【天気】 †
「天気」カード群を用いたロービート系デッキ。
モンスターを除外して発動する効果を付与する魔法・罠カード群「天気模様」と、除外されると帰還する天気モンスターを組み合わせて戦う。
相手の行動に合わせて「天気模様」で付与した効果を使用することでほとんどのモンスター除去や妨害カードを回避することができ、この戦術で相手の除去や攻撃を徹底的に回避しじわじわと盤面を掌握していく戦い方が特徴。
扱う際には遊戯王OCGのルールそのものへの深い理解が求められる上級者向けのデッキであるが、一度決まればほとんどのデッキを封殺できる。
《雪天気シエル/The Weather Painter Snow》
効果モンスター
星3/地属性/天使族/攻 0/守2200
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「天気」魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
(2):フィールドのこのカードが「天気」カードの効果を発動するために除外された場合、
次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。
除外されているこのカードを特殊召喚する。
《雪の天気模様/The Weather Snowy Canvas》
永続魔法
(1):「雪の天気模様」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):このカードと同じ縦列の自分のメインモンスターゾーン及び
その両隣の自分のメインモンスターゾーンに存在する「天気」効果モンスターは以下の効果を得る。
●このカードを除外して発動できる。
デッキから「天気」カード1枚を手札に加える。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
《天気予報/The Weather Forecast》
フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「天気」魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。
(2):自分が「天気」リンクモンスターをリンク召喚する場合、
自分の魔法&罠ゾーンの表側表示の「天気」カードを「天気」モンスターとしてリンク素材にできる。
(3):自分メインフェイズに発動できる。
手札から「天気」モンスター1体を召喚する。
まずは天気カードの基本的な性質を理解しておこう。
メインデッキの天気モンスターは以下の共通の特徴を持つ。
- 天気魔法・罠カードを、魔法&罠ゾーンに表側表示で置く効果を持つ。
発動条件や、デッキ・手札・墓地のどこから天気魔法・罠カードを選ぶかは、それぞれのカードごとに異なる。
- 以下の共通効果を持つ。
フィールドのこのカードが「天気」カードの効果を発動するために除外された場合、
次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。
除外されているこのカードを特殊召喚する。
天気魔法・罠カードは《天気予報》以外が永続魔法ないし永続罠であり、以下の共通の特徴を持つ。
- 以下の共通効果を持つ。
(1):(同名カード)は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):このカードと同じ縦列の自分のメインモンスターゾーン及び
その両隣の自分のメインモンスターゾーンに存在する
「天気」効果モンスターは以下の効果を得る。
●(固有の誘発即時効果)
- (2)の効果でモンスターに付与される効果は、全てそのモンスター自身をコストとして除外する事で発動する誘発即時効果である。
「天気模様」の効果で天気モンスターを除外して効果発動、除外された天気モンスターがその後帰還する事で、アドバンテージを蓄積するのが基本的な動き。
「天気模様」による除外はサクリファイス・エスケープとしても機能するため、相手の除去や攻撃から雲隠れする事ができ、モンスターの場持ちが非常に良い。
その反面展開力や攻撃力は低く、アドバンテージを積み重ねながら徐々に相手を追い詰めていく長期戦形のデッキと言える。
―天気モンスター
上記の通り、共通の除外からの帰還効果を持つ。
基本的に「(1):「天気模様」を魔法&罠ゾーンに置く効果」「(2):帰還」という組み合わせなので、採用の可否は(1)の効果の使い勝手で決まる。
―その他のモンスター
天気モンスターが引けないとあらゆる「天気模様」は腐るので、天気以外のモンスターを増やしすぎないようにしたい。
フィールドの天気モンスターをコストとして運用するデッキなので、デッキタイプによっては天気モンスターを減らすリンク召喚やエクシーズ召喚はあまり行わない。
基本的にエクストラデッキの枠は余るので、エクストラデッキをリソースとして活用する《強欲で金満な壺》や《金満で謙虚な壺》、《浮幽さくら》や《百万喰らいのグラットン》等を搭載しても良い。
―リンクモンスター
―シンクロモンスター
―エクシーズモンスター
−天気魔法・罠カード
−その他の魔法・罠カード
天気には永続魔法・永続罠全般をサポートする効果も多いので、「天気模様」以外の魔法・罠カードも永続魔法・永続罠が扱いやすい。
特にお互いの行動を制限するタイプの永続罠を《雷天気ターメル》や《晴天気ベンガーラ》で除去して「天気模様」と張り替えられるのは大きい。
戦術 †
各種「天気模様」により、天気モンスターを攻撃や除去から回避させつつ、「天気模様」で付与した効果で相手の手札やフィールドを荒らす。
そうして相手の手札・フィールドから使用可能なカードを一通り切らした後に攻撃を叩き込み、ライフポイント切れでの勝利を目指すのが【天気】の基本戦術。
強力な制圧能力を持つ《虹天気アルシエル》を採用している場合、これのリンク召喚に成功すれば勝利がほぼ確定するため、これを目指してもよい。
しかしながら、その状況を作るためにまず「天気模様」と天気モンスターをフィールドに揃えることが必要となる。
【天気】で敗北する状況で一番頻発するのが「天気模様と天気モンスターが揃わない、片方しか来ない」であるため、何度もこれが続くようなら戦術の前にデッキを見直すべきであろう。
フィールドに両者が揃ったあとは、各種「天気模様」で付与した効果を状況に応じて使い分けていく。
相手のさせたい事をさせず、自分のペースを掴んで勝利するという意味ではコントロールデッキの基本原則に沿ったデッキであり、その考え方で盤面を回すことができれば自然と勝利は近づいてくるだろう。
この段階では、以下に例示するような個々のテクニックを把握し、うまく使い分けられるかが勝敗を左右する。
参考までに、天気デッキでよく使用されるテクニックの一部を記載する。
このデッキの特長として、モンスター除去や無効効果に対する凄まじい強さがある。
動きとしては《ゼンマイラビット》等の自らを一定期間だけ除外するカードと似ているのだが、こちらはコストとして除外するのが特徴。
よって効果の発動を宣言した時点で除外が完了しており、チェーンして効果を無効にしても除外および次スタンバイフェイズでの帰還を防げないのである。
《エフェクト・ヴェーラー》や《幽鬼うさぎ》に対して圧倒的に強く、《灰流うらら》でも除外と帰還は止められないなど、手札誘発にも全体的に強い。
明確に分けることは難しいものの、おおむね方向性の違いから以下のように分けられる場合が多い。
《天気予報》や《虹の天気模様》等で天気モンスターや「天気模様」を並べ、《月天気アルシエル》や《虹天気アルシエル》のリンク召喚を目指す展開力重視のタイプ。
《地獄の暴走召喚》や《光神化》などを使用し、展開力を更に強化することもできる。
《虹天気アルシエル》のパーミッション性能・制圧力は非常に高いため、狙う価値は大きい。
できるだけ序盤で《虹天気アルシエル》をリンク召喚するために、キーカードとなる《天気予報》を素早く引き込んで発動することが重要となる。
しかし、《虹天気アルシエル》を出すまでに相手の行動を妨害する手段が少ないため、出す機会がないまま勝敗が決してしまう事がないような構築・プレイングが求められる。
以上の事から、手札事故の要因になりうる天気カードや相性の悪いメタカードの採用は見送られるケースもある。
一方で、序盤に《虹天気アルシエル》を立てるのが難しい場合を想定し、繋ぎとして《スキルドレイン》等のメタカードで相手を妨害するといった【メタビート】軸要素を取り入れるのも構築の1つといえる。
【メタビート】軸 †
《スキルドレイン》や《魔封じの芳香》、《マクロコスモス》といったメタカードを使用し、相手の行動を阻害していく事を目的としたタイプ。
基本的にこれらのメタカードは《虹天気アルシエル》や《極天気ランブラ》とは相性が悪いため、下級モンスターのみを主軸にした構築・プレイングが求められる。
とはいえ基本戦術の項でも触れられているように、【天気】は自力での展開力が低いものの「天気模様」と天気モンスターとのコンボで「相手のさせたい事をさせず、自分のペースを掴んで勝利する」コントロール系デッキであるため、《スキルドレイン》や《魔封じの芳香》、《マクロコスモス》等との親和性は高い。
従って、これらを引くことができれば序盤から強い制圧力を発揮し、デュエルの流れをコントロールしながら戦うことができる。
一方で、サーチできないカードが主力となるため、《スキルドレイン》等を引き込めないと対応力・展開力共に中途半端になるリスクがある。
【真竜天気】 †
同じく永続魔法・永続罠を使用するデッキである【真竜】との混成型。
真竜魔法・罠カードの効果で展開力が高まるのはもちろん、真竜の魔法・罠カードを《雷天気ターメル》等のコストとする事で除去を撃つ事が可能となる。
【PSYフレーム天気】 †
フィールドを空けやすい天気と、自分フィールドにモンスターが存在しない場合にパーミッション能力を発揮するPSYフレームの混成型。
フィールドに天気モンスターがいなくなり、無防備となった「天気模様」やライフポイントをPSYフレームによって守ることができる。
《PSYフレームロード・Ω》なども天気と似た回避能力持ちなので、戦略的にも親和性がある。
【壊獣天気】 †
送りつけた壊獣を《雷の天気模様》で容易に回収できる相性の良さを利用し、相手のモンスターは壊獣と天気カードで突破し、自身は《海亀壊獣ガメシエル》や《粘糸壊獣クモグス》でフィールドを制圧しながら戦ってゆく形式。
ロービート特有の平均打点の低さを壊獣の火力で補える。
【ヌメロン天気】 †
フィールドを空にしやすい性質とエクストラデッキのスロットを利用しゲート・オブ・ヌメロンによるビートダウンを行う。
《天気予報》のサーチ手段である《テラ・フォーミング》《盆回し》らを《ヌメロン・ネットワーク》のサポートとして共用でき、打たれ弱さを《ヌメロン・ウォール》で補える。
《次元の裂け目》の利用を阻害しない点でもシナジーを有する。
基本戦術に繋げるうえで「天気模様」の効果を前提とした除去・サーチ・戦闘を行うため、弱点が明確であり以下のメタカードがほぼ全て刺さる。
そのため、それらメタカードが対抗手段が無いまま先攻で出されると最悪詰みかねない。
なので如何にバランスを崩さずに打開策をサイドデッキから投入出来るかが鍵となる。
環境次第では《タイフーン》や《幽鬼うさぎ》等除去カードの採用も検討したい。
代表的なカード †
関連リンク †