遊戯王カードWiki - 《異界共鳴－シンクロ・フュージョン》

《異界共鳴(いかいきょうめい)－シンクロ・フュージョン/Harmonic Synchro Fusion》 †

通常魔法
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分は融合・ＳモンスターしかＥＸデッキから特殊召喚できない。
(1)：自分フィールドの表側表示の、チューナーとチューナー以外のモンスターを１体ずつ墓地へ送って発動できる。
以下のモンスターを１体ずつＥＸデッキから特殊召喚する。
●墓地のそのモンスター２体を素材としてＳ召喚可能なＳモンスター
●墓地のそのモンスター２体を素材として融合召喚可能な融合モンスター

　ANIMATION CHRONICLE 2023で登場した通常魔法。
　発動ターンのエクストラデッキからの展開に制限がかかる効果外テキスト、自分フィールドのチューナーと非チューナー１体ずつを墓地へ送り、その２体で融合召喚・シンクロ召喚可能なモンスターを１体ずつ特殊召喚する効果を持つ。

　２体の素材から、それらを元にする融合モンスターとシンクロモンスターをいっぺんに特殊召喚できる。
　ただし、融合召喚・シンクロ召喚を行うわけではないので、《地縛戒隷ジオグラシャ＝ラボラス》を始めとするエクストラデッキからの特殊召喚に制限のあるモンスターは展開できない。
　また、融合召喚・シンクロ召喚時の誘発効果を持つモンスターや、蘇生による使い回しを前提としたモンスターとも相性は悪い。
　起動効果でアドバンテージを得られるものや、誘発即時効果・永続効果で制圧を行える、維持し続けることが重要なモンスターを選びたい。
　ただ、それらに該当する融合モンスターはそもそも融合召喚でしか特殊召喚できないものが多く、このカードに対応していないため結果的に採用が見送られやすい。
　サーチしやすいがサーチ手段を用意してまで採用するほどの理由が無いというジレンマを抱えたカードになっている。

　また、素材とするモンスターはコストによって墓地へ送られるため、融合素材・シンクロ素材となった時に発動する効果を適用できない。
　シャドールやティアラメンツ等の効果で墓地へ送られた場合に発動する効果も発動できない点も気を付けたい。
　無効にされた場合の損害も激甚なものなので細心の注意を払いたい。

　フィールドにチューナーと非チューナー１体ずつ用意する必要はあるが、シンクロ召喚を軸とするデッキならそれは容易である。
　問題はその２体で融合召喚できる融合モンスターも必要になるため、組み合わせが大きく限られてしまう点。

　【地縛】であれば、このカードをサーチできるチューナーの《地縛囚人ライン・ウォーカー》と非チューナーの地縛で対応する組み合わせは確保できる。
　効果が無効になるためこのカードは他の手段で手札に加える必要があるが、《魔界発現世行きデスガイド》なら《地縛囚人ライン・ウォーカー》をリクルートすることでも《地縛戒隷ジオグレムリン》と《地縛戒隷ジオグレムリーナ》を展開できる。
　この際バトルフェイズを行えるなら《地縛戒隷ジオグレムリン》の効果で《地縛戒隷ジオグラシャ＝ラボラス》の融合召喚まで繋がる。
　《地縛牢》で召喚権を増やして補うのも良く、あちらはこのカード同様に《地縛囚人ライン・ウォーカー》のサーチ・サルベージに対応している。
　《地縛融合》とは通常魔法であることで差別化したい。

　それ以外のデッキでは、融合召喚を軸としつつ有用なチューナーも抱える烙印系列と相性が良い。
　主要なモンスターのレベルが４・６・８（このうちレベル６は実質ビーステッド専用）に集中し、テーマ内のチューナーがレベル４で統一されているため元々のレベルでもシンクロ召喚を狙いやすい。
　非チューナー側のレベルが４なら層の厚いレベル８シンクロモンスター、６なら《フルール・ド・バロネス》や《深淵の神獣ディス・パテル》、８なら《赫聖の妖騎士》に繋げられる。
　中でも《深淵の獣アルベル》は《アルバスの落胤》として扱う効果により、融合召喚先・シンクロ召喚先の候補が豊富に揃うため特に相性が良いと言える。

　【サクリファイス】においては、《地縛囚人ライン・ウォーカー》と《サクリファイス》で《ミレニアム・アイズ・サクリファイス》と《虹光の宣告者》を特殊召喚できる。
　《サクリファイス》の代わりにアイズ・サクリファイスを使用すれば《捕食植物ドラゴスタペリア》の特殊召喚も可能。
　これらのモンスターはいずれも融合召喚・シンクロ召喚を必要とする効果を持たないため、モンスター効果を十全に活用できる点でも噛み合いが良い。
　《地縛囚人ライン・ウォーカー》を《地縛囚人グランド・キーパー》からリクルートし、《地縛囚人グランド・キーパー》を《サクリファイス》の儀式召喚に使用できれば儀式召喚のディスアドバンテージも軽減することができる。

　【ＷＷ】なら《ＷＷ－ウィンター・ベル》とＷＷチューナーの組み合わせから《ＷＷ－クリスタル・ベル》と《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》といった組み合わせにつながる。

　モンスター一組から融合モンスターとシンクロモンスターの両方を展開できるカードとしては《超越融合》も存在しており、競合先となる。
　あちらは融合召喚とシンクロ召喚を直接行うので蘇生制限を満たす事ができ、展開先の幅もこちらより広く、チェーンされない効果も持ち、特殊召喚が同時ではないため《奈落の落とし穴》にも強い。
　こちらはシンクロに属する点、融合素材の蘇生を経由する必要がない点、ライフコストが必要ない点、特殊召喚の回数自体は少ないため《増殖するＧ》や《原始生命態ニビル》に強い点、《地縛囚人ライン・ウォーカー》からサーチできる点などで勝る。

効果と処理、裁定について
- 「融合召喚可能な」と「シンクロ召喚可能な」はコストとしたモンスターの墓地の状態を参照して決定する。
  融合素材に「フィールドの闇属性」を指定する《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》等は特殊召喚できない。

コストとしたモンスターが効果処理時に墓地に存在しなければ不発となる。

融合素材代用モンスターをコストにした場合、それらの持つ分類されない効果を適用して融合モンスターを特殊召喚する事は可能。
ただし、この場合でも「このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない」というテキストを持つ融合モンスターを、融合素材代用モンスターの効果を適用する形で特殊召喚する事はできない。

フィールドでのステータスが元々のステータスと異なるモンスターをコストとして発動できる。
その場合、元々のステータスを参照して特殊召喚するモンスターの組み合わせがエクストラデッキに必要であり、フィールドでのステータスを参照して特殊召喚するモンスターはエクストラデッキにいなくても発動は行える。
例：レベル４チューナーとレベル４になった（元々のレベル３）非チューナーの組み合わせの場合、エクストラデッキにはレベル７のシンクロモンスターは必要だが、レベル８のシンクロモンスターはいなくとも良い。

類似カードの場合、《パージ・レイ》・《エクシーズ・シフト》はフィールドのステータスを参照し、《トランスターン》は墓地のステータスを参照する。

《輪廻独断》で墓地の種族が変更されている場合、上記と同様に変更後の状態で特殊召喚可能なモンスターはエクストラデッキに必要だが、フィールドで参照されるモンスターは必須ではない。
例：《輪廻独断》で獣戦士族が宣言された状態でレベル５以上の戦士族２体を墓地へ送る場合、《覇勝星イダテン》はエクストラデッキに存在せずとも良い。

フュージョンカテゴリに属すものの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》・《融合複製》ではコストとなるモンスターがいないため、このカードを使用できない。

原作・アニメにおいて―
アニメARC-Vの「遊矢vsバレットvsセルゲイ」戦（セルゲイは途中乱入）でセルゲイが初使用。
《地縛囚人ストーン・スィーパー》と《地縛囚人ライン・ウォーカー》の２体を素材に《地縛戒隷ジオグリフォン》と《地縛戒隷ジオクラーケン》を特殊召喚した。

アニメでは発動回数制限及びエクストラデッキからの展開制限は無く、モンスターの墓地送りはコストではなく効果処理で、融合召喚及びシンクロ召喚を行う効果であった。
加えて３体以上の素材が必要な融合召喚及びシンクロ召喚も可能であった（作中では全て２体素材の特殊召喚のみを行っている）。
また、レアリティはノーマルとなっている。

同パック収録のセルゲイのカードは殆どがOCG化の際に強化されているが、このカードは単体で見るとかなり弱体化している。
ただ、【地縛】においては《地縛囚人ライン・ウォーカー》でサーチできる要素が加えられており、その点では使いやすくなっている。
効果に地縛が関係しない汎用カードであるため、他のデッキで活用される事を警戒されたものと思われる。