天使族/Fairy †
基礎データ †
概要 †
背中に白い羽が生えていたり、頭に光の輪がついているなど、文字通り宗教・ファンタジー世界における「天使」をテーマとした種族である。
また広義な神霊のニュアンスも含む模様で、古代日本を始めとする神話の神々をモチーフにしたモンスターも多い。
天使は「法・秩序を司る者」というイメージからか、自他共にデュエルに制約を課したり、無効にしたりというパーミッション系の効果を持つものが目立つ。
特に宣告者はそれを体現したような効果を持ち合わせている。
カウンター罠に関連する効果を持ったモンスターが多数存在するのも特徴。
また、《大天使クリスティア》のような、自身は特殊召喚で出ておきながら特殊召喚を封じるなど、ファンタジー作品においてたびたび天使に与えられがちな「傲慢さ」とでも言うべき特徴を体現したような効果も見られる。
一方で、光属性の強力なコンバットトリックカードである《オネスト》、儀式召喚全体を支え続ける《マンジュ・ゴッド》は共に制限カードの経験があり、登場以来それぞれの分野で必須カード級の「救いの天使」であるとも言える。
その他には、《マシュマロン》・《ジェルエンデュオ》・雲魔物など、戦闘で破壊されないモンスターを数多く擁する。
下級アタッカーの選択肢は乏しく、デメリットのない攻撃力1900以上のモンスターは存在しない上に、モンスター効果の汎用性が高い攻撃力1800クラスも層が厚いとは言えない。
一方で上級以上は非常に恵まれており、特に最上級モンスターは召喚条件がなく優秀な効果を持つものが多数存在し、選択肢にはかなりのバリエーションがある。
《神の居城−ヴァルハラ》や《ジェルエンデュオ》などそれらを活かせる手段も豊富で、現在では全種族屈指のパワフルさを誇る種族となっている。
初期の頃は使い勝手の良いモンスターが少なく、汎用性が高めな《シャインエンジェル》・《天空騎士パーシアス》が注目される程度だった。
第3期終盤に天空の聖域で専用フィールドである《天空の聖域》とその関連カードが登場したのを皮切りに、強力なカードが登場し始める。
第4期〜第5期に発売されたENEMY OF JUSTICEやLIGHT OF DESTRUCTIONではメインとして扱われ、アニメや漫画で登場したこの種族のカードが続々とOCG化した事もあり、次第にその層を厚くしている。
特にLIGHT OF DESTRUCTIONでは史上最多の14枚が収録され、発売時にVジャンプで「今最も熱い種族」とまで紹介されたほどである。
第4期のストラクチャーデッキ−閃光の波動−や第7期のストラクチャーデッキ−ロスト・サンクチュアリ−といった、この種族を扱ったストラクチャーデッキも存在する。
特にストラクチャーデッキ−ロスト・サンクチュアリ−発売後、代行者を中心としたデッキが瞬く間に台頭し、2011年の世界大会で【代行者】が優勝を収めるまでになった。
しかし、12/03/01の制限改訂で関連カードの規制により【代行者】は環境の第一線から退き、種族全体としての勢いも落ち着く。
第9期において堕天使のカテゴリ化と同時に多数の闇属性・天使族が登場し、再び環境上位を争う位置に到った。
メジャーな闇属性とはいえ、光属性以外からの天使族軸の上位デッキ入りは史上初の現象で、属性幅の拡大としても小さからぬ強化となった。
第10期にはCODE OF THE DUELISTで登場したトリックスターが2017年世界大会の西日本代表選考会等で活躍するようになった。
その後も天気が一部環境やイベント等で結果を残す中、ストラクチャーデッキR−神光の波動−が登場し、【エンジェル・パーミッション】が大きく強化を果たしている。
第11期においても、属性混合テーマの【ピュアリィ】や、天使族モンスターを多く擁する【デスピア】を始めとした、多くの天使族テーマがトーナメントシーンで結果を残していた。
また、宣告者と相性の良いドライトロンの登場で【ドライトロン宣告者】として環境で活躍したり、《現世と冥界の逆転》に関連するカード群が【イシズティアラメンツ】で使われたり、《幸魂》や《荒魂》が【エクソシスター】で使われたりと、出張でも環境によく顔を出す種族となっていた。
その一方で、このような出張採用が横行した結果多くのカードが規制され、純粋な天使族デッキに被害が及んでしまうこともあった。
2014年から定期パックで3弾連続して天使族が2桁収録と優遇されている。
これはアーティファクト・光天使・幻奏・ファーニマルといった天使族のカテゴリが多数登場した影響である。
いずれも違ったコンセプトを持ち、種族デッキに頼らない拡張性の高い種族となった。
また2017年にもトリックスター・天気といった完全新規カテゴリが多数登場。
第9期後半〜第10期に掛けては、長らく輩出が停滞していた時械神が一気に数を増やすと共に正式にカテゴリ化され、一部は非ビートダウン系のデッキにも出張している。
これらもまた、それぞれ違ったコンセプトで構成されておりながらアドバンテージ獲得能力・デッキパワーが共に高く、一部トーナメントやイベント等で結果を残すようになった。
また、第11期になると地属性・天使族に関連したカードが複数登場し、これまでの光属性・闇属性に続く特定の属性に属するメリットが発生した。
- 日本語で「天使」と書くと分からないが、英語で「ANGEL」とした場合、明確に「アブラハムの宗教(キリスト教など)」における神の御使いとなってしまう。
(特に日本の)ゲーム作品などでは使われることが多いが、海外に輸出する際に英語名などが工夫される事も多い。
6歳以上対象である遊戯王TCGにおいて、「天使族」の英語名が「ANGEL(天使)」ではなく「FAIRY(妖精)」となっているのはこれが原因とも言われる。
- ただ、このせいで、他の「妖精」と付くモンスターなどで混乱が生じてしまった。
- 悪魔族も英語では「鬼族」となっている。
悪魔と天使では駄目でも、鬼と妖精なら宗教上の問題に引っかからないのだろうか。
- 代行者のような、世間一般における「天使」のイメージに近いモンスターだけでなく、《聖獣セルケト》や宣告者にアルカナフォースのような、化け物じみた外見のモンスターも多い。
元々、各宗教の教義において天使(御使い)の姿は人間とは似ても似つかないものとされており、「翼の生えた人間」という一般的な天使のイメージは、過去の画家達が見る者に分かりやすいように人型に描いたことによるものである。
「これが天使の姿」という明確な定義は本来存在しない点を踏まえると、異形のモンスターが多いのもそれほど不思議ではない。
《シャインエンジェル》がそうであるように、頭に光輪(ハイロゥ)を乗せているモンスターも多いが、光輪は「アブラハムの宗教」を連想させるため、宗教的表現に厳しい海外版のイラストでは基本的に消されている。
- モデルとなる宗教や一般では善き存在・神聖な存在として扱われる事が殆どだが、ファンタジー作品などにおいては権力・秩序を押し付けたり、自分に従わない者を力づくで排除したりする「歪んだ正義の象徴」として描かれる事も多く、その点も含めて、悪魔族とは正反対と言える。
OCGにおいては、ヴァイロンの暴走や武神帝が見た神々の横暴、神を討つ事を目論む《堕天使ルシフェル》などにそれを見ることができる。
- 遊戯王Rでは天馬兄弟が使用。
「特別編」において遊戯が多用する闇属性のメタデッキとして、百野真澄も天使族を使用した。
- 漫画GXにおいて、レジー・マッケンジーが光属性・天使族を、響みどりが闇属性・天使族である堕天使を使用している。
両者による天使族同士のミラーマッチも繰り広げられた。
- アニメ5D'sにおいてボルガーが使用した「WW」と名のついたモンスター群も天使族である。
また、Z-ONEが使用した「時械」は多くが天使族で構成されており、中でも「セフィロトの樹」をモチーフにした時械神を主軸にしたデッキを使用している。
ジャックが一度だけ使用した《スマイル・キッズ》・《スマイル・エンジェル》もこの種族だった。
- アニメARC-Vでは柊柚子が幻奏、紫雲院素良がファーニマル、茂古田未知夫が「CM」、方中ミエルが占術姫をそれぞれ使用している。
また、斜芽美伎代も既存の天使族モンスターを使用しており、放送1年以内で5人もの決闘者が天使族を中心に使用する事となった。
他には榊洋子が「爆走」と名のついた闇属性の天使族モンスターを、エクシーズ次元の笹山サヤカが「フェアリー」を使用している。
- アニメVRAINSでは財前 葵/ブルーエンジェルがトリックスターを使用している。
- 総じて全てのアニメシリーズ内の主要キャラクターに使用されている使用頻度の高い種族となっている。
特に明日香のサイバー・エンジェルや小鳥の「フェアリー」、柚子の幻奏、葵/ブルーエンジェルのトリックスターのように、作品のメインヒロインが使う種族として使用される傾向が強く表れている。
一方で、上記の通り敵役として描かれる事も多いからか、ジークのワルキューレや斎王のアルカナフォース、Z-ONEの時械神のようにボスキャラクターが使用する機会も多い。
- コナミのゲーム作品において―
フォルスバウンドキングダムでは天使族がないので、全て精霊族になっている。
- 遊戯王ONLINE DUEL ACCELERATORでは、何故かCPUのペガサス(Lv3)が天使族で固めたデッキを使用してくる。
関連リンク †
その他のリンク †