*ファンデッキ [#d2189c4a] [[プレイヤー]]が面白いと思ったギミックや[[カード]]を採用した個人の好みを重視した[[デッキ]]のこと。~ 遊びの要素が含まれているため、[[ガチデッキ]]と比較して洗練されておらず無駄が多いのが特徴である。~ 無駄が多いことで安定性が落ち、一般的には[[ガチデッキ]]のように高い勝率を叩き出すことは難しいと言われる。~ [[オーバーキル]]気味だったり、[[発動条件]]がやたら厳しいカードを採用していたりと上手く[[回った>回転]]時は派手であることも多い。~ そういった[[デュエル]]をできる可能性があることが、ファンデッキに魅せられる人が多い理由であり、遊戯王OCGの一つの醍醐味ともいえる。~ -かつては、特定の[[カテゴリ]]や[[種族]]・[[属性]]統一の[[テーマデッキ]]を含むことも多かったが、[[環境]]に食いこむ[[デッキ]]が増えたせいか、[[ガチデッキ]]との境目は曖昧である。~ 当初はファンデッキであったが、後の大幅強化で[[ガチデッキ]]となり、[[制限改訂]]で規制されてファンデッキ扱いに戻るという場合も多々ある。~ そういった[[デッキ]]は準[[ガチデッキ]]もしくは準ファンデッキという非常に微妙な立場と言える。~ ファンデッキ扱いとなるのはマイナーな[[カテゴリ]]であることが多い。~ -シングル戦には勝ちやすいが、[[マッチ]]戦になると負けやすい[[デッキ]]についてはファンデッキか意見がわかれることが多い。~ 流行を逆手にとることで[[主流デッキ]]を倒すことができるが、[[メタ]]られるとあっさりと負けてしまうような[[デッキ]]のことである。~ 遊戯王OCGにおいては[[1ターンキル]][[デッキ]]や[[ロック]][[デッキ]]、[[バーン]][[デッキ]]等がこれにあたり、[[地雷]][[デッキ]]扱いされる。~ -近いものとして、原作やアニメのキャラクターを意識した構築、名場面の競演を[[フィールド]]上に再現するための[[デッキ]]が存在する。~ これは「キャラクターデッキ」と言われ、採用されるのは原作やアニメで使われたカードが最優先となりやすい。~ 原作やアニメの[[カード]]は実際のOCGのカードプールや環境と合わないため、お世辞にも強いとは言えないのが現状である。~ また、OCGで使われる[[汎用性]]の高いカード(特に[[除去]]系)が原作やアニメで使われないことが、実際のOCGの[[デッキ]]とのミスマッチを引き起こす原因となる。~ 好みを重視している点はファンデッキと同じだが、コンセプトが実戦向きとは言えないため、[[ネタ]][[デッキ]]に分類されるだろう。~ -このように様々な構築背景を元に考案されるため[[デッキ]]内容は多種多様である。~ [[コンボ]]でしか使えない[[カード]]や、[[アドバンテージ]]を失う可能性がある[[カード]]であっても[[自分]]が活躍させたいのであれば問題なく投入される。~ 故に、[[デッキ]]構築の段階で、「決めたい[[コンボ]]を決めるために[[相手]]へどう対応するのか」をある程度考えて構築する必要がある。~ -安定性は低い一方で[[コンボ]]が決まれば強力な[[デッキ]]が多い。~ 主流[[デッキ]]は総合力により安定した強さを意識するのに対し、こちらは[[コンボ]]の結果や[[シナジー]]を意識し特化するため、意図せずとも爆発力に秀でやすい。~ その一方で安定性に難を抱えることが多く、ギミックの複雑化・肥大化により[[手札]]の消耗が激しい構築に寄りやすい。~ そのため、[[コンボ]]とそのフォローを意識するのは必須の上、[[相手]]の行動や次の[[ターン]]の予測、[[手札]]消費対策等、考えることは大量にある。~ 故に高度な構築・プレイングテクニックが必要となり、使い手にはかなりの応用力が要求されるテクニカルな[[デッキ]]が多い。~ -「ただ自分の好みの[[カード]]しか入れず勝利は目指さない[[デッキ]]」という認識は誤りで、あくまで「好みを重視しつつも勝てる(勝ちに行く)[[デッキ]]」の総称である。~ //アニメの描写より 何故なら、勝ちに行く意識が無ければせっかくの好みの[[カード]]も死に札になってしまうからである。~ そのために[[スタンダード]]で活用されている[[必須カード]]もある程度は必要になってくる。~ ファンデッキだから弱いというわけでもなく、第一線の[[デッキ]]にも勝利出来たり、大会でも優勝を重ねられるように練り上げられたりしたものも存在する。~ どんな[[相手]]にも本気の[[デュエル]]ができるという楽しみこそがその本質である。~ 勝利を追求するという点では[[ガチデッキ]]との差はなく、[[環境]]の変化で強さや定義は絶えず変化するため、その区分は明確なものではない。~ -[[自分]]の[[デッキ]]がマイナーな型であるほど、[[情報アドバンテージ]]の面で有利になる。~ 動きの特殊なものは[[マストカウンター]]が見極めづらく、更に専用の[[コンボ]]・[[シナジー]]によって自然に[[相手]]の裏をかける場合もあり、知識を持たない[[相手]]には完勝できることも多い。~ マイナーであるからこそ、[[使い手>自分]]と[[相手]]の知識量・構築力・応用力が如実に試されるため、刺激的なゲームが楽しめるだろう。~ --マイナーな[[デッキ]]を作るために先駆者の構築を参考にしようとしても、類似する構築が見当たらないばかりか、[[ネタ]]や派生ばかりでちっとも有益な情報にたどり着けないことは珍しくない。~ 経験や知識もないままにただ[[キーカード]]を揃えただけでは「自分だけのファンデッキを作る」ことは夢のまた夢なので、いきなりオリジナルを求めるのではなく、最初はある程度構築の幅が煮詰められた[[主流デッキ]]などを手に取り、様々な[[コンボ]]や[[シナジー]]に気付けるよう経験を積むことが望ましい。~ -後に[[主流デッキ]]となったファンデッキとして代表的なものは[[【ガジェット】]]・[[【Vドラコントロール】]]・[[【E・HERO】]]である。~ [[【青眼の白龍】]][[【D−HERO】]][[【宝玉獣】]]等は構築次第では[[主流デッキ]]に通用し、[[【ブラック・マジシャン】]]や[[【ネオスビート】]]は[[選考会]]で結果を残している。~ [[【剣闘獣】]]も登場当時はファンデッキの一つであったが、後に2008年度の世界大会を制するまでの[[デッキ]]となった。~ 同じく【遊星デッキ】も最初はファンデッキだったが[[【シンクロン】]]として形成され、さらに進化を重ねた結果[[【クイックダンディ】>【シンクロン】]]や[[【ジャンクドッペル】]]といった[[主流デッキ]]を生み出した。~ --一方で[[【インフェルニティ】]]・[[【BF】]]・[[【六武衆】]]など、[[主流デッキ]]ながら構築次第で動き・安定性が大幅に変わる例も存在する。~ 主流かファンかの区分は、[[カード]]や[[カテゴリ]]自体よりも構築内容によるところが大きいと言える。~ //-ファンデッキという言葉はあくまで全体を見た中での[[デッキ]]の総称の一部でしかない。~ //また、[[テーマデッキ]]という大きな面で見ればこれも[[テーマデッキ]]の一種に入るといえる。~ //-構築の都合上、対[[【メタビート】]]戦ではほとんどのギミックが封印されるに至ることもある。~ //[[メタ]]対象の[[ガチデッキ]]が「[[モンスター効果]]」「[[特殊召喚]]」を主軸にするため、それに[[メタ]]を張った結果、ファンデッキが「〜を活躍させたい」というコンセプトで組まれる事の多い性質上、多くのファンデッキも[[メタ]]られる側に成ってしまうことが主なる要因である。~ //↑採用するギミックによるので、ファンデッキ全てに言えることではないと思います。~ -ファンデッキとイメージの似たものに[[ネタ]][[デッキ]]がある。~ こちらは好きな[[カード]]を使用しつつあくまで勝つことを重視し、あちらは負けることをいとわず好きな[[カード]]を使用するという大きな違いがある。~ ただし元々の意味合い的には[[ネタ]]も含んだ「楽しむ(Fun)デッキ(deck)」の総称であり、他TCGや海外では遊戯王OCG的なファンデッキの呼称は通じない可能性が高いので注意しよう。 //「ファンデッキに[[必須カード]]を投入するのは邪道」と唱える者も少なくないが、それは[[ネタ]][[デッキ]]と混同しているといえる。~ //かなり地域差・個人の認識差があるのでコメントアウト -ファンデッキだからといって最初から負けることを前提にして戦うのは、[[相手]]を不快にする場合があるため控えるようにしたい。~ 特に、負けた後に「ファンデッキだから負けた」などと対戦[[相手]]に言うのは御法度。~ 前述の通り、やりたいことや使いたい[[カード]]が定まっているからこそ、それを成功させる工夫まで織り込まなければ、まともなゲームにはならない。~ -逆に、現在ではトーナメントクラスでない[[デッキ]]や[[環境]]の変化についていけなくなった[[【グッドスタッフ】>【スタンダード】]]などの過去の[[主流デッキ]]や、サポートが少なくパワーの劣るデッキジャンルに対して貶す意味で使う人も少なからずいるが、これは本来の意味とは異なる。~ -原作・アニメにおいて―~ 原作・アニメの主要キャラクターたちが使う[[デッキ]]を現実の場で使うと多くの場合、ファンデッキとなる。~ キャラクターたちは演出の都合上、欲しいタイミングで特定の[[カード]]が引けるのが当然であり、それを前提としてようやく回る[[デッキ]]が多いためである。~ --アニメDMオリジナルデュエル「遊戯vsステップジョニー」戦では、[[音楽>《音楽家の帝王》]]・[[ダンス>《水の踊り子》]]などをモチーフにした[[モンスター]]が多いジョニーの[[デッキ]]を、闇遊戯が「ファンデッキか」と評した。~ 「KCグランプリ編」で登場したリック少年の[[デッキ]]も、[[ドラゴン族]][[通常モンスター]]がその大半を占める(それ以外の[[カード]]は、劇中では[[《ドラゴンの秘宝》]]と[[《スピリット・ドラゴン》]]が確認できる)、彼の好みを全面に押しだしたファンデッキだった。~ 表遊戯はアドバイスと共に、彼の[[デッキ]]と相性がいい[[《凡骨の意地》]]をプレゼントしている。~ --アニメGXの死神と契約した決闘者・橘一角が使用する[[1ターンキル]][[デッキ]]も、「決まれば相手が驚く」[[コンボ]]に偏った、ファンデッキ要素が強い構築のようだ。~ 自分の思い描く最高の勝利のために長々と研鑽を重ねる彼の姿勢は、ある意味でファンデッカーの鑑と言えるだろう。~ --アニメ5D'sにおいてはカーリー渚の「占い魔女[[デッキ]]」もこれにあたるだろう。~ そもそも「占い魔女」は占いの道具としてデザインされたシリーズのようだ。~ --5D'sのディヴァインやZEXALの神代凌牙のように、アニメや原作では「弱いデッキ=弱いデュエリスト」と一方的に考えているプレイヤーが多く見られる。~ それを諫めるように、一度は見下した「格下」の対戦[[相手]](九十九遊馬やカーリー渚など)からの逆襲に遭うシーンもまた多い。 //ネタの項に移行しました **関連リンク [#ca7dd4dc] -[[用語集]] -[[デッキ集]]