アンデット族/Zombie †
ゾンビ、骸骨、ミイラ、霊、吸血鬼、妖怪といった、主に1度死んだ存在のモンスターが属している種族。
死のイメージからかほとんどが闇属性に偏っている。
日本未発売1種を含まず、PHANTOM NIGHTMAREまでで243種類が登場している。
属性別では闇属性161体、光属性7体、地属性38体、水属性7体、炎属性26体、風属性4体。
特殊召喚に関連したサポートカードが豊富で、《ミイラの呼び声》・《ピラミッド・タートル》・《生者の書−禁断の呪術−》の効果でどこからでも何度でも出現する。
特に墓地からの特殊召喚手段の豊富さは全種族中でも群を抜いており、《馬頭鬼》をはじめとする優秀な蘇生カードを大量に抱えている点は正に「不死」のイメージを体現している。
非常に強い展開力で、《激流葬》などの全体除去を喰らっても《馬頭鬼》や《生者の書−禁断の呪術−》から《ゾンビ・マスター》を経由するなどして立て直しは容易。
蘇生効果を持ったサポートカードに留まらず、古くは《ヴァンパイア・ロード》から、《死霊王 ドーハスーラ》や《黄金卿エルドリッチ》といった何度でも自己再生が可能なモンスターも多く属している。
破壊され墓地へ送られても何度もフィールドに戻ってくるしつこさがアンデット族の特徴と言える。
《アンデットワールド》の登場により、自分の墓地だけでなく、相手の墓地すら利用してしまうその展開力は脅威である。
半面、召喚・特殊召喚に成功するだけで発動できるサーチ効果のような、扱いやすくシンプルにアドバンテージを稼げるカードは殆ど存在せず、その展開力・アドバンテージ獲得能力は徹底的な墓地の有効活用に裏打ちされたものである。
このように典型的な墓地依存種族なので、《マクロコスモス》などの除外関係にはすこぶる弱いという欠点がある。
同様に特殊召喚封じにも弱く、強みと弱みがどちらも非常にはっきりしている種族であると言えるだろう。
また、デッキデス効果を持つものも一定数存在し、この特徴は吸血鬼系のモンスターに多い傾向にある。
それ以外では《再生ミイラ》・《闇よりの恐怖》・《闇より出でし絶望》などハンデスに対する間接的な耐性を持つものも存在する。
長く規制を受けた《馬頭鬼》は、蘇生効果と実質的な手札・デッキ破壊耐性の両方を持つアンデット族の代表と言っていいだろう。
今でこそ一流の種族だが、第1期終了時点では全くといって良いほどいい所がなかった。
しかし、第2期の終盤で《ピラミッド・タートル》や《生者の書−禁断の呪術−》などが登場したことにより、それは大きく変わっていく事になった。
その後も《ゴブリンゾンビ》や《馬頭鬼》といった強力なモンスターが登場し、着実にアンデット族はその地位を固めていった。
変動が大きかったのは第6期で、《ゾンビキャリア》の登場により【シンクロアンデット】が大流行し、一時は環境のトップを独占した。
大量のシンクロモンスターを容易に展開できることから、アンデット族のキーカードは軒並み制限強化されていった。
種族という枠組みで猛威を振るったイメージが強すぎたのか、テーマデッキ中心の時代に入ってもアンデット族を中核とするカテゴリ化は第8期のヴァンパイア程度で、実績も芳しくはなかった。
その後はシンクロモンスターの制限強化や、エクシーズモンスターの流行などを受けて相対的に弱体化したためか、第8期の終盤以降は制限緩和が相次いでいる。
第9期のブレイカーズ・オブ・シャドウでは6年半ぶりとなる新たなシンクロモンスターが現れ、前後する時期に新規チューナーも続々と登場。
長らく2体のチューナーに留まっていたアンデット族に、第9期だけで6体の新規チューナーが輩出された。
その中でも汎用性の高い手札誘発能力を有する《浮幽さくら》・《灰流うらら》はデッキの種類を越えて高い注目度を得て、アンデット族の新たな顔になりつつある。
第10期でも戦力拡張は引き続けられ、新カテゴリの魔妖や《真紅眼の不屍竜》を皮切りに、アンデット族で初となるシンクロ素材縛りの無いシンクロモンスターも複数現れている。
- 「アンデッド(Undead)」とは「生ける屍」を意味する単語だが、遊戯王においては「アンデット」で統一されている。
原作に登場した《アンデット・ウォーリアー》がその初出である。
- なお、『真理の福音』では「アンデッド」と修正されているため、「アンデッドをもじった造語」ではなく単なる誤植のようである。
ちなみに「デット」と発音する英単語には「Debt」があるが、これは「借金がある」という意味の単語であり、その場合「アンデット」は「借金のない状態」になってしまう。
- バッグをバックと発音してしまうように濁音+促音(ッ)+濁音の組み合わせの最後が清音化してしまうのは日本語においてこれに限った現象ではない。
話し言葉を文字に起こす際に修正されなかったものが現在も尾を引いているのだろう。
- 公式動画「カリスマ研究生がゆく!」のコーナー内では初心者だった白咲が「アンデットって何ですか?」とスタッフに質問する場面があった。
- 英語名は「ZOMBIE:ゾンビ」。
確かにゾンビはアンデッドの一部だが、幽霊(肉体を持たない)や妖怪(蘇生した訳ではなく普通に生きている)などゾンビとはまるで違う物も混じっている。
ゾンビに関しては、《2人3脚ゾンビ》参照。
- 原作・アニメにおいて―
ゴースト骨塚と闇バクラが使用する種族。
ゴースト骨塚のアンデット族モンスターは、飛行能力を持つモンスターと戦闘をしても元々の攻撃力にならなかった。
闇バクラのデッキは「オカルトデッキ」と呼ばれるアンデット族と悪魔族の混合デッキである。
(ただし、原作では悪魔族と明言されておらず、混合されていたカードも原作・アニメの段階ではOCG化されていないのが殆どであった)
なお、闇バクラが遊戯戦で使用したのは「アンデッドロックデッキ」である。
- 原作のビデオ戦「遊戯vsペガサス」(1戦目)の、双六の説明した「召喚魔族相関図」によると悪魔族に当たるモンスターがアンデッド系とデーモン族らしい。
- アニメではペガサスが専用種族メタである通常罠《サン・シャワー》を使用している。
- アニメGXではカミューラが《ヴァンパイアジェネシス》が軸のヴァンパイアデッキを使用していた。
漫画版では三沢が使用している妖怪族がOCG化の際にアンデット族となった。
マックが「ジャパニーズ・アンデッドデッキ」と言っている。
一方、ジムは「妖怪(アンデット)使い」と発言している。
OCGで妖怪モチーフ=アンデット族という傾向はこの頃さほど強くはなく、後年にその傾向が強まったのは、この時の三沢の使用カード群の影響が大きいと思われる。
- アニメVRAINSではバイラがこの種族のカテゴリである「ダークマミー」を使用している。
また、尊の回想に登場した水沼も【アンデット族】を使用していた。
- コナミのゲーム作品において―
DM6では「アンデッド族」に修正されていた。
しかし実際のカードと異なると混乱をまねくおそれがあるためか、その後の作品では「アンデット族」に戻っている。
またフォルスバウンドキングダムではアンデット族は悪魔族とともに全て「闇族」という種族になっている。
- 真DM2では、元々得意地形だった《荒野》に加え、新たに《闇》が得意地形に、《山》が苦手地形に設定されている。
- TAG FORCE6では種族名の誤植をネタにした、「これはアンデッ『ド』ですか?」というデッキレシピが配信されている。
元ネタは、木村心一氏の小説「これはゾンビですか?」と思われる。
関連リンク †
アンデット族に関連する効果を持つカード †
素材にアンデット族を指定するモンスター †
アンデット族メタ †
その他のリンク †