ライフ・アドバンテージ †
Life Advantage(ライフによる優位性)の意。
ライフのアドバンテージ。
お互いのライフポイントの数値の差による優劣を指す。
このカードゲームにおける勝利手段のうち最も一般的なものは、相手のライフポイントを0にすることである。
そのため、デュエルする際はいかに相手のライフポイントを減らしつつ自分のライフポイントを守るかという駆け引きが常に生まれてくる。
相手のライフを減らす形でのライフ・アドバンテージの獲得はこのゲームで最も優先されるべき事項であると言える。
一方、ライフポイントで勝っていてもフィールドや手札の状況で負けていれば不利だとされることが多い。
基本的にモンスターの直接攻撃を3〜4回程度受ければライフは0になってしまうので、「現在のライフポイントで勝っていること」よりも「相手のライフポイントを削れる態勢が整っていること」の方が勝利に直結するためである。
結果的にカード・アドバンテージで勝っていればいるほど相手の妨害を掻い潜ってダメージを与える方法が増えてライフ・アドバンテージを得られる確率が高まるため、ライフポイントの優劣を重視しないプレイヤーも存在する。
また、高速化した環境ではたった1枚のカードによりライフポイントが大幅に削られてしまうことも決して少なくない。
そのため、大量のライフ・アドバンテージを失うが、多くのカードに対処できキーカードを消費させられる《神の宣告》や《神の警告》等のカードもよく投入される。
しかし大半のデッキにとって最終的な目的は、相手のライフポイントを0にすることであるのを忘れてはならない。
手札がいくらあっても、それを使って対処できないのでは、相手モンスターに一気にライフポイントを削り切られてしまう。
直接ライフ・アドバンテージを稼ぐことのできるカード、特にライフポイントを回復するカードは、このゲームではあまり重視されない傾向にある。
多くの場合、ライフポイントはモンスターの攻撃という消費しない手段によって削られるため、カードを消費してライフポイントを回復しても脅威はそのまま残ってしまうためである。
ライフポイントを上下させるカードよりもモンスターの攻撃力の方が高く設定されていることもあり、直接ライフポイントを操作するよりも脅威となるモンスターを除去できるカードにスロットを割く方が効率がいい場合が多い。
少なくとも、多少ライフポイントに差を付けるためだけに、複数の手札を消耗する事は避けたい。
ディスアドバンテージとなる《非常食》や《神秘の中華なべ》よりは《神の恵み》や《魔法吸収》等の永続カードを使いたい。
勿論、回復が必要なデッキでなければ無理に採用する必要もない。
トップクラスの回復能力を誇る《非常食》で回復しても、直接攻撃1〜2回でその分のダメージを受けてしまう。
手札を消費することで壁を減らしてしまうと、直接攻撃を受けやすくなり、結果的にライフが減ってしまう。
だが、これもコンボで一気に攻めるような際や、相手フィールドに複数のモンスターが並ぶ時は重要な要素となる。
また、攻撃を受けにくいロック系のデッキを使う際は、保険としてライフ・アドバンテージを確保する戦術は有効である。
ライフポイントが多いということは、それだけ選択肢が広がるということである。
ライフコストを有するカードの使用はもちろん、相手の攻撃をあと何回受けられるかで戦略もかなり変わってくる。
逆も然りで、ライフポイントが少なければ、それだけ取る行動をダメージを受けにくいものにせざるを得なくなる。
もちろんライフポイントを得るためにカード・アドバンテージを失うのは好ましくは無いが、《マジカル・アンドロイド》等の回復効果は侮りがたい影響力があると見て間違いないだろう。
- 原作・アニメにおいて―
原作やアニメでは、基本的にプレイヤーの初期ライフポイントがOCGの初期ライフポイントである8000よりも少ない。
具体的に言えば、原作・アニメDMでは「決闘者の王国編」まで2000、「バトルシティ編」以降は4000、GX以降のアニメ・漫画作品ではいずれも4000となっている。
(劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』のみOCG同様の8000スタートになっている)
そのため、現実とは異なりカード・アドバンテージを度外視してでも大きいダメージを与えられるコンボが用いられることが多い。
アニメGXの十代がその好例で、彼が勝利する状況では手札が1枚も残っていない場合が多く、カード・アドバンテージを失いやすい代わりに強力な攻撃手段を手軽に得られる融合召喚を多く用いている。
- ライフポイントの初期値も要因となっていると思われるが、アニメでは近代の作品であってもライフ・アドバンテージを少し稼いだだけで大喜びしたり相手を挑発したり、サレンダーを勧めたりなどの行為を行うキャラクターも少なくない。
1ターン目などでカード・アドバンテージを失って500ポイント程度の効果ダメージを与え、自分が優位になっているような言動をするのはある種のお約束と化していた。
- 1対複数のデュエル等で1人側がハンデを貰う場合、多くのケースではライフが均等になる様に調整される事が多い。
また、アニメGXの「十代vsマルタン(ユベル)」戦でヨハンが途中参加を申し出た際には、相手ライフを4000増やす事で「(ライフが均等になるから)これなら文句はないだろ?」と述べている。
実際にはカード・アドバンテージや展開速度等で大きなハンデが付いたままなのだが、この様な考えが浸透するあたり、あちらの世界でライフ・アドバンテージが重く見られている事が窺える。
- アニメVRAINSに登場するPlaymakerやリボルバーは、スピードデュエルにおいてこのアドバンテージを意識していない描写が見られる。
例としてPlaymakerはライフコストのあるカードを多数使用し、リボルバーは「vsゴーストガール」戦でわざと2体分の戦闘ダメージを受けてから、ゴーストガールのモンスターを罠カードで除去している。
特にリボルバーは「vs Playmaker(1戦目)」で、ライフポイントが残り100になったにもかかわらず、「私のライフはまだ100も残っている」と発言している。
どちらもスキル「Storm Access」の発動を最優先としているのだろう。
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