【神碑】 †
相手のデッキのカードを除外できる神碑を中心とした【デッキ破壊】。
通常のデッキ破壊とは異なり、相手の墓地アドバンテージを増やしてしまうという弱点を除外によって克服している。
《神碑の穂先/Runick Tip》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
このカードの発動後、次の自分バトルフェイズをスキップする。
●デッキから「神碑の穂先」以外の「神碑」カード1枚を手札に加える。
その後、相手のデッキの上からカードを1枚除外する。
●EXデッキから「神碑」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
《神碑の泉/Runick Fountain》
フィールド魔法(制限カード)
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分は相手ターンに「神碑」速攻魔法カードを手札から発動できる。
(2):1ターンに1度、自分が「神碑」速攻魔法カードを発動した場合、
自分の墓地の「神碑」速攻魔法カードを3枚まで対象として発動できる。
そのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。
その後、戻した数だけ自分はデッキからドローする。
このページの表記の順番について †
現状の神碑にはメインデッキのモンスターは存在せず、魔法カードと融合モンスターのみが存在する。
それ故に、このページでも魔法・罠カード→エクストラデッキ→メインデッキのモンスターという順番で解説する。
―神碑
大別すると共通効果を持つ速攻魔法とそれ以外の魔法カードに分類される。
―相性の良いカード
神碑融合モンスター以外の枠は自由度が高く、その神碑融合モンスターの採用枚数も調整しやすい。
環境次第では《浮幽さくら》や《ナンバーズ・エヴァイユ》に枠を大きく割くのも手。
―神碑
いずれも低ステータスの融合モンスターであり、維持を狙うよりも、使い捨て感覚で消費してしまってよい。
基本的には正規の融合召喚は行わず、神碑速攻魔法の(2)でエクストラモンスターゾーンに特殊召喚する事となるだろう。
エクストラモンスターゾーンを空けて後続を出したい場合は、融合・シンクロ・エクシーズ素材に用いて能動的に処理すると良い。
ただし、リンクモンスターはエクストラモンスターゾーンを埋めてしまいがちなので、リンク素材には使わない方が良い。
また、《神碑の鬣スレイプニル》以外は《簡易融合》による特殊召喚にも対応しており、そちらならばメインモンスターゾーンにも出せる。
―エクシーズモンスター
デッキの特性上、《No.41 泥睡魔獣バグースカ》等の制圧力が高く時間稼ぎに適するモンスターとは相性は良い。
後攻時のアドバンテージ差を覆せる《励輝士 ヴェルズビュート》も優秀。
《神碑の牙ゲーリ》が闇属性なので、他に闇属性レベル4を採用する場合《ヴェルズ・ナイトメア》も時間稼ぎに適する。
―シンクロモンスター
神碑速攻魔法の効果でレベル2〜5の非チューナーを簡単に出せるため、チューナーを採用していれば簡単に出せる。
ややカードは消費するが、2体目の神碑融合モンスターとシンクロチューナーを経由すれば制圧力の高い高レベルのシンクロ召喚も可能。
レベル10〜12を出す場合は、レベル8チューナーとして扱える《ヤマタコオロチ》を利用する事で消費を抑えて出せる。
―融合モンスター
《簡易融合》・《簡素融合》で出せるアイズ・サクリファイスやチューナー・エクシーズ素材要員が候補。
環境次第では《超融合》で出せる縛りの緩いモンスターを用意しておき、あちらを除去カードとして使うのも良い。
―リンクモンスター
エクストラモンスターゾーンを神碑融合モンスターと取り合うため相性はイマイチであり、採用する場合は自力でフィールドを離れられるものを中心としたい。
《名推理》・《モンスターゲート》を採用する場合、それらの効果で特殊召喚可能なモンスターを採用し、特殊召喚できないモンスターや出しても効果を使えないものは避けたい。
―相性の良いモンスター
戦術 †
神碑速攻魔法の固有効果で戦況を有利にしつつ、付属のデッキ破壊効果でじわじわと相手のデッキを削っていく。
序盤はドローソースである《神碑の泉》を手早く集めること、《神碑の泉》でデッキに戻すための神碑速攻魔法を手札・墓地に合わせて2枚以上用意している状態を目指そう。
同名カードの発動に制限がかかっている関係上、1ターンに大量の除外を狙うのならば、偏らせるよりも多くの種類の神碑速攻魔法を採用しておくと良い。
神碑の効果だけでもある程度の防御・妨害は可能だが、それだけでは心もとないので汎用カードの力も借りて守りに徹したい。
また、神碑融合モンスターだけでは不安が残るためデッキスロットを圧迫せずに防御に優れたモンスターを出せるギミックを用意しておきたい。
制圧能力を持つモンスターならば展開を防ぐことにもなり時間稼ぎだけでなく戦闘での突破も防ぎやすくなる。
継続的な守りのためには回数制限のある妨害能力よりも複数ターンに渡って繰り返し使えるもの、永続効果で行動を制限するものの方が優先度が高いだろう。
相手のデッキが特定のメインデッキのカードに依存する場合、そのカードを除外できれば大きな損害を与えられる。
運に左右されるので意図的に狙うのは難しいが、除外されたカードが相手にとってどの程度重要なカードであるのかは予想立てておき、こちらのプレイングの方針も定めたい。
「相手の行動を妨害し、時に時間稼ぎに徹し、ジワジワとデッキ破壊を行う」というコンセプトの都合上1回のデュエルに要する時間が長くなりがちで、マッチ3戦目にもつれ込んだ場合は高確率でエキストラターンかエキストラデュエルに突入する。
この場合は悠長にデッキを削っていく暇がなく、特にエキストラデュエルになった場合はデッキ破壊をほぼ諦めなければならない。
そして、元々ビートダウンを放棄したデッキであるため戦闘ダメージでライフ差をつける事はほぼ絶望的であり、カードの効果でライフを上回る必要がある。
この際に重要になるのが《神碑の翼ムニン》の(3)のお互いのエンドフェイズ毎のライフ回復効果であり、防御カードで自分ライフを守り、1〜2度の回復でライフ差をつけて勝利が狙える。
ただし、1度でも相手の攻撃を許すと回復以上のダメージを受けやすいため、これ1本で勝利を狙うのは危険な綱渡りでもある。
そのため、サイドデッキに《D.D.ダイナマイト》や《魂吸収》といったバーンやライフ回復手段を用意しておくのが望ましく、ドローカードを駆使ししてそれらを引き込みたい。
もしそれらを採用していない場合、2戦目までに決着をつけるか、1回のデュエルにかける所要時間を減らせる迅速なプレイングを心掛ける事も検討したい。
除外された相手のカードの数×300のバーンを与える《D.D.ダイナマイト》を採用したバーン構築。
神碑で除外したメインデッキのカードに加え、《魔獣の大餌》等でエクストラデッキのカードも除外すればダメージはかなりのものが期待できる。
《D.D.ダイナマイト》は通常罠なので、悪魔嬢や《トラップトリック》といったサポートカードをバリア −フォース−等の汎用カードと共有しやすい。
ただし、デッキ破壊とバーンという2つの勝ち筋を取り込むのは動きに無駄が生じかねず、どっちつかずに留まるリスクも抱える。
27枚除外できれば1回の発動で1ターンキルとなるため、除外枚数はそれなりに留めて《D.D.ダイナマイト》のサーチの方を優先させても良いだろう。
また、「ライフを気にせず勝利を狙える」といった利点を失う関係上《冥王結界波》や《成金ゴブリン》等が採用しにくくなり、バーンメタなどにも注意を払う必要がある。
また、通常の構築よりも動きの速さが求められるため神碑融合モンスターの効果の重要性がやや高く、その分特殊召喚メタが取り入れにくい。
展開型【神碑】 †
※2022/07/01でキーカードの《水晶機巧−ハリファイバー》が禁止カードになったため、現在は構築不可能。
チューナーを採用し《水晶機巧−ハリファイバー》、《幻獣機アウローラドン》から《TG ハイパー・ライブラリアン》を絡めて展開することでドローしながら制圧力の高いモンスターを出していく。
その後はモンスターと相手フィールドに干渉できる神碑によって相手のデッキが回るのを阻止しながらデッキ破壊を進めていく。
相手の手数が途切れた後は神碑を使用せずともモンスターだけで盤面を維持できるため、バトルフェイズのスキップが無くなり状況に応じてビートダウンへの移行も可能になる。
元々《神碑の泉》によりアドバンテージを稼ぐ能力が高いのもこの戦術を後押しする。
チューナーと神碑速攻魔法の組み合わせで動けるため《名推理》などに頼らずとも安定して動くことができるのが特徴で、手札誘発のチューナーからでも展開できるため《灰流うらら》などを採用しやすく、結果的に後攻時の防御力も向上する。
―エクストラデッキのモンスター
神碑速攻魔法の効果で融合モンスターを簡単に出せるため、一部に指定されている融合素材の指定を簡単にクリアできる。
(特に《神碑の牙ゲーリ》は闇属性なので利用価値が高い。)
例えば、《捕食植物サンデウ・キンジー》と適当な神碑速攻魔法の2枚が揃えば《捕食植物ドラゴスタペリア》を簡単に出せ、制圧や妨害に貢献できる。
墓地の神碑融合モンスターは基本蘇生制限を満たしていないので、《龍の鏡》などによる墓地融合の融合素材として消費してしまっても惜しくない。
「魔法カード主体でモンスターの採用数は絞りがち」「エクストラモンスターゾーンは活用するがメインモンスターゾーンは多用しない」「墓地の魔法カードの枚数が多い事にメリットがある」と両者の共通点は多い。
神碑魔法カードも閃刀魔法カードも同名ターン制限があるので、採用するカードの種類が多いほど1ターンの対応力も上がる結果になる。
副次的な要素だが、メインデッキの閃刀姫はレベル4のため、《神碑の牙ゲーリ》とでランク4による制圧が望める。
ただし、神碑モンスターと閃刀姫リンクモンスターでエクストラモンスターゾーンの奪い合いになってしまう点や、バトルフェイズスキップがダイレクトアタッカーの《閃刀姫−ハヤテ》とは噛み合わない点に注意。
《光帝クライス》の攻撃出来ないデメリットが神碑速攻魔法と噛み合うためシナジーを持つ。
あちらの【スキルドレイン】への対抗力の弱さもそもそも効果モンスター自体を展開しない【神碑】では問題ない。
元より類似した戦法を使って戦う長期戦向きのテーマ同士なので相性は良い。
神碑速攻魔法を魔弾モンスターと同じ縦列で使用する事で、あちらの誘発効果のトリガーとしても機能させやすい。
魔弾カードには、《魔弾−クロス・ドミネーター》を筆頭に強力な妨害カードが複数揃っていおり、妨害を魔弾に任せつつ神碑側をデッキ破壊に専念させるという戦法も可能。
ただし、キーカードである《魔弾の射手 マックス》と神碑モンスターでエクストラモンスターゾーンを奪い合う点は気を付けたい。
罠カードによる妨害が主で頻繁に戦闘する必要が無いため相性は良い。
それらに加え、ラビュリンスはエクストラデッキに依存していないため神碑モンスターの邪魔にもならない。
少量のオルフェゴールを採用した構築で、《名推理》・《モンスターゲート》でオルフェゴールへアクセスする。
《オルフェゴール・ガラテア》と《オルフェゴール・ロンギルス》が自身の効果で除外されたオルフェゴールをデッキに戻すことができ、《名推理》や《モンスターゲート》を複数回発動しやすい。
オルフェゴールリンクモンスターに《宵星の機神ディンギルス》を重ねればエクストラモンスターゾーンを開けることができる。
《宵星の機神ディンギルス》は《神碑の泉》を破壊から守れて除去も可能。
オルフェゴールの効果で闇属性以外の展開に制限が付くため《神碑の牙ゲーリ》を多めに入れたい。
《神碑の翼フギン》のコストに《魔轟神獣ケルベラル》を充てることでシンクロ召喚などに繋げていく。
―エクストラデッキのモンスター
ナチュルによる展開でシンクロ召喚を行い、神碑速攻魔法に加えてシンクロモンスターによる制圧を行う。
主に《ナチュル・モルクリケット》・《ナチュル・カメリア》・《ナチュルの神星樹》で展開すると同時にデッキ圧縮と墓地肥やしを行い、【神碑】の動きの潤滑油としても作用する。
※エキストラターン・エキストラデュエルについては上記の記述を参照。
運用上の注意として、《怒れる嵐の神碑》以外の神碑速攻魔法による「固定枚数除外する」効果は、発動時に相手のデッキが「除外する予定の枚数」以上でないと発動できない(「デッキの上から除外する」効果が空撃ち扱いとなるため)。
この時、除外だけでなくそれぞれに付随する効果も使用不可能となってしまうため、詰めの段階で《凍てつく呪いの神碑》・《破壊の神碑》のような除外枚数の多いカードばかりが手札に溜まると、何もされなくともデッキが機能停止してしまう。
モンスターをあまり展開しない構築の場合、泣く泣く渡した相手ターンで直接攻撃されて逆転負け、という事態が起こりやすく、この点から終盤で捲られやすいという構造上の弱点が存在する。
特に相手デッキの残り枚数が1枚の場合、使用可能なのはサーチカードであり早々に使用してしまいがちな《神碑の穂先》しか存在しないため、このような機能停止を防ぐためにも、詰めの段階ではチェーンを積む形で神碑速攻魔法を発動することが重要である。
【デッキ破壊】の宿命ではあるが、相手のデッキ枚数やデッキを掘り進めるスピードに勝率が左右される不安定さは否めない。
墓地へ送らないので通常の【デッキ破壊】よりはマシだが、それでも除外アドバンテージを有効活用するデッキに対してはデッキ破壊を逆利用される恐れがある。
除外を逆利用してくる上に《超雷龍−サンダー・ドラゴン》でサーチをも封じてくる【サンダー・ドラゴン】との相性は最悪である。
特殊召喚に依存しないのでメタカードが刺さりにくい《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》軸の【除外ビートダウン】も苦手なデッキである。
魔法カード中心の構築故に《マジック・キャンセラー》・《ナチュル・ビースト》・《魔封じの芳香》等の魔法カードメタとも極めて相性が悪く、対処できなければ完封されかねない。
特に【ナチュル】は先述の《ナチュル・ビースト》のみならず、魔法・罠カードの発動そのものを封じる《ナチュル・バンブーシュート》をも擁するため相性が最悪である。
【ダーク・シムルグ】も単体でもセットを封じ、《魔封じの芳香》とのコンボで魔法・罠カードの発動を封じてくるため相性はかなり悪い。
モンスター数が絞られる関係上魔法使い族が採用されていないケースも多いため、【魔法族の里】も天敵と言っても過言でない。
速攻魔法への依存度が極めて高いので、《暗黒の侵略者》に至ってはこのカード1枚で完封されることすらありうる。
速攻魔法の固有効果に除外が付随する関係で除外を封じる《カオスハンター》・《王宮の鉄壁》なども神碑速攻魔法封じとして機能してしまう。
永続系ロックカードを多用する構築の場合、キーカードの《神碑の泉》共々全体除去に巻き込まれると大きなディスアドバンテージとなる。
神碑融合モンスターの効果やカウンター罠の効果で確実に防ぎたい。
特にキーカードである《神碑の泉》は現在制限カードであり、墓地へ送られた場合は《神碑の牙ゲーリ》で回収は可能だが、《コズミック・サイクロン》などで除外された場合は回収方法がなければ大きく不利になることは否めない。
神碑速攻魔法の多くは相手のカードの除去や妨害を主眼としており、自らのカードに対して使うことができない。
ゆえに相手がカードを出さない場合、8種類ある神碑速攻魔法のうち4種類(《輝く炎の神碑》《破壊の神碑》《凍てつく呪いの神碑》《怒れる嵐の神碑》)が腐ってしまい、動きが大きく鈍ることとなる。
こちらもモンスターをあまり出すわけではないので《まどろみの神碑》もほぼ使えなくなり、実質的に使えるのが《黄金の雫の神碑》か《神碑の穂先》の二択しかない、という状況に陥りやすい。
カードをほぼ出さずに競り勝てる【終焉のカウントダウン】は天敵である。
無論それ以外のデッキであっても、「カードを出さない・残さない」という選択肢を取られることでこちらの動きを封じられてしまうことがある。
このデッキはバトルフェイズを封じる制約のために攻撃で勝負を決めに行くことが難しく、「勝てる手札が出揃うまで何もせずただ待つ」という行動を取られるだけでも不利になりやすい。
例を挙げれば、フィールドではなく墓地にカードが揃っていることが重要な【閃刀姫】や【インフェルノイド】はこのデッキが苦手とする相手で、早い段階でこちらが【神碑】だと割れた場合、フィールドに残らないカードを使い続け墓地を肥やすだけで準備が整ってしまう。
対象に取ることができないモンスターも同様であり、「レベル7以上をリンク素材にした《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》やマジェスペクターで攻撃のみを繰り返す」というような単純な戦術に出られた場合も詰みやすい。
この点は神碑カードのみではどうにもならないので、カテゴリ外のカードの選定が重要になる。
その他 †
微妙な相性なのは《ネクロフェイス》を採用した【アンデット族】であり、墓地利用を多用するので除外が刺さりやすく、相手の《ネクロフェイス》を除外できれば更なる痛手を与えられる。
ただし、《ネクロフェイス》の召喚を1度でも許してしまうと積み上げてきたデッキ破壊が全て無に帰してしまうどころか、驚異的なアタッカーまで出来上がってしまう。
ミラーマッチはお互いの神碑融合モンスターを《超融合》で奪い合う泥仕合と化す。
代表的なカード †
サンプルレシピ †
関連リンク †