イラスト †
カード中央部に大きく描かれた、モンスターの姿や光景のこと。
ここでは遊戯王の世界観が描かれており、大別すると漫画やアニメの世界観、OCGの世界観の2つに分かれる。
OCG側については、中心軸となる世界観や物語が長らく設定されていなかったが、後述の通り第9期から開始されている。
各カードのイラストの内容は、中世ファンタジー・日本神話・古代エジプト・現代都市・近未来など多種多様であり、全てが同じ世界に存在するのか違う世界に存在するのか不明である。
なお、アニメに登場したモンスターたちはOCGのどれとも違う世界の住人であるようだ。
- ゲーム(デュエル)の進行に与える影響は一切ない。
後述のアニメにおいて《クイズ・フロンティア−エクストラ・ステージ》で出題された程度であり、そういったカードは全てOCG化していない。
- 原作のダークファンタジー的な世界観に影響されてか、初期のカードは対象年齢に合っていない過激なイラストも多い。
性的描写やグロテスクなイラストの多くは修正を受ける事になる。(→海外版イラスト変更カード)
また、初期には既存のモンスターの色を変えただけのモンスターも多かった。(→色違い)
- いくつかのカード群のイラストでは組織立った動きや時系列の変遷が見られ、それぞれの中では世界観を共有していることが明確に描写されている。
イラストからカード間の効果のシナジーやメタのデザインが読み取れるものも多い。
これらのカードたちはコレクションや話のネタとして、ゲームとは別の面での人気も高く、遊戯王OCGを支える柱の1つとなっている。
- また第9期のレギュラーパックから、その期全てもしくは半分をかけて進行する大規模な物語が展開されるようになった。
特定のカテゴリやモンスターカードに焦点を当てて、シナジーを持つものや名指しでサポートするカード、物語の一場面を描いたカードなどが多数登場している。
2020年・第11期からは、アニメVRAINSの放送終了と共に、OCGを題材とする物語の展開およびその登場カードが大幅に減ったため、より増加している傾向にある。
- 美麗なイラストのカードは、時にそれだけで注目され、人気を集める。
- ほとんどのイラストはカード用にトリミング(切り抜き)された状態であり、見切れた部分もある程度まで描き込まれている。
CM・ポスターでの使用、カードプロテクター・プレイマット(デュエルフィールド)・その他グッズや書籍などの関連商品で確認できることがある。
- カードゲームステーションでは、12枚のカードの背景を含む全景が展示されており、閲覧する事ができる。
- Twitter(現X)やYouTubeでは、未トリミング版のイラスト、設定画が度々公開されている。
- 「CARD GAME ART WORKS」でのコメントによれば、DUEL TERMINAL(2008年〜)におけるモンスターの3Dグラフィック化に伴い、制作上必要となって設定画が描かれるようになったとのこと。
これ以前に発売された後述するゲーム作品では、表現の異なるモンスターが若干数存在する。
また、この発言を踏まえると、壺COLLECTIONの予約締め切り直前に発表された設定画のうち数枚分は、フィギュア化に伴って(設定の再確認や構造の把握のため)新たに描かれたものと思われる。
- ほとんどのトレーディングカードゲームでは担当したイラストレーターがカードに記名(クレジット)されているが、遊戯王OCGにはそれが無く、TCG業界全体からみると特異な扱いとなっている。
- 《万物創世龍》登場時のVジャンプの特集記事、OCG20周年記念の「MONSTER ART BOX」、同25周年記念の「CARD GAME ART WORKS」といった書籍にて、イラストレーターのコメントが添えられているが、ここにもペンネームやイニシャルといった断片的な情報すらない。
ただし、複数人が存在するチームであることは確かで、インタビュー内で明言されている他、設定画内の文字の書き込み、注釈の付け方にも違いが見られる。
- 原作者・高橋和希氏や、その他コミカライズを担当した漫画家による描き下ろしが明言されているカードはわずかに存在している。
また、KONAMIを退社した人物がカードイラストを担当していたことを公表しているケースもある。
- 高橋氏がイラストを描き下ろしたカードの大半にはサインが描かれている。(該当カードはANNIVERSARY PACKのページにある一覧を参照)
高橋氏のイラストを使用したカードの発売には何らかの制限があるらしく、再録の例が極端に少ない上、後述するゲーム作品でも未収録のものが多い。
- 「高橋氏のイラストで初登場したカード」で別イラストで再録されたことがあるのは、三幻神のみ。
- サインのないものは、原作出身カード・原作と同じ構図などの特徴があっても、高橋氏以外が描いている・または再録が許可されていると思われる。
原作と同じ構図だがアニメ版との折衷案のようになっている《ソウルエナジーMAX!!》や、後年のゲーム作品でも収録されている《ファラオの審判》・《友情 YU−JYO》・《結束 UNITY》といった例外が存在する。
この他にも、漫画単行本などにモンスターの設定画が掲載され、デザインのみ担当したと明かされているものがある。
なお、高橋氏は2022年7月に死去しており、これ以降に発売されるカードで描き下ろしを担当することはない。
(カードゲームに限らず、アニメ・ゲーム業界では、一人だけで担当できないほど多数のイラストが必要であり、制作チーム内での画風の模倣は一般的な行為である)
- 下記のような複数のイラストを持つカードは、原則的に公式データベースでその全てのイラストが確認できる。
ただし、微細な違いに留まるものはいずれか1つのイラストのみ記載される事が多い。
また、《お注射天使リリー》や《マッド・ロブスター》の様な諸問題が原因(と思われる)での変更の場合、変更後のイラストのみが記載されている。
- 珍しい例として、《時の魔導士》は実物と公式サイト及びデュエルリンクス・マスターデュエルでイラストが異なる。
実物では両手共に左手になってしまっているミスが見られるのだが、遊戯王カードデータベースとゲームイラストではそれが修正されている。
遊戯王ニューロンのみ実物と同じ画像を当初用いていたが、後にこちらも修正版に変更されている。
- 原作・アニメにおいて―
原作ではM&W生みの親であるペガサス・J・クロフォードが三千年前の石板を元に筆で描き起こしていた。
アニメでもメインはペガサスだが、GXなどでは他のデザイナーが書き起こしたカードも登場している。
原作ではペガサスが死亡しているが、漫画GXにおいてはアニメ同様に他のデザイナーがイラストを描いているようだ。
漫画・アニメGXにおいては、カードデザイナーであるエドの父親がストーリー上重要な役目を担っている。
- 原作におけるマジック&ウィザーズは「プレイヤーが魔法使いとなり戦う」というコンセプトの元に作られ、《ミノタウルス》・《ガーゴイル》等の神話の怪物が主に登場する、それこそ「剣と魔法のファンタジー」というような世界観だった。
但し、これは作者がトレーディングカードゲーム「Magic: The Gathering」を元に考案したものであり、この時期はマジック&ウィザーズが漫画の根幹ではなかったからである。
- 精霊の宿るカードは時折イラストが変化することがあり、GX第一話において《ハネクリボー》がウインクしたカットは後にイラスト違いカードとしてOCGに登場する事になる。
三幻魔が精霊の力を吸収した際には、イラストが消えたり、おジャマ三兄弟が散々な姿になったりした。
5D'sにおいて《極神聖帝オーディン》がハラルドを後継者と認める前と後では、イラストが異なっている。
- 原作「バトルシティ編」以降に登場したモンスターカードのイラストは、OCG化の際にソリッドビジョンで映された姿を基にしたイラストに変更される事が多い。
- アニメのオリジナルカードは「アニメオリジナルカードデザイン」とクレジットされるスタッフがイラストを担当しており、それらのカードはOCG化される際にイラストが変更される事が多い。
また、OCGが初出のモンスターのゲーム作品などでのデザインと背面などの細部が異なっている事がある。
どのカードに関わっているかの公式の発表はないが、塗りがOCGのものと違っていて見分けがついたり、《調律の魔術師》のように実質的にデザインしたと思われるような発言があるものも存在する。
- 海外版のアニメでは、翻訳の手間を避ける、言語の異なる複数ヶ国に輸出して放映するといった目的から、文字が画面に映ることを極力避けるよう編集している。
そのため、カードの意匠はイラストが大部分を占める特有のものが使用されている。
上から7割程度が全て枠のないイラストで占められ、その下には攻守が初期のカードを髣髴させる体裁で書いてある。
モンスター効果を書く欄はないため、ナレーションで解説が入る事も多い。
韓国版では元と同じ体裁のフォーマットになっており、テキストも韓国語に翻訳されている。
- 海外のアニメ公式サイトでは、アニメに登場したカードの高画質イラストが公開されており、劇中では見えなかったカードのイラストも見る事ができる。
- 漫画OCGストラクチャーズに登場する本仮屋栞莉は遊戯王OCGのイラストに着目する珍しいキャラクターである。
彼女がデュエルを始めたきっかけは《星遺物の導く先》のイラストに惹かれたためであり、デッキ構築もイラストや設定を重視したファンデッキ構築で統一されている。
- コナミのゲーム作品において―
非OCGのゲームのうち、初期のGBゲームはカードの体裁がOCGと異なるので、イラストがほぼ全てOCGとは別物である。
カードの体裁がOCGと同じであるゲームは、イラストもほぼ全てOCGと同じであり、多くの作品でイラスト違いカードも収録されている。
WCS2009と2010では、戦闘の際にイラストの全身が表示される。
- 一部のゲーム作品では、海外での販売を考慮してか、国内販売分であっても海外版のイラストが使用されている。
ただし、攻略本では日本版のイラストを使用しているものもある。
- TAG FORCEシリーズでは、イエロー寮長の樺山先生(1〜3)・矢薙典膳(4)・ハイトマン教頭(5、6)が「絵違いカードくじ」なるものを行っており、くじ引きやジャンケンでイラスト違いのカードが手に入る。
また、WCS2010ではB.A.Dエリアにいるちひろが、2011ではダイモンエリアにいるカズヒロがゲーム中集めたスターチップをイラスト違いカードと交換してくれる。
ただし、これらで入手できるのはあくまで日本語版のイラスト違いカードのみであり、海外版イラスト変更カードまで手に入る訳ではない。
- 高橋氏イラストの使用制限はゲーム作品にも及んでおり、「TAG FORCE SP」(2015年)までは収録されていたのだが、「デュエルリンクス」(2016年〜)「マスターデュエル」(2022年〜)には大部分が収録されていない。
複数のイラストが存在するカード †
海外版イラスト変更カード及びゲームのみのイラストは除く。
書かれているのはそのイラストが最初に登場したパック等。
―通常モンスター
- イラスト変更と共に、原作設定と整合するためのエラッタが行われている。
―効果モンスター
- 最初から海外版のイラストという訳ではなく、ある時期以降に生産されたものが変更されている。(正確な時期は不明)
日本版イラストの方は実質的に絶版である。
―融合モンスター
- ACADEMY DUEL DISK版は、カラーが黒になっており、「ヘルカイザーバージョン」と呼ばれる。
(但し、アニメでヘルカイザー亮がこのバージョンを使用した訳ではない)
―シンクロモンスター
―エクシーズモンスター
―リンクモンスター
―魔法カード
- Vol.6に収録されたものにある、六芒星の模様が五芒星に修正されている。
―罠カード
―トークン
―TCGにのみイラスト違いが存在するカード
※書かれているのは新規イラストが登場した商品名
関連リンク †