*裁定 [#top]
 [[遊戯王カードゲーム事務局]]が定めた、[[テキスト]]からは読み取れない・読み取りづらい処理の行い方のこと(非公式用語)。

 遊戯王[[OCG]]は、原則として[[カード]]の[[テキスト]]を読み、それに従って[[プレイ]]するゲームである。~
 しかし時折、[[テキスト]]を読むだけではどう処理すればいいのか分からない事例が生じる事がある。~
 例えば、[[貫通]][[効果]]を持つ[[《ランサー・ドラゴニュート》]]に、[[装備モンスター]]が[[貫通]][[ダメージ]]を与えられるようになる[[《メテオ・ストライク》]]を[[装備]]し、[[守備表示]][[モンスター]]を[[攻撃]]した場合、どう処理が行われるだろうか?

+普通の[[貫通]][[ダメージ]]を与える
+通常の2倍の[[貫通]][[ダメージ]]を与える
+[[空撃ち]]に当たるので、[[《ランサー・ドラゴニュート》]]には[[《メテオ・ストライク》]]は[[装備]]できない

 こうした「[[テキスト]]からは正しい処理か判断できない」場合に必要となるのが、[[遊戯王カードゲーム事務局]]の裁定である。~
 裁定は公式サイトの[[遊戯王カードデータベース]]に掲載されている他、必要であれば電話、メール、チャットで直接[[遊戯王カードゲーム事務局]]に確認することもできる。~
 裁定は公式サイトの[[遊戯王カードデータベース]]に掲載されている他、必要であれば電話・メール・チャットで直接[[遊戯王カードゲーム事務局]]に確認することもできる。~
 ちなみに正解は1である。~

 なお、このWikiでも各[[カード]]やルールの裁定を解説しているが、誰でも編集できる都合上、古い裁定や間違った解釈が書かれたままになっている場合がある。~
 また、公式側がまともにルール解説をしていなかった頃に作られた経緯から、[[ルール効果]]や[[誓約効果]]といった非公式用語がたびたび用いられている。~
 これらは誤った認識を植え付ける可能性があるため、遊戯王自体に慣れていない人はまず[[KONAMI]]や[[集英社]]の出す情報から学ぶようにしたい。~


-裁定に関連した非公式用語。~
//五十音順

--「[[&ruby(さいていへんこう){裁定変更};>裁定変更]]」~
それまで長らく出ていた裁定が変更されること。~
例えば上記の例で、途中から「2が正しい」という裁定が出始めたら[[裁定変更]]である。~

--「&ruby(さいてい){裁定};&ruby(ま){待};ち」~
確認したい事項があるが、発売までは裁定が出ないので待つこと。~
発売前の[[カード]]に関する事項は、仮にそれが雑誌等で公開済みの[[カード]]であっても[[遊戯王カードゲーム事務局]]は裁定を出さない方針となっている。~
ただし、[[新マスタールール]]の概要が発表された際には、特例として新ルールについての裁定を[[新マスタールール]]の適用前に確認できた。~

--「&ruby(さいてい){裁定};&ruby(ゆ){揺};れ」~
主に発売直後の[[カード]]について、裁定が短期間に変更されること。~
これを裁定揺れと言い、一般に[[裁定変更]]には含まない。~

--「[[&ruby(ちょうせいちゅう){調整中};>調整中]]」~
既に発売されている[[カード]]であるにもかかわらず、その[[カード]]を使う上でのルールが定まっていないこと。~
そのような[[カード]]を使用する場合、大会では審判の指示に従い、フリー[[デュエル]]では[[お互い]]に相談してルールを一時的に決める必要がある。~
詳細はリンク先を参照。~
//なお上述の通りあくまでこの言葉は非公式用語であり、[[遊戯王カードゲーム事務局]]から「調整中です。」といった返答を返される事はない。(実際には「確認にお時間を頂きます」といった内容である)~
//リンク先と同じことを書く必要ない

--「[[&ruby(とくしゅさいてい){特殊裁定};>特殊裁定]]」~
慣例と異なる裁定が出ること。~
上記の例で「他の[[貫通]]効果持ち[[モンスター]]は1だが、[[《ランサー・ドラゴニュート》]]のみは2である」との裁定が出たら、[[特殊裁定]]と言える。~

-勘違いされている場合が多いが、[[プレイヤー]]が裁定とは異なる[[効果]]処理を行ったとしても、[[お互い]]の[[プレイヤー]]がそれに気付かない場合、''観戦者やジャッジがそれを指摘する行為は好ましくない''。~
確かに指摘すればルール上は公平になるが、対戦上は「一方がルールミスしたのを周りが助けた」という不公平な状況になり、悪用すれば片方の[[プレイヤー]]だけが有利になる指摘を行い続けるという事すらできてしまうからである。~
イカサマのようなルール違反行為を除けば、ジャッジは、[[プレイヤー]]側からの要求があった場合のみしか、裁定について答えることはできない。~
//裁定とはあくまで、[[プレイヤー]]同士の[[効果]]処理の想定が食い違った時にそれを解決する手段であって、重要なのは双方が納得することであり、厳密に[[効果]]処理を裁定に合わせることはさほど重要ではないのである。~
//プレイヤー同士の想定が食い違った時に統一するのが裁定の役目なので、厳密に処理を合わせることは重要です。大会でそれができないのは片一方に手を加えるのが不公平になるからです。
--2015年世界大会・ジュニアの部決勝戦において、[[耐性]]がある[[《クリフォート・エイリアス》]]が[[《励輝士 ヴェルズビュート》]]によって[[破壊]]されてしまったシーンが有名な例である。~
世界大会の決勝戦故に観戦者が多かった事も後押しし、当時ネット上でもミスを指摘しなかったジャッジへの批判がかなり見られていたが、実際には上記のルールに則った適切な行為である。~
---なお、2015年世界大会ではスイスドロー方式4回戦においても[[《クリフォート・エイリアス》]]と[[《零鳥獣シルフィーネ》]]に関してミスが発生している。~
こちらはジャッジが確認しているにもかかわらず[[効果]]処理が実際とは異なったものとなっているので、ジャッジのミスと言える。~

-本Wikiでは、メール等で確認できた裁定を各ページ下部の「FAQ」に確認できた日付と共に記載している。~
(古い裁定については日付がないものもある)~
また本文中に(07/05/03)などの日付の記載があった場合、それもその日に得られた裁定である事を意味する。~

-本Wikiはジャッジ含めて多くの[[プレイヤー]]が参照するページであるが、誰でも編集は可能である。~
なので大会前に自分に都合のいい虚偽の裁定をページに記載することが可能である。~
疑問を持った場合はジャッジに確認を取るべきであり、ジャッジが本Wikiを参照する場合でもバックアップや差分などで不審な編集が無いか確認するべきだろう。~

-外国語版の[[遊戯王カードデータベース]]には、Q&A欄が存在しない。~
また、事務局に質問をしても答えが帰ってこない事がしばしばある。~
代わりに[[TCG]]圏では公認ジャッジの育成に力を入れており、ルール上不明な点があればジャッジの裁定を仰ぐ、という仕組みとなっている。~
また[[テキスト]]についても日本語版より[[TCG]]版は詳細に記載されている傾向にある。~
--世界大会では、競技性のため、このような[[TCG]]圏の公認ジャッジをジャッジとして採用している。~
そのため、[[TCG]]版の裁定が大会中は採用されるが、[[OCG]]版とは裁定が異なる場合も多く、混乱のもととなることがしばしばある。~

--逆に言えば、一般的ではない事例についての裁定はその場のジャッジが判断するため、「大会によって裁定が異なる」ということがしばしば発生する。~
以下は過去に生じた問題の例である。
---[[テキスト]]に記述されなかったルールについての判断基準が一切ない。
---[[テキスト]]にミスがあった場合、細かいミスについては[[エラッタ]]が行われないため、本来のルールとは異なる処理が適用されてしまったり、ルールが不明瞭になったりしてしまう。
---一人のジャッジの裁定ミスが正しい裁定として広まってしまい、混乱を呼ぶ。
---翻訳する際に日本語とは異なる処理になる[[テキスト]]にしてしまい、[[OCG]]版と裁定に相違点が出てしまう。

**裁定の歴史 [#history]

-第2期までの[[OCG]]は[[テキスト]]が全く体系化されておらず、現在では考えられないような裁定が出ることが少なくなかった。~
例えば、[[テキスト]]からは全く読み取れない処理を行う[[《遺言状》]]や、「[[生け贄]]なしで[[召喚]]できる」という[[テキスト]]なのに[[特殊召喚]]扱いの[[《魔導ギガサイバー》]]などが挙げられる。~
それでいて[[KONAMI]]からの情報発信は貧弱で、ルールブックに「[[タイミングを逃す]]」「[[召喚]]成功時に[[優先権]]を用いて[[モンスター]]の[[起動効果]]を[[発動]]できる」等の基本的な情報が掲載されていないのは序の口。~
「[[ザ・ヴァリュアブル・ブック>書籍付属カード#VB]]」や「[[サウザンド・ルール・バイブル>書籍付属カード#sonota]]」といった公式書籍のルール解説に誤った裁定が堂々と掲載される事さえ少なくなかった。~

--当時の[[プレイヤー]]が頼りにしたのが、「遊戯王エキスパートルールHP」という個人サイトであった。~
1999年設立のこのサイトは、当時存在した全ての[[カード]]について管理人が[[遊戯王OCG事務局]]([[遊戯王カードゲーム事務局]]の旧称)から確認した裁定を掲載しており、[[OCG]]をルールに沿ってプレイしようとするならばなくてはならない存在であった。~
惜しくも[[マスタールール]]移行と共に更新は止まり2017年の末には閉鎖されているが、今なおこのサイトによって作られた非公式なルール用語が使われ続けている例は少なくない。~
[[誓約効果]]、[[ルール効果]]、[[召喚ルール効果]]、[[融合素材代用モンスター]]、[[一連の効果]]などがそれに当たる。~
//記述者も記憶があいまいなので要追記
//[[分類されない効果]]、[[誓約効果]]、[[召喚ルール効果]]、[[融合素材代用モンスター]]、[[一連の効果]]などがそれに当たる。~
//ここは当時の用語に触れているのだから「ルール効果→分類されない効果」と書き換えちゃダメでしょう

-第3期ごろからは明らかに不自然な裁定が出る事は減ったものの、[[対象をとる(指定する)効果]]か[[対象をとらない効果]]か、[[条件による特殊召喚]]か[[発動したカードの効果による特殊召喚]]か、[[効果]]か[[効果外テキスト]]か、といった事項を[[テキスト]]から判別する事は相変わらず困難であった。~
また、[[特殊裁定]]だらけの[[《光と闇の竜》]]や、発売後に[[無限ループ]]が明らかになり[[テキスト]]に反する処理が公式の裁定となった[[《ミラクル・フリッパー》]]等の事例もあり、[[テキスト]]への信頼度は相変わらず低かった。~

--2005年3月(第4期途中)に本Wikiが設立される。~
以降、本Wikiに裁定の情報が集まるようになり、「遊戯王エキスパートルールHP」の更新停止も相まって、本Wikiがプレイに不可欠な状況となった。~
しかし、本Wikiは誰でも更新できるサイトであり、誤った裁定・偽の裁定が掲載される危険性もあるため、「非公式なサイトがないとプレイできない」状況を憂慮する声もあった。~

-2012年に公式サイトに[[遊戯王カードデータベース]]が開設され、裁定が積極的に公開されるようになった。~
また同時期(第8期〜)より[[テキスト]]の書き方が整理され、[[対象]]をとる・とらない、[[発動]]する・しないといった事項が[[テキスト]]に明記されるようになったため、[[テキスト]]から判読できない事項も大幅に減少した。~
第9期以降は[[効果]]と[[効果外テキスト]]の区別、[[発動条件]]を[[効果処理時]]まで維持している必要があるか等も明文化されるようになっている。~
また2014年〜2018年の各年及び2020年は「[[パーフェクトルールブック>書籍付属カード#RB]]」が刊行され、多くのルールが公式に明文化された。~
裁定周りの環境は、かつてに比べると格段に改善されていると言える。~
「遊戯王デュエルリンクス」が配信されて以降は、遊戯王デュエルリンクスで使用可能な[[カード]]のルールが再整備されるなど、より一層改善されている。~
--ただし一部の[[カード]]は現在も尚[[データベース>遊戯王カードデータベース]]が碌に更新されておらず、裁定確認には都度[[遊戯王カードゲーム事務局]]への問い合わせが必要な状況が続いているものも存在する。~
古くに登場して再録もされていないもの、[[書籍付属カード]]であるため再録自体が行われないもの、採用率が低いもの、[[《ポールポジション》]]の様に[[特殊裁定]]が多すぎるもの等が例として挙げられる。~
--ただし一部の[[カード]]は現在も[[データベース>遊戯王カードデータベース]]が更新されておらず、裁定確認には都度[[遊戯王カードゲーム事務局]]への問い合わせが必要な状況が続いているものも存在する。~
古くに登場して再録もされていないもの、[[書籍付属カード]]であるため再録自体が行われないもの、採用率が低いもの、[[《ポールポジション》]]のように[[特殊裁定]]が多すぎるもの等が例として挙げられる。~

--[[遊戯王カードデータベース]]によって公式の裁定が改善される一方、この遊戯王Wikiは時代遅れになりつつある。~
それどころか[[ルール効果]]や[[誓約効果]]などの非公式な概念を用いたルールの理解は誤った解釈の温床である。~
古い裁定や間違った解釈が放置されることも少なくない。~
不正確な知識が正しい知識の定着を邪魔することもあるので、ルールの勉強は[[KONAMI]]や[[集英社]]の発行する情報から学ぶようにしたい。~

**関連リンク [#link]
-[[裁定変更]]
-[[特殊裁定]]
-[[調整中]]

-[[用語集]]