【ビースト】 †
「獣族/BEAST」「獣戦士族/BEAST WARRIOR」「鳥獣族/WINGED BEAST」の3つの種族のモンスターを軸にした3種族混合型のデッキの総称。
該当する3種族、あるいは2種族をサポートする効果を持つモンスターや《烏合の行進》などのサポートカードを軸に、それらと相性のよいものや単体での汎用性に優れた獣族・獣戦士族・鳥獣族でデッキを構築する。
古くは《激昂のミノタウルス》や《暗黒のマンティコア》を中心としてデッキがまとまっていたが、現在ではこれら3種族に属し、それらを強力にサポートするトライブリゲードが構築の中心となっている。
《激昂のミノタウルス/Enraged Battle Ox》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1700/守1000
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
《獣王アルファ/Alpha, the Master of Beasts》
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/獣族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
相手フィールドのモンスターの攻撃力の合計が、
自分フィールドのモンスターの攻撃力の合計より高い場合に特殊召喚できる。
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
その後、手札に戻した数だけ相手フィールドの表側表示モンスターを選んで持ち主の手札に戻す。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分の「獣王アルファ」は直接攻撃できない。
《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ/Tri-Brigade Shuraig the Ominous Omen》
リンク・効果モンスター
リンク4/闇属性/鳥獣族/攻3000
【リンクマーカー:左/右/左下/右下】
獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター2体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、
または自分フィールドにこのカード以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが特殊召喚された場合に発動できる。
フィールドのカード1枚を選んで除外する。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
除外されている自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターの数以下のレベルを持つ
獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体をデッキから手札に加える。
《烏合の行進/The Big Cattle Drive》
通常魔法
自分フィールド上に獣族・獣戦士族・鳥獣族のいずれかのモンスターが存在する場合、
その種族1種類につき1枚デッキからカードをドローする。
このカードを発動するターン、自分は他の魔法・罠カードの効果を発動できない。
《鉄獣の凶襲/Tri-Brigade Airborne Assault》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力以下で種族が異なる獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果はターン終了時まで無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はリンクモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
獣族・獣戦士族・鳥獣族の3種族から選りすぐりのモンスターを採用していくことになる。
また、以下のように3種族のうち2種族に対応するサポートカードも採用できる。
上記5枚を据えてデッキを構築する場合、獣族は両方のサポートカードに対応し獣戦士族と鳥獣族のクッション的役割を果たす。
―獣族・獣戦士族・鳥獣族に関する効果を持つモンスター
特定の1種族をサポートするものではなく、このデッキの強みとなる、該当3種族に共通したサポート効果を持つものを紹介する。
勿論、特定の種族にのみ対応する効果を持ったモンスターも採用候補にはなるが、その際はある程度投入する種族のバランスに注意する事。
―その他主な獣戦士族モンスター
―その他主な獣族モンスター
―その他主な鳥獣族モンスター
―カテゴリに属するモンスター
一部、あるいは全てが【ビースト】の3種族からなるカテゴリのテーマデッキでもこのデッキのギミックを活用できる。
コンボで展開していけるものが多く、《烏合の行進》のドロー枚数を増やしやすくなる。
カテゴリ自体がこのデッキの3種族をサポートするカードで構成された上記トライブリゲードをはじめ、出張に適したカテゴリは豊富に存在する。
【トライブリゲード】 †
トライブリゲードを中心に、リンク召喚を主戦術とした現在の【ビースト】の主流の形。
デッキ構築や手札・墓地の状況に応じて展開ルートは無数に存在するが、下級モンスターの《鉄獣戦線 フラクトール》で《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地へ送り、《鉄獣戦線 ケラス》をサーチして特殊召喚し、効果でリンクモンスターを展開するのが基本の動き。
展開したリンクモンスターを使ってさらなるリンク召喚を行い、最終的に《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》で相手のカードを除去しながらビートダウンを行う。
展開力の高いデッキなので《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の隣に《鉄獣戦線 銀弾のルガル》を並べる事もそこまで難しくはなく、この盤面を作る事ができれば相手ターンでも除去を行えるため制圧力も高い。
一度《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の特殊召喚に成功すれば、除去されても後続の確保がしやすく継戦能力にも長ける。
主にリンクモンスターで戦闘を行うため、メインデッキのモンスターはリンク素材としての扱いやすさが重視される。
幅広いモンスターをリクルートできる《鉄獣の凶襲》が優秀なので、なるべくある程度の攻撃力を持ち、特殊召喚が容易な獣族・獣戦士族・鳥獣族をばらけさせて投入したい。
中でも獣戦士族の《輪廻天狗》をリンク素材に《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》をリンク召喚すれば、リクルートから《鉄獣戦線 銀弾のルガル》・《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》と連続リンク召喚に繋がるため重要。
この過程で墓地も肥えるため、後続のトライブリゲードの効果のサポートも同時にこなす事ができ、攻撃力1700以上の獣族・鳥獣族モンスターから《鉄獣の凶襲》でリクルートできるため、構築の際には意識してもよい。
キーカードである《鉄獣戦線 フラクトール》と《輪廻天狗》をどちらもサーチ可能な《炎舞−「天キ」》はなるべく採用したい。
トライブリゲードの共通効果で様々なリンクモンスターを特殊召喚できるため、トライブリゲード以外のリンクモンスターも状況に応じて使い分けられるものを採用しておきたい。
特にリンク2ゆえに特殊召喚が容易でフリーチェーンの除去効果を持つ《戦華盟将−双龍》は扱いやすく、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》まで繋がらない際の選択肢として、あるいは連続リンク召喚の過程で除去を絡める手段として有用。
先攻1ターン目ならば、《王神鳥シムルグ》を特殊召喚し、その効果で《霞の谷の巨神鳥》をリクルートするのも有効。
展開例として以下のようなものがある。
- 《レスキューキャット》で《鉄獣戦線 キット》と獣族をリクルート。
- その2体で《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》をリンク召喚し、《鉄獣戦線 キット》の効果で《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地へ送り、その効果で《鉄獣戦線 ケラス》をサーチ。
- 《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果で《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚。
- 《鉄獣戦線 ケラス》の効果で《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を特殊召喚。
- 《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》と《鉄獣戦線 ケラス》で《鉄獣戦線 銀弾のルガル》をリンク召喚。
場持ちの良い《ゼンマイラビット》を中心に、レベル3モンスターで脇を固め、魔法・罠カードによる防御とエクシーズ召喚先などに一貫性をもたせたタイプ。
モンスターの突破力の低さを相手ターンの罠カードによる迎撃で補うため、《烏合の行進》を活用しやすい。
獣族では《フォトン・サーベルタイガー》・《セイクリッド・シェラタン》が後続を確保できるため、あわせてランク3エクシーズ召喚、《烏合の行進》による手札確保といった面で役立つ。
ランク3のエクシーズモンスターは特別アドバンテージ獲得能力に長けているわけではないので、除去+ビートダウンを徹底したほうが良い場面もある。
それを覆すのが《クレーンクレーン》の存在であり、実質的に1枚分の消費で、戦略の幅を広げつつ《烏合の行進》を補助できる。
《BF−疾風のゲイル》・《X−セイバー エアベルン》・《スクラップ・ゴブリン》など、単体でも十分に機能するチューナーも存在するので、《氷結界の龍 トリシューラ》までを含めたシンクロ召喚ギミックも利用できる。
地属性が多いため、《ラインモンスター Kホース》の効果も利用しやすい。
デッキとしての柔軟性は増す一方、《ゼンマイラビット》単体に特化した場合と比較してフィールドに他のモンスターが残りやすい。
そのため《強制退出装置》がやや扱いにくく、またエクシーズ召喚・シンクロ召喚で頭数が減ると《つり天井》なども使えないなど、フリーチェーンでの防御に難が生まれる。
《ヴェルズ・サンダーバード》に割く召喚権やデッキスペースも確保しにくいので、《積み上げる幸福》は総じて発動しにくくなっている。
またエクシーズモンスター・シンクロモンスターが除去を受ける割合も多くなる。
耐性やカウンター能力を持つもの、特殊召喚時に効果を発動できるものなどをうまく活用していきたい。
《鉄獣の抗戦》である程度のフォローはできるものの、《マクロコスモス》等の無差別除外カードはトライブリゲードの効果のコストが確保できなくなるため厄介。
《鉄獣戦線 ナーベル》や《鉄獣戦線 フラクトール》の効果が使えなくなる他、《暗黒のマンティコア》の自己再生や《輪廻天狗》のリクルートも封じられるため、影響は大きい。
また、《群雄割拠》や《アンデットワールド》等、種族を縛ったり変更したりする効果を持ったカードには3種族のモンスターを使い分けるというこのデッキの特性を完全に殺されてしまう。
【種族操作】は天敵の一つであり、《鉄獣の凶襲》や《烏合の行進》が腐るのは勿論のこと、各種族統一デッキである【獣族】や【獣戦士族】、【鳥獣族】の劣化に成り下がってしまう。
これら永続魔法・永続罠カードは《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》で早々に除去したいところだが、これらのカードを発動されている状態ではリンクモンスターの展開自体が難しい。
《賢者ケイローン》や《勇炎星−エンショウ》等、メインデッキに入るモンスターでも除去が可能なものをサイドデッキには準備しておきたい。
暗黒の侵略者で3種族をサポートする《激昂のミノタウルス》・《暗黒のマンティコア》が登場。
このデッキの構築意義が生まれる。
《一族の結束》が登場。
種族混合の意義が薄くなり、各種族統一構築が増える。
以降、各種族別にサポートカードが充実していった。
《烏合の行進》が登場し、3種族混合の意義が大きくなった。
場持ちや、素早く3種族を出す構築が増える。
トライブリゲードやその関連サポートカード、《獣王アルファ》が登場した事により、飛躍的な進化を遂げる。
各種族がそれぞれ別々の方向で種族デッキとしての個性を確立し始めていた事もあり、長らくデッキを【ビースト】に寄せる意義は薄れていたが、これにより再びこのデッキが成立するようになった。
現在ではこのデッキは実質的に【トライブリゲード】としての側面が強いが、特定のデッキに刺さる《王虎ワンフー》やトライブリゲードとのシナジーが強い《輪廻天狗》等、元々このデッキで採用されていたモンスターにも現役のものは多い。
代表的なカード †
関連リンク †