シャッフル/Shuffle †
カードを切り混ぜる事です。
シャッフルの方法に規定はありませんが、途中でカードの中身を見たり、カードを選り分けてからシャッフルするなどの作為的な行為は、一切してはいけません。
(公式ルールブック マスタールール3対応 バージョン 1.0より引用)
シャッフルとは、デッキのカードを切り混ぜることである。
誤解されやすいが、プレイヤーが手札の順番を並べ替える目的で手札のカードを切り混ぜる行為は、OCGに限らず「シャッフル」に該当しない。
下記の通りやり方はいくつかあるが、公式には定められていないのでどれを行ってもよい。
ただし、ウォッシュシャッフル以外はある程度カードが規則的に移動するため、イカサマが容易に行えてしまう(詳細は下記)。
このため、例えばファローシャッフルをした後にヒンズーシャッフルをするなど、複数種類のシャッフル(大会やイベントであればディールシャッフルを除く3種類以上)を組み合わせて行う事が非常に望ましい。
開封したばかりのストラクチャーデッキやデュエル直後のデッキは中身が偏っているため、手札事故を防ぐために念入りなシャッフルは重要である。
しかし、「固まったカードがバラバラになる」というのはあくまで結果として起こる事であり、それがシャッフルの目的ではない事に注意したい。
固まったカードを散らせるという目的でシャッフルを行うのは、「複数枚引きたくないカードをバラけさせる」というイカサマをするのと同じ事になる。
本当のシャッフルの目的は「無作為にカードを混ぜるため」、つまり作為的にカードを並べ替えたのではないという事を証明するためである。
なお、イカサマ防止のために相手のデッキをカット・シャッフルする際には、カードを傷つけないように細心の注意を払いたい。
シャッフルに関するルールについて †
- シャッフルの際に、デッキ内容の確認をすることはできない。(12/03/28)
カードを選り分けてからシャッフルする行為も公認大会規定で禁止されている。
- 複数のカードをデッキに加える場合、「まとめてデッキと重ねなければならない」というルールはない。
例えば《貪欲な壺》でデッキにカードを戻すときは、よく混ぜるために裏向きにして1枚ずつ適当に間に差し込み、その後でシャッフルしてもよい。
ただし、裁定上はシャッフルの方法は指定されていない(11/01/28)、つまりジャッジの判断に任されるので、あらかじめジャッジの了解をとっておくことが推奨される。
シャッフルの種類について †
代表的なものを以下に挙げる。
- ヒンズーシャッフル(Hindu shuffle)
片手にデッキを持ち、もう片方の手で何枚か抜き出して上か下に重ねる動作を繰り返す方法。
日本ではこれが一般的であり、原作・アニメで最も描写されているシャッフル方法でもある。
ただし、抜き出した塊ごとの並びは変わらない上に、大雑把に上下を入れ替えているだけなので偶数回やると順番が元に戻りやすい。
そのため、3回以上かつ奇数回やるようにした方がいいだろう。
- ディールシャッフル(Deal shuffle)
デッキをいくつかの山を作るように1枚ずつ分けていき、終わったらそれらを重ねて再びデッキにする方法。
時間がかかる上に、無作為化の方法としては適していない。
- このシャッフルを特に工夫せず行うと、2回連続で行うことで元のカードの並びに戻せてしまう。
たとえば、40枚のデッキの場合、最初に5山、二度目に8山で行うことで元通りになる。
さらに、各カードの加工や仕様、僅かな厚みなどの差を覚えておけば、デッキトップになる予定の山に引きたいカードを仕込んでおくなどのイカサマができてしまう。
こうした問題から、ディールシャッフルを禁止・制限しているカードゲームも少なくない。
それでもやる場合は、山の数が多くデッキの約数になりにくい6〜7山でやるといいだろう。
- ファローシャッフル(Faro shuffle)
デッキを2つの山にし、その2つの端を噛み合わせ、ほぼ交互に差し込み、カードを曲げずにひと山にするシャッフル。
「マッシュシャッフル」とも呼ばれており、TCGにおいてはヒンズー・ディールに並んで用いられるシャッフル方法である。
- スリーブに入れたカードでは容易に行うことができ、かつ短時間でよく混ざるので都合がよい。
ただし、静電気などで張り付いてしまったカードが張り付いたままになり、特定のカード同士が混ざらないまま終わってしまうことがある。
また、スリーブに入っていないカードでは難しく、スリーブの寿命を縮めるという欠点がある。
- こちらもディールシャッフル同様、規則的にカードを入れ替えるものなので、これだけを複数回繰り返せば並びが元に戻ってしまう。
また、山Aの下半分と山Bの上半分だけを噛み合わせるのを延々と繰り返すと、それ以外の部分は全く混ざらないというイカサマを行うこともできてしまう。
よって、山Bの下半分と山Aの上半分を噛み合わせる方法でやるべきだろう。
- リフルシャッフル(Riffle shuffle)
デッキを2つの山にし、山の端を親指で上に反らせ、もう1山も同じようにし、それらを同時に弾いて噛み合わせてひと山にする方法。
基本的にエンターテイメント目的で行われ、主にディーラーやマジシャンが使用する。
より派手に行うものは「マシンガンシャッフル」ともいい、下手にやるとカードが折れるので注意が必要である。
修復が利かず、トランプなどと比べて高価な専用カードを扱うだけに、闇遊戯のようにこの手法を嫌がる人も多い(下記参照)。
特に相手のデッキのシャッフルに用いるのはマナーに抵触する行いとされる。
なお、「ショットガンシャッフル」をリフルシャッフルの意味で用いるのは遊戯王においてのみであり、一般的にはディールシャッフルの意味で用いられている。
- ウォッシュシャッフル(Wash shuffle)
カードを机の上に広げて掻き混ぜる方法。
「焼きそば」「スクランブル」等とも呼ばれ、タロットや麻雀など上下の向きまで混ぜたい場合に行われる。
アニメGXでは、実際に斎王がタロットカードをこの方法でシャッフルしているシーンが見られた。
混ざり方自体は問題ないが、広いスペースが必要な上にカードの向きまでもぐちゃぐちゃになるのがTCG的には難点。
- オーバーハンドシャッフル(Overhand shuffle)
デッキを片手に持ち、もう片方の手の親指でデッキトップを何枚か滑らせて回収するという動きを繰り返す方法。
ヒンズーシャッフルの重ねる手が逆になったような方法であり、欧米では広く用いられている。
注意点はヒンズーシャッフルと同じであるが、手がある程度大きくないとやりにくいという難点もある。
その他 †
- 原作・アニメにおいて―
シャッフル関係で印象に残るデュエリストと言えばやはりパンドラだろう。
「ショットガンシャッフルはカードを傷めるぜ」と闇遊戯に咎められている。
なお、上記にも書かれているが、ここでのショットガンシャッフルとはリフルシャッフルのこと。
パンドラがリフルシャッフルをしたのはマジシャン出身のデュエリストであると同時に、カードを大事にしない不届き者であることを暗示する演出である。
(実際、彼はカードを削ることでカットの際に特定のカードがデッキの上となるよう手品的なイカサマの細工をしていた。)
他にはアニメ版「バトルシティ編」の闇マリクや、「乃亜編」での「闇遊戯vsビッグ1(大下)」戦の大下、「KCグランプリ編」の「城之内vsジーク」戦におけるジークがショットガンシャッフル(リフルシャッフル)を披露していた。
- 原作の「王国編」での孔雀舞の「体のシャッフルはあなたが勝った後...」という竜崎に対しての台詞も印象的だろう。
ちなみに、アニメDMにおける第49話から第80話の主題歌のタイトルも「SHUFFLE(シャッフル)」である。
- 原作での海馬は、手札内で非公開情報に戻った《マジック・ランプ》のカードの位置を隠すため、明示的に手札シャッフルを行った。
なお、上記にもあるように手札のカードを切り混ぜる行為(=手札シャッフル)はルール上「シャッフル」に該当しない他、大会やイベント等の実戦でこれを意識的に行うと迷惑がる対戦相手も少なからずいるので(対戦時は)無闇に行わないのが一種のマナーといえる。
- 原作・アニメ共に、デュエル前のシャッフルを行う事はあまり多くない。
原作では「闇遊戯vsパンドラ」戦、「城之内vsマリク(リシド)」戦、「闇遊戯vs闇マリク」戦などの直前にデュエル前にシャッフル(あるいはカット)する描写がある。
上述の「城之内vsマリク(リシド)」戦では、城之内がマリクへの敵意のあまり睨めつけながら長時間シャッフルし、審判に止められている。
いずれにせよ、ほぼ「相手のデッキを手にする」または「相手に近寄れる」事に意味がある場面でしかデュエル前のシャッフルは描写されていない。
- GXは特に少なく、最終戦である「十代vs遊戯」戦や「万丈目vs五階堂」戦でしか明確に書かれていない。
十代は遊戯のデッキをシャッフルしつつ、その中に潜む神のカードの気配を感じ取っていた。
また、「翔vsヘルカイザー亮」戦の直前にも十代が翔のデッキをシャッフルし亮とのデュエルを促す場面があり、このとき十代は翔のデッキに無断で《パワー・ボンド》を仕込んでいる。
- アニメGXの「十代vs銀流星」戦では、十代が通常罠《ヒーローコール》で《E・HERO ネオス》をデッキトップに置いたのに対し、流星はその妨害として通常魔法《ステージセレクト》で十代のデッキをシャッフルした。
勝利に執着する流星は、十代のカードを一旦手元でシャッフルした後スプリング(もう片方の手に弾き入れる)させるなど念入りにシャッフルを行っている。
しかし、十代の次の通常のドローはなんと《E・HERO ネオス》であり、丁寧にシャッフルしたにもかかわらず、結局デッキトップに戻ってきてしまっていたのである。
流星も呆然とする珍事であり、十代の引きの強さを象徴するエピソードの一つと言える。
- 5D's以降ではデュエルディスクやD・ホイールにオートシャッフル機能が搭載されており、GX以前よりは高頻度にシャッフルが行われるようになった。
なお、この機能はD・ホイールのシステムに直結しているようで遊星達が新型エンジンの試運転をしていた際にはこのシステムが暴発し、デッキのカードが弾け飛んで、エンジンから煙が出ている。
アニメZEXALに登場した陸王と海王はこのオートシャッフル機能に細工を施し、カードの順番を固定させるイカサマを行っている。
- デュエルディスクによってオートシャッフル機能の有無があるのか、アニメARC-Vに登場した鮎川アユは手動でシャッフルを行っている描写がある。
- アニメVRAINSの「尊/Soulburner vsボーマン」戦ではデッキがシャッフルされる際、デュエルディスクに「SHUFFLE」の文字が出ると同時にデッキのカードが光っただけでシャッフルされたかのような演出となっている。
物理的に混ぜる必要のないVR空間ならではの演出と言える。
関連カード †
―効果によるシャッフルを行うカード
―裏側守備表示モンスターをシャッフルするカード
関連リンク †
FAQ †
Q:現代のデュエルではプレイヤーがデッキの中身を確認する効果が多く、その度にシャッフル・カットを行っていたら時間がかかります。
何度か連続でデッキの中身を確認する予定がある場合、対戦相手とは合意の上で、最後の1回以外のシャッフル・カットの工程を省いたり、ドローやデッキの順番を参照する効果を処理する直前にのみシャッフル・カットを行うという事は可能でしょうか?
A:公式大会・イベントにおいて、基本的に《増援》や《クリッター》の効果等でデッキを確認した場合、デッキをシャッフルします。(23/09/11)