《ハリケーン》のバックアップ(No.11)

《ハリケーン》 †

通常魔法（LEGEND）
【条件】なし
【効果】このカード以外のお互いのフィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。

　レジェンド魔法カードでお互いの魔法・罠カードを除去するという点では《大嵐》に近い。
　こちらはバウンスなので、発動したターンは自分のカードを巻き込んでも概ねディスアドバンテージにならず、破壊耐性を無視して確実に相手のフィールド魔法・罠カードが無い状況で動くことができる。
　次の相手ターン以降も墓地アドバンテージを与えない、次の相手の通常のドローの枚数を減らし、ある程度展開やデッキ圧縮を遅くできる、という利点がある。

　一方、再利用される点や、セット状態の場合何を除去したのか分からない為情報アドバンテージに不利が付く、デッキ切れが若干遠のいてしまうのがこちらの欠点と言える。
　なお、これらは発動したターンで勝負を決める場合には無視できる要素なので、勝負を決めるために扱うならば《大嵐》よりこちらが優先される。

　勘違いされがちだが、相手の手札を増やす分通常のドローの枚数を削る事を加味しても次のターンに使えるカードの枚数は《大嵐》と差は付かない。
　バウンス対象の、温存もしくは腐った魔法カードと罠カードはメインフェイズでの動きに繋がりにくいため、それら複数でドロー枚数を削ることを妨害やアドバンテージと捉えることはできる。
　このカードを発動した以上、こちらの効果や戦闘破壊以外で相手のデッキ・フィールド・墓地の変動は（通常のドローまで）無いため、腐ったためセットしたカードは腐り続ける可能性も高い。
　発動していたフィールド魔法・装備魔法に関しても、いずれもモンスターあってのものなので、それらでモンスターをドローできる確率が下がるのは痛手とも見れる。
　とはいえ「再利用される」という根本は変わらず、ドローしたカードとのコンボで強く動かれることもありうる。

　上記利点と欠点を踏まえどちらを優先するかを検討するのが望ましい。

　自分への影響があるカードとしては、条件のある装備魔法・フィールド魔法が該当する。
　コストなどが重いタイプとは相性が悪いが、《バーサーカーコロシアム》などの墓地肥やしや、《透幻郷の錦綉》のデッキトップ操作など、条件を再利用できるタイプとは相性が良い。

遊戯王OCGにも登場していたカードの１枚である。
- OCGにおいても古くから汎用カードとしての評価を受けていたが、登場から暫くの間はOCG:《大嵐》に比べると一歩劣る評価でもあった。
  だが、時の流れと共に破壊よりもバウンス除去の方が使い勝手が良いケースが増え、更には自分のカードをバウンスして再利用する運用が凶悪と判断されたためか、2011年にはOCG:《大嵐》と入れ替えられる形でOCG:禁止カードとなった。
  因みに、OCG:《大嵐》もその後OCG:禁止カードになるも、2024年にあちらはOCG:制限復帰しており、依然としてOCG:禁止カードのOCG:《ハリケーン》の方がやはり危険視されているようである。

ラッシュデュエルは現状破壊耐性を持つ（付与する）魔法・罠カードは少なく、バウンスして再利用したい永続カードの数も多くはないため、OCGと同様の運用は難しい。
一方、自分ターンに相手の手札を増やす行為がデメリットにならないどころか寧ろ次の通常のドローを減らせるメリットにもなり得る点で、OCGよりも除去性能が秀でている。
また、ルール上魔法・罠カードを積極的にセットすることが多く、巻き込んでもディスアドバンテージにならない利点がOCG以上に大きい。
カードプールの点では弱体化しているもののルールの点で強化されたカードの一例である。