「優位(性)」や「利益」を意味するカードゲーム用語(非公式用語)。
英語の「Advantage(アドバンテージ)」の意味。
トレーディングカードゲーム(TCG)において「アドバンテージを持つ」「アドバンテージがある」とは「対戦相手よりも優位になること」を言う。
例えば、「相手より手札の枚数が多い」とか、「相手よりフィールドのモンスターの数が多い」といった状況がわかりやすい。
前者は「ハンド・アドバンテージ」、後者は「ボード・アドバンテージ」を持っている状態である。
また、「アドバンテージを稼ぐ」「アドバンテージを得る」とは、カードの効果等で「自分が利益を稼ぐ・得ること」を言う。
例えば、「1枚のカードで2枚のカードを破壊した」とか、「1枚のカードで2枚ドローした」時がわかりやすい。
前者は自分のカード1枚で相手の2枚のカードを失わせたのでカード1枚分、得をしたことになる。
後者は自分のカード1枚が自分の手札2枚に増えたのでカード1枚分、得をしたことになる。
その逆は「アドバンテージを損なう」「ディスアドバンテージを負う」と表現される。
相手の手札・セットカード・デッキ等の非公開情報の内容を知ることで得られるアドバンテージのこと。
「知っている情報が多いプレイヤーが有利」とする考えに基づく。
直接的なアドバンテージではないが、相手のデッキや戦況を把握し効果的に対処できるようになることから、重要度は高い。
自分からカードの効果によって得られる場合があるが、情報を取得できてもそれに対抗する手段がなければ活かせないので、情報を得るためにカードを消費するのは得策ではない。
例えば、確実に1枚消費してしまう《古代の遠眼鏡》よりも《特報マシン・タフロイド》を使うことで間接的に確認できるようにした方が良い。
相手のプレイングで間接的に得られる場合もあり、単体で強力なカードが少なく、コンボ主体の遊戯王ラッシュデュエルではこの方法で得られる場合が多い。
例えば相手のデッキにマキシマムモンスターの存在が確認できた場合、残り2種類がデッキにあり、マキシマム召喚を狙っていることは想像できるため、対処手段を温存しておくことで、いざ出てきた場合にも対処が可能となる。
他にもレジェンドカードは1枚のみしか入らないため、1枚確認できたなら残りが入っていないことが分かる。
特に《落とし穴》の警戒が不要になる点は大きい。
罠カードも条件によって発動できるか否かを見極められる。
例えば墓地に魔法使い族を溜めるプレイングを行っていれば《ダーク・リベレイション》が存在することが推察できる。
種族が異なる通常モンスターを展開してきた場合は《狂暴と共謀》があること、他にも相手が手札を2枚残しターンを終えた場合は《2ブロック》や《量子ホール》などがあることが推察できる。
条件などを利用しプレイングから伏せカードを推察できるか否かは、各自の知っているカード・デッキの量に依存する部分も多い。
特に、そのカードを知っていなければ対処は難しい。
認知度・流行度の低いカードでは対策がない場合も多く、その場での判断力が勝敗の重要な要素となる。
既にフィールドに出しているカードについてのアドバンテージ。
「フィールドに多くのカードを出しているプレイヤーが有利」とする考えに基づく。
ラッシュデュエルでは手札が毎ターン5枚まで補充され、それを消費し切ることが重視される。
そのためこのアドバンテージも稼ぎやすいが、フィールドに出せるのは最大7枚までであり、適宜消費することも求められる。
フィールドのモンスターの数が多いほどリリースに使えたり攻撃を凌ぐ壁として使える様になり、有利になる。
しかし召喚が無制限に行えるため、モンスターが簡単に出せるのは相手も同じである。
ステータスが低いモンスターでは簡単に戦闘破壊される可能性も高い。
単純な数ではなく、攻撃力や効果といったカードの質を重視した方が良いと言える。
手札として持っているカードについてのアドバンテージ。
「手札を多く持っているプレイヤーが有利」とする考えに基づく。
毎ターン、手札を5枚になるようにドローできるラッシュデュエルでは、「相手より手札が多いから有利」という概念はあまり無く、「いかに手札を使いきるか」が重視される傾向にある。
しかし、手札が増えればその分できることも増えるので、特に自分のターンでは重要なアドバンテージとなる。
例えばあらかじめ《クリボット》の様なモンスターを墓地に用意しておければ、1枚分多く手を打つ事もできるだろう。
逆に手札を使いきれない場合は次のターンのドローフェイズでドローできる枚数が減り、得られるアドバンテージが減ることになる。
そうなるとボード・アドバンテージが得られないことになるため、なるべく避けたいと言える。
逆に相手ターンに手札を増やす・増えるメリットは少なく、それゆえ《キングス・リワード》でドローさせてしまっても大きな問題にはなりにくい。
ただ、手札コストのかかるカードのために意表を突いて《強欲な大亀》を発動するなどして手札を増やす手はある。
他には、揃っていないマキシマムモンスターなど手札に残したい場合のあるカードもあり、次のドローの枚数を増やすために積極的に手札を減らすかどうかはデッキタイプにも依ると言える。
ライフポイントについてのアドバンテージ。
「ライフポイントを多いプレイヤーが有利」とする考えに基づく。
このカードゲームにおける勝利手段のうち最も一般的なものは、相手のライフポイントを0にすることである。
そのため、デュエルする際はいかに相手のライフポイントを減らしつつ自分のライフポイントを守るかという駆け引きが常に生まれてくる。
相手のライフポイントを減らす形でのライフ・アドバンテージの獲得はこのゲームで最も優先されるべき事項であると言える。
回復によってこのアドバンテージを稼ぎに行くことは効率が良いとは言えない。
大抵の場合、カードを消費して回復を行うよりも攻撃によって受けるダメージの方が大きくなりやすいからである。
また、回復しても、デュエルの勝利条件を満たすには結局相手のライフポイントを減らす必要があるため、カードを消費して回復するよりも、相手にダメージを与えた方がよい。
ライフコストを必要とするカードを多く入れる場合、ライフポイントが多いほどそのカードを使いやすくなる。
こういった場合にはライフ・アドバンテージは活かしやすい。
しかし、現状ライフコストを要するカードはサイキック族に多く、ライフポイントが少ないことが条件になるカードの補佐になる場合が多い。
デッキによっては軽視されるアドバンテージである。
というのもライフポイントは0にならない限り負けではなく、盤面が優位なら攻撃されてダメージを受けることもないからである。
【サイキック族】に関してはライフポイントが少ないことを条件とするカードが多く、むしろ積極的にこのアドバンテージを破棄し、ボード・アドバンテージを稼ぎに行くデッキである。
相手のライフポイントが多いと効果を発揮するカードがあることも軽視に拍車を掛ける。
《特上寿司天使ガリブエル》は4000以上では効果を使われてダメージを受けてしまう。
《超魔機神マグナム・オーバーロード》に至ってはライフポイントの差が攻撃力となるため、ライフポイントが相手より少ない方がダメージを受けにくい。
墓地に存在するカードについてのアドバンテージ。
「多くのカードが墓地に置かれているプレイヤーが有利」とする考え方に基づく。
条件や効果で墓地のカードの枚数を参照することが多く、墓地にカードが多数あることはそれだけで有利になる場合が多い。
例えば《ダーク・リベレイション》であれば魔法使い族4体が必要であり、《セブンスロード・マジシャン》は墓地の属性が多いほど強化される。
蘇生・サルベージを行う効果を持つカードを併用する場合も、墓地のカードが多いほど選択肢が増える。
手札・ライフが多少減っても墓地の枚数が多ければ優位になる場合は多く、《サイコな埋葬》などはこのアドバンテージの獲得を狙って採用される。
逆に相手のこのアドバンテージを減らすことを狙う《ささやきの妖精》なども存在する。