【シンクロダーク】

デッキの概要

 闇属性モンスターの豊富なサポートカードによりデッキ回転力を高めた、速攻型の【シンクロ召喚】デッキ
 【シンクロ召喚】の基本性質ではあるが、「ダーク」と冠しても属性上の純度の拘りは薄く、「闇属性モンスターメインデッキに多い」程度の意味合いで用いられやすい。
 登場当初は【ダムドビート】【シンクロアンデット】【BF】等を総合して呼ぶ場合が多く、【サイカリエアゴーズ】に近いコンセプトであった。

 その後は幾度もの規制、カードプールの増加、カードパワーのインフレ、環境の高速化などの影響を受けて大きな変化を遂げる。
 現在は【闇属性】の要素の中から強力なカードや強力なシナジーを持つ出張セットを徹底的に集めて組み合わせた、所謂グッドスタッフ要素が強いデッキとなっており、【メタビート】と同様に概念的な位置づけに近い。

 キーカード《ジャンク・シンクロン》を含んでおり、シンクロ召喚をメインギミックとする為【ジャンクドッペル】と混同されるケースも散見される。

デッキ構築に際して

 シンクロ召喚を行うため、ドローサーチ墓地肥やしを積極的に行う。
 また、そのためのサポートカードも多様に採用したい。

メインデッキモンスターカードについて

―主な闇属性モンスター

闇属性チューナー

闇属性以外のモンスター

闇属性以外のチューナー

エクストラデッキモンスターについて

シンクロモンスター

リンクモンスター

魔法・罠カードについて

 高速で1ターンキルを狙う性質上、罠カードはあまり必要としない。

《聖騎士の追想 イゾルデ》コストとしての装備魔法
 《ドッペル・ウォリアー》リクルートするには2枚必要になる。
 手札に来る可能性を考慮するならリクルートしたいモンスターレベル+1枚採用しておきたい。

展開例

 条件:フィールド戦士族×2、チューナー

  1. 《聖騎士の追想 イゾルデ》《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚
  2. 《聖騎士の追想 イゾルデ》チューナー《水晶機巧−ハリファイバー》を出し、レベルチューナー特殊召喚
  3. チューナー《武力の軍奏》シンクロ召喚トークン2体生成 チューナー蘇生
  4. トークンチューナー《A BF−雨隠れのサヨ》を作り、《A BF−雨隠れのサヨ》《武力の軍奏》《アクセル・シンクロン》を出す。
  5. 《アクセル・シンクロン》《ジェット・シンクロン》を落としてレベル6にし、手札を1枚捨て自己再生させる。
  6. 《ジェット・シンクロン》トークン《天輪の双星道士》を作り、《A BF−雨隠れのサヨ》《ドッペル・ウォリアー》蘇生
  7. レベル6になった《アクセル・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》と合わせて《PSYフレームロード・Ω》を作り、トークン2体生成。
  8. 《天輪の双星道士》《PSYフレームロード・Ω》《A BF−雨隠れのサヨ》《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》シンクロ召喚

 最終盤面:《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》+《水晶機巧−ハリファイバー》+ドッペル・トークン×2
 相手ターン《水晶機巧−ハリファイバー》除外して《シューティング・ライザー・ドラゴン》特殊召喚し、2体のトークンと合わせて《氷結界の龍 トリシューラ》シンクロ召喚可能。

 ドローを重視した場合
 条件:フィールド戦士族×2、チューナー

  1. 《聖騎士の追想 イゾルデ》《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚
  2. 《聖騎士の追想 イゾルデ》チューナー《水晶機巧−ハリファイバー》を出し、《ジェット・シンクロン》特殊召喚
  3. 《ジェット・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》《武力の軍奏》を出し、トークンを2体と《ジェット・シンクロン》特殊召喚
  4. 《ジェット・シンクロン》トークン《A BF−雨隠れのサヨ》《武力の軍奏》《A BF−雨隠れのサヨ》《TG ハイパー・ライブラリアン》(チューナー扱いになる)。
  5. 手札を1枚捨て《ジェット・シンクロン》蘇生トークンと合わせ《天輪の双星道士》になり、《A BF−雨隠れのサヨ》《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚ドロー
  6. 《天輪の双星道士》《A BF−雨隠れのサヨ》《ドッペル・ウォリアー》《瑚之龍》トークン2体生成 1ドロー
  7. 《瑚之龍》トークン《シューティング・ライザー・ドラゴン》を出し、レベル3を落としてレベル4に~ 1ドロー
  8. 《シューティング・ライザー・ドラゴン》トークン《A BF−五月雨のソハヤ》を作り、《A BF−雨隠れのサヨ》蘇生ドロー
  9. 《TG ハイパー・ライブラリアン》《A BF−五月雨のソハヤ》《A BF−雨隠れのサヨ》《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》

 最終盤面:《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》《水晶機巧−ハリファイバー》手札+5枚

―具体的な展開例
 手札《ダーク・グレファー》《D−HERO ディアボリックガイ》or《亡龍の戦慄−デストルドー》手札コスト

  1. 《ダーク・グレファー》召喚《D−HERO ディアボリックガイ》Aと《亡龍の戦慄−デストルドー》墓地へ送る
  2. 《D−HERO ディアボリックガイ》Aを除外《D−HERO ディアボリックガイ》Bを特殊召喚《亡龍の戦慄−デストルドー》蘇生
  3. 《聖騎士の追想 イゾルデ》を作り、戦士族サーチ 装備魔法2枚墓地に落とし、《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚
  4. 《亡龍の戦慄−デストルドー》《聖騎士の追想 イゾルデ》《水晶機巧−ハリファイバー》を出し、《リ・バイブル》特殊召喚
  5. 《ドッペル・ウォリアー》《リ・バイブル》《武力の軍奏》を作り、《リ・バイブル》蘇生 トークン2体生む。
  6. トークン《リ・バイブル》《A BF−雨隠れのサヨ》《A BF−雨隠れのサヨ》《武力の軍奏》《アクセル・シンクロン》を作り、《ジェット・シンクロン》を落としてレベル6に。
  7. 手札1枚捨て《ジェット・シンクロン》自己再生させ、トークンと合わせて《天輪の双星道士》を作り、《A BF−雨隠れのサヨ》《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚
  8. 《ドッペル・ウォリアー》《アクセル・シンクロン》(レベル6)で《PSYフレームロード・Ω》を作りトークン2体生む。
  9. 《天輪の双星道士》《A BF−雨隠れのサヨ》《PSYフレームロード・Ω》《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を作る。
  10. 《リ・バイブル》自己再生させる。
  11. 墓地《PSYフレームロード・Ω》シンクロモンスターエクストラデッキ戻す

  最終盤面:《水晶機巧−ハリファイバー》ドッペル・トークン《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》《リ・バイブル》

相手ターン《水晶機巧−ハリファイバー》リリース《シューティング・ライザー・ドラゴン》特殊召喚し、トークン《リ・バイブル》と合わせて《水晶機巧−グリオンガンド》を出すことができる。
《ジェット・シンクロン》手札コスト《聖騎士の追想 イゾルデ》サーチした戦士族で賄える。

デッキの派生

【スーパードローライダー】

 別名【SDL】。
 この名称はその大量のドローソース《光と闇の竜》の略称から取ったものである。
 このデッキ名はおもに2種類のデッキを指す。

  • 【シンクロダーク】そのもの。
    【シンクロダーク】のルーツのひとつが前述したタイプのデッキからの派生なので、【スーパードローライダー】の名前がそのまま使われ続けた、というわけである。

【遅延ダーク】

 《終末の騎士》《ダーク・グレファー》《ネクロ・ガードナー》墓地へ送り、《異次元からの埋葬》で使いまわすデッキ
 【ダークモンスター】でも取り扱っているが、元は【シンクロダーク】の派生である。
 詳しくは該当ページ参照。

このデッキの弱点

 《次元の裂け目》《スキルドレイン》《群雄割拠》等の各種メタカードが全て刺さる
 各種カウンター罠《王宮のお触れ》《サイクロン》等をメインデッキサイドデッキ問わずに採用し、対策しよう。

 《D.D.クロウ》などの手札誘発に、《ゾンビキャリア》《D−HERO ディアボリックガイ》等、基点となるモンスターを止められる事もある。
 そうした時は多彩な手札を活かし、即座に他の行動に移りたい。

 第10期では手札誘発の採用率が高くなったことや、リンクモンスターを介さなければならないことから、基点を止められやすくなり、リカバリーもしづらくなって大きな弱点となっている。

このデッキの歴史

第6期

 原型となったのは《デステニー・ドロー》《闇の誘惑》を利用して《光と闇の竜》《ダーク・アームド・ドラゴン》による早期制圧を狙うデッキとされる。
 後にそのスピードがシンクロ召喚による1ターンキルと相性がいいとして改良された。
 《終末の騎士》《ダーク・グレファー》《D−HERO ディアボリックガイ》などを駆使して、《ダーク・ダイブ・ボンバー》と複数のシンクロモンスターを展開し、1ターンキルをする。
 チューナー《緊急テレポート》に対応したモンスターから選ばれ、追加で《ゾンビキャリア》が使用されることもあった。

 高い1ターンキル率から【シンクロアンデット】以上の破壊力が注目を集める。
 そのため、2008年度全国大会地区代表決定の代表に使用者が多かった。
 余談だが、同大会のエキシビションマッチにて2008年度世界チャンピオンもこのデッキを使っていた。
 その後2009年3月1日制限改訂で主要パーツが規制され、大打撃を受けた。

 「闇属性キーカードとする【シンクロ召喚】」という意味においてはその隆盛は長く、派生デッキとも言える【BF】【インフェルニティ】【ジャンクドッペル】などが環境を牽引し続けた。
 しかし度重なる規制強化により、【シンクロ召喚】全体が大幅に力を落としてしまう。
 更に第7期半ばからのエクシーズ召喚の本格化後には有力カードの輩出自体が滞りだしたため、環境主流からほぼ姿を消す。

第9期

 第9期に至るとシンクロ召喚軸への追い風も吹き返し、カテゴリを越えて豊富かつ優秀な闇属性モンスターを抽出する形で復活を果たした。
 デッキの軸となるのは《BF−朧影のゴウフウ》などの高レベルチューナー及び、高レベルシンクロチューナー《レベル・スティーラー》である。
 《TG ハイパー・ライブラリアン》を出した状態で、《レベル・スティーラー》を利用したシンクロ召喚を繰り返し、大量の手札を得る。
 最終的には複数の《PSYフレームロード・Ω》による手札破壊で反撃を封じる。
 大量の特殊召喚を行う関係から《増殖するG》が有効に見えるが、その場合ドローを逆に利用したデッキ破壊による勝利を狙うことも可能。
 実際に2016年の選考会でこれが発生している。

 高レベルチューナーを駆使するため《アルティマヤ・ツィオルキン》を出しやすいのも特徴で、《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を気軽に出せるため、ビートダウンもこなせる。

 環境で活躍したため2016/10/01《レベル・スティーラー》禁止カード《PSYフレームロード・Ω》制限カードとなる。
 これにより従来の構築と動きは不可能となった。

第10期

 リンクモンスターを出さないとシンクロモンスターを複数並べられなくなった。
 当初は《サモン・ソーサレス》を利用した展開が可能だったが、これが禁止カードになってからは《聖騎士の追想 イゾルデ》を利用する構築が生まれた。
 《聖騎士の追想 イゾルデ》から《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚するという性質上、10期の【ジャンクドッペル】とはかなりデッキ構成が似通っている。

 《終末の騎士》《ダーク・グレファー》が他の闇属性デッキで多く活躍したことから規制されており、その巻き添えで弱体化を余儀なくされている。
 基点となるカードの減少により安定性が低下し、厳しい状態にあると言える。

第11期

 メインモンスターゾーンに直接シンクロ召喚できるようになった。
 しかし20/04/01にて《D−HERO ディアボリックガイ》準制限カードになり、このデッキの特徴となる展開が弱体化した。
 他にも《星杯の神子イヴ》禁止カードに指定され、このカードで展開力を補う構築ができなくなった。

サンプルレシピ

【シンクロダーク】 関東地区代表 2008/11/29
http://yugioh-fr.jugem.jp/?eid=1375

【シンクロダーク】 第10回トレカマーケットCS 2位 2016/5/21
https://ameblo.jp/torekamarket/entry-12162753113.html

【シンクロダーク】第三回 北関東CS 2位B 2016/7/17
https://www.izazin.com/taikai/3197/recipe

【シンクロダーク】 第72回 はっちCS チーム戦 1位B 2016/7/23
https://www.izazin.com/taikai/3206/recipe

【シンクロダーク】 第8回遊戯王金沢野々市CS 2018/12/24
https://www.izazin.com/taikai/16385/recipe

関連リンク

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