遊戯王カードWiki - 《サクリファイス・ロータス》

《サクリファイス・ロータス/Samsara Lotus》 †

効果モンスター
星１/闇属性/植物族/攻   0/守   0
自分のエンドフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、自分フィールド上に魔法・罠カードが存在しない場合、
自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。  
このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、
自分のスタンバイフェイズ毎にこのカードのコントローラーは１０００ポイントダメージを受ける。

　PHANTOM DARKNESSで登場した闇属性・植物族の下級モンスター。
　自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合、自分エンドフェイズに攻撃表示で自己再生できる誘発効果、自分スタンバイフェイズに自分は1000ダメージを受ける誘発効果を持つ。

　同様の条件で自己再生できる《黄泉ガエル》と比較すると、特殊召喚タイミングが自分のエンドフェイズであり表示形式も攻撃表示限定。
　１度に複数枚を自己再生できる利点はあるものの、そのままでは返しのターンで戦闘ダメージを受けるのは確実。
　生き残ったとしても、その場合はスタンバイフェイズで固定ダメージを受けてしまう。

　そのため、自己再生した自分エンドフェイズ中、もしくは返しの相手ターンでこのカードを利用しつつ、フィールドから離せるモンスター効果との併用を考えたい。
　特にこのカードもリンク素材にできる《リンクリボー》の自己再生コストにすることで、モンスター版《くず鉄のかかし》として運用できる。
　除外されない限りは毎ターン擬似的な壁として繰り返し利用できるようになるため相性が良い。
　他には《スチーム・シンクロン》や《水晶機巧－クオンダム》等で相手ターンにシンクロ召喚する、《Ｉ：Ｐマスカレーナ》でリンク召喚する方法もある。
　また、２体自己再生して《アルカナフォースＸＸＩ－ＴＨＥＷＯＲＬＤ》の表の効果のコストに用いれば、相手を完全にロックできる。
　《クロスローズ・ドラゴン》のリンク素材にして自己再生することで、相手ターンに《クロスローズ・ドラゴン》のコストとして利用でき、ローズシンクロモンスターにつながる。

　【ロックバーン】等のデッキでは、単純に《強制転移》や《死のマジック・ボックス》等で相手に送りつけることで、相手にダメージを与えるのもいい。
　１回のダメージが《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》と同じく地味に高いので、活躍が期待できる。

　効果ダメージを受けるタイミングが任意に選べないため、【サンアバロン】で活かすことは難しい。

《黄泉ガエル》と併用し、自分のターンでは《黄泉ガエル》をコストに、相手ターンではこのカードをコストに《リンクリボー》を自己再生し使い回すことも可能である。
２ターン掛かりだが、このカードと《黄泉ガエル》・《リンクリボー》の３枚だけで、リンク３モンスターと《リンクリボー》という布陣を敷くこともできる。
1. 《黄泉ガエル》を召喚し《リンクリボー》をリンク召喚。
2. 次の自分ターンのスタンバイフェイズに《黄泉ガエル》と《リンクリボー》を自己再生。
3. このカードを召喚しリンク３モンスターをリンク召喚して、エンドフェイズにこのカードを自己再生。
4. 相手ターンでこのカードをリリースし《リンクリボー》を自己再生。

自己再生効果はターン制限がないため、このカードと《トポロジック・ボマー・ドラゴン》の破壊効果で無限ループが可能。
通常では単に自己再生を繰り返すだけなので意味が無いが、相手が《増殖するＧ》を発動したターンならば連続ドローでデッキ切れで勝利できる。
また、効果破壊耐性を付与した《トリックスター・スイートデビル》のリンク先にこのカードを自己再生させれば１ターンキルが可能。
- この点が警戒されたのか、TCGでは18/09/17において一気に禁止カードに指定されたが、５年後の23/06/05に制限解除された。

登場時点では《黄泉ガエル》が制限カードだったので、その調整版としてデザインされたのだろう。
PHANTOM DARKNESSにはこのカードと同じく《黄泉ガエル》の調整版と思われる《不死武士》も登場している。
- 登場当時は相手ターンにこのモンスターを利用できるカードが少なく、相手ターン中攻撃力０の攻撃表示で晒されるリスクにより事実上《黄泉ガエル》の下位互換扱いで評価は低かった。
  ところが、時代の変化でデュエルが高速化していくと、基本的に１ターン待つ必要があるあちらよりも早いタイミングで自己再生できるこちらの利点が活きるようになった。
  結果、上記の通りTCGでは《黄泉ガエル》すら経験していない禁止カードになっており、上位・下位の関係に変化が生じているとも言える。

特殊召喚モンスターではないため直接のサポートは受けられないが、【サクリファイス】のネタには使用できる。
あちらでは《リンクリボー》だけでなく、《サクリファイス・アニマ》もリンク召喚できる。

「ロータス（lotus）」とは、ハスと睡蓮を含めた総称である。
同じ水生植物のために混同されることが多いがハスと睡蓮は異なる種の植物である。
- ハス・睡蓮の花はまとめて「蓮華」と呼ばれ、泥の中から咲くように見えるため、ヒンドゥー教・仏教では清浄さの象徴として神聖視されている。
- 睡蓮にはその名の通りまるで睡眠しているかのように、夕方になると花が閉じて朝になると再び開く性質がある。
  古代エジプトでは水の中から咲くことから創造の象徴、花が閉じたり開いたりする性質から再生・太陽の象徴として神聖視され、太陽神ラーやホルスは睡蓮から生まれたとされることもある。

イラストの下に存在する葉はスイレンの仲間のオオオニバスだろう。

英語名の「Samsara」は、輪廻転生を意味するサンスクリット語であり、あわせて「輪廻転生の蓮」といった意味となる。

原作・アニメにおいて―
アニメGXの「十代vsユベル」戦でユベルが使用。
先攻１ターン目に攻撃表示で召喚し、返しのターンで《Ｅ・ＨＥＲＯフレイム・ウィングマン》に戦闘破壊されたが、《デモンバルサム・シード》(アニメ効果)で戦闘ダメージを軽減した。
その後は、効果で自己再生を繰り返しつつ、《ユベル》の維持コストや《ユベル－ＤａｓＡｂｓｃｈｅｕｌｉｃｈＲｉｔｔｅｒ》との破壊コンボに使用した。
最終的に、《レインボー・ネオス》の効果で墓地からデッキに戻された。

アニメでは、魔法＆罠カードゾーンにカードが存在する場合でも自己再生が可能だった。
なお、OCGのイラストはアニメと比較すると色や線が変わっている。

ユベルはこの効果を、「エンドフェイズに花を咲かせる効果」と解説している。

アニメ5D's第40話の十六夜アキの回想シーンにおいて、アキの父・英雄が使用している。

コナミのゲーム作品において―
TAG FORCEシリーズやデュエルリンクスにおいても多くのユベル使用デッキに投入されている。
しかし、発動可能なら躊躇わずモンスター効果を使用するCPUの思考とアタッカー不足の構築により、《ユベル－ＤａｓＥｘｔｒｅｍｅｒＴｒａｕｒｉｇＤｒａｃｈｅｎ》の特殊召喚後にも自己再生してしまい、生け贄要員にもされず1000ダメージを重ねて敗因となるパターンが多い。