《壱時砲固定式/Linear Equation Cannon》 †
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のバトルフェイズに、1・2・3・4・5・6のいずれかの数字を宣言して発動できる。
相手フィールドの効果モンスター1体を選び、
以下の数値を合計した数が自分の墓地のカードの数と同じ場合、
宣言した数まで自分のデッキの上からカードを墓地へ送り、
墓地へ送った数まで相手フィールドのカードを選んで持ち主のデッキに戻す。
違った場合、自分は宣言した数×500LPを失う。
●選んだモンスターのレベル×宣言した数
●相手フィールドのカードの数
BLAZING VORTEXで登場した通常罠。
発動時に1から6までの数字を宣言し、デュエルフィールドのカードが「条件式」を満たした場合は自分のデッキトップからカードを墓地へ送って相手フィールドのカードをデッキバウンスし、満たさなかった場合はライフポイントを失う効果を持つ。
条件式は「宣言した数字×選んだ相手の効果モンスターのレベル」+「相手フィールドのカード数」=「自分の墓地の枚数」。
テキストを要約すると、「相手のフィールドのカードと自分の墓地のカードで一次方程式を成立させることができれば自分に対してのデッキ破壊と相手のカードの除去を行い、できなければライフポイントを失う」カード。
「宣言する数字をX、選んだモンスターのレベルをa、相手フィールドのカードの数をb、自分の墓地の枚数をYとして、一次方程式「Y=aX+b」が成立する時、相手フィールドのカードをバウンスできる」という事である。
条件式を変形すると「自分の墓地の枚数−相手フィールドのカード数」÷「選んだ相手の効果モンスターのレベル」=「宣言すべき数字」となる。
成功すれば宣言した枚数の墓地肥やしと対象をとらないデッキバウンスという大きなリターンが得られる。
1を宣言した場合でもフィールドだけで1:1交換であり、6を宣言し条件を満たせば最大6枚の墓地肥やしとデッキバウンスが可能。
問題は条件式を満たすのが非常に困難な点。
要求される要素は「相手の効果モンスターのレベル」「相手フィールドのカード数」と相手に強く依存し、さらに自分の墓地の枚数も任意の枚数に調整するのは簡単ではない。
相手フィールドの枚数の変動は主にメインフェイズに行われるが、このカードはバトルフェイズにしか使えないため、最適な枚数のタイミングに使えない可能性が非常に高い。
また、相手がエクシーズモンスター・リンクモンスターのみを展開し終えてバトルフェイズに入った場合、レベルが存在しないため発動自体ができない。
だが、そうした条件をクリアしバトルフェイズに突入しても、今度は相手バトルフェイズに自分の墓地の枚数を調整するのは容易ではない。
発動するためにはフリーチェーンを駆使して相手ターンにうまく墓地の微調整をすることは不可欠となる。
しかし、同様のことは相手にも言え、このカードにチェーンしてフィールドのカードの枚数を変動させればそれだけでこちらの調整を崩せてしまう。
大きなライフロスデメリットがあるため、無効にされるより、発動は通して枚数を変えられる方が深刻な痛手となる。
よって、このカードを発動しデメリットを負わないためには、フリーチェーンの駆け引きを制することが必須となってくる。
何とか発動できる枚数がうまく整ったとしても、最終的な処理内容に参照する数字はあくまで「宣言した数字」のみとなる。
そして計算式の都合上、大きな数字を宣言するには膨大な枚数の墓地が必要であり、墓地肥やしと枚数調整の両面から大きいほどに難易度も上がる。
現実的には1〜2程度で墓地枚数と計算のしやすさを狙わなければ発動そのものが困難であり、不安定なこのカードや調整を考慮すれば他のカードで良い場合が多い。
大きな数字を宣言すれば他にないアドバンテージには繋がるが、成立させるにはコンボが不可欠であり、手間に見合うかは疑問が残る。
また、墓地を肥やす枚数を増やすために下準備で墓地を肥やす必要があるというのは動きに大きな矛盾があるのも問題となる。
大きい数字で発動を狙うのであれば《ハウスダストン》での自爆特攻でダストン効果モンスターを送りつければ枚数調整も行える。
《天孔邪鬼》を送りつけてモンスター効果の発動を制限して使うのもいい。
小さい数字でもいいなら壊獣を送りつけてもいい。
《妨げられた壊獣の眠り》を使えば相手モンスターを破壊できるため、枚数の調整もまだ容易になる。
ただし、こうしたコンボも相手メインフェイズを通すと処理される可能性も高く、基本的には自分バトルフェイズに発動する形になるだろう。
総じて、条件を満たすためにはデュエル全体の状況の見極めと、相手が都合のいいモンスターを出してかつ妨害をしてこないという幸運が必須と言っても過言ではない。
成功した場合のメリットは圧倒的ではあるが、フリーチェーンや攻撃反応の罠カードの除去カードの方が扱いやすいことは否めない。
ほぼ確実に能動的なライフロスが可能だが、その用途なら多くの場合《スター・ブラスト》や《光の護封壁》で十分だろう。
- カード名は数式の「一次方程式」の捩りだろう。
宣言する数字を決める際にフィールドと墓地の状況から一次方程式を解く必要がある。
- 「Y=aX+b」という非常にシンプルな数式で示せる効果なのだが、テキストは数式を使わず日本語で表現しているため、かなり難解な文となってしまっている。
- イラストは、中学の数学で習う「座標軸」(x軸・y軸)を、壱時砲と呼ばれる機械から放つレーザービームで見立てたものとなっている。
背景の白い壁はその軸のコマとなっているのだろう。
なお、相手フィールドに効果モンスターを要求する関係上「Y=aX+b」の「b」は0にはなり得ないため、イラストのようにグラフが原点Oを通ることはない。
関連カード †
収録パック等 †
FAQ †
Q:相手モンスターを選ぶ際、合計の数値が墓地の枚数の最大値である75を越えるように選ぶことはできますか?
A:はい、可能です。
例えば、相手フィールドに10枚のカードが存在する場合、このカードを「6」を宣言して発動し、レベル12のモンスターを選んで(12×6+10=82)効果を適用できます。(20/11/02)
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