遊戯王カードWiki - リミットレギュレーション/2024年7月1日

2024年7月1日適用のリミットレギュレーション †

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2024年7月1日適用のリミットレギュレーション

　太字は制限が強化されたカード。
　斜体は制限が緩和されたカード。

　比較的群雄割拠の環境が戻ってきたためか、今回は特定のデッキに対する強い規制というよりは全体的に満遍なく規制がかけられた印象である。
　環境で複数のデッキに出張しているデモンスミス関連は発売時期の影響かデッキ構築に影響のある規制はされていない。
　禁止カードになった２枚のカードは環境での活躍よりもゲーム性に与える影響を考慮されてのものと思われる。
　緩和されたカードは制限復帰した２枚を含めて10枚を超えており、影響を受けるデッキは多いものと予想される。

制限強化されたカードについて―
- 古くから１ターンキルに用いられてきた《カタパルト・タートル》が禁止カードに指定された。
  エラッタを受けてからも１ターンキルコンボが開発されており、ここ数ヶ月の間でも【ライトロード】・【ホルス】・【タキオン】などで利用されていた。
  このタイミングでの規制は、緩い条件でのサーチを可能にした《時空の七皇》の登場がトドメになったものと思われる。
  あちらを利用する事で先攻１ターンキルが可能になっていた（展開ルートは《カタパルト・タートル》のページを参照）。

直近の環境で大きな影響を与えたわけではないのだが、先攻１ターンキルを容易に行えるのはゲームとして問題があると判断されたものと思われる。
このようなバーンカードを放置したままでは今後のカード制作にも悪影響を及ぼす懸念や、ANIMATION CHRONICLE 2024で登場した《再生の海》で蘇生が可能なことなど、いくつかの要因も考えられる。

前回は準制限カードに留まっていた《カイザーコロシアム》が、今回で一足飛びに禁止カードに格上げされた。
直近の環境では使用率がやや低下気味だったが、最早投入するデッキをあまり選ばず、相手デッキ次第では１ターン目に使用する事でほぼ相手の展開を封殺して早々に勝負を決めてしまうゲーム性への影響も考慮されたものと思われる。
後攻側が初手に握った《原始生命態ニビル》の発動を封殺する事で先攻側の展開を止められなくなり、結果として先攻有利に加担していた点も重く見られたか。

同じく相手の展開を封殺する永続カードの《サモンリミッター》も今回新たに制限カードの規制を受けた。

第12期以降はOCG・TCG共に《群雄割拠》などの行動を制限する汎用永続カードが次々と規制を受けており、公式から厳しい目を向けられていることが窺える。
これらは過去の環境では主に低速のロック・コントロール系デッキで採用されるカード達であり、サイドデッキで比較的対策が容易なためこれらの類のカードの規制は緩かったが、12期に入ってからは展開系デッキでの制圧の補助や１ターンキルまでの時間稼ぎに使われるなど使い方が全く変わったカードとなっていた。
また、公式のイベントでシングル戦のものが増加している事も関係していると思われる。

前回は準制限カードでの様子見程度の規制に留まっていた《Ｓ：Ｐリトルナイト》が制限カードに制限強化された。
エクストラデッキのリンクモンスターが準制限カードになっても殆ど意味が無いと予想され、実際その通りだったため、妥当と言える。

１体でも充分な制圧力を持つモンスターであり、エクストラデッキの厳選が求められるデッキでは元よりピン挿しも多い。
《強欲で金満な壺》に代表されるエクストラデッキからの除外デメリットや、《原始生命態ニビル》対策として序盤にリンク召喚した場合は中盤以降２体目が出せなくなるといった程度で、制限強化の影響を受けるデッキは限られると思われる。

デモンスミスの登場以降、【デモンスミス】のみならず出張セットとしても利用されていた《永遠の淑女ベアトリーチェ》が制限カードとなった。
しかしエクストラデッキのエクシーズモンスターであり元々１枚で事足りるため、禁止カードに値するかを見極める猶予程度と思われる。
- デモンスミス関連では専らピン挿しが多いのに対し、本家の【彼岸】では複数採用もあり得たため、とばっちりを受けた形である。

主流デッキのキーカードから、《スネークアイ・エクセル》と《盃満ちる燦幻荘》が共に制限カードとなった。
【スネークアイ】では下記の《篝火》も合わせてサーチカードが３枚減った形になり安定性が低下。
中・長期戦で２枚目の《スネークアイ・エクセル》をサーチできないため戦略面でも少なくない影響を受ける。
《盃満ちる燦幻荘》は効果を受けない耐性付与と攻撃力倍化という【天盃龍】独自のカードであり、影響は大きい。

INFINITE FORBIDDENの強化以降に環境に顔を覗かせるようになった【ギミック・パペット】から《Ｎｏ.４０ギミック・パペット－ヘブンズ・ストリングス》が制限カード指定を受けている。
【ギミック・パペット】に影響を与えたカードは新規カードが多数なのだが、商業面を考慮してかそれらの規制は免れている。
- 【ギミック・パペット】は採用するカード次第では複数のルートでの先攻１ターンキルが可能であり、今回の規制でその一部が潰れた形である。
  それでも《カタパルト・タートル》と比べ緩めの規制なのは、特定のデッキにのみ影響する点と、禁止カード指定ではデッキ構築への影響が大きすぎると判断されたか。

《篝火》が準制限カードとなった。
マイナー種族であった炎族の強化に貢献した一方、その炎族から【スネークアイ】という主流デッキが排出されたことで、頭一つ抜けた安定性、【Ｒ－ＡＣＥ】等への特定のモンスターとの出張採用に繋がってしまった点が問題視されたか。

特定種族のサーチカードでは制限カードを経験したものも複数ある中、活躍の割にやや甘い規制と言える。
《スネークアイ・エクセル》を制限強化した上での規制を過剰と判断したのだろうか。
後に灰滅やライゼオルが登場するため、商業的な理由で重い規制を掛けなかった可能性もある。

今回の禁止カード指定に関連して、珍しい事例が２つ同時に発生している。

《カイザーコロシアム》における「準制限カードから禁止カードへの制限強化」のパターンは、07/09/01の《突然変異》以来、16年10か月ぶりに発生した。
禁止カードになるカードは、無規制の状態から一発で禁止されるか、制限カードでの様子見でも許容できないと判断されるか、そのどちらかが多い。

今回禁止カード指定された２枚は「登場から禁止カード化までの日数」の歴代１位と２位を同時に達成している。
長い時を経て環境における運用方法や評価が変わることで、この基準における記録を更新することは度々あったが、２枚以上が同時に達成するのは珍しい。
（１位：《カタパルト・タートル》、24年5か月。２位：《カイザーコロシアム》、22年0か月。これまでの最長記録：23/07/01改訂における《盗人の煙玉》、21年7か月）

制限緩和されたカードについて―
- 《Ｅｍヒグルミ》がエラッタを受けた上で制限復帰した。
  - 時期の近いANIMATION CHRONICLE 2024にて、Ｅｍの新規カードと同時に、エラッタ後テキストでの再録と、直後の制限改訂での制限復帰が前もって発表されていた。

《マジェスペクター・ユニコーン》の制限復帰は、PHANTOM NIGHTMAREでのマジェスペクター強化との連動と思われる。
あちらのパック発売から９か月もの間隔が空いており、この手の連動緩和としては珍しく時間を要した。
元禁止カードだっただけに【マジェスペクター】が環境にどのような影響を与えるか様子見をしていたものと思われるが、かなり慎重な姿勢と言える。
- TCGでは2024年2月9日にPhantom Nightmareが発売され、その直後の24/04/15にてOCGに先行して制限復帰しており、スムーズに連動していた。

余談だが、《Ｅｍヒグルミ》・《マジェスペクター・ユニコーン》の制限復帰により、禁止カードにペンデュラムモンスターが存在しなくなった。
禁止カードにペンデュラムモンスターが存在しないリミットレギュレーションは、《Ｅｍヒグルミ》が禁止カードに指定される直前の15/10/01以来となる。

四征竜が４枚纏めて一気に制限緩和された。
マスターデュエルでは2024年1月の時点で４枚全て制限解除されており、そちらの動向を見た上で、現在の環境なら許容できると判断されたのだろう。
【ドラゴン族】は勿論のこと、各四属性デッキにとっても強化となった。

その他の過去の主流デッキのキーカード及び汎用カードでは、《ＳＰＹＲＡＬ－ジーニアス》が制限緩和、《グローアップ・バルブ》・《星杯の神子イヴ》・《超雷龍－サンダー・ドラゴン》・《捕食植物オフリス・スコーピオ》・《刻の封印》が制限解除されている。
なお、制限解除された５枚のうち《星杯の神子イヴ》以外の４枚は制限カードから一足飛びでの規制解除であり、段階を踏みやすいOCGにしては珍しい動きと言える。

この改訂と時期の近いマスターデュエルの改訂（24/07/11）では、《カタパルト・タートル》・《カイザーコロシアム》・《サモンリミッター》・《篝火》がOCGと同じ規制を受けており、足並みを揃えた動きと見られる。
- その一方、同改訂では《マジェスペクター・ユニコーン》が一気に制限解除されており、禁止カードの制限復帰・制限解除に対する両者間の姿勢の違いが伺える。

禁止カード87枚、制限カード82枚、準制限カード22枚。
合計枚数は191枚。

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《ビッグウェルカム・ラビュリンス》

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制限解除 †

《刻の封印》

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