(まく)

 相手制圧を仕掛けられた場合に、その制圧状態を崩す方法のこと。
 捲りに使えるカードを特に「捲り札」と言う。

 1枚のカードで、相手の複数回の妨害手段を除去できれば理想的である。
 だが、必ずしも1枚の捲り札で制圧を一気に崩す必要はなく、相手に妨害を使わざるを得ない状況を作り、相手の妨害を使わせる(「妨害を吐かせる」とも言う)事で制圧を緩めることも捲りの一環となる。

 現代のデュエルは、先攻制圧を仕掛け、それを後攻が捲れるかが勝負の分かれ目となっている。
 その性質上、捲り札は先攻では役に立たないカードが多く、マッチ2戦目でサイドデッキから投入される事が多い。
 一方で、後攻からの1ターンキルが得意なデッキでは、メインデッキから捲り札を投入しマッチ1戦目から後攻を取りに行く事が多い。

主な捲り札

 捲り札が必要となるのは、相手制圧を掛けられている状況である。
 そして制圧のページにある通り、制圧は主に「フリーチェーン除去効果」「相手効果を無効にする、または効果の適用を妨害する効果」「相手特殊召喚を阻害する効果」によって行われる。
 こうしたカードが並んでいる状況ではモンスターの展開は行いづらいため、フィールド発動するモンスター効果は捲りには不向きである。
 また、捲り札が最も必要なのは後攻ターン目であるため、セットして1ターンの経過が必要な罠カードも捲り札には適さない。
 結果、捲り札は主に魔法カードか、手札から使用できる能力を持つモンスター罠カードとなる。

チェーンできないカード

「このカード発動に対して相手効果発動できない」という効果外テキストを持つカードは、カード発動無効にする効果を無視できる。
 制圧モンスター効果によって行うデッキが多いため、「このカード発動に対してモンスター効果発動できない」テキストでも、十分に高い捲り性能がある。

相手モンスター特殊召喚の手順でリリース等できるカード

 フリーチェーン除去効果無効化を行うモンスターによる制圧への対策。
 壊獣《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の「条件による特殊召喚の手順としてのリリース」は、コストに近い扱いでありチェーンして防げないため、上記の効果を持つモンスターを一方的に除去できる。
 モンスター効果を受けない耐性でも防げないため、壊獣によるリリース除去を防ぐためには結界像等で特殊召喚を永続的に封じるか、《生贄封じの仮面》などリリース自体を禁止するしかない。

 《ラーの翼神竜−球体形》はこの手のカードの中では珍しい通常召喚扱いであるため、特殊召喚封じすら効かないが、必ず3体のモンスターリリースしなければ出せないため、一長一短である。

全体除去魔法カード

 今日のデュエルモンスター特殊召喚を主軸としたデッキが多く、制圧手段としてもフリーチェーン除去モンスター効果対策・特殊召喚封じといった対モンスターを意識したものが重用される。
 そのため、《サンダー・ボルト》《ライトニング・ストーム》といった全体除去通常魔法が通りやすい環境となっている。
 仮に無効にされてしまっても1妨害を消費させる事はできるため、「《サンダー・ボルト》を囮に本当に発動したいカードを通す」といった動きも狙える。

コントロール奪取カード

 相手制圧要員のモンスターコントロール奪取する。
 単純に相手の妨害数が減るだけでなく、上手く噛み合えば相手モンスターを利用して相手制圧を捲る事も可能。
 特に有効なのが「このカード名効果1ターンに1度しか使用できない」という効果外テキストを持つ、発動無効化またはフリーチェーン除去効果を持つカード
 このテキストモンスターではなくプレイヤーにかかる制約なので、相手がこの効果使用した後にコントロール奪取すると、自分は同一ターンに再度その効果使用できる。

《三戦の才》《三戦の号》

 制圧状態でこそ威力を発揮する発動条件を持つ通常魔法

《拮抗勝負》

 自分フィールドカードが存在しない場合に、手札から発動できる通常罠
 自分また相手エンドステップ発動でき、自分フィールドのカードと同じ枚数になるよう相手フィールドのカード相手自身に裏側で除外させる効果を持つ。
 自分フィールドが空の状態でバトルフェイズに入りこのカードを使えば、相手カードを1枚を残して全て裏側で除外できる。
 裏側での除外相手プレイヤーに強要する効果なので、除外されない耐性以外の耐性を突破でき、除外されたカードの再利用もほぼ防げる。
 現代のデュエルであまり重視されない罠カードであるため、無効化手段を相手が用意していない事が比較的多いのもメリットである。

手札から特殊召喚できる大型除去能力持ちモンスター

 フィールド発動するモンスター効果は先述の通り妨害されやすいため、通常は捲りには向かない。
 ただ、「後攻向きの特殊召喚効果がある」「除去能力がある」「攻撃力が高い」の3点が揃ったカードは捲り札として起用されうる。
 除去が通れば1枚分の捲りが成立するのはもちろんだが、相手としては放置しづらいため妨害を使わざるを得ない場合が多く「1妨害を使わせる」力が強い。
 また攻撃力で妨害系モンスターを突破できるのもメリットで、チェーンブロックを作る効果を無効にする《召喚獣メルカバー》や、効果破壊耐性のある《エルシャドール・ミドラーシュ》等を戦闘破壊できる。

その他

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