グッドスタッフとは、属性や種族を重視せず、単体性能の高いカードを詰め込んだデッキ。
OCG界隈では古くはOCG:【スタンダード】と言ったが、2010年代ごろから【グッドスタッフ】と呼ばれることが多くなった。
ラッシュデュエルは【グッドスタッフ】の語が一般化した2020年発売のゲームであるため、本項目ではこちらの名称を使用する。
特にコンボ用のカードを搭載しないため、手札事故が起こりにくく、安定した戦いが可能。
単体性能の高いカードを詰め込む性質上、どのようなカードが手札に来てもそれなりに戦う事ができ、種族デッキにありがちな「単体性能は一歩劣るが、種族サポートを受けられるので採用する」カードがないため、戦闘能力に長ける。
その反面種族デッキと比べ、爆発力に劣る面があり、フィールド魔法などの恩恵も受けづらい。
また、【グッドスタッフ】に採用されるカードは、どのようなデッキでも使いうる汎用性の高いカードということでもある。
種族デッキ等を作っていてデッキパワーが足りないと感じた際は、このページにあるカードを投入すると補えるだろう。
とにかく単体性能の高いカードを詰め込む。
こちらも単体性能の高さを突き詰めて採用する。
ただ、モンスターに比べると魔法・罠カードでデッキを選ばずに使えるものは限られている。
―罠カード
レジェンドカードはモンスター・魔法・罠からそれぞれ1枚ずつしか投入できない。
【青眼の白龍】の《青眼の白龍》、【攻撃力0】の《右手に盾を左手に剣を》のようにデッキコンセプト上ほぼ一択となるデッキもあるが、そうでもない場合は以下から1枚選ぶと良い。
―通常モンスター
レジェンドカードとしては基本的に効果モンスターに劣るが、《レジェンド・マジシャン》と《レジェンド・ストライク》を採用したデッキであれば、効果モンスター以上の価値となりうるカードとなる。
―罠カード
竜=【ドラゴン族】と魔=【魔法使い族】というサポートカードの手厚い2種族を軸としたグッドスタッフデッキである。
ラッシュデュエルの罠カードの中でも頭1つ抜けた性能を持つ《ダーク・リベレイション》が切り札。
《ダーク・リベレイション》は墓地に4体の魔法使い族が必要なため、デッキのモンスターは魔法使い族の方が多めとなる。
ソーサラー・《フィーラン・ドワーフ》・《セブンスロード・メイジ》・《ささやきの妖精》・《風使いトルネ》・《ミスティック・ディーラー》辺りが主力となる。
一方のドラゴン族側は《フェニックス・ドラゴン》・《連撃竜ドラギアス》の2種類というのが基本パターンで、他に役割が欲しい場合に追加する事になる。
特に《フェニックス・ドラゴン》は魔法使い族側では層が薄い炎属性であり、《セブンスロード・マジシャン》の攻撃力を上昇させる役割も担う。
魔法・罠除去カードは《マジカル・ストリーム》+《火竜の熱閃》の6枚体制もできるが、ドラゴン族側が少ない場合は《火竜の熱閃》を見送る事も考えられる。
この構築の強みとして《セブンス・ワンダー・フュージョン》から大型モンスターを少ない消費で出せる事にあり、中でも《魔導竜騎士-セブンスギアス》は強化と全体除去により優勢・劣勢のどちらでも使える。
素材以外の最上級モンスターは同じく素材に指定されている《魔装獣ギアパルド》、《ダーク・リベレイション》を再利用できる《破滅の竜魔導士》が入る。
《セブンス・ワンダー・フュージョン》や《ダーク・リベレイション》と墓地活用が多いため、下級モンスターは墓地肥やしができる《フィーラン・ドワーフ》・《レジェンド・マジシャン》の優先度が高い。
闇属性を増やして《ダークネス・フォーシーカー》を投入する事も検討できる。
魔導騎士族が主軸となる場合は《魔導槍グレイス・スピア》を投入して1ターンキルを狙うのもありだろう。
《ダーク・リベレイション》が重要となるため魔法使い族を削ることはできず、デッキに何らかのカスタマイズを加える場合はドラゴン族側を削る事が多い。
《ロイヤルデモンズ・ヘヴィメタル》 効果モンスター 星8/光属性/悪魔族/攻2500/守 0 【条件】モンスター(レベル5以上)をリリースしてこのカードを召喚したターンに発動できる。 【効果】相手フィールドのレベルが一番低い表側表示モンスター(レベル8以下)1体を選び、 このカードの攻撃力はターン終了時まで、[選んだモンスターの攻撃力]だけアップする。 選んだモンスターは破壊される。
高いフィニッシャー性能を持つ《ロイヤルデモンズ・ヘヴィメタル》のリリース確保に特化したタイプ。
《ロイヤルデモンズ・ヘヴィメタル》はレベル5以上のモンスターをリリースしてアドバンス召喚しなければ効果が使えないが、【グッドスタッフ】では上級モンスターの層が薄く、効果を適用するチャンスがあまり多くないという弱点がある。
そこで、上級モンスターに特殊召喚しやすいものを集め、《ロイヤルデモンズ・ヘヴィメタル》のリリースを効率的に確保するのがこのタイプである。
具体的な例としては、通常モンスターを採用して《デーモンの呼び笛》を使うデッキ、《メガザウラー》+《スーパー・キング・レックス》を採用して《メガザウラー》をリリースにあてるデッキなどがある。
通称【フルモン】。
デッキを全てモンスターで固めてしまったデッキ。
ラッシュデュエルでは1ターンの通常召喚回数が無制限のため、デッキ内のモンスターを増やせばそれに比例して展開力が高まる。
したがって、デッキ内を全てモンスターにしたデッキは、魔法・罠カードを搭載したデッキより展開力が勝ることになる。
OCGと共通する特徴はOCG:【フルモンスター】も参照。
あちらでは特に【フルモンスター】に特化したOCG:フィッシュボーグやOCG:超重武者が存在する。
例えば、プレイヤーAの初手5枚が全てモンスターだった場合、最大限に展開すると最上級モンスター1体と下級モンスター2体を召喚できる。
これに対し、プレイヤーBの初手5枚に魔法・罠カードが1枚ある場合、最上級モンスター1体と下級モンスター1体の召喚が限界となる。
この時点でプレイヤーBはこのターンプレイヤーAのモンスターを全滅させられない事になり、Aはリリース要員を残したまま次ターンを開始することができる。
(実際にはBが《連撃竜ドラギアス》を出した場合など例外は多いが。)
こうしてテンポ・アドバンテージで勝ち、数的優位に立つのが【フルモンスター】の考え方である。
また、【フルモンスター】には、相手の対魔法・罠カード対策カードを軒並み腐らせる効果もある。
【フルモンスター】相手には《マジカル・ストリーム》や《ハンマークラッシュ》は発動する方法がなく、手札や魔法&罠ゾーンで腐って相手のドローや魔法・罠カードのセットを阻害するだけのカードとなる。
《エンシェント・バリア》は墓地のモンスターを戻すだけのカードとなり、《守護の竜魔導士》はバニラとなる。
こうした無駄なカードを引かせる事も【フルモンスター】がテンポ・アドバンテージで勝るために役立つ。
魔法・罠カードが使えないため、《マジカル・ストリーム》などの種族サポートカードの多くが使用不能であり、種族デッキを組む利点が薄いため、【フルモンスター】は【グッドスタッフ】構築が基本形となる。
例外的に【サイキック族】は比較的【フルモンスター】化しやすい。
また、【水属性】は《サイバー・シャーク》の存在から【フルモンスター】化が推奨される。
なお、別にデッキ内が全てモンスターであることを要求するカードなどがあるわけではないため、必ずしも完全な【フルモンスター】にする必要はない。
例えばどうしても《ダーク・リベレイション》対策だけはしたい場合は《エンシェント・バリア》だけは入れる、といった選択肢は十分にありうる。
その他汎用カードにはノーコストのドローソースに化ける《傲慢な壺》も存在する。
こうした「ほぼフルモンスター」デッキは略して【ほぼモン】と呼ばれる。
なお、手札が全て下級モンスターとなってしまうと、2枚の手札は使いきれずに残ることになり、数的に不利になってしまう。
こういった事態を避けるために上級・最上級モンスターの比率を高めておく、手札コストのある効果を持つ下級モンスターを採用しておくといった構築も考慮したい。
レベル7モンスターとそのサポートカードを中心とした【グッドスタッフ】。
当然ながら、モンスターをレベル7のみで固めては手札事故は避けられないため、下級モンスターとのバランス配分が重要となる。
ある程度安定してレベル7を確保しつつも、アドバンス召喚は行える程度の下級モンスターが安定供給できる程度に調整したい。
2022年代からは環境でトップとなっていたデッキ。
現在では、リミットレギュレーションの適用により弱体化している。
レベル7モンスターには、上述の《セブンスロード・マジシャン》や《連撃竜ドラギアス》以外にも汎用性の高い効果を持つものも多く、候補には困らない。
サポートカードの多い通常モンスターには、《ギャラクティカ・オブリビオン》や《最強戦旗タフストライカー》といったレジェンドカードでないがらもそれに匹敵する攻撃力を持つものも存在する。
レジェンドカードにもドラゴン族メタの《バスター・ブレイダー》や、複数の専用サポートカードを持つ《ブラック・マジシャン》・《真紅眼の黒竜》等が存在する。
レベル7のサポートカードも合わせて採用する事で、これらレジェンドカードを軸にデッキを構築してみるのも面白いだろう。
サポートカードとしては、モンスターカードでは《火雷神サンダーボールド》や《ネクメイド・ナナ》が存在し、特に前者は自身がレベル7である上にレベル7でデッキを固める意義もあるため、必ず採用しておきたい。
魔法・罠カードでは、2:2交換の手札交換を行いつつ墓地を肥やせる《七宝船》が抜きんでて強力であり、ほぼ必須カードと言える。
それ以外では、通常モンスター限定ながら強化と罠カードへの耐性付与を兼ね備えた蘇生カードの《潜入開始》、複数ドローと大幅なライフ回復が見込める《7チャンス》等が候補となる。
ドラゴン族を軸に構築した場合、一部のギアスモンスターの手札コスト指定である「レベル7以上のドラゴン族」を満たしやすくなる。
同種族で固める事で、《ハイパーノヴァ》や《トライアングル・リボーン》による最上級モンスターの蘇生も視野に入る。
環境で活躍したタイプには《パラレルバース・ゲート》・《潜入開始》を使用した【パラレルオーダー】、《火雷神サンダーボールド》・《CAN-Melo:D》のコンボを使用した【サンメロディ】がある。
どちらも通常モンスターを軸としたデッキであり、【通常モンスター】寄りの【グッドスタッフ】とでも言うべき存在。
【パラレルオーダー】では《魔法石の採掘》や《七宝船》で手札を減らしつつ墓地を肥やすことでキーカード2枚による展開を補助する。
採用する通常モンスターは《ギャラクティカ・オブリビオン》が基本。
《メテオ・チャージ》を共有できる《ミルキーウェーブ・ネオ》を入れた【ギャラクシー族】寄りの構築もある。
派生として雑多な種族をピン挿しし、《エクスキューティー・アップ!》を使用した【エクスオーダー】も存在する。
【サンメロディ】では《激鱗解放》・《ロマンス・ピック》で墓地を肥やし、《火雷神サンダーボールド》によるコンボでモンスターを展開する。
墓地に落ちた《火雷神サンダーボールド》を回収する《センサー・ダックビル》、デッキ切れを防ぎつつ相手の墓地リソースを削る《プログレス・ポッター》も採用率が高い。
この構築でも《潜入開始》は墓地肥やしと相性が良く《ギャラクティカ・オブリビオン》と共に投入される。
こちらの場合通常モンスターは《火雷神サンダーボールド》の条件のためにカード名の異なるモンスターを4~5種ピン挿ししておく。
《ロマンス・ピック》の成功率を上げるために《ハンディーレディ》も候補に入る。
モンスターについては各種族のエース級を採用できるため戦闘能力は十分だが、どうしても魔法・罠カードの弱さが目立つ。
特にモンスター除去手段が貧弱で、相手モンスターはそれを上回る攻撃力のカードをぶつけて正面突破するほかない。
この結果、マキシマムモンスターの突破手段がかなり限られており、《セブンスロード・マジシャン》の最大攻撃力を上回ると手出しが難しい。
ラッシュデュエル発売当初は、強力な除去能力を持つ《ダーク・リベレイション》を採用できるが最上級モンスターが不足した【魔法使い族】に優秀な攻撃能力の《連撃竜ドラギアス》でカバーした【竜魔】が環境を支配していた。
少ないカードプールの中で《ダーク・リベレイション》を回避する手段が少なかったことも【竜魔】が多い原因であった。
その後はカードプールの増加により罠カードで破壊されないカードが増え、中でも《潜入開始》が流行したことから徐々に数を減らしていった。
ゴールドラッシュパックにて《潜入開始》が登場し、1枚で攻撃力3000超えで耐性持ちのモンスターを出せるその強さは多くのプレイヤーに注目された。
これに《七宝船》・《火雷神サンダーボールド》を合わせた【通常モンスター】の【レベル7】が流行した。
デッキ改造パック 創造のマスターロード!!発売後は《パラレルバース・ゲート》・《激鱗解放》により【パラレルオーダー】の選択肢も増え、安定性にも大きく向上している。
デッキ改造パック 運命のギャラクシー!!発売後は《エクスキューティー・アップ!》により【エクスオーダー】が誕生し、さらに多様化を見せている。
また、通常モンスター最高のステータスの《ギャラクティカ・オブリビオン》を始め、通常モンスターと関係性が深いギャラクシー族も登場していたことで種族サポートカードも交えた動きもできるようになった。
長きに渡り環境で活躍したことで公式も危機を覚えたのか、デッキ改造パック 破滅のレクイエム!!では《ライステラス・リペル》・《地獄河童ダイウェット》・《ウルトラバイオレディ》のようなこのデッキへのメタカードがいくつか収録されている。
その後も《藍の牢獄》・《終焔魔神ディスペラシオン》といったカードも収録されたが、それでも勢いは止まらず、他の通常モンスターやレベル7のモンスターが動きづらくなってしまう事態にも陥っている。
放置すると今後の商品販売にも影響すると判断されたのか、23/01/01のリミットレギュレーションにて《火雷神サンダーボールド》・《ネクメイド・ナナ》・《潜入開始》が制限カードに指定された。
この改訂ではいずれも【レベル7】から排出されている辺り公式の想定を超えたデッキパワーを持っていたことが窺える。