【ダストン】

デッキの概要

 ABYSS RISINGより登場した《ハウスダストン》効果を軸に、モンスターゾーンをコントロールするロックデッキの一種。
 モンスターの展開とそれによる制圧を前提としたデッキを封殺する、【ジャマキャン】【コスモロック】に類するデッキタイプである。
 新マスタールール以降はリンクモンスターの登場により、ロックが瓦解しやすくなったため《所有者の刻印》を用いて【ゴーレム】の要素を持つ型も生まれている。

《ハウスダストン/House Duston》
効果モンスター
星1/光属性/悪魔族/攻   0/守1000
(1):フィールドの表側表示のこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた時、
または、ダメージステップ開始時に表側表示だったこのカードが
相手モンスターとの戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
手札・デッキから「ダストン」モンスターを任意の数だけ選び、お互いのフィールドに同じ数ずつ特殊召喚する。 

デッキ構築に際して

メインデッキモンスターについて

ダストン

ダストンを補助するモンスター

―その他相性の良いモンスター

エクストラデッキモンスターについて

エクシーズモンスター
 《ハウスダストン》《ホワイト・ダストン》を素材に使えるランク1とそこから派生するモンスターが中心になる。
 《金華猫》は勿論のこと、ロック後に手札腐った《ヘル・セキュリティ》《エフェクト・ヴェーラー》等もいざとなった素材にしても良いだろう。

リンクモンスター
 デメリット持ちのダストンでもリンク素材にでき、高リンクモンスターを簡単に出せる。
 自分フィールドを開ける用途としても使える。

魔法・罠カードについて

ダストンサポートカード

モンスター拘束
 自爆特攻トリガーとしたものや、そのほか相手フィールドに残ったものを抑える。
 サーチ能力のある《ダストンのモップ》ダメージソースとなる《拷問車輪》《魔界の足枷》等。
 《魔界の足枷》ステータス変動を利用して自爆特攻にも利用できる。

トークン生成
 相手フィールドダストンと共に封鎖する。
 単純な拘束力はあちらに劣るが、《ブラック・ガーデン》《リバイバル・ギフト》ならば自爆特攻対象を能動的に確保できる。
 《おジャマトリオ》発動条件がなく使いやすいが、このデッキでは処理も難しいので注意。

送りつけ
 ダストン送りつければそのまま封鎖できる。
 《ハウスダストン》効果を経由するよりも効率は悪いが、小回りが利く点が特徴。
 邪魔なモンスターをどかせる《死のマジック・ボックス》が最適だが、《ヘル・セキュリティ》を活かせる《ギブ&テイク》という選択肢もある。
 どちらもやや事故要因となりやすいため、採用枚数はよく吟味しておきたい。

―勝利手段
 フィールドを封鎖するだけでは勝利できないので、当然他のカードの助けが必要。
 上述の《キングゴブリン》によるビートダウン以外では、《終焉のカウントダウン》《自業自得》《停戦協定》によるバーン《マジックブラスト》によるバーンデッキ切れといった手段が考えられる。
 《No.54 反骨の闘士ライオンハート》ダメージダメージ源となる。
 《マジックブラスト》バーンには魔法使い族が必要だが、《シャイニート・マジシャン》で補える。
 ただし自爆特攻《神の宣告》等で減っているライフはそう簡単には覆らない。

ロックを保持するカード
 《神の宣告》は勿論だが、モンスター効果に関してはフィールドを封鎖できるため《魔宮の賄賂》も重要性が高い。
 《ブラック・ホール》《激流葬》に弱いので、《スターライト・ロード》《大革命返し》も候補。

―その他相性の良いカード

戦術

 相手モンスターが1、2体の段階で素早く《ハウスダストン》リクルートを成立させる。
 それ以上の数であったり、ロック瓦解の恐れがあるものに関しては《強制脱出装置》《死のマジック・ボックス》を用いてどかす必要がある。
 ダストンだけでモンスターゾーンを埋められない場合もあるため、他のトークン生成カード等も活用したい。

 これが成功すればモンスターを介した動きを封じられるため、相手は簡単に突破できなくなる。
 ダストン以外のリリース相手単体除去で一時的にモンスターゾーンを空けられる場合もあるため、やはり《強制脱出装置》等で逐一対応していく。
 《ブラック・ホール》ロック瓦解の恐れがあり、採用率も高い。
 《強欲で謙虚な壺》《ミスティック・パイパー》《No.56 ゴールドラット》等を用い、カウンター手段を先に用意しておきたい。

 無論ロックだけでは勝利できない。
 《キングゴブリン》によるビートダウン、各種バーンデッキ切れ等が考えられるが、相手によって有効性は大きく変動する。
 例えば、《強制脱出装置》を積んでいるようなデッキであれば、デッキ切れでの勝利は難しく、ロックを突破される可能性が高い。
 マッチ2戦目にも大きく関わるので、環境を見極めたうえで勝利手段を適宜選択したい。

デッキの種類

《キングゴブリン》

 《キングゴブリン》による1ターンキル性を重視し、ロックの優先度を落としたタイプ。
 同時展開が命題であるため、《リビングデッドの呼び声》《キラー・トマト》といった《キングゴブリン》《ヘル・セキュリティ》特殊召喚手段を多く確保する。
 反対に、《ハウスダストン》から展開するダストン1ターンキルに必要な数値分あれば良いため、枚数を抑えて手札事故を回避できる。
 攻撃を通す必要があるので、魔法・罠カード対策も用意したい。
 モンスター効果に関しては、最も大きなウェイトを占める《エフェクト・ヴェーラー》墓地発動に対応しないので、バトルフェイズ中にリクルートする事で回避しやすい。
 リクルーターとの相性で言えば、《サイクロン》等の直接除去の他《禁じられた聖槍》《禁じられた聖衣》等が扱いやすいか。

 このタイプの弱点として、《ブラック・ガーデン》との相性が悪いので、相手攻撃表示で展開してくれなければ動けずに腐るカードを貯めこみやすい。
 表示形式を変更するカードや、送りつけを利用する事も考えられる。
 また、相手フィールドに複数のモンスターがいる場合、ダストンを展開できる数が減り、強化値が激減する。
 《激流葬》《サンダー・ボルト》といったものに加え、《ブラック・ホール》《聖なるバリア −ミラーフォース−》等の全体除去は準備しておきたい。

《マスク・チェンジ・セカンド》

 ダストン墓地へ送ることは可能なので、《マスク・チェンジ・セカンド》M・HEROを出すことが可能。
 さらに速攻魔法なので、《ハウスダストン》自爆特攻によりお互いフィールドを埋めつくした後に使用すれば相手フィールドダストン攻撃できる。
 《M・HERO 光牙》なら最大5000のダメージを出せ、《M・HERO カミカゼ》《M・HERO ダイアン》ならダストン戦闘破壊してアドバンテージを稼げる。
 出すモンスターの数を調整し、《M・HERO ダイアン》から《E・HERO シャドー・ミスト》リクルートし、2枚目以降のチェンジ速攻魔法サーチして2体目の《M・HERO ダイアン》につなぐことで1ターンキルも可能。

《No.93 希望皇ホープ・カイザー》

 以下の手順で《No.93 希望皇ホープ・カイザー》を用いたコンボが可能。
 なお、以下の《No.13 ケインズ・デビル》と書かれている箇所は、全て同じ効果を持つ《No.31 アベルズ・デビル》でも可。

  1. 《ハウスダストン》効果お互いフィールドダストンを4体ずつ特殊召喚
    自分フィールドにはデメリットのないダストン4体を特殊召喚。)
  2. ダストンを素材に《No.13 ケインズ・デビル》No.1体をエクシーズ召喚
  3. No.2体で《No.93 希望皇ホープ・カイザー》守備表示エクシーズ召喚する。
  4. 《No.93 希望皇ホープ・カイザー》効果《No.107 銀河眼の時空竜》CNo.101〜106のいずれかを守備表示特殊召喚する。
    (なお、この際に墓地に落とすエクシーズ素材は必ず《No.13 ケインズ・デビル》にしておくこと。)
    CNo.101〜106のいずれでも構わないが、守備力が最も高く攻撃力も高い《CNo.102 光堕天使ノーブル・デーモン》を推奨)
  5. 次の自分ターン《CX 冀望皇バリアン》エクシーズ召喚する。
  6. 《CX 冀望皇バリアン》効果墓地《No.13 ケインズ・デビル》効果コピーして効果発動し、相手フィールドダストンを全て攻撃表示にする。

 手順4と5の間の相手ターンで、《No.93 希望皇ホープ・カイザー》で呼び出したNo.2体のうちどちらかを除去された場合でも、返しのターンランク1が出せればコンボ自体は成立する。

 エクストラデッキを圧迫するものの、条件さえ揃えば《ハウスダストン》1枚で始動できるのが魅力。
 1ターン挟むが、基本的に相手ダストンロックしている状態なので、《No.93 希望皇ホープ・カイザー》効果さえ使えれば決まりやすい。
 逆にエクストラデッキの関係上1度出すと2回目を狙うのが難しく、《No.93 希望皇ホープ・カイザー》効果を止められたり除去されたりすると厳しい。
 メインデッキカードダストン以外の特定のカードを必要としないため、通常の構築や上記に述べた他の軸との併用して、《No.93 希望皇ホープ・カイザー》のみに頼らないようにしたい。
 またランク1を他に用意できるなら《ハウスダストン》特殊召喚するダストンは2体ずつでもよく、上記の《No.13 ケインズ・デビル》《ハウスダストン》リクルート補助にもなる。
 相手フィールド攻撃力0のモンスターを埋めるという観点では、《おジャマトリオ》を採用しても良いだろう。
 相手フィールドがある程度埋まっていても戦えるのはこの構築の利点である。
 ランク1を中心とするという点では【金華猫】にも共通する動きなので、あちらの構築も参考にしていいだろう。

エクシーズモンスター

 《ハウスダストン》効果自分フィールドデメリットのないダストンを並べ、それらを素材にエクシーズ召喚を狙う。

 ダストンを4体並べればランクエクシーズモンスター2体を介して《FNo.0 未来皇ホープ》および《FNo.0 未来龍皇ホープ》《No.93 希望皇ホープ・カイザー》に繋げられる。

 ランク1を中心とするという点では【金華猫】にも共通する動きなので、あちらの構築も参考にしていいだろう。

このデッキの弱点

 ダストンで埋め尽くす事を第一の目的としているため、それを行うよりはやくモンスターを複数展開されると、簡単に突破を許す。
 自分カード除去する能力をもったモンスターを出されると、折角封じたモンスターゾーンを空けられ突破されかねない。
 《幻獣機ドラゴサック》は1度に3体分までのモンスターゾーンを埋めてしまい、さらには自分モンスタートークンまでもが耐性にまわる恐れのある最悪の相手といって良い。
 これらに関しては後出しでカバーしようとするより、展開の段階で止めるか、ダストンを先に展開してしまうのが一番の対策である。

 リンク素材として使う分には制限が無いのも大きな問題。
 相手エクストラデッキリンク素材縛りが緩いリンクモンスターが存在する場合、展開したダストンリンク召喚でまとめて処理される可能性が高い。
 リンク召喚破壊を伴わないためにデメリット効果発動出来ず、逆に相手に塩を送る羽目になる。

 展開速度・展開数以外に関しては、あまりデッキを選ばない性質を持つが、《禁じられた聖杯》《強制脱出装置》を複数積んでいるようなデッキだと、ロック瓦解率が上がる。
 また《スキルドレイン》《皆既日蝕の書》を受けた場合、アドバンス召喚で処理される。

 当然《ハウスダストン》自体を止められると厳しい。
 《ソウルドレイン》《マクロコスモス》召喚無効攻撃に対する《次元幽閉》等。
 自爆特攻が主となる都合上、高速でライフを減らされると危険である。
 この他《群雄割拠》《御前試合》等にも弱い。

 そして根本的な弱点として、相手モンスターゾーンを使用する事が前提になっている。
 【終焉のカウントダウン】【チェーンバーン】に関しては、《キングゴブリン》で強引に突破する以外の対応がほとんど不可能で成功率も低い。

このデッキの歴史

第10期(2017年〜)

 新マスタールールが導入され、リンク召喚が登場。
 ダストンリリースできず、融合素材シンクロ素材エクシーズ素材にもできないが、リンク素材としては問題なく使用できる。
 リンク召喚を使用するデッキは自動的にダストンを使用したロックに対する対抗策を持つことになった。

第11期(2020年〜)

 マスタールール(11期)によりリンクモンスターが必須でなくなったことで、全面的なロックへの対抗策は無くなった。
 また、リンク召喚が苦手な【電脳堺】という【ダストン】が優位に立てるデッキも登場している。

代表的なカード

関連リンク

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