磁石(じしゃく)戦士(せんし)

デッキの概要

 下級モンスターマグネット・ウォリアー最上級特殊召喚モンスター磁石の戦士を主軸とする【岩石族】デッキ
 下記の通り歴史が長く、纏まった新規カードが登場する度に新たなデッキ構築が可能となって拡張性が広がっている。
 デッキの軸を何に据えるかで構築も大きく様変わりする。

《超電導戦士 リニア・マグナム±》
特殊召喚・効果モンスター
星7/地属性/岩石族/攻2700/守2000
このカードは通常召喚できない。
「超電導戦士 リニア・マグナム±」は1ターンに1度、
自分の手札・デッキ・フィールド(表側表示)から
元々のレベルが4以下の「マグネット・ウォリアー」モンスター2体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの他の地属性モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃力の半分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
このカードを手札に加える。
《マグネット・ボンディング》
速攻魔法
(1):自分・相手のメインフェイズに、以下の効果から1つを選択して発動できる
(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。
●「超電導戦士 リニア・マグナム±」または
レベル4以下の「マグネット・ウォリアー」モンスター1体をデッキから手札に加える。
●デッキからレベル8の「磁石の戦士」モンスター1体を手札に加える。
●自分の手札・フィールド・墓地・除外状態の岩石族モンスターを融合素材としてデッキに戻し、
岩石族の融合モンスター1体を融合召喚する。
《マグネット・フィールド/Magnetic Field》
フィールド魔法
「マグネット・フィールド」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル4以下の岩石族・地属性モンスターが存在する場合、
自分の墓地のレベル4以下の「マグネット・ウォリアー」モンスター1体を
対象としてこの効果を発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、自分の岩石族・地属性モンスターの戦闘で
相手モンスターが破壊されなかったダメージステップ終了時に発動できる。
その相手モンスターを持ち主の手札に戻す。

デッキ構築に際して

メインデッキモンスターについて

マグネット・ウォリアー
 レベル3・4の地属性岩石族で統一されている。
 「エレクトロ」の名がついたものがレベル3で、残りはレベル4となる。

磁石の戦士
 マグネット・ウォリアー召喚条件とするレベル8・地属性岩石族特殊召喚モンスター
 フィールドの自身と引き換えに召喚条件としたマグネット・ウォリアーに変換できる「分解効果」を共通して持つ。

マグネット・ウォリアーの関連モンスター

―相性の良い岩石族モンスター
 レベル3・4の岩石族地属性マグネット・ウォリアー《同胞の絆》を共有できる。

―それ以外で相性の良いモンスター

エクストラデッキモンスターについて

融合モンスター

エクシーズモンスター
 マグネット・ウォリアーの存在からランク3と4が中心となる。

リンクモンスター

シンクロモンスター
 他種族チューナーが必要だが、地属性中心のデッキなのでナチュルシンクロモンスターシンクロ召喚しやすい。

魔法・罠カードについて

 かつては通常モンスターサポートカードの重要性が高かったが、現在ではこれらを採用するのはバルキリオン軸に限られる。

マグネット・ウォリアーサポートカード
 ※が付いたものはマグネットカテゴリに含まれる通常魔法速攻魔法フィールド魔法

岩石族サポートカード

―その他の魔法・罠カード

戦術

 構築によって戦術は若干変わるが、どの構築であっても墓地肥やしの重要性は高い。
 墓地効果並びに蘇生サルベージ効果が関連カードに複数見られるので、序盤から積極的に墓地を肥やすことを第一の目標に据えると良いだろう。
 その意味でもコストで2枚の墓地肥やしが可能な《超電導戦士 リニア・マグナム±》の重要度は高く、あちらを序盤から確保して毎ターン特殊召喚を狙えれば理想的。
 関連カードだけでは相手ターンの防御性能がやや不安なので、余裕があればエクストラデッキの汎用モンスターや汎用魔法・罠カードで補いたい。

 相手が(地属性以外の)属性サポートを主体としたデッキを組んでいる場合、《超電導戦騎プラズマ・マグナム》永続効果刺さりやすい。
 特に相手《霊王の波動》発動していた場合、《超電導戦騎プラズマ・マグナム》を出しさえすれば以降の相手フィールドモンスター効果発動は完全に封殺できる。
 この様なケースでは、あちらの融合召喚と維持を最優先としても良いだろう。

デッキの種類

《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》

《磁石の戦士マグネット・バルキリオン/Valkyrion the Magna Warrior》
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/岩石族/攻3500/守3850
このカードは通常召喚できない。
自分の手札・フィールドから、
「磁石の戦士α」「磁石の戦士β」「磁石の戦士γ」を
1体ずつリリースした場合に特殊召喚できる。
(1):このカードをリリースし、
自分の墓地の「磁石の戦士α」「磁石の戦士β」「磁石の戦士γ」を
1体ずつ対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

 《磁石の戦士α》《磁石の戦士β》《磁石の戦士γ》《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》を中心とした構築。
 通常モンスター3種が中心なので、通常モンスターサポートカードを駆使して序盤からサーチリクルートを行い手札フィールドに揃えたい。
 また、《闇の量産工場》《マグネット・コンバージョン》の存在から墓地肥やしも積極的に行いたい。
 《レスキューラビット》デッキ圧縮を行いつつエクシーズ召喚の補助と墓地肥やしにも繋げられるため必ず採用しておきたい。
 肝心の《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》手札に保持する必要があるため、《電磁石の戦士α》《融合準備》《融合徴兵》も採用したい。
 《同胞の絆》は3種類をフィールドに揃えるのにはうってつけであり、相手ターン《和睦の使者》などで耐えたり次のターンサルベージ蘇生することで特殊召喚に転じられる。

 《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》を正規手順で特殊召喚し、分離させることでフィールドの総攻撃力の合計は「1700+1500+1400=4600」となる。
 《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》蘇生、または一度除外帰還させる事で総攻撃力は「4600+3500=8100」となり直接攻撃1ターンキルとなる。

―主な通常モンスターサポートカード

《ファントム・オブ・カオス》採用型
 《ファントム・オブ・カオス》墓地《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》効果コピーして活用していく。
 この構築の場合は手札モンスターを用意する必要がないため、墓地肥やしに特化した構築となる。

 利用するべきカードとしてはピンポイントで落とせる《おろかな埋葬》《岩投げアタック》が筆頭である。
 《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》のみをピンポイントで落とせるものでは《E・HERO プリズマー》も採用できる。
 それでも不十分と感じるのであれば汎用性の高いライトロード《魔導雑貨商人》《針虫の巣窟》《デビル・コメディアン》等も視野に入るだろう。

《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン》

《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン/Berserkion the Electromagna Warrior》
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/岩石族/攻3000/守2800
このカードは通常召喚できない。
自分の手札・フィールド・墓地から、
「電磁石の戦士α」「電磁石の戦士β」「電磁石の戦士γ」を
1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
(1):自分の墓地からレベル4以下の「マグネット・ウォリアー」モンスター1体を除外し、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、
除外されている自分の「電磁石の戦士α」「電磁石の戦士β」「電磁石の戦士γ」を
1体ずつ対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

 「エレクトロ」の名がついたマグネット・ウォリアー3種と《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン》を軸とした構築。
 サーチリクルートの重要性は同じだが、こちらは該当3種を墓地に用意しても良いため、墓地肥やしの重要性が高い。
 その意味では上記の「《ファントム・オブ・カオス》採用型」に近い構築となりやすいが、通常モンスターサポートカードが使えない点や、ランク3の重要度が増す点などで違いが生じる。

《超電導戦機インペリオン・マグナム》

《超電導戦機インペリオン・マグナム/Imperion Magnum the Superconductive Battlebot》
融合・効果モンスター
星10/地属性/岩石族/攻4000/守4000
「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」+「電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン」
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
(2):表側表示のこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に発動できる。
「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」「電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン」1体ずつを
手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。

 2種の磁石の戦士融合素材とする《超電導戦機インペリオン・マグナム》を中心とした構築。
 この構築の場合、墓地コストのみで特殊召喚できる《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン》はともかく、《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》はほぼ融合素材としてのみの役割となる。
 《融合準備》《融合徴兵》融合素材を、《沼地の魔神王》などで《融合》を早々に手札にそろえ序盤で融合召喚を狙いたい。
 カード名コピーできる《E・HERO プリズマー》《融合》サーチできる《E・HERO ブレイズマン》の存在から【E・HERO】との混合構築にするのも良い。
 特殊召喚モンスターである磁石の戦士を何枚採用するかは構築次第だが、多く採用する場合は事故防止として《トレード・イン》なども採用しておくのも手。

 融合素材がいずれも特殊召喚モンスターなので採用しすぎると手札事故を引き起こしかねず、枚数調整は熟慮する必要がある。
 融合素材デッキに戻す《マグネット・ボンディング》を用いるのならば融合素材の枚数を抑えてもデッキの動きに支障が出にくい。

このデッキの弱点

 サーチ特殊召喚を封じられると非常に苦しい戦いとなる。
 特に下級アタッカーとしても使える《ライオウ》マグネット・ウォリアー単体では突破できないので厄介な存在である。
 高い攻撃力を持ちつつ効果への牽制にもなる岩石族コアキメイルを利用するのは一つの手。

 蘇生サルベージを軸にする場合は除外にも弱くなる。
 《マクロコスモス》などの全体除外を受けると墓地アドバンテージを失うため磁石の戦士の真価も発揮しづらくなる。
 対策として《ファントム・オブ・カオス》《ギガンテス》等と相性の良い《化石岩の解放》の採用も検討できる。

このデッキの歴史

 デッキの始まりは2000年の第2期と古く、現在で言うところのバルキリオン軸がこのデッキの事であった。
 時を経た2016年(第9期)のストラクチャーデッキ−武藤遊戯−で関連カードが増え、ベルセリオン軸インペリオン・マグナム軸も構築可能となり、拡張性が一気に広がった。
 これ以降約10年程はベルセリオン軸が主流構築となり、【ランク3】の要素もやや見られたデッキとも言えた。
 更に2025年(第13期)になるとアニメGXの三沢の使用カードやその関連カードが一気に登場し、デッキパワーも飛躍的に向上。
 現在ではこの時に登場したカードを中心に据え、墓地リソースを意識した構築が主流構築となっている。

代表的なカード

関連リンク

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