【ペンデュラム召喚(しょうかん)

始めに

 マスタールール3で追加されたペンデュラム召喚モンスターエクストラデッキから何度も再利用できる、アドバンテージ概念を大きく変える特殊召喚方法である。
 だがその性質上、通常のデッキに少数のペンデュラムモンスターを投入しただけでは十分に機能しないため、ペンデュラム召喚に特化したデッキを組む必要がある。
 ここではペンデュラム召喚を軸とするデッキに共通する特質と弱点、サポートカードなどを紹介する。

 ただ、新マスタールール以降はリンクモンスターを使用しなければ、エクストラデッキからは1体しか特殊召喚できない
 ペンデュラム召喚によってエクストラデッキから大量展開を狙うのなら、リンクモンスターによるサポートが必須となる。

ペンデュラム召喚の特徴

 ペンデュラム召喚を行うためには、左右のペンデュラムゾーンペンデュラムスケールの異なるペンデュラムモンスターを置き、更に手札またはエクストラデッキペンデュラム召喚可能なモンスターが存在する必要がある。
 手札からペンデュラム召喚を行っても直接的なカード・アドバンテージにつながらないため、中盤以降ではエクストラデッキからのペンデュラム召喚を狙っていくのが基本となる。
 いずれにせよ、複数のペンデュラムモンスター手札に引き込まないとペンデュラム召喚を行うことはできないため、デッキペンデュラムモンスター割合をかなり高めることが求められる。

 ペンデュラムモンスターおよびペンデュラム召喚の最大の特徴は、本来墓地へ置かれるモンスターエクストラデッキから再利用できることである。
 そのためリンクモンスターにより展開できる枠を確保した状態を維持すれば、ペンデュラムモンスターを繰り返し展開でき、一方的にカードを消耗していく相手アドバンテージで優位に立てるようになる。
 その時を見計らって大量展開されたモンスターで総攻撃を仕掛けるのが【ペンデュラム召喚】最大の勝ち筋である。

デッキ構築について

 ここでは幅広いペンデュラム召喚使用デッキで採用できる主なカードを紹介する。
 ただし、特定カテゴリに属していたり、ペンデュラムスケールの高いペンデュラムモンスターは、ペンデュラム召喚できるモンスターを制限するペンデュラム効果を持っているものも多い。
 したがって、モンスターに関してはカテゴリ外のカードを事実上搭載できないデッキも少なくない。

モンスターカードについて

魔法・罠カードについて

ペンデュラムモンスターまたはペンデュラムゾーンに関する効果を持つカード

エクストラデッキについて

リンク

リンク

戦術

 ペンデュラム召喚アドバンテージを得るにはエクストラデッキからのペンデュラム召喚が必要となるため、「エクストラデッキを肥やす」事が重要となる。
 しかし、ペンデュラムモンスターフィールドから墓地へ送られる場合しかエクストラデッキに行かないため、墓地肥やしカードを投入してもエクストラデッキを肥やすことはできない。
 また、エクストラデッキから複数体ペンデュラム召喚するにはリンク先も必要となる。
 そのため、ペンデュラムモンスターフィールドに出し、それをリンク素材としてエクストラデッキへ送りつつペンデュラム召喚の準備を整えるのが最重要となる。
 他の方法としては、以下のような手がある。

少ない消費でリンク先を増やすコンボ

 新マスタールールではエクストラデッキから特殊召喚する際、リンク先エクストラモンスターゾーンに出す必要がある。
 しかし、リンク先確保に多数のカードを費やしてしまうとペンデュラム召喚する準備にまで手が回らなくなる。

 一例として、手札キーカード1枚から3体のエクストラデッキからの特殊召喚を可能にする戦術を記載する。

《サイバース・ガジェット》を用いる場合

―パターン1

  1. 《サイバース・ガジェット》召喚し、効果モンスター蘇生
  2. 《サイバース・ガジェット》蘇生させたモンスターで、リンク2をリンク召喚
  3. リンク2とガジェット・トークン1体で《天威の龍拳聖》リンク召喚

―パターン2

  1. 《サイバース・ガジェット》召喚し、効果モンスター蘇生
  2. 《サイバース・ガジェット》リンク素材にして左のエクストラモンスターゾーン《リンク・ディサイプル》リンク召喚
  3. ガジェット・トークン蘇生させたモンスター《プロキシー・ドラゴン》リンク召喚
  4. 《リンク・ディサイプル》リンク素材にして、《プロキシー・ドラゴン》の右のリンク先《セキュア・ガードナー》リンク召喚する。

このデッキの弱点

 長期戦になるほどペンデュラム召喚による物量の展開が活きてくる反面、序盤のカード・アドバンテージに差はつきにくい。
 リンク先の確保ができない場合も大量に展開できないため、アドバンテージを確保できない。
 また、ペンデュラム召喚1ターンに1度しか行えないので、ペンデュラム召喚後に除去されるとそのターンは再展開できず、フィールドをがら空きにされてしまう。
 そのため、大量除去を行い早い段階で1ターンキルを狙うデッキにはどうしても弱くなるため、ペンデュラム召喚以外にも防御手段が必要になる。
 エクストラデッキからペンデュラム召喚を行う場合、リンク先も必要となるため、リンク先確保用のリンクモンスター除去されるとアドバンテージに繋がらないため、弱点と言える。

 また、アドバンテージを失いにくい特殊召喚方法であるが、以下のメタカードが比較的刺さりやすく弱点が多い。
 モンスターカード魔法カードの両方の性質を持つがゆえに、モンスターカード魔法カードの両方のメタカードが有効となってしまうためである。

モンスターカードに対するメタ

魔法カードに対するメタ

ペンデュラムゾーン封じ

 何らかの効果ペンデュラムゾーンを使用できなくなるとペンデュラム召喚できなくなり、一部ペンデュラム効果の使用にも支障が出る。

主なペンデュラム召喚デッキ

【ペンデュラム巨神鳥】

 パーミッション能力を持つ《霞の谷の巨神鳥》ペンデュラム召喚で繰り返しフィールドに出して相手の行動を制約するデッキ
 《霞の谷の巨神鳥》コストとして《霞の谷の巨神鳥》自身を手札に戻し、次のターンペンデュラム召喚する事でノーコストでのパーミッションが可能となる。
 《ハーピィの羽根帚》などを容易にカウンターできるためペンデュラムゾーンカード除去されにくく、一度態勢が整った後の防御力は高い。

 レベル7の《霞の谷の巨神鳥》ペンデュラム召喚するためには、ペンデュラム召喚先に指定のないペンデュラムスケール8以上のペンデュラムモンスターが必要となる。
 【魔術師】【EM】【オッドアイズ】【メタルフォーゼ】【魔界劇団】【ドレミコード】は、ペンデュラムスケール8のモンスターを擁しており、それらの構築を基礎に《霞の谷の巨神鳥》を組み込むと良いだろう。
 《霞の谷の巨神鳥》サーチする方法は非常に乏しいため、《忍者マスター HANZO》《忍法 変化の術》を使ってリクルートするのがよい。

【ペンデュラムガジェ】

 召喚・特殊召喚に成功した時にサーチを行うガジェットペンデュラム召喚してアドバンテージを稼ぐデッキ
 同種のガジェット手札でだぶついてもサーチ効果を持て余さないのが特徴。
 反面、ガジェットデッキスペースの多くを取られるため、ペンデュラムモンスターの数を減らさざるを得ず、ペンデュラム召喚がやや安定しない。

 ペンデュラムモンスターとしては、ガジェット2体でエクシーズ召喚できる《ギアギガント X》からサーチできる《音響戦士ギータス》、同じく《キングレムリン》サーチできる《EMリザードロー》《EMパートナーガ》などが良い。

【バニラペンデュラム】

 通常モンスターペンデュラムモンスターを主力とするデッキ
 通常モンスターを用いるメリットは多種多様であり、同じ【バニラペンデュラム】であってもどの通常モンスターサポートを用いるかは個性が大きく出る。
 主要なメリットとしては以下の様な点が挙げられる。

《青竜の召喚士》

 ドラゴン族戦士族魔法使い族通常モンスターを主体とした【バニラペンデュラム】の一種。
 《青竜の召喚士》サーチ可能なイグナイト《閃光の騎士》《フーコーの魔砲石》で、《ギャラクシーサーペント》等のチューナーを展開してシンクロ召喚につなぐ。

魔力カウンター

 ペンデュラムゾーンへのカードの発動魔力カウンターを貯めるトリガーとなることを活かし、魔法使い族を中心にペンデュラムモンスターの比重を増やしたデッキ
 《竜剣士ラスターP》《EMペンデュラム・マジシャン》《揺れる眼差し》といった破壊ペンデュラムモンスターサーチを同時に行えるカードを用いて《魔法都市エンディミオン》に効率よく魔力カウンターを貯めていく。
 また、音響戦士チューナーを合わせて採用することで《アーカナイト・マジシャン》シンクロ召喚に加え破壊効果を最大限活かすことができる。

関連リンク

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