幻蝶(げんちょう)刺客(しきゃく)

デッキの概要

 GALACTIC OVERLORDカテゴリ化した「幻蝶の刺客」と名のついたモンスター群を利用した【ランク4】ビートダウン
 弱体化や専用エクシーズモンスター《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》全体除去により、相手モンスターを仕留める。
 幻蝶の刺客は数が少ないが、闇属性戦士族レベル4で統一されているためそれらの豊富なサポートカードがこれを支えてくれる。
 幻蝶の刺客自体には直接的なカード・アドバンテージを稼げるカードはなく、《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》でも必ずしもカード・アドバンテージをとれるわけでは無い。
 また、どの軸にしてもカード・アドバンテージ獲得が苦手な部類である【ビートバーン】【直接攻撃】【表示変更】などの要素が必要になるため、総じて上級者向けのデッキと言える。

《月光蝶/Moonlit Papillon》
効果モンスター
星4/光属性/昆虫族/攻1200/守1600
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
デッキからレベル4以下の「幻蝶の刺客」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。
《フォトン・アレキサンドラ・クィーン/Photon Alexandra Queen》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2400/守1200
「幻蝶の刺客」と名のついたレベル4モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
フィールド上のモンスターを全て持ち主の手札に戻す。
その後、この効果でカードが手札に加わったプレイヤーは、
その数×300ポイントダメージを受ける。

デッキ構築に際して

 3体の幻蝶の刺客効果は全て、カード・アドバンテージを獲得できるものではなく、発動に他のカードを別途必要とするコンボ用のものである。
 そのうえ相性の良いカードがそれぞれ異なっており、その全てを均等に活用するのはかなり難しい。
 《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》全体除去を活かすなら幻蝶の刺客弱体化効果は活かす余地が少なく、そのエクシーズ素材として展開するだけになる。

 軸に据えるギミックを絞り、特定の動きに重点をおくため、幻蝶の刺客を採用するとしても他のカードは異なるものになりやすい。
 このため【幻蝶の刺客】の基本軸と言えるデッキはないといえる。
 そのことを踏まえ、特定の軸でしか使わないようなものも含め、なるべく幅広く各種カードを解説する。

メインデッキモンスターについて

  ―幻蝶の刺客
 3種しか存在しないが、それぞれ方向性がやや異なるため安易なフル投入は厳禁。

―その他のレベル戦士族モンスター
 幻蝶の刺客は展開力にも欠けるため、円滑なエクシーズ召喚弱体化を行うために展開力のあるモンスターや、コンボの補助となる効果を持つものを中心に採用する。

―その他の種族で相性の良いモンスター

エクストラデッキモンスターについて

 ランク4を中心に構築する事になる。
 戦士族闇属性縛りのものも候補となる。
 弱体化《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》を活かすものと、汎用性の高いもののバランスが難しい。

幻蝶の刺客関連エクシーズモンスター

ランクエクシーズモンスター

リンクモンスター
 リンクモンスターにそこまでの重要性は無いが、基本的には【闇属性】【戦士族】の汎用モンスターから選ぶことになるだろう。
 前者は《見習い魔嬢》《暗影の闇霊使いダルク》、後者は《聖騎士の追想 イゾルデ》《剛鬼ザ・パワーロード・オーガ》《剛炎の剣士》が例に挙げられる。
 それ以外ではエクシーズ召喚サポートの《武神姫−アハシマ》や、《コピー・ナイト》デッキからセットできる《影法師トップハットヘア》も採用圏内。

シンクロモンスター

融合モンスター

魔法・罠カードについて

 魔法・罠カードもやはり、デッキを回転させたり展開を支えたりするものを中心に、主に狙いたい戦術に応じた取捨選択をする。

―展開を支えるカード

弱体化効果発動を補助するカード
《幻蝶の刺客アゲハ》《幻蝶の刺客モルフォ》それぞれトリガーが異なるため、《幻蝶の護り》以外は後述の各デッキの軸を参照。

―その他のカード

戦術

 軸によって異なる。
 《幻蝶の刺客アゲハ》を軸にするなら直接攻撃により戦闘ダメージを与えて弱体化戦闘破壊及び大きな戦闘ダメージを狙うことになる。
 《幻蝶の刺客モルフォ》を軸にするなら表示形式の変更で耐えつつ弱体化を狙い、戦闘破壊に繋ぐ形となる。

 《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》を軸とするなら、《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》とその効果耐性のあるモンスターを並べるか、除去後に展開し、直接攻撃へと繋ぐ。
 いずれにしてもあまり長く戦える持久力がないため、ただ相手モンスターを処理するだけでなく、速やかにライフ・アドバンテージを奪いに行くことを目的としよう。

デッキの種類

 幻蝶の刺客や関連カードの数がとても少ないため、実際にデッキを組む際には【ランク4】が骨組みとなるが、それに加え《幻蝶の刺客アゲハ》《幻蝶の刺客モルフォ》による弱体化《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》全体除去戦術もあるため中々に個性的。
 戦闘ダメージを与えた際の弱体化表示形式変更時の弱体化全体除去の3つの戦術はそれぞれ相反するため1種、多くても2種に絞って構築するのが良いだろう。
 いずれにせよ、短期決戦を心がける事が肝要。

《幻蝶の刺客アゲハ》

 自身以外が相手戦闘ダメージを与える度、その数値分弱体化を放てる《幻蝶の刺客アゲハ》を軸にしたコンボデッキ
 できる限り大きく弱体化したいため、高攻撃力連続攻撃直接攻撃を実現するカードを多く採用する。
 効果ダメージを与えるカードは少ないものの、【シザースバンカー】【ビートバーン】にかなり近い動きをするのが特徴的。

 まずモンスターについては、《幻蝶の刺客アゲハ》はフル投入で良いだろう。
 《幻蝶の刺客アゲハ》自身も下級アタッカーであり、複数存在していても《幻蝶の刺客アゲハ》Aの戦闘トリガー《幻蝶の刺客アゲハ》Bが効果発動でき、それ以外なら弱体化は重複する。
 《幻蝶の刺客モルフォ》は大きな戦闘ダメージを与えにくくしがちなので、基本不採用。
 「《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》が居たら勝てた」という局面が多いと感じる場合は枚数調整のうえ取り入れる。
 次に、《幻蝶の刺客アゲハ》を活かすため、《機甲忍者ブレード・ハート》ヒロイックエクシーズモンスターなど、大きな戦闘ダメージを与えられる効果を持つアタッカー+それらを同時に用意したいため《幻蝶の刺客オオルリ》をはじめとする展開力のあるエクシーズ素材向きモンスターを採用する。
 相性の良いカードが特に多いため【クラウンブレード】はぜひ取り入れたい。

 魔法・罠カード《幻蝶の刺客アゲハ》・展開への補助ができるものを中心に採用する。

 自分ターンはできる限り多くのアタッカー《幻蝶の刺客アゲハ》を展開したい。
 高い戦闘ダメージを与えられない状況でも、《聖剣クラレント》《ドゥーブルパッセ》などで直接攻撃能力を付与すると打破でき、後続でドミノ倒しのように戦闘破壊+高戦闘ダメージを狙える。
 相手ターン《H・C サウザンド・ブレード》手札誘発BK《幻蝶の護り》攻撃を凌ぎつつも展開できると良い。
 もしくは《機甲忍者ブレード・ハート》など除去を使うまでもない準アタッカー《ドゥーブルパッセ》で強力なダメージ源にできるとベスト。
 返しのターン《幻蝶の刺客アゲハ》を立てられれば、総ダメージはほぼ確実に8000以上となる。

弱体化効果発動を補助するカード

《幻蝶の刺客モルフォ》

 表示形式変更で弱体化を発揮する《幻蝶の刺客モルフォ》を軸とする。
 守備表示に変更するカードを多用し、相手攻撃をいなしつつ弱体化適用自分ターンで更に表示形式を変え、攻撃する。
 守備表示攻撃する機会も多く、上述の様に《幻蝶の刺客アゲハ》効果を活かしにくい。
 守備力も下げた状態で守備表示にできることも多い為、貫通効果持ちを併用することでダメージを通しやすくなる。

 表示形式変更を行うだけで弱体化できるため発動自体は簡単だが、永続カードでないとアドバンテージを取りづらく、かといって永続カードでは攻めに転じにくいというジレンマを乗り越える必要がある。
 採用されるカードステータスの低さも相まって、「表示形式変更による弱体化を通してライフを削りきる」ことをかなり意識した構築をする必要があるだろう。

 また、モンスターが残りやすい構成のため、《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》除去も狙える機会はあるだろう。
 ただ実際には、《幻蝶の刺客アゲハ》軸や《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》軸のほどの決定力が無く、《つまずき》など永続カードによる表示形式変更は自軍の攻勢も大きく阻害するため、全体除去後の状況を存分に活かすのは難しい。

 上記のヒロイックなどの展開手段を用いてリンクモンスターを展開すれば《つまずき》の影響を受けずに攻撃できる。
 貫通持ちの《スリーバーストショット・ドラゴン》なども採用することでダメージを与えやすい。

弱体化効果発動を補助するカード

《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》

 幻蝶の刺客エクシーズ素材に指定する《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》を軸にしたコントロール寄りのビートダウン
 非常に防ぎにくいバウンスによる全体除去相手フィールドをがら空きにし、別途用意したアタッカー直接攻撃を決める。
 除去して殴るという非常に単純明快な動きをする。

 具体的な流れは、以下の通り。
 幻蝶の刺客及び《コピー・ナイト》《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》エクシーズ召喚起動効果を通して全体除去
 その後エクシーズ素材を展開し高攻撃力連続攻撃などを有するエクシーズモンスターor予め出していた《シトリスの蟲惑魔》などの耐性持ちアタッカーで、直接攻撃を繰り返す。

 上記の流れを実現するために、《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》を出した後にエクシーズモンスターを立てる展開力を非常に重視する。
 《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》は単に正規エクシーズ召喚を狙うだけでなく、《エクシーズ・シフト》サルベージカードも使って毎ターン出せるようにしたい。
 一方、《幻蝶の刺客アゲハ》《幻蝶の刺客モルフォ》弱体化コンボは相性が良くないため度外視し、エクシーズ素材としての面を注目した利用となる。
 具体的には召喚時に《幻蝶の刺客オオルリ》《コピー・ナイト》トリガーさせられそのまま《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》に繋がる点、《月光蝶》からリクルートできる点である。
 手札事故のリスクもあるため幻蝶の刺客の枚数は非常に悩ましいが、《闇の誘惑》も加味すると、ほぼフル採用が良いだろう。
 《エクシーズ・シフト》《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》特殊召喚手段の中心にする場合はもう少し少なくできる。
 《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》の正規エクシーズ召喚を狙う場合は召喚権を使用しがちなので、《フォトン・スラッシャー》《H・C 強襲のハルベルト》壊獣特殊召喚しやすいものを予め出して自傷バーンを発生させ、それをトリガー《H・C サウザンド・ブレード》《ガード・ペンギン》などを特殊召喚して連続エクシーズ召喚を狙いたい。
 《幻蝶の刺客アゲハ》軸同様、相手ターン《H・C サウザンド・ブレード》《幻蝶の護り》攻撃を凌ぎつつも展開できると良い。

 《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》での制圧後、《フェニックス・ギア・ブレード》ヒロイックエクシーズモンスターなどの高攻撃力モンスター適用すれば、1ターンキルできる。
 《フォトン・アレキサンドラ・クィーン》は一応、エクシーズ素材を1つしか消費しないため一度だけなら無効にされても未界域のように再度発動できるのは覚えておきたい。

このデッキの弱点

 こうした事情から、数あるデッキの中でも非常に構築及びプレイングの難易度の高いデッキである。

代表的なカード

サンプルレシピ

関連リンク

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