【終焉のカウントダウン】 †
一度発動に成功さえすれば効果を止めることは不可能な《終焉のカウントダウン》で勝利することを目的としたデッキ。
発動後はとにかく「20ターンを生き延びる」ことができれば、相手が特殊勝利条件を満たさない限り確実に勝利できる。
相手としては普通のビートダウンには有効な《奈落の落とし穴》・《聖なるバリア −ミラーフォース−》・《次元幽閉》等のカードがほとんど役に立たないため、様々なカードを腐らせやすいのが利点。
そのため、《終焉のカウントダウン》を引くためのデッキ圧縮や戦闘ダメージを防ぐカードを多用することとなる。
20ターンはお互いのターンで計算するので、実質自分のターンのみで数えて10ターンであり、1ターンをしのげるカードを使い続ければ特殊勝利はたやすい。
《終焉のカウントダウン/Final Countdown》
通常魔法
(1):2000LPを払って発動できる。
発動したターンを1ターン目として数えて20ターン目のターン終了時に自分はデュエルに勝利する。
こちらは除去に対抗する手段を持たないため、壁やロックを使用して時間を稼ぐことは現環境では不可能に近い。
そこでフリーチェーン等除去に強いカードで固めることで、相手の除去を徹底的に腐らせる構築が基本となる。
実際にはエンドサイク等によってこちらのカードは少しずつ減っていくため、デッキ圧縮の中でもアドバンテージを回復できるカードは特に重宝することになる。
そもそもこのデッキは相手モンスターを除去することが少なく、多少の回復量では焼け石に水であるため重要度は低い。
しかし《終焉のカウントダウン》はライフコストが必要となる為、《終焉のカウントダウン》発動前にライフを削られすぎると勝ち筋がなくなってしまうことから、それを回避するためにライフ回復カードの採用を検討することができる。
またバーン効果で削られて負ける可能性も無視できないため、その対策にもなりうる。
《レインボー・ライフ》なら手札コストが必要とはいえ発動ターンは効果ダメージすら受けないので防御カードにもなる。
2戦目にエキストラターンになった場合のライフゲインカードとして、扱いやすいものをサイドデッキに投入しておきたい。
その場合には速攻魔法である《ご隠居の猛毒薬》・《非常食》が扱いやすい。
構築や状況によっては高い回復量を持つ《N・エア・ハミングバード》・《黄金の天道虫》・《三位一択》も候補になる。
マッチでの1戦目を《終焉のカウントダウン》の効果で勝利したら、サイドデッキからエキストラターン対策のライフゲインカードを大量に投入する。
その場合、《終焉のカウントダウン》等ライフコストが必要なカードと交換する。
エキストラターンに頼る必要がなければ素直に《終焉のカウントダウン》で2戦目以降を戦ってもよいため、現在の大会規定では非常に有効な構築とされている。
《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》や《レベル制限B地区》といったかつての永続カードの定番によって攻撃を封殺するタイプのデッキ。
かつてはこの型が主流だったが、現在は抜け道が多く除去が多岐に渡るためこの構築での勝利は不可能に近い。
暗黒界の豊富な手札交換カードによって、カード・アドバンテージを保持しながら《終焉のカウントダウン》を素早く呼び込む。
《暗黒界の龍神 グラファ》の除去効果でカウンター能力を持つものを処理でき、自己再生によって壁としても機能する。
防御に《クリフォトン》を用いる事で、《暗黒界の門》のコストに充てられる。
これによって除外したカードや《バトルフェーダー》は《トランス・デーモン》でのサルベージも狙える。
特化したそれぞれのデッキに比べ純粋な性能では遅れをとるも、サイドデッキを利用したスイッチが可能であり、メタカードを分散させやすい等マッチ戦で真価を発揮するデッキと言える。
《クイック・シンクロン》を採用し、元々採用しやすい各種レベル1モンスターとで《ドリル・ウォリアー》をシンクロ召喚、《速攻のかかし》等の使い回しを狙う。
《ドリル・ウォリアー》の直接攻撃によって、《終焉のカウントダウン》以外の勝ち筋を確保できる点、他のシンクロモンスターも選択できるため、対応力が上がる点が特色である。
ただし《ドリル・ウォリアー》をシンクロ召喚する段階でディスアドバンテージを負っており、これを処理されてしまうと壊滅的な被害を受ける。
当然ながら伏せ除去等を行なっている余裕はないため、これに関しては黙殺する、というよりもそういったカードが採用されない事を見込んだ上で利用するデッキである。
《強制脱出装置》・《エフェクト・ヴェーラー》に関しては、基となる【終焉のカウントダウン】の性質上マッチを通し回避しやすいが、《神の警告》には苦戦を強いられる。
フリーチェーンの罠カードを軸とすればある程度はカバーできるが、《ドリル・ウォリアー》そのもののシンクロ召喚難度が上がる。
サイドデッキとのスイッチ前後で重複する弱点が多く、また《ドリル・ウォリアー》が苦手とするカードの採用率が大きく増加した事で使用率は下がっている。
戦略面において †
勝利するには《終焉のカウントダウン》の発動が前提となるため、これが早い段階で引けなければかなり面倒なことになる。
多少スペースを割いてでも《終焉のカウントダウン》をサーチできるギミックを入れておき、できるだけ1ターン目に発動できるようにしたい。
勝つには最短でも相手に10ターン渡すため、その間は相手にやりたい放題されることとなる。
そこである程度は諦め、マストカウンターのみを適切に防ぐプレイングが重要になる。
特に罠カードを無効にするカードは遭遇率も高いので、それらを除去できる手段は各種サイドデッキに用意しておくべきだろう。
このデッキはカードの種類が偏っているため、各種ウイルスにも弱い。
また遭遇率は低いものの、確実に致命傷となるのが《封魔の呪印》。
当然のことだが勝ち筋を《終焉のカウントダウン》に頼っているため、発動を許すと勝利がほぼ不可能になってしまう。
サイドデッキから伏せ除去やカウンター罠等を増やせるようにしておきたい。
他にも、カードの発動に対するカウンター効果を持ったモンスターが苦手。
基本的に1枚のカードで1ターンを凌ぐ計算で構築されているため、カウンターを許しすぎると防御カードが足りなくなってしまう。
しかもこのデッキには除去カードが入らず、こういったモンスターを容易に展開・維持されがちである。
モンスターに対しては《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》や《ラーの翼神竜−球体形》のようなリリースによる除去が有効である。
同じ理屈で、戦闘ダメージをトリガーとしないハンデスにも非常に弱い。
このデッキは戦闘ダメージを防ぐカードを投入するためビートダウン系には強いが、それ以外には弱い。
例えばデッキ破壊・バーンの速攻性の高い戦術に対し、勝利までに時間がかかるこのデッキは極めて脆弱である。
特殊勝利系の【エクゾディア】や【ウィジャ盤】でも、ほぼ妨害できないまま10ターンも相手に渡すこととなり負ける可能性が高い。
根本的な相性が悪いのでサイドデッキで対策するのも限りがある。
これらはビートダウン系に淘汰されやすい地雷であることが救い。
さらに言えば、ミラーマッチでも悲惨な事態が起きやすい。
どちらか一方が先に《終焉のカウントダウン》を通してしまえば、全く攻める事を考えていないこのデッキではもう一方に勝ち筋がなくなってしまう。
お互いにモンスターを展開しないため《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を送りつけることもできない。
また、特に危険な相手として【ギミック・パペット】が挙げられる。
ビートダウンデッキではあるのだが、わずか3ターンで特殊勝利できるモンスター、《No.88 ギミック・パペット−デステニー・レオ》が自然に投入できる。
先述の通りこのデッキには妨害カードが殆ど入っていないので、【終焉のカウントダウン】だと知れたが最後これを出されて終わり、という事態も十分に考えられる。
また大会では、こちらが勝利までに20ターンもかかることが前提となる事を利用して、相手が時間稼ぎをして2戦目以降を事実上カットすることも可能となってしまいがちである。
特に相手が2戦目以降のカットを狙ってきた場合が厄介で、こちらはあえて負けて2戦目以降にもつれこませるカードが少ないため、1回の負けがマッチの負けを意味することが少なくない。
これを遅延行為と取るかどうかが審判の判断によるところが大きく、裁定が自分に有利に働くかどうかで最終的な勝率が大きく左右されてしまう不安定さを持ち合わせていることも弱点と言えるだろう。
その他 †
さらなる構造的弱点として、構築が単調になってしまうことが挙げられる。
必須カードが絞り込まれ、その多くが複数枚積まれることが多いことや、40枚丁度に抑える構成が望ましいこと等から、こちらがこのデッキであることは序盤にも知られる可能性が高い。
その段階で、投入しているカードの多くは相手にも分かってしまうだろう。
構築に差が出にくいということは、構築段階では楽であるが、それだけメタを張られやすいということでもある。
《バトルフェーダー》と《ゼロ・ガードナー》が登場したことによりデッキの防御力がかなり向上した。
【ライトロード】が流行していた時期でもあり、相手フィールドにライトロードが存在する時に攻撃を防ぎ続けることでデッキ切れを狙えたので地雷デッキとして注目された。
10/03/01の制限改訂では特にキーカードは規制されなかった。
また、《強欲で謙虚な壺》と《速攻のかかし》が登場し、さらにデッキが安定した。
しかし【ライトロード】が流行から外れたことにより使用率は減少している。
《サイクロン》緩和とエクシーズモンスターの普及により、ロック型のコンセプトが崩壊。
これ以降はフリーチェーンのカードを中心に据えた構築へと移行していくことになる。
12/03/01の少し前に《カードカー・D》が登場。
一度減った手札を補充する手段の少なかったデッキには大きな朗報であった。
またフリーチェーンのカードを中心に据えた構築が【甲虫装機】や【聖刻】、【除去ガジェット】といった、相手のカードを除去しながら高速でビートダウンするデッキに十分対抗できる性能へと変化した事が評価された為か、大会での入賞率が増加している。
ドローと防御の両方の面で優秀だった《一時休戦》が制限カードに。
サンプルレシピ †
代表的なカード †
関連リンク †