《錬金釜−カオス・ディスティル》 †
永続魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分の墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
(2):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●「錬金釜−カオス・ディスティル」を除く、
「マクロコスモス」またはそのカード名が記されたカード1枚をデッキから手札に加える。
●フィールドに「マクロコスモス」が存在する場合、
魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードを除外して発動できる。
デッキから攻撃力?の光属性モンスター1体を手札に加える。
LIMITED PACK GX −オシリスレッド−で登場する永続魔法。
自分の墓地へ送られるカードを除外する効果、「同名カードを除く《マクロコスモス》かそのカード名が記されたカード1枚をサーチする」か「フィールドに《マクロコスモス》が存在する場合に自身を除外し、攻撃力?の光属性1体をサーチする」から1つを発動する効果を持つ。
(1)は自分のみに影響する全体除外効果。
《マクロコスモス》と異なり相手に作用しないため墓地メタにはならず、それを目的とするのならば下記の1つ目の効果であちらをサーチしたい。
自分が除外アドバンテージを得たい場合であっても、次のターン以降は下記でサーチした《マクロコスモス》で事足りる。
よって、この効果が活きるのは実質発動ターンのみか、あちらが除去された後の保険でしかない。
(2)は以下の2つからいずれか1つを選択する効果。
1つ目は《マクロコスモス》またはそのカード名が記されたカードのサーチ。
《マクロコスモス》は墓地へのメタカードとして強力なカードであり、相手のデッキに刺さる場合には強力な一手を用意できる。
あちらのサポートカードもサーチ可能だが、現状の選択肢は《グランドクロス》のみ。
効果は強力な全体除去だが、《マクロコスモス》が無いと腐るため優先度としては《マクロコスモス》本体に劣る。
2つ目は《マクロコスモス》が存在する場合に自身を除外し、攻撃力?の光属性のサーチ。
主に1つ目の効果でサーチした《マクロコスモス》を発動し、両者が維持できた場合の次のターンに使用することとなるだろう。
カテゴリに属さない攻撃力?のモンスターのサーチ手段は限られており、それらを欲しい場合では価値が高い。
コストは自身の除外であるため、とにかく自分の墓地へカードを送りたくないデッキにおいて、手札で重複した場合などに無理なくサーチに変えられる点でも安定に繋がる。
ただ、問題はこのカードと《マクロコスモス》を採用する全体除外ギミックを活用するデッキと相性が良いモンスターが少ない点にある。
コンセプトとしては《ヘリオス・デュオ・メギストス》等の《原始太陽ヘリオス》の上位体をサーチし、《マクロコスモス》の発動時に特殊召喚しておいた《原始太陽ヘリオス》をリリースして特殊召喚するということなのだろう。
しかし、《マクロコスモス》の発動に1ターン掛かることを考えると遅く、このカードの維持も必要なので、《ソード・ライゼオル》などでサーチして直接特殊召喚してしまった方が迅速かつ安全である。
《ヘリオス・トリス・メギストス》と《ヘル・テンペスト》のコンボなどを狙うにしても、特に《マクロコスモス》が必要な訳ではないため上記の手段を採った方がいいだろう。
それ以外で強いて汎用性のあるものを挙げるとすれば、サーチ効果を持つ《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》、状況次第ではアタッカーとなる《ザ・カリキュレーター》程度か。
ただ、次のターン以降での《マクロコスモス》のサーチを犠牲にするほどサーチしたいかと言えば微妙であり、無理にこちらの効果を発動せずとも良いだろう。
総じて、実践的な要素よりも、アムナエルのファンデッキを完成させるためのパーツとしての意義が大きい。
《カオス・グリード》と《次元の歪み》の発動サポートとしては他の除外系カードよりもシナジーするだろう。
また先攻1ターン目から除外したい魔法・罠カードが多い【M∀LICE】であれば、《次元の裂け目》よりも優先して採用を検討できる。
- カード名の「錬金釜」は、錬金術に使う釜と捉えられるが、古来からの錬金術にこのような言葉はない。
アニメでのこのカードでの登場に前後してゲーム『ドラゴンクエスト8』などで同じ用語が見られるため、そちらからの影響も受けたものか。
- アニメGXではこれを見て隼人が「蒸留釜なんだな」と表現しており、イラストに描かれているのは銅製の蒸留器(アランビック)である。
特にアニメでは画面映えもあってか3メートルほどの大きさで描かれており、ウイスキーなどの蒸留酒作りに使われる単式蒸留器に酷似しているため、そちらが参考にされているものと思われる。
古代錬金術でも蒸留器は使われており、それが上記の現代の蒸留酒用の元にもなっているが、そちらは概して2つの管を繋げた連続式蒸留器であり、やや形は異なる。
- ディスティル(distill)は「蒸留する」という意味の動詞。
- アニメではこのカードに関連して、アムナエルが《黒の過程−ニグレド》、《白の過程−アルベド》《黄色の過程−キトリニクス》といった錬金術用語に基づくカードを使用している。
これらのイラストは原色の色をステンドグラスのように並べただけのシンプルな非常に独特なものになっているが、これは「新造形主義」と呼ばれる抽象画の形式に近い。
この新造形主義は起源となったオランダの雑誌名から「デ・ステイル」とも呼ばれており、「ディスティル」と掛詞にしたものとも考えられる。
- また、アニメでは使用していないが、TAG FORCE SPではバクラが使用するとカットインが入る。
発動時の「残念だがよぉ、カードを捨てようにも、捨てる墓地がねぇのよ」のセリフからすると、原作及びアニメで使用した魔法カード《呪いの双子人形》(アニメでは永続魔法)で自らの墓地を消滅させた事に由来すると思われる。
関連カード †
収録パック等 †
Tag: 《錬金釜−カオス・ディスティル》 魔法 永続魔法