調整中 †
発売後のカードの処理が公式に決まっていないことを指す非公式用語。
複数のカードを組み合わせた場合に、どのような処理を行えば良いかテキストからは判断できない状況が発生することがある。
この場合は遊戯王カードゲーム事務局の出す裁定に従う事になるが、まれに事務局から公式な裁定が得られない場合があり、これを調整中と通称する。
大会において調整中の事象が発生した場合、判定はその場の審判の判断に委ねられる。
- 調整中の項目があるカードを使う場合、後々揉め事にならないよう対戦相手との間で事前に取り扱いを決めておく事が望ましい。
公式大会の場合は、審判員に取り扱いを質問しておこう。
なお、以前は調整中だった項目も裁定が決まっている可能性があるので、使う前に遊戯王カードゲーム事務局や公式サイト内の公式データベースで確認を取るのも有効な手段になり得る。
- 遊戯王カードゲーム事務局に電話した場合は、基本的には「ただいま担当部署に確認をとっています」と言われる。
かつては稀に「ルールの調整を行っています」と言われる事があり、そこから「調整中」という言葉が広く知れ渡ることになった。
なお、2022年現在では「ルールの調整中」と返される事はなくなっている。
現在では下記のメールに限らず、公式サイトや公式Twitter等で(主にカード毎の)ゲームルールに関する問い合わせや質問がしやすくなった。
「裁定を出さない」事例について †
基本的に、遊戯王カードゲーム事務局はカードの効果と罰則規定以外の事項に関する質問には回答は行わない。
そのため、「カードの効果処理の範囲外」の事を質問した場合、調整中の場合と同様に「対戦相手と話し合うか、ジャッジの判断に従ってください」という旨の返答が返ってくる。
カードの効果処理の範囲外のものに関しては、例外的な場面がとても多いため、場面場面に応じたジャッジの判断を優先したほうがゲームの公平性を保てるという判断なのだろう。
現在この案内が出る事が確認できる例としては、以下のようなものがある。
- 《マインドクラッシュ》や《天声の服従》など、効果の成否に非公開情報が関係する処理の場合。
例えば《マインドクラッシュ》を発動して《クリボー》を宣言した所、相手が「手札に《クリボー》はない」と答えた場合、その回答の真偽は非公開情報である相手の手札を誰かが確認しなければ分からない事になる。
以前はこうした場合に「相手の手札を確認できる」という裁定が出ていたが、本来これらのカードが持たないピーピング効果を与えることになるためか、2016年以降は現在の「裁定を定めない」形となった。
- 《エクスチェンジ》・《寄生虫パラサイド》・《うごめく影》等の効果とカードプロテクターが絡んだ場合。
《エクスチェンジ》や《寄生虫パラサイド》は非公開情報である手札やデッキに持ち主の異なるカードを混ぜる効果だが、両者の使うカードプロテクターが異なる場合、ランダムな効果やドローのランダム性が確保できない。
また《うごめく影》は非公開情報である裏側表示モンスターをシャッフルする効果だが、カードプロテクターの異なるカードが存在するとシャッフルしても意味がない。
こうした場合のカードプロテクターの扱いについては、公式な裁定は出さない状態となっている。
- 《スター・ブラスト》と、その効果を受けたモンスターとは別の同名カードが絡んだ場合。
《スター・ブラスト》は、非公開情報である手札のモンスター1体のみのレベルを下げる効果を持つ。
その効果を受けたモンスターに加え、別の同名カードが手札にあると、どちらが《スター・ブラスト》の効果を受けたのか証明できなくなってしまう。
また、《打ち出の小槌》等で一部手札交換した場合も、そのモンスターが《スター・ブラスト》の効果を受けたのか証明できない。
これに対し公式は、「このカードの性質上止むを得ない」「審判の指示に従ってほしい」との回答をしている。
- 2019年頃までは、いわゆる調整中事項については「制作担当部署にてルールの確認作業を進めております」、裁定を出さない事項については「対戦相手と話し合うか、ジャッジの判断に従ってください」と返答が使い分けられていた。
だが現在はどちらも後者になったため、調整中なのか裁定を出さない事項なのかわかりにくくなってしまった。
以前の案内では「調整が終わり回答が返ってくるまではどうすればよいか」が不明瞭だったため、「その間はジャッジの判断に従う」ということを明確にしたものと思われる。
調整中に関する歴史 †
- かつては新カードの発売直後に調整中が多発したため批判の対象となっていた。
「普通にプレイしていて疑問に思う初歩的な内容」もあり、「KONAMIはテストプレイを行っていない」「KONAMIは裁定を決めてからカードを発売するのではなく、カードを発売してから裁定を決めている」と言われることすらあった。
- 第9期以降では、新カードの発売日当日から公式データベースで裁定を確認することができるようになっている。
また、公式Twitterや公式データベースでは《灰流うらら》と《増殖するG》等のように特定のカードとの組み合わせで発生する処理や「普通にプレイしていて疑問に思う初歩的な内容」についての質問と回答が随時掲載されている。
その結果、第8期以前のような状況は大幅に改善されている。
ただし、第8期以前に登場して再録されておらず、環境での使用率の低いカードに関しては、裁定ページが空欄だったり公式FAQが存在しなかったりといまだに放置気味である。
- 時期そのものは長くなくとも、使用比率が高いカード、特に環境で使われるカードで調整中が起きた場合は深刻な事態になり得る。
この例としては2008年から2009年のおよそ8ヶ月間の《王宮の弾圧》が挙げられる。
「特殊召喚効果を持つカードの特殊召喚以外の効果を無効にできるか否か」が調整中であったため、当時の環境の必須カードであったにもかかわらず使用の際には事前確認が求められる事態となっていた。
- コナミのゲーム作品において―
ゲーム作品では、OCGで調整中の事項に対してはゲーム版独自の処理を行うようになっている。
ただし、その処理方法がOCGの公式裁定になるとは限らないので注意。
関連リンク †