LO(ライブラリアウト)

概要

 デュエルの勝利条件の1つ、「デッキ切れ」による勝利を目指すデッキ
 相手ライフポイントを0にする他のデッキとは異なる独自のプレイングが要求される。

 主な戦術として以下のものがあげられる。

  1. デッキ破壊をして相手デッキ枚数を減らす。
  2. 自分ターン手札破壊をして相手通常のドロー枚数を増やす。
  3. 自分ライフポイント回復し、ライフ切れを防ぐ。
  4. 自分デッキカード戻しデッキ切れを防ぐ。
  5. 防御系カードコントロールカード相手の動きを止め長期戦に持ち込む。

 基本的にビートダウンを楽しむゲームであるラッシュデュエルの趣旨に反する戦法と言えるためか積極的にデッキ破壊手札破壊を行えるカードは少ない。
 したがって、このデッキの基本戦術は「相手に長期戦を強いてデッキを消耗させつつ、自分墓地カードデッキ戻すなどしてデッキ切れを回避する」というもの。
 言わば「自滅待ち」がこのデッキの勝ち筋である。

 なお、デッキ名にある「LO」(ライブラリアウト:Library Out)とは、元祖TCG「Magic: The Gathering」においてデッキ切れの意味である。
 なお、デッキ名はアルファベット通りに「エルオー」と呼ばれることもある。

《監獄の神 ディアン・ケト》
効果モンスター
星8/闇属性/水族/攻2500/守1000
【条件】手札1枚を墓地へ送って発動できる。
【効果】相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んで墓地へ送る。
この効果でモンスター(レベル7以上)が墓地へ送られた場合、自分は1000LP回復する。
《手札抹殺》
通常魔法(LEGEND)
【条件】なし
【効果】手札があるプレイヤーは、手札を全て墓地へ送る。
その後、お互いは[この効果で自身が墓地へ送ったカードの数]だけドローする。

デッキ構築に際して

 デッキ枚数は40枚がラッシュデュエルの定石だが、このデッキの場合は自身がデッキ切れになるのを防ぐため多めにするのが望ましい。
 40枚台後半あたりが理想的である。

 ラッシュデュエル独自の戦術として、手札が減ると通常のドロー枚数が増えてデッキが減るため、手札破壊が間接的なデッキ破壊に繋がる。
 デッキ枚数が少なくなると相手は動くに動けず手札を余らせる事が多いため、手札破壊を仕掛ける事でデッキ破壊を加速できる。

メインデッキモンスターについて

 ラッシュデュエルでは基本的に種族デッキが強い。
 【LO】でもそれは例外ではなく、「ある程度種族を統一したデッキを組みつつ、そこに他種族カードを入れることでライブラリアウト能力を高める」のが基本構築となる。
 この部分ではベース種族を問わず採用できるカードを紹介し、種族統一部分のカードデッキの種類にて後述する。

下級モンスター

上級モンスター

最上級モンスター

魔法・罠カードについて

レジェンドカードについて

戦術

 ラッシュデュエルデッキが減りやすいルールなので、積極的にデッキ破壊を仕掛ける必要は薄く、まずは「ライフポイントを削られない」事を最優先に動く。
 防御を固めることも重要だが、《魔将ヤメルーラ》手札破壊除去効果によって、相手に思うような動きをさせない事もライフポイントを守ることに繋がる。
 初期デッキ枚数とデッキを回復させるカードの枚数で【LO】側は優位を取っているので、とにかくライフポイントさえ0にさせなければ先にデッキ切れになるのは相手である。

 基本的に、ラッシュデュエルは守る側に有利なルールである。
 モンスターゾーンが3つしかなく、モンスター通常召喚を無限に行えるため、毎ターン3枚のモンスターを出し続ければ、基本的にプレイヤーダメージを受けることはない。
 もちろん、《連撃竜ドラギアス》などその状態を崩しに来るモンスターも居るので、《連撃竜ドラギアス》らによる「4回目の攻撃」を如何に防ぐかが課題となる。
 これを念頭に置いた上で《楽姫の独演》等の罠カードをどこまで積み増すかを判断したい。

 このデッキ攻撃を行うのは序盤に厄介なモンスターを置かれた時くらいで、中盤以降はほぼ攻撃を行わなくなる。
 むしろ、中盤以降は相手フィールド罠カードが貯まるので、下手な攻撃は通らないと考えるべきである。
 《ダーク・リベレイション》などを警戒するならば攻撃しない方がよい。

デッキの種類

【魔法使い族】

《ダーク・リベレイション》
罠カード
【条件】相手モンスターの攻撃宣言時、自分の墓地のモンスター(魔法使い族)4体をデッキに戻して発動できる。
【効果】相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 相手攻撃を防ぎデッキ枚数を4枚も回復できるカードでもある《ダーク・リベレイション》を使うため、下級モンスター魔法使い族を中心に組むタイプ。
 採用するモンスターは、【魔法使い族】のページに記載されているものから扱いやすいものを中心に選ぶ。

 【LO】独特の事情として、モンスター守備表示で出すことが多いため、守備力が高いモンスターの起用が有効的である。
 《10sionMAX!!!》等による貫通ダメージを減らせる他、下級モンスター攻撃を受け止める事ができれば次のターンの防御にかなり有利となる。
 守備力1400の《はぐれ使い魔》《ドリアード》が候補に上がるだろう。
 また、防御カードである《火の粉のカーテン》を回収できる《スパークハーツ・ガール》も優先度が高い。

 《ダーク・リベレイション》には「相手を全滅させて攻撃を1ターン防ぐ」「デッキを4枚回復する」以外に、相手のプレイングを縛る副次的効果も見込める。
 一般的な《ダーク・リベレイション》対策として、モンスター3体を攻撃表示攻撃せず、2体を攻撃表示、1体を守備表示にして攻撃する」というものがある。
 これは対戦相手ビートダウンデッキであれば正解なのだが、ライフポイントが0にならなければよい【LO】としては相手の攻め手が緩むのでむしろありがたい行為と言える。
 同様に《ささやきの妖精》《クリア・アイス・ドラゴン》墓地魔法使い族デッキ戻すのも有名な《ダーク・リベレイション》対策だが、これもデッキ枚数が増えるほど有利になる【LO】としてはむしろ恩恵がある行為である。

【植物族】

 墓地カードデッキ戻すカードを多数擁する【植物族】をベースとするタイプ。
 《花牙踏み》で2枚、《花牙舞戻り》で3枚、《真花牙クノイチ・ガーランド》墓地1枚+フィールドから1枚デッキ戻せるので、デッキ枚数を維持しながら持久戦を仕掛けることができる。

 このタイプ独自の利点として、《花牙シノビ・ガトリング》による除去が可能という点がある。
 【LO】では攻撃を行わない都合上、デュエル後半になると相手フィールド罠カードが貯まり、《連撃竜ドラギアス》《風使いトルネ》といった脅威となるカードの排除ができなくなるという欠点がある。
 《花牙シノビ・ガトリング》モンスター効果破壊できるため、こうしたカードの頭数を攻撃を介さず減らすことができる。
 2枚の手札コスト攻撃に制限が掛かる点も、終盤になると手札が余るこのデッキなら問題にならない。

 ライフポイントの大幅な回復が狙える《花牙僧のミモザ》も持久力を上げてくれる。

【悪魔族】

《キングス・ディグニティ》
罠カード
【条件】相手モンスターの攻撃宣言時、
自分の墓地の通常モンスター(レベル1/悪魔族)1体をデッキに戻して発動できる。
【効果】その攻撃を無効にする。

 墓地レベル1・悪魔族通常モンスターデッキ戻すことで、相手モンスター攻撃無効にする《キングス・ディグニティ》を採用するタイプ。
 《キングス・ディグニティ》マキシマムモンスター攻撃無効にできる数少ない罠カードであり、《10sionMAX!!!》使用時の攻撃無効にできればマキシマムモンスターを出されてもデッキ切れ勝利が狙える。
 属性にはこだわらないので、採用するレベル1・悪魔族通常モンスターは、守備力に優れる《子守りゴート》が最優先である。
 モンスターを強制的に攻撃表示にしてくる《風使いトルネ》戦闘を行わずに処理できる《キングス・リワード》を採用するのも良い。

 ギミックを動かす上であまり枚数は必要ないので、他種族を軸にした上でサブギミックとして採用するのも良い。

【ドラゴン族】

 こちらもサブギミックとなりうる種族の1つ。
 《反攻の竜撃》により、マキシマムモードマキシマムモンスターを除くほぼ全てのモンスターをピンポイントで破壊できる。
 上記した《連撃竜ドラギアス》のような「4回目の攻撃」を仕掛けてくるモンスター」を破壊することで、ライフポイントを守る事ができる。
 《ダーク・リベレイション》のために枚数が要る魔法使い族と異なり、ドラゴン族《反攻の竜撃》が場に揃えば機能するので、枚数はさほど必要ない。
 こちらも《手乗りドラコ》等、守備力重視の方が無難。
 また、《真紅動の撃速竜》《ドラゴンズ・ブースト・フュージョン》の組み合わせで7枚のデッキ破壊が可能な点で優れる。

【攻撃力0】

《イスの鏡王ダユー・エイビス》
効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻   0/守2400
【条件】自分の墓地のモンスター(攻撃力0)を好きな数だけデッキに戻して発動できる。
【効果】このカード以外の自分または相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、
その攻撃力をターン終了時まで、[この効果の条件でデッキに戻したモンスターの数]×300ダウンする。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、[この効果の条件でデッキに戻したモンスターの数]×300アップする。

 《イスの鏡王ダユー・エイビス》により墓地カードデッキ戻しやすい。
 元々ブロッカーの豊富なデッキのため、「ダユー」や《レザーライフ・ドラゴン》によるビートダウンでの勝利が難しければデッキ切れ狙いに切り替え、ひたすら守りを固めても良いだろう。

【エクスキューティー】

《エクスキューティー・スカウト!》
通常魔法
【条件】自分の墓地のカード名が異なるモンスター(レベル6/守備力500)4体をデッキに戻して発動できる。
【効果】自分は2枚ドローする。
このターン、自分はモンスター(レベル7以上)で攻撃できない。

 《エクスキューティー・スカウト!》により墓地カードデッキ戻しつつドローも加速させる。
 本来は速攻を掛けるためのカードだが、劣勢時は【LO】を意識しても良いだろう。
 エクスキューティーブロッカーが存在しないシリーズカードのため不思議がられるだろうが、《邪影ダーク・ルーカー》を採用しやすいためこのような戦法も取ることが可能。

このデッキの弱点

 勝利するまで相手墓地肥やしを手伝うという、ほとんどのデッキに対して利敵行為を行い続けることになる。
 カードプールが増加してからは特にその傾向が強く、デッキ破壊手段、遅延向きの罠カードも増えたが墓地を肥やすことで使いやすくなる蘇生除去墓地でのフュージョン召喚なども増えたことで、抑えきれないほど相手の攻め手を増やす可能性も高くなった。

 【マキシマム召喚】相手には対処が非常に難しい。
 基本的に《魔将ヤメルーラ》より強いアタッカーが居らず、マキシマムモンスター戦闘破壊する事がほぼ不可能である。
 そしてマキシマムモンスター《ダーク・リベレイション》等の罠カード破壊されないモンスターが多い上、《楽姫の独演》をはじめとする防御系罠カードの大半はレベル10のマキシマムモンスターに効かない。
 勝利までに時間の掛かるデッキのため、そのうち《10sionMAX!!!》を引かれて致命的な攻撃を受けてしまう可能性が濃厚である。
 手札破壊搭載型ではマキシマムモンスターを揃えさせないという選択肢があるが、手札破壊を使わないデッキはコンセプトレベルで相性が最悪である。

 ビートダウンを防ぐ事を念頭にデッキを構築し、長期戦で勝つ事を目的とするため、バーンも対処が難しいところ。
 特にバーン魔法・罠カード破壊効果を持つ《邪影ダーク・ルーカー》は天敵であり、1体でライフポイントを一方的に削られてしまう。

 守りを捨てて突っ込んでくる【フルモンスター】相手にすると速度で劣る点が致命的になる。

備考

関連リンク


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