターンキルを成立させた。
「遊星&クロウvsセキュリティの2人組」戦では遊星とクロウがセキュリティの2人組に対して1ターンキルを成立させている。
また、「遊星vsマルコムの手下3人」戦では、遊星がたった1ターンで3人のライフを纏めて0にしたとき、それを見たマルコムはその様子を「1ターン3キル」と称していた。
さらには「ロットンvsラモン」戦でロットンが史上初めての先攻1ターンキルを決め、《ガトリング・オーガ》と共に視聴者に強烈なインパクトを与えた。
その他では、ニコラスの結果的に自滅による後攻1ターンキル、マックスのジャックがコースアウトし転倒後デュエル続行不能になった一応の1ターンキルなど、アニメ5D'sにおいてもしばしば試みられ、様々な形で成功したり、失敗したりしている。
- 漫画5D'sの「遊星vsボマー」戦では、ボマーが1ターンキルを試みるが失敗に終わった。
また「クロウvs氷室」戦ではクロウが、「遊星vsムクロ」戦では遊星が1ターンキルを達成している。
しかし、後の場面ではクロウが「唯一のワンターンキル」であるとされている。
- アニメZEXALの「遊馬vs右京」戦では、右京が《ダメージ・ワクチンΩMAX》でライフポイントをアニメでの初期値4000まで引き戻したターンに遊馬が勝利し、1ターンキルを決めた。
また、「遊馬vs風也」戦でも遊馬が風也のライフが4000の状態から1ターンキルを決めている。
「遊馬vs六十郎」戦では六十郎が一応オーバーキルで行った。
「遊馬vsアンナ」戦、「遊馬vsチャーリー」戦では遊馬、「チャーリーvs男」戦ではチャーリーがそれぞれ1ターンキルで逆転している。
「鉄男vs等々力vs�」戦では、�が鉄男と等々力相手に1ターン2キルを達成した。
「遊馬vsゴーシュ&ドロワ」戦では、遊馬がゴーシュの罠カード《バウンサー・ガード》によって達成した。
- アニメ5D's公式サイトのデュエルワンポイントレッスンでは、「相手によっては不快感を与えるプレイング」と言われていた。
OCGでも対策の難しい先攻1ターンキルをすると、相手に不快感を与えてしまう事もあるので注意。
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