カード/Card †
モンスターカード、魔法カード、罠カードの総称。
例えば「カードを1枚破壊する」という効果の場合、3種類のカードをどれでも1枚破壊できる。
→「フィールドのカード」参照。
- 遊戯王カードの色について。
各カードは地の色によってカードの種類が区別されている。
- カードの体裁は、遊戯王OCGの歴史にあるように時を経るごとにテキスト欄が広くなるように遷移してきた。
裏面は商品名が変わっても共通のものを使用しているが、DUEL TERMINAL仕様のカードはロゴがやや異なる色になっている。
またバンダイ版のものは、今の茶色い渦のような模様ではなく赤と紫の渦のような模様となっていた。
- (他のTCGと同様)遊戯王カードは紙でできている。
使われている素材の仕様上傷・凹み・折れ目・剥げが目立ちやすく、吸水性もかなり高いため、使用の際には注意が必要である。
特に各カードにホイル加工や仕様が施されているものが多いOCGでは、(カード自体の厚みの割に)カードの反りや裏面の薄さ、剥げが悪目立ちしやすくなっている。
極度の傷みがある場合、大会では使用を認められない事もある。
そのため、デュエルで使用するカードはスリーブに入れることが公式ルールブックでも推奨されている。
他注意点についてはカードプロテクターを参照。
- なお、ごく一部に紙製ではないカードも存在し、ステンレス製の《ゼラ》、純金製の《青眼の白龍》などが該当する。
とはいえ、いずれも大会賞品などとしてごく少数生産された限定品であり、デュエルに使うのは賢明ではないだろう。
- 試合の組み合わせのことをカードとも言い、注目される組み合わせを「好カード」という。
しかし、Vジャンプ等では単に「優秀なカード」という意味合いで「好カード」という言葉が使われていることが多い。
- 特定の用途のためにデッキに採用されるカードを、その目的に合わせて「○○札」と呼ぶプレイヤーもいる。
例としては以下の物が挙げられる。
- 可能な限り、第一手として召喚・発動を狙う「初動札」。
- 相手の行動を邪魔する「妨害札」。
- 汎用性の高さで多くのデッキに投入される「汎用札」。
- 後攻でこそ真価を発揮する「後攻札」。
- コンボの完成を相手に妨害された場合に、追加で使用し理想の盤面に近い状態を構築するために使われる「貫通札」。
- 制圧盤面に穴をあけ突破するために使われる「捲り札」。
- 腐りやすい代わりにコンボが決まると通常より強固な盤面を作れる「上振れ札」。
(上振れ=経済用語では業績や景気が予想より上がること。ゲーム用語では確率で起こる事象が良い方向に出ること)
- 原作・アニメにおいて―
原作の劇中設定では、古代エジプトの魔術師や神官、ファラオたちは、石版に封じ込めた魔物を操り戦う力を有していた。
その戦いの様子は古代エジプトの書物「トートの書」に記されて後世に伝わり、タロットカードの原型になったと言う。
ゲームデザイナー ペガサス・J・クロフォードは古代の戦いを再現する事を目指し、エジプトに現代に残された石版を元にカードゲームをデザインした。
これが劇中に登場するカードゲーム、マジック&ウィザーズ(アニメでは「デュエルモンスターズ」)である。
- 原作およびほとんどの漫画作品に登場するカードの表面は、イラスト欄の上にカード名とレベル、下に攻守と効果が書かれたシンプルな体裁で、OCGと異なり種族や属性の記載はない。
カラーイラストを見る限りでは、原作のカードはイラスト以外の部分は白のようである。
裏面は紫色が基調で、OCGよりバンダイ版のカードの裏面に近い。
- アニメDM〜5D'sまでの3作では、OCGに実物が存在するカードは実物の画像をそのまま使用している。
放送時点でOCG化されていないカードはおおむね当時の最新フォーマットの枠にアニメオリジナルイラストとテキストを入れて登場させている。
こういったアニメオリジナルカードはテキスト欄にルビが振られていないなど実物とは仕様の差があり、OCG化された時点で順次実物の画像に差し替えられることが多い。
(そのため、テキストに記載されているOCG効果とアニメにおける実際の挙動に乖離がある場合もある)
「バトルシティ編」の途中まではOCGにおける1期フォーマットと2期フォーマットが混在していたが、以降OCGにおける3期以降の「世界統一フォーマット」に統一され、世界統一フォーマットの実物が存在しないカード(《ブラック・マジシャン》等)はアニメ独自で世界統一フォーマット版の画像を作成し使用している。
また、5D'sからはUltraのカードはカード名に金色のグラデーションをつけるなど、レアリティに合わせた加工をするようになった。
ZEXALからはOCGに実物が存在するカードであってもアニメ独自にカード画像を作成して使用しており、実物との差し替えは行われなくなった。
裏面は全作を通してアニメ独自のものを使用しており、DM〜5D'sまでの3作ではオレンジの枠の中に茶色地、中心に黒い楕円が描かれた原作に近い意匠のものを使用していた。
ZEXALの1〜25話ではデザインが変更され、OCGのそれにかなり近い裏面が新たに作成され使用(一部のシーンでは5D'sまでのものと同じデザイン)された。
(デザインの大まかな印象は酷似しているが実際にOCGの裏面と見比べると細部がかなり違う。)
第26話からは再度デザインが変更され、色味はOCGに近いが渦巻模様の代わりに放射状に広がる線が配され、中心に手裏剣のような形の黒丸が描かれたものというOCGとは明確に異なるものとなった。
以後このデザインがARC-V〜VRAINS最終回までと、劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』にて使用されている。
- 外国語版のアニメに登場するカードは、表面のデザインが大幅に異なる。
上半分はまるまるイラスト、下半分にカードの種類や属性・レベルなどが記載され、テキスト欄は存在しない。
アニメとOCGが別物である事を明確にし、訴訟を防ぐためと言われている。
但し、英語版の劇場版「光のピラミッド」と『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』では英語のテキスト欄が存在しており、英語版「光のピラミッド」ではアニメ用テキストが英語で書かれていることが確認できる。
- カードの材質について。
ほとんどのカードは紙でできているはずだが、その強度はシーン毎に様々で、手で破けたかと思えば銃の撃鉄を止めたりもしている。
手裏剣の様に投げて武器にされる事も多く、海馬は人の手の甲に、鬼柳はコンクリートの壁に突き刺し、ディマクに至っては手錠の鎖を切断してしまった。
アニメオリジナル「海馬vsデュエルロボ」戦では、《オベリスクの巨神兵》の攻撃に耐えられなかったデュエルロボが海馬のデッキと共に炎上したが、カードは無事であり耐火性もある模様。
一方、5D'sでは雑賀の相棒だったユージの《マシンナーズ・スナイパー》が、事故の際に焼けて損傷していた。
- アニメ5D'sの紅蓮の悪魔のしもべ、アニメZEXALの古代のナッシュとベクターは、カードではなく巨大な石版を使用してデュエルを行った。
- アニメ5D'sのZ-ONEは巨大な生命維持装置と一体化していたため、畳のような巨大なカードを使用している。
- アニメARC-Vには、裏面に「A」と書かれた「アクションデュエル」専用の「アクションカード」と呼ばれるカードが存在する。
これはリアル・ソリッドビジョン・システムによって生み出された「質量を持つ立体映像」であり、デュエル開始とともにフィールドにばら撒かれ、デュエルが終了すると消滅する。
- 劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』では海馬コーポレーション製の「クリスタル・クラウド・ネットワーク」を用いたデュエルについて海馬は「デッキとしてのカードは存在しない」と述べており、実際劇中で海馬が使用したカードは殆ど電子化されている。
- アニメVRAINSのデュエルは全て電脳空間「LINK VRAINS」内で行われており、データ化したカードが使用された。
Playmakerのように旧式ディスクを用いることで実際のカードを内部で使用することもできる。
しかし、現物のカードにもデータがあるようで、Aiによると、それを抜き取られるとLINK VRAINS内では使用できなくなるらしい。
- また、アニメVRAINSでは第3話にて後述のスキル「Storm Access」で入手した《デコード・トーカー》のカードデータを出力することで実物のカードが作られるという描写があった。
その際、「カードの表面側から見て左側から右に向かって光る粒子が集まっていき、カードが生成される」という、どう見ても紙製ではないような描写があった。
- カードの入手方法について。
原作・アニメDM・アニメ及び漫画GXでは、劇中でカードをパックから入手するシーンがあり、あちらの世界でもパック購入はカードの主要な入手手段であった事がわかる。
(原作の《光の封札剣》、漫画GXの《光と闇の竜》の入手エピソード等)
ところが、アニメ5D's以降パックを開けてカードを入手するシーンは皆無であり、登場人物がどのようにカードを入手しているのかは謎が多い。
辛うじて、アニメ5D'sに幼少期のアキがストラクチャーデッキ−烈風の覇者−らしきデッキをプレゼントされるシーンや、アニメARC-Vで《黄泉ガエル》が雑誌の付録カードになっている事が確認できる程度である。
- ストーリーの根幹を担う重要なカードは「購入・入手」する描写がなく、「突然デッキに入っていた」かのような描写が少なくない。
既存のモンスターの強化形態(コンタクト融合・セイヴァー等)が顕著であり、特にカードを手に入れたという説明もなくソリッドビジョン上でパワーアップして、それ以降いつの間にかカードが存在している、というのはもはや恒例である。
- 全作品を通して、拾ったカードや貰い物のカード、借りたカードでデッキを構築している描写も多い。
特に貰い物や借り物は、キャラクター同士の繋がりや絆の強さを描写する手段として多用されている。
- カードの開発・販売について。
上記の通り、マジック&ウィザーズ(デュエルモンスターズ)は当初ペガサス率いるインダストリアル・イリュージョン社の製品という設定であった。
しかし、同社はGXを最後に登場しておらず、カードを購入する描写の消滅も相まって、その後の作品でどのようにカードが製造されているのかは不明である。
- 小説版『光のピラミッド』ではより詳細なカード製造経緯が語られ、ペガサスが石板から写し取った情報がカード1枚1枚にICチップの形で搭載されているとしている。
この製法はI2社の独占技術であるため、他社はカード製造が行えず、I2社であっても元となる石板がなければカードが作れないものとしている。
ただし、既存の石板の情報を援用した新規カードを作る事は可能であるため、作中では《青眼の白龍》をベースにした《青眼の光龍》がペガサスの手で開発された。
- アニメARC-Vにおいては、舞網市ではレオ・コーポレーション(LDS)が召喚法などを解析し、そこからカードを量産・流通させているような描写がある。
そのためペンデュラムモンスター及びペンデュラム召喚を未知の物だとする結果が出た事から物語が動き出している。
レオ・コーポレーション自体が独自にカードを開発できるという描写もあるが、カードの販売元等については相変わらず示されていない。
- アニメ5D'sではボルガーがカードを担保に融資をしてもらおうとしており、アニメARC-Vのシンクロ次元では収容所でカードが賄賂に使用されているなど、カードが金銭と同じような存在として扱われている描写がみられる。
デュエルの大会で優勝すると多額の賞金が手に入ったり、プロデュエリストなどデュエルを仕事とする人間がいる世界なので、強いカードやレアカードは価値が高いのだろう。
原作・アニメDMには、世界を股にかけレアカードの強奪・偽装・密売等を手掛ける「グールズ」という犯罪集団が存在していたが、希少価値の高いカードの需要と供給が世界中にあるお陰でこの組織が成立していると言えるだろう。
また、ARC-Vのクロウは「コモンズはエースモンスター級のカードを何枚もエクストラデッキに入れておくことはできない」と、所得によるカード資産の差に言及している。
- 原作でも三幻神が超自然的な力を発揮していたが、カードを独自に開発する・解析して使用する・爆破に使う等といったシーンも多く、そういったものもデュエルディスクは認識する等、全編を通して謎の存在である。
アニメGXとZEXALに至っては「1枚のカードから宇宙が生まれた」という恐るべき世界観が語られている。
- 先述のとおりアニメ5D'sまでは、劇中のカードがOCG化されると(それが世界で1枚しかないカードであっても)イラストや効果、体裁がOCG準拠のものに変わる事が多かった。
ZEXAL以降はOCG化後も変更しないまま使用されるのが基本となっている。
- 相手のバーンや効果に対してピンポイントで対策できる限定的なカードが使われ、その後のデュエルで一切そのカードが使用されない事は恒例となっている。
原作者・高橋和希氏いわく、「遊☆戯☆王のコンセプトは主人公が絶対人を殴らない格闘モノ」との事で、起死回生のディスティニードローやピンポイントでのカウンターは、カードを武器とした「格闘」を描く上で欠かせないものなのであろう。
もちろん、実際にそのようなデッキを組んでも主人公達並の引きの良さがないと、手札事故が頻発する紙束になってしまう事は言うまでもない。
- ただしアニメZEXALのZWや漫画ZEXALの白紙のNo.など、デュエル中にその状況を突破することを目的としたカードが創造されることもあり、その場合は性能が限定されていても話の流れとしては自然である。
- 原作で海馬の魂がカードに封印されたのを皮切りに、敵勢力が「人間をカード化する」行為をしばしば行っている。
それが超常的な力なのか科学的な力なのかはまちまちだが、カード化された人間がイラストの部分に存在する以外は何も書かれていない事がほとんどである。
関連リンク †
FAQ †
Q:表面に傷や汚れのついたカードやサインをいただいたカードやスリーブを大会で使用することは可能ですか?
A:加工したカードは使用できません。
ただし、カードにスリーブを装着して裏側から見た際に判別がつかない場合は使用できます。
大会であれば責任者の指示にしたがってください。(15/01/10)