遊戯王カードWiki - 《大儺主水》

《大儺主水(ダイナ・モンド)/Dyna Mondo》 †

リンク・効果モンスター
リンク２/地属性/サイバース族/攻2200
【リンクマーカー：上/下】
儀式モンスターを含むモンスター２体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードが特殊召喚に成功した場合、
フィールドのカード１枚と自分の墓地の儀式モンスター１体を対象として発動できる。
その２枚を持ち主のデッキに戻す。
(2)：相手ターンに、このカードをリリースし、自分の墓地の儀式モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加えるか特殊召喚する。

　PHOTON HYPERNOVAで登場した地属性・サイバース族のリンクモンスター。
　特殊召喚に成功した場合にフィールドのカードと自分墓地の儀式モンスターをデッキに戻す誘発効果、相手ターンに自身をリリースして儀式モンスターを蘇生またはサルベージする誘発即時効果を持つ。

　リンク素材に儀式モンスターを要求するためリンク２の割には少々重い。
　フィールドに維持する必要性が薄い儀式モンスターをこのカードのリンク素材と(1)の効果に使用し、強力な儀式モンスターを(2)の効果で再利用する動きが基本となる。
　あるいは、特殊召喚時の誘発効果でアドバンテージを得られるものならば(2)の蘇生対象に適するため、それを狙ってこのカードのリンク素材として墓地へ送るのも良いだろう。

　(1)はフィールドのカードと自分墓地の儀式モンスターをデッキに戻す効果。
　対象は取るものの、カードの種類や表裏の指定なしでデッキに戻すという強力な除去を行えるのは魅力的。
　このカードのリンク素材にした儀式モンスターが墓地に存在するので、基本的に発動できない事はないだろう。
　ただし、墓地に別の儀式モンスターが存在しない限り(2)の効果が発動できない点は意識しておく必要がある。
　なお、トリガーは自身が「特殊召喚に成功した」場合なので、リンク召喚だけでなく蘇生などでも発動でき、相手ターンに蘇生できれば妨害にもなる。
　エクストラデッキから出せるものでは《Ｇゴーレム・クリスタルハート》、《スリーバーストショット・ドラゴン》等が利用できる。
　無論、《Ｉ：Ｐマスカレーナ》でリンク召喚してもよい。
　ただ、複数回の発動を狙うには墓地に儀式モンスターを多数用意しなければならず、ハードルが高いのは否めない。
　これについては、手札から捨てることで効果を使う【影霊衣】等であれば比較的容易に解決可能。
　《サイバー・エンジェル－弁天－》をリリースして同名カードをサーチ、連続で儀式召喚を行なうなどの準備をしてもいい。

　(2)は儀式モンスターの蘇生またはサルベージ効果。
　蘇生制限を満たしたものは蘇生を、そうでないものや手札で使用可能な効果を持つ《古聖戴サウラヴィス》などはサルベージを選ぶと良い。
　特殊召喚に成功した場合の誘発効果を持つものは相手ターンに出す価値も高いだろう。
　《マジシャン・オブ・ブラックカオス・ＭＡＸ》と抜群の相性であり、予め蘇生制限を満たしておく必要こそあるものの、強力な制圧効果を相手ターンに発動できる。
　ただし、リンク素材がやや重いこのモンスターをリリースする関係上、妨害を受けると大きなディスアドバンテージになる点は気を付けたい。

　儀式召喚全般のサポートカードとしてデザインされているが、大抵の【儀式召喚】では儀式モンスターはそれ自体が主戦力となるモンスターであり、それをリンク素材として消費してまでこのカードのリンク召喚を行う余裕が無い事が多い。
　【儀式召喚】であっても考えなしに採用できるようなモンスターではなく、このカードのリンク召喚に伴うディスアドバンテージを多少なりとも軽減する工夫が必要になる。
　一方、効果そのものは光るものがあるのも事実であり、以下の様な相性の良いデッキならば採用する価値は確かにある。
　なお、種族サポートを活かして【サイバース族】でも採用できないことはないが、儀式召喚するごとに消費される儀式魔法の分のディスアドバンテージが後に響いてきやすい。
　その場合、(1)か(2)のいずれかの効果だけを使用するか、あるいは１回使い切りにするという運用も考えられるか。

相性の良い【儀式召喚】系列のデッキ
- 【粛声】：デッキの基本の動きが《粛声なる守護者ローガーディアン》と《粛声の祈り手ロー》を揃える事なので、自然とリンク素材を揃えやすい。
  前者を(2)で蘇生すれば誘発効果によりアドバンテージを得られ、更にそれをトリガーに後者の自己再生＆サーチとなり、実質このカードを中継する事でよりアドバンテージを得られる。
  また、儀式召喚以外の方法で儀式モンスターを展開する術にも長けるためリンク素材も揃えやすく、且つそれらは蘇生制限を満たさないので(1)でデッキに戻しても惜しくはない。
  《粛声の祈り手ロー》１枚から大きなアドバンテージを得る基本ルートではこのカードの存在が必須となり、実際にトーナメントでも高確率で採用されている。

【メガリス】：《メガリス・アンフォームド》の直後でもなければ確実にフィールドと墓地それぞれに儀式モンスターが存在するはずであり、後続も速いペースで墓地へ送られやすいため(2)の対象に困らない。
《ブロックドラゴン》や春化精との併用も可能な地属性であることも利点である。
ただし、《メガリス・ポータル》・《メガリス・エマージョン》・《メガリス・フール》と優秀なサルベージ手段を自前で揃えている都合上、(2)でのサルベージの必要性は薄い。
また、(1)を使用しすぎると墓地のメガリスが枯渇してしまう事態になりかねず、何度も使用したい場合は手札交換効果を持つ《クロシープ》等と併用するか、あるいは効果使用後の《クロシープ》を素材にこのカードを出すのも手となるか。

【リブロマンサー】：元々【儀式召喚】の系統の中でも高い展開力を持つデッキなのでリンク召喚がしやすい。
フィールド魔法故に継続的に儀式召喚を行える《リブロマンサー・ライジング》の存在も消費の軽減に繋がる。
墓地の儀式モンスターに干渉する手段をあまり持たない点もこのカードの特性と噛み合いが良く、特に《リブロマンサー・ミスティガール》は(2)での蘇生対象に適する。

【ヌーベルズ】：特殊召喚時の誘発効果を共通して持つため(2)と相性が良く、自前でデッキからの特殊召喚を得意とする点もリンク召喚の手助けとなる。
また、(1)で自分のヌーベルズを対象に取る事でヌーベルズの共通効果のトリガーにもなる。
魔法・罠カードが苦手なヌーベルズの代わりに露払いも担う。
ややオーバーキル気味になるが、《ＲｅｃｅｔｔｅｄｅＳｐｅｃｉａｌｉｔｅ～料理長自慢のレシピ～》を使い終えた後の《ハングリーバーガー》は維持する必要性がないためリンク素材に使いやすい。

【御巫】：召喚条件無視での特殊召喚でリンク召喚をサポートでき、手札からの効果を持つ《オオヒメの御巫》が(2)とのサルベージと噛み合う。

【ネフティス】：《ネフティスの祀り手》や《ネフティスの繋ぎ手》など、儀式モンスターを絡めてモンスターを展開できるため比較的出しやすい。

(1)は「２枚を持ち主のデッキに戻す」というテキストであるため、一方が戻せなくなっている場合不発になる。
《Ｄ.Ｄ.クロウ》等には注意したい。

サイバース族としては初の、カード名が漢字のみのモンスターである。
後述するモチーフも、特にコンピューターネットワークとは関係ない。

「大儺(だいな)（追儺・鬼やらい）」とは大晦日に行われる鬼を祓う儀式のこと。
方相氏（追い払う役）、侲子（方相氏に付き従う子役）で行われる。
方相氏が黄金四目の仮面を被り、玄衣と朱裳を纏って、戈と盾を持って鬼を追い立てるため、イラストのモチーフとなっていると考えられる。
- 「主水(もんど)」とは「主水司(もんどのつかさ)」の略で、宮廷で粥、水や氷室を司る役所のこと。
  ただしその役所を思わせる要素は一切ないため、おそらく「百官名」としての主水だと思われる。
  - 百官名とは、親や家代々の官職などを（自身の現在の役職とは関係なく）名乗る風習の事。
    主水を百官名として名乗った人物としては、江戸時代の武芸者・松山主水や、ドラマ『必殺仕事人』の主人公・中村主水などがいる。
- 「ダイナモ」や「ダイヤモンド」も掛かっている可能性も考えられる。