【カオス】 †
デッキの概要 †
カオスモンスターを中心としたデッキの総称。
カテゴリ等のカード名をあまり利用するデッキではないが、光・闇属性に関する効果を持つモンスターが多く、各媒体でもテーマデッキの一種として扱われている。
OCG黎明期より登場し、20年以上に渡る長い歴史を持つデッキである。
初登場の03/04/24から06/09/01までは強力な効果を持つ《混沌帝龍 −終焉の使者−》・《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》・《カオス・ソーサラー》の3体を中心とし、長きに渡って環境を支配し続けた。
現在は制限改訂や関連カードの増加を経て、光・闇属性の【グッドスタッフ】として纏まっている一方、出張パーツとしての汎用性の高さから様々な光・闇属性カテゴリとの混合構築も登場している。
(より詳細な部分はデッキの歴史やバックアップも参考のこと)
- Vジャンプにて、「基本に忠実なデッキタイプ」と形容されたことがある。
サーチを繰り返して安定性を高める【ガジェット】と比較してのことであろうが、単に「除去して攻撃」というコンセプトであれば【帝コントロール】なども当てはまることであり、これではあまり適切な評価とは言えない。
墓地リソースを用いて戦うデッキなので墓地肥やし系のカードは多めに入れておきたい。
大部分は光属性・闇属性で固められる。
それ以外の属性は手札誘発や墓地肥やしのサポートに繋がるモンスターを用いるのが望ましい。
―特殊召喚モンスター
アタッカーから各種素材までを広くこなし、レベル4〜8であれば《混沌領域》でもサーチできる。
多くが墓地リソースの消費のみで特殊召喚できるモンスターであり、ディスアドバンテージ無く展開できるこのデッキの主力となる。
―通常召喚モンスター
シンクロ召喚軸の場合、デメリットから光・闇属性のシンクロモンスターで固めることを求められる。
それ以外では比較的自由であり、《表裏一体》・《陰の光》で特殊召喚するモンスターも候補に入る。
―融合モンスター
このデッキは特別融合召喚と相性がいいわけではないので、デッキ融合や融合召喚を内蔵したモンスターを利用して消費を抑えて出すことが基本となる。
※括弧内は融合素材
―シンクロモンスター
―エクシーズモンスター
―光・闇属性に関するカード
―その他の魔法・罠カード
戦術 †
どのタイプのデッキでも概ね墓地を肥やした後に大型モンスターを展開するという点で共通する。
そのため墓地肥やしをいかに素早く行うかが勝負の分かれ目となる。
シンクロ召喚を軸としていればメインデッキのモンスターはシンクロモンスターを出す事に注力させるため、《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》等の大型モンスターを採用せずにデッキの枠を他のカードに割ける。
逆にメインデッキの特殊召喚モンスターを中心とする場合はエクストラデッキのメタカードを積めるので、相手がエクストラデッキを使うデッキであれば優位に立てる。
一口にカオスといっても多くのデッキタイプに派生できるため、自分にあった動きを研究し、様々なデッキを操れるようにしよう。
環境の変化と共に、多種多様なデッキが構築された。
主流デッキとなった形も数多く、現在では若干落ち着いたが有力なデッキは依然として多い。
【ビートカオス】以降のデッキは殆ど現在でも組めるようになっている。
《死のデッキ破壊ウイルス》を複数枚搭載した【カオス】の総称。
【ミーネ・ウイルス】と共に環境で活躍し、ロービート志向を生む原因にもなった。
制限改訂による構築不能期間を経て、現在ではキーカードの弱体化エラッタで大きくパワーダウンしている。
【推理ゲート】+【カオス】。
《名推理》や《モンスターゲート》をモンスターの特殊召喚ではなく、墓地肥やしを目的に使用するデッキ。
カオス・ソルジャーと名の付いたモンスターを中心にしたビートダウンデッキ。
サポートカードのおかげで従来の【カオス】よりも《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》を特殊召喚しやすくなっている。
《サウザンド・アイズ・サクリファイス》と《月読命》のコンボでモンスターを除去し続けるデッキ。
闇属性と光属性のモンスターで固めているが、【カオス】らしいのは《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》1枚だけだった。
キーカードの《突然変異》の禁止カード指定により現在は組めなくなっている。
【リクルーター】+【カオス】。
初期型では《キラー・トマト》と《シャインエンジェル》が中心のリクルーター。
《見習い魔術師》の裁定変更と《貪欲な壺》の登場により台頭し、以降に登場した墓地依存の【カオス】の基盤になった。
《天使の施し》や《手札抹殺》・《メタモルポット》等の【暗黒界】のギミックで、回転力を高めるデッキ。
《暗黒界の軍神 シルバ》・《暗黒界の武神 ゴルド》の存在によって、《魔のデッキ破壊ウイルス》を撃ちやすいことが特徴。
現在は【暗黒界】が大幅強化された事もあり、このデッキタイプは少ない。
《未来融合−フューチャー・フュージョン》を使い、墓地に闇属性・光属性を用意していたデッキ。
《未来融合−フューチャー・フュージョン》の裁定変更により融合素材代用モンスターを選択できなくなり弱体化し、以降は《F・G・D》等を擁する【カオスドラゴン】に吸収される形となった。
制限改訂による構築不能期間を経て、現在ではキーカードの弱体化エラッタで大きくパワーダウンしている。
【ビートカオス】 †
光属性・闇属性のアタッカーを中心にしており、【リクルーターカオス】とは対を成す。
【使者スタンダード】【開闢スタンダード】【カオス・スタンダード】とも呼ばれる。
初期は《霊滅術師 カイクウ》や《イグザリオン・ユニバース》・《異次元の女戦士》等がよく使われた。
後期になると《サイバー・ドラゴン》や《死霊騎士デスカリバー・ナイト》・《閃光の追放者》等が使用されている。
現在は《フォトン・スラッシャー》や《ヴェルズ・サンダーバード》なども登場し、強化されている。
【戦士カオス】 †
【戦士族】の要素を加え、《増援》でカオスのコストを稼ぐ。
サーチ対象は《異次元の女戦士》や《ブレイドナイト》・《忍者マスター SASUKE》等が中心となっていた。
《異次元の女戦士》の制限カード指定と《サイバー・ドラゴン》の登場で戦士族にこだわる意味が薄れ衰退。
現在はライトレイやヴェルズといったテーマから優秀な戦士族が出た事や《一族の結束》により、再び統一する意義が生まれている。
専用リクルーターで光属性の《月光蝶》を有する闇属性統一カテゴリ、幻蝶の刺客も登場し、更なる構築が考えられる。
《カオス・アンヘル−混沌の双翼−》との相性に非常に優れるため、特化構築もあり。
【マジシャンカオス】 †
【魔法使い族】の要素を加え、魔法使い族である《カオス・ソーサラー》をフィニッシャーにして戦う。
初期は《見習い魔術師》で《聖なる魔術師》や《ものマネ幻想師》、《執念深き老魔術師》等をリクルートしていた。
現在はシンクロモンスター・エクシーズモンスターや《一族の結束》、《憑依装着−ダルク》の登場により戦いやすくなっている。
【ターボカオス】 †
【やりくりターボ】や【侍ターボ】等のターボギミックを搭載した【カオス】の総称。
【雑貨貪欲ターボ】と【リクルーターカオス】を複合したものは、【雑貨貪欲カオス】とも呼ばれる。
環境の変化に伴い様々なタイプが存在しており、長い間【カオス】が第一線に立ち続けた事を証明するデッキだとも言える。
デッキの性質上ターボギミックが自然と組み込まれる【変異カオス】や【ダークカオス】もこのデッキの派生の一つである。
《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》と《カオス・ソーサラー》が制限復帰し、《ライトパルサー・ドラゴン》や《輝白竜 ワイバースター》も登場した。
だが、高速化した現在の環境で戦うためには墓地肥やしを迅速に行わなければならず、前述の通りライトロードやシンクロ召喚・エクシーズ召喚のギミックを加えたものが人気である。
【カオスエレキ】や【サイファー】のように、テーマデッキにギミックとして【カオス】を加えたものも多い。
ストラクチャーデッキ−ドラゴニック・レギオン−で登場したモンスターを中心とする【カオス】と【ドラゴン族】の複合デッキ。
一般的なカオスモンスターに加え、《ライトパルサー・ドラゴン》・《ダークフレア・ドラゴン》を採用したデッキのことを指す。
形にはまれば高打点の上級モンスターを次々と展開できるパワフルなタイプである。
《未来融合−フューチャー・フュージョン》による高速の墓地肥やしはカオスとも相性が良かったが、エラッタによる弱体化により現在は採用率は低い。
派生として《忍者マスター HANZO》・《成金忍者》を投入した【カオスドラゴン忍者】がある。
【シンクロカオス】 †
《カオス・ソーサラー》の制限復帰後、《カオス・ソーサラー》とシンクロ召喚のギミックを搭載した形のデッキの総称。
特に《カオス・ソーサラー》が準制限カードの時期および制限解除後において、《カオス・ソーサラー》をフル投入し主軸にしたデッキのことを指す。
《ライオウ》・《魔導戦士 ブレイカー》等や光属性・闇属性のチューナーを搭載した【カオススタン】や、【シンクロン】に《カオス・ソーサラー》をフル投入したものなどその種類は多様。
《輝白竜 ワイバースター》・《暗黒竜 コラプサーペント》の登場後は《カオス・ソーサラー》の代わりにそれらを投入したものもあり、【白黒ジャンド】が特に有力である。
第11期のPHOTON HYPERNOVAではシンクロモンスターのカオスがカテゴリとして成立し、新たな動きを手にした。
【カオスライロ】 †
【カオスロード】とも呼ばれる。
【ライトロード】の墓地肥やし能力を利用しカオスモンスターを特殊召喚しやすくした【カオス】と【ライトロード】の複合デッキ。
闇属性モンスターとしては、防御面で重宝する《トラゴエディア》・《冥府の使者ゴーズ》が主に利用されていたが、後に闇属性のトワイライトロードが登場したことで、【ライトロード】にカオス要素を自然に投入しやすくなった。
《トワイライトロード・シャーマン ルミナス》が帰還効果を持っているので除外後の再利用もしやすい。
【カオスサンドラ】 †
光・闇属性の雷族で構成された【サンダー・ドラゴン】との混合デッキ。
サンダー・ドラゴンは除外された場合にも効果を発動できるものが多く、カオスモンスターと同様の方法で特殊召喚できる《雷劫龍−サンダー・ドラゴン》も存在するなどシナジーが高い。
カオス側では《混沌の創世神》が雷族サポートを共有でき、効果もサーチを多用するサンダー・ドラゴンと相性がいい。
同じく雷族の《光の精霊 ディアーナ》も使いやすい。
【カオス夢魔鏡】 †
光属性と闇属性がペアとなり互いにリクルートしあう効果を持つ【夢魔鏡】との混合デッキ。
特定のフィールド魔法が必要だが、一部を除き自身をリリースして相方となる属性をリクルートできるので墓地に光・闇属性を溜めやすい。
相手フィールドにフィールド魔法を送りつける《夢現の夢魔鏡》の存在から《カオス・ダイダロス》との相性が抜群で、相手に依存せず2枚の除去が可能。
夢魔鏡がリリースコストを持つことから、《ドラゴン・目覚めの旋律》を《混源龍レヴィオニア》や《終焉龍 カオス・エンペラー》と共有できる《闇黒の魔王ディアボロス》との相性もいい。
【カオスビーステッド】 †
光・闇属性を除外して特殊召喚する共通効果を持つ【ビーステッド】との混合デッキ。
相手モンスターがいればフリーチェーンで発動でき、相手の墓地から除外することもできるので、【カオス】系統のメタでもある。
共通効果以外でも光・闇属性や除外に関する効果を持つカードが多く、組み合わせやすい。
《深淵の獣マグナムート》はドラゴン族ならなんでもサーチできるので【カオスドラゴン】との相性もいい。
《カオス・ソーサラー》や《カオス・ベトレイヤー》とランク6のエクシーズ召喚も可能。
共通する弱点としてはカオスモンスターの多くを特殊召喚モンスターが占めているため、《大天使クリスティア》などで特殊召喚そのものを封じられると動き出しに苦労する。
墓地利用を直接封じてくる《マクロコスモス》や、能動的な除外ができなくなる《王宮の鉄壁》なども、特殊召喚の条件が成立しなくなるので早めに除去できるようにしたい。
また光・闇属性はメタカードも多く存在する属性同士の組み合わせでもあるため、マッチ2戦目以降はこれらへの対策を特に意識しておく必要がある。
当初は、【闇属性】と【光属性】の混合デッキとして登場した。
いずれの属性も昔から優秀なモンスターが多く、登場当初から環境に食い込んだ。
当時の【スタンダード】は「《黒き森のウィッチ》や《クリッター》・《異次元の女戦士》等を中心としたデッキにカオスを追加したもの」と言ってもいいだろう。
その強さ故、如何に【カオス】を活かすか、または対策するかという流れが生まれ、現在の【メタビート】の原型とも言える【スタンダード】や【ノーカオス】等が誕生した。
現在は環境の変化や禁止・制限カードの状況により、構築を大きく変化させている。
「カオスモンスターのためのデッキ」というより、「特定のデッキにカオスモンスターを挿した」ものになっている。
第3期 †
第4期 †
第5期 †
第6期 †
第7期 †
第8期 †
第9期 †
第9期に入るとカオスモンスターが次々と制限緩和された。
しかし、以降の環境においては【カオス】の展開速度や除去力では、制圧力の高いモンスターや大量展開を処理しきれないケースが珍しくなくなった。
【カオス】並びにその派生シリーズ自体が(デッキ単位で観た場合)環境に合わなくなっており、活躍させるのが困難となった結果、現在は形骸化している。
第10期 †
第10期から適用された新マスタールールの影響は、メインデッキのカオスにはさほど悪影響は無かった。
むしろ、リンク召喚で手軽にモンスターを墓地へ送ることが容易になっており、追い風ですらある。
第11期 †
RISE OF THE DUELISTで《混沌魔龍 カオス・ルーラー》、WORLD PREMIERE PACK 2020にて《混沌の創世神》など、光属性と闇属性に関する効果を持つ「カオス」や「混沌」の名を持つカードが多数登場した。
これらを採用するデッキもカオスと呼称される様になり、かつての構築とは全く構築が異なるものと化した。
第12期 †
23/10/01にて《混沌魔龍 カオス・ルーラー》が禁止カードに指定されてしまい大きく弱体化。
サンプルレシピ †
代表的なカード †
関連リンク †