【メタビート】 †
環境に存在する主流デッキを徹底的に対策したデッキ。
形式や具体的な定義は特に決まっておらず、【メタビート】というのはデッキの名称ではなく概念的な意味合いが強い。
相手(又はお互い)の複数のカードに影響を及ぼす永続効果モンスターや永続カードが投入されるのが最大の特徴。
「流行しているデッキの長所」を消すためのカードを積むことで流行のデッキに対抗するという対人志向、大会クラスの実戦本位のデッキと言える。
主流の環境デッキにメタを張るという性質上、このデッキ自体は主流とはならず、地雷デッキに分類される。
他のデッキと混合させる場合は【○○メタビ】と略されることも多い。
(ちなみに、アニメVRAINS第25話には「図書館審判坊主メタビ」という言葉が登場しており、この略称は公式も認識しているようだ)
環境に多い主流デッキにメタを張るデッキを指す。
そのため、環境を予測し、流行しそうなカードやデッキを熟慮してデッキを構築しなければならない。
また、「流行のデッキの長所を消して勝つこと」がコンセプトであることから、自然と相手を妨害するカードが多くなる。
ごく少数のデッキに環境が偏っている場合、特定のカードやデッキにしか刺さらないカードを採用することもある。
なお、今日では特に「特定のカテゴリに依存せず、汎用メタカードによって戦う【スタンダード】的構築のデッキ」を【メタビート】と呼ぶ事が多い。
本項でもこれら非カテゴリ型の【メタビート】を中心に解説し、【メタビート】的性質を持つカテゴリデッキについては後述する。
相手の行動を制限するために、以下のような対策カードを採用する。
対策には使い捨てにならないモンスターカードや永続カードが望ましい。
フィールドに残り続けることは難しいが、ピンポイントで対策になるカード。
汎用性の高いカードが多いため、【メタビート】以外でも使用されやすい。
相手に刺さるカードを守り続けることが戦況を大きく左右するため重要となる。
一部カウンター罠は防御カードとしても換算できる。
メタではないが、【メタビート】を支える汎用的なカード。
なお汎用カードではあるが、環境によっては採用率が低いカードである場合もあり、場合によっては「使い捨てメタカード」となるものもある。
デッキタイプ次第で採用可能なカードは変化するが、基本的にメタ効果を持つモンスターにはレベル4が多いためランク4のエクシーズ召喚を行いやすい。
メインデッキに投入するタイプのメタカードは、相手のデッキタイプと合わない場合腐ってしまうという弱点がある。
これに対しエクストラデッキに用意するタイプのメタカードは、必要な時だけ呼び出すことで、相手に合わせたメタを柔軟に行えるのが強みである。
相手次第では、メインデッキを展開用として汎用ランク4をエクシーズ召喚し続けるだけでメタビートが成立する例も見られる。
お互いの特殊召喚を封じるタイプの【メタビート】の場合、エクストラデッキのモンスターはほぼ使用不能となる。
どうせ使用しないのであれば、環境で採用率の高いモンスターを投入し、《浮幽さくら》や《強欲で金満な壺》で適時除外していくのも手。
《ドラグマ・パニッシュメント》などに利用するためだけのカードも、余裕をもって投入できる。
また敢えてエクストラデッキを0枚にする事で《真帝王領域》や《パンドラの宝具箱》を搭載することも考えられる。
ひな型 †
【メタビート】の中でも、何を対策するのかによってメタカードの種類が異なるため、採用カードはガラリと変わる。
大きく分けるならば【メタビート】には、4つのひな型がある。
一つ目は、墓地利用(蘇生・サルベージ・自己再生・墓地除外・墓地での効果発動)を対策したタイプ。
《王家の眠る谷−ネクロバレー》を採用した【墓守】や《次元の裂け目》・《マクロコスモス》を採用した【次元ビートダウン】が代表的なデッキである。
これら以外のデッキでは、《霊滅術師 カイクウ》や《閃光の追放者》、《ソウルドレイン》を採用したデッキがこのタイプに該当する。
シンクロモンスターやエクシーズモンスターが登場する前から存在するタイプの【メタビート】であり、デッキの歴史は古い。
シンクロモンスター、エクシーズモンスター全盛時代にはメタ範囲が限定的だった。
その後、墓地発動や、墓地へ送って発動する手札誘発などがかなり増えたため、大半のデッキは多かれ少なかれ墓地利用を行うようになっており、再び環境に刺さりやすくなっている。
二つ目は、特殊召喚(特殊召喚モンスター・シンクロモンスター・エクシーズモンスター等)を対策したタイプ。
《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や結界像を搭載した【結界像ビート】が代表的な例である。
今日のデュエルは特殊召喚の連発が基本となっており、それを封印する事による影響力は大きい。
また除去能力を持つモンスターが特殊召喚される事を防げるため、間接的にモンスター効果へのメタにもなる。
ただし特殊召喚を封じるカードの大半はお互いの特殊召喚を封じるため、自分も高攻撃力のモンスターが出しづらいという欠点がある。
これについては《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《昇霊術師 ジョウゲン》等の特殊召喚を封じるモンスターに《魔神火炎砲》を組み合わせ、自分ターンに《魔神火炎砲》で自分フィールドの特殊召喚封じモンスターを自分の手札に戻す→自分のやりたい特殊召喚を済ませる→手札に戻した特殊召喚封じモンスターを通常召喚する、というスキームを用いることで、相手の特殊召喚行為の一切を完封しつつ自分だけ一方的に特殊召喚する事ができるが、一方で特殊召喚封じのモンスターを手札に戻している間に相手の罠カードや手札誘発等による特殊召喚を許してしまう欠点が存在する。
主な特殊召喚対策カードとしては、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《昇霊術師 ジョウゲン》、《王虎ワンフー》等が挙げられる。
ただし、これらは攻撃力が不足しているため、アタッカーを兼ねる《ライオウ》で代用することもある。
また、《大天使クリスティア》や《コアキメイル・ドラゴ》等の特定デッキ専用のメタモンスターの存在から、このタイプは多岐に渡る。
古くは《王宮の弾圧》による特殊召喚メタが広く行われていたが、《王宮の弾圧》の禁止カード化により姿を消した。
三つ目は、効果モンスター(モンスター効果)を対策したタイプ。
かつては目立たない存在だったが、強力な効果モンスターが登場し始めたために、需要が拡大した。
その中でも、フィールド発動を封じるタイプと、墓地発動を封じるタイプの2つに大別される。
前者の代表的なデッキは【スキルドレイン】であり、後者は【次元ビートダウン】である。
【スキルドレイン】はメタモンスターとの相性が悪く、採用モンスターが特殊になりやすい。
《神獣王バルバロス》やSin等の妥協召喚・特殊召喚(デメリット)モンスターの採用が最大の特徴。
自身をリリースしたり、墓地で効果を発動するモンスターを採用することもある。
《禁じられた聖杯》や《デモンズ・チェーン》等の《スキルドレイン》の脇を固めるカードが登場したのも大きい。
また、《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》や《閃光を吸い込むマジック・ミラー》という特定の属性専用の《スキルドレイン》も存在する。
【次元ビートダウン】は墓地封殺を兼ねる上に、暗黒界や魔轟神、リクルーター等の効果を封じ込められることが大きい。
さらに《オネスト》や《BF−月影のカルート》を腐らせることもできるのもポイントである。
四つ目は、カードの除外を封殺するタイプ。
古くから《霊滅術師 カイクウ》等の墓地除外を対策するカードは存在していたが、手札やフィールドのカードを除外するカードの増加により、注目されている。
代表的なデッキは墓地除外のみなら【墓守】、より汎用的なものでは《カオスハンター》、《王宮の鉄壁》を採用したデッキだろう。
各種デッキタイプの相性・複合 †
上記のように【メタビート】には、4つのタイプが存在するが、複合可能なものと複合困難なものが存在する。
複合可能なものは、例えば墓地封殺型と効果封殺型などであり、複合困難なものは特殊召喚封殺型と効果封殺型などである。
前者は、共に永続カードを軸としたものであるために共存できるが、後者は効果モンスターによる封殺効果を自分で封殺しまうため、共存困難になる。
《王虎ワンフー》と《強者の苦痛》のコンボを採用したデッキタイプ。
《クレボンス》・《ゾンビキャリア》を始めとするチューナーモンスターは攻撃力が低い傾向にあるので《王虎ワンフー》を召喚しておくだけでも【シンクロ召喚】に対する大きな抑止力となる。
更に《強者の苦痛》を発動すれば、《王虎ワンフー》を戦闘破壊できる下級モンスターは非常に少なくなる。
しかし【エクシーズ召喚】の隆盛により《強者の苦痛》が掣肘力を大幅に落とし、またカードパワーのインフレにより攻撃力1500以上のモンスターを初手としたり、墓地リソースから大型モンスターを出して盤面を制圧する戦術が珍しくなくなり、リンクモンスターの登場によりトドメを刺される形で、この型のデッキは環境では事実上消滅状態であった。
そのような中、11期に入り汎用性の高い【勇者フェニックス】が登場し、《王虎ワンフー》との噛み合いの良さが注目されたことで、このデッキコンセプトは《強者の苦痛》の役割を《D−HERO デストロイフェニックスガイ》に置き換えた形で一時期復興の兆しを見せた。
しかし、その後関連カードが規制され、主軸となる【勇者フェニックス】が構築困難となり、このデッキも再び消滅状態にある。
現在はデッキスロットを圧迫する《D−HERO デストロイフェニックスガイ》と融合素材のセットを採用せず、《星空蝶》を《強者の苦痛》の代替として【勇者トークン】を純構築に寄せることでギミックを復活させられる。
【岩石メタビ】 †
【岩石族】を下敷きとした【メタビート】。
岩石族にはパーミッション効果を持つ《コアキメイル・ガーディアン》・《コアキメイル・ウォール》・《コアキメイル・サンドマン》・《コアキメイル・オーバードーズ》の4体のコアキメイルが存在する。
更に同属性・同種族・同レベルには、特殊召喚を完全に封じる上に後出しも可能な効果を持つ《フォッシル・ダイナ パキケファロ》も存在する。
これらを状況に応じて《同胞の絆》や《強化蘇生》などで複数並べ、《オレイカルコスの結界》などで打点も補強しつつ相手の行動を封殺する。
苦境に強い《N・グラン・モール》・《地球巨人 ガイア・プレート》や、構築が多少縛られるが上記のモンスターを並べ直すことができる《ブロック・ゴーレム》などが存在するのも特徴。
【結界像ビート】 †
2015年秋に開発された【メタビート】の一種。
結界像などの特殊召喚を封じるモンスターを装備魔法で強化、または通常罠で相手を除去し、ビートダウンでの勝利を目指す。
登場以降、数は少ないながらも大会での実績を残し続けており、久々に戻ってきた環境で戦える【メタビート】となっている。
特殊召喚封殺型の【メタビート】としては、特殊召喚可能な属性が存在するため《スケープ・ゴート》や《神・スライム》などを採用しやすい。
特に《スケープ・ゴート》は《干ばつの結界像》を維持したまま8000のライフポイントを削り切ることもできるため、【メタビート】の中では火力はかなり高い。
環境に合わせて姿を変える【メタビート】の性質上、その内容は刻々と変わり続けている事を付記しておく。
―モンスターカードについて
環境にあまり存在していない属性の結界像プラスアルファが基本。
《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や各種結界像で、枚数は10枚未満に収まる。
各種手札誘発も採用の余地はあるが、《命削りの宝札》との噛み合いは悪いため枚数や種類は熟考したい。
対応する属性であれば特殊召喚できる点も活用できると尚良い。
例えば《豪雨の結界像》を採用した場合、《神・スライム》とその関連カードが特殊召喚できるため、耐性持ちの3000打点をお手軽に特殊召喚しつつ《豪雨の結界像》を戦闘から守ることもできる。
《王家の眠る谷−ネクロバレー》をサーチできる《墓守の司令官》を搭載するタイプもある。
その《墓守の司令官》も《ネクロバレーの玉座》でサーチできることや、《王家の眠る谷−ネクロバレー》適用下で攻撃力が2100まで上昇する点がメリット。
―魔法カードについて
装備魔法として《魔導師の力》や《月鏡の盾》を搭載し、特殊召喚封じモンスターの戦闘破壊を防ぎつつ打点を確保する。
特殊召喚封じにより間接的に多くのモンスター効果を封じられるので、残った魔法・罠カードへの対策として《禁じられた聖槍》も採用できる。
2体の結界像を並べると相手は攻撃不能となる《オレイカルコスの結界》もよく使われる。
《干ばつの結界像》以外の結界像が立っていると発動できないが、《スケープ・ゴート》を採用することでリンクモンスターの展開に繋げるサブプランも用意できる。
結界像が既にフィールドにいたとしても、《強制脱出装置》等でセルフバウンスすれば自由に展開でき、展開後に改めて結界像を通常召喚すればよい。
これは【メタビート】全般に言えることだが、《強欲で貪欲な壺》・《強欲で謙虚な壺》・《命削りの宝札》・《チキンレース》などのドローカードも数多く採用する。
―罠カードについて
《神の宣告》、《神の通告》などの万能カウンター罠や、《強制脱出装置》などの1:1交換が取れる除去は数多く採用する。
中でも《ドラグマ・パニッシュメント》は相性が良い。
《サンダー・ボルト》、《ハーピィの羽根帚》などの全体除去に弱いため、《神の宣告》に加え《スターライト・ロード》なども採用圏内。
結界像達の打点確保兼防御カードとして《幻影剣》が採用されるのも特徴的。
墓地は基本的に利用しないため、《マクロコスモス》も検討できる。
ただし、各種手札誘発モンスターや《ドラグマ・パニッシュメント》などとの相性は悪い。
比較的バリア −フォース−系列も扱いやすい。
―構築の変遷について
2015年秋に初入賞した時は、《平和の使者》・《くず鉄のかかし》・《メタル化・魔法反射装甲》などが搭載され、より戦闘破壊対策に特化した構築だった。
当時の環境は【EMEm】の一強であり、メインデッキの大半をモンスターで占める【EMEm】に対しては魔法・罠カード対策を取る必要が薄かった。
2016年以降は環境の変化やカードプールの増加に合わせて、結界像以外の採用カードはその都度変化している。
上級モンスターを中心としたタイプ。
攻撃力不足が解消され魔法・罠カードのサポートへの依存も減るが、手札事故が起きやすいのが難点。
採用されるのは《虚無魔人》や《エンド・オブ・アヌビス》・《霧の王》といったモンスターである。
罠カードを使用するため、《黄泉ガエル》等でリリース確保するのは難しく、《死皇帝の陵墓》を採用するのも手。
メタカードで守ってきた下級モンスターをリリースする方法もある。
【死皇帝の陵墓】も参照。
光属性モンスターを中心としたデッキタイプ。
《オネスト》による戦闘補助と、属性を統一することで《御前試合》を採用できるのが最大の利点。
《ライオウ》もあるので、相手の戦術を封じるのはさほど難しくない。
壁モンスターに対抗できる《忍者マスター SASUKE》も優秀。
《閃光の追放者》は《オネスト》と併用できないため、投入しないデッキが多い。
《オネスト》との相性の良い《白い泥棒》を入れることで相手の手札を削り取ることもできるので、採用しておいて損はないだろう。
ちなみに《豊穣のアルテミス》を採用し、カウンター罠を多めに投入することで【パーミッション】寄りにすることもできる。
光属性モンスターと闇属性モンスターを中心としたデッキタイプ。
【カオスメタビ】【カオススタンダード】などとも呼ばれることもある。
光属性・闇属性には《ライオウ》や《霊滅術師 カイクウ》・《閃光の追放者》・《昇霊術師 ジョウゲン》と数多くのメタモンスターがいる。
また、《死霊騎士デスカリバー・ナイト》や《D.D.クロウ》や《エフェクト・ヴェーラー》等の墓地・モンスター効果対策となるモンスターも豊富。
これらに《異次元の女戦士》等を絡めると多くのデッキを対策することができる。
また、属性を二つに揃えることでカオスモンスターを特殊召喚しやすく、ボード・アドバンテージが稼げる。
さらに《オネスト》や《闇の誘惑》、《ダーク・アームド・ドラゴン》と強力なサポートカードも採用できることが強み。
特殊召喚寄りのデッキではないため、《強欲で謙虚な壺》などを入れることが可能である。
《闇竜の黒騎士》を中心とし、【アンデット族】・【スキルドレイン】のギミックを採用したデッキタイプ。
光属性軸のギミックも採用でき、《スキルドレイン》と相性の良い《馬頭鬼》や《ピラミッド・タートル》も組み込める。
ストラクチャーデッキR−アンデットワールド−で登場した《屍界のバンシー》により《アンデットワールド》の発動が容易になり、【種族操作】としての一面も強くなった。
また《スキルドレイン》とは相性が悪いが、《アンデットワールド》適用下での《死霊王 ドーハスーラ》の制圧力の高さも魅力的である。
強力な闇属性・光属性モンスターの特殊召喚を1枚で対策できる《コアキメイル・ドラゴ》を投入したデッキタイプ。
【ドラグニティ】なら維持コストを確保しやすく、こちらの《ドラグニティナイト−ヴァジュランダ》や《スターダスト・ドラゴン》などには刺さらないため自然に投入できる。
《不死武士》を軸に据えた戦士族統一のメタデッキ。
詳しくは当該ページを参照。
Sinモンスターを中心とした【スキルドレイン】で、採用するカードから【Sinスキドレギアバレー】とも呼ばれる。
詳しくは当該ページを参照。
相手の魔法カードを封じる《魔法族の里》と魔法使い族を中心としたタイプ。
詳しくは当該ページを参照。
《霞の谷のファルコン》で《強化蘇生》や《デモンズ・チェーン》等をバウンスして使い回すタイプ。
モンスターは少なく永続罠が多い構築になるため、《命削りの宝札》とは非常に相性が良い。
詳しくは当該ページを参照。
第10期に頭角を現した構築。
言うなれば大量の妨害カードを搭載した《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》主軸の【除外ビートダウン】である。
《強欲で金満な壺》や《強欲で貪欲な壺》と言ったカードで除外枚数を増やしつつ妨害カードを手札に引き込むのが基本の動き。
十分に除外枚数を稼いだ後に《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》を召喚し、妨害カードで《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》を守りつつビートダウンを行っていく。
攻撃力が低いため必然的に長期戦にならざるを得ない通常の【メタビート】に比べ、高い攻撃力を得られるため短期決戦も目論めるのが特徴。
また、相手の先攻1ターン目に出された高打点のモンスターを戦闘で突破できるのも利点。
《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》自身は特殊召喚を経由せず効果の発動も伴わないので、特殊召喚メタやモンスター効果メタと併用しやすい点もシナジーする。
それらのメタとは相性は悪いが、火力増大と除去による突破が狙える《機巧蛇−叢雲遠呂智》や《百万喰らいのグラットン》も搭載されやすい。
中〜長期戦を見込める状況ならば墓地利用を行うデッキ全般に多大な影響を与える《マクロコスモス》を無理なく採用でき、得られるメリットは大きい。
- 20/10/01以降の環境では、環境内のゲーム速度の低下により中〜長期戦を見込める状況が増えた他、《マクロコスモス》自体の再評価も後押しされた結果、安定性や対応力、持久力の高いこのタイプの構築が高く評価され、環境での一角を担うほどの結果を残す様になった。
展開力に欠ける【装備ビート】は【メタビート】としての要素を持つことでこれを補っているものがいくつか存在する。
カテゴリ自体が【メタビート】としての要素を持つデッキ。
【メタビート】要素を組み込みやすいデッキの例 †
カテゴリ自体は【メタビート】としての要素を強く持つわけではないが、カテゴリ外からのメタカード投入が行いやすく、【メタビート】化しやすいデッキ。
- 展開速度の遅さ
使用するカードの都合上召喚権の消費が激しいタイプが多く、展開が遅くなり易い為、状況によっては相手の展開速度が速すぎるせいで、こちらのメタカードが全く役に立たないケースが発生する。
特に最近の環境では大量展開ギミックと相手の戦術を(間接的なものも含め)封殺するギミックが両立しているデッキが多い為、こちらが先に封殺しないとジリ貧になって押し切られる事もままある。
マストカウンターの見極めが重要であり、ひとつのプレイミスが即敗北につながりかねない非常にシビアなデッキでもある。
第3期 †
【メタビート】という名称が広まる前から、《霊滅術師 カイクウ》・《王家の眠る谷−ネクロバレー》・《王宮の弾圧》等で流行のデッキにメタを張るデッキは存在していた。
この頃は【カオス】が流行しており、それに対抗するために構築された【ノーカオス】はその一例と言える。
第4期 †
トークンを多用する【変異カオス】の流行から《王虎ワンフー》を採用した【弾圧ワンフー】が登場した。
第5期 †
「閃光会」と呼ばれた2006年度選考会では、《閃光の追放者》・《霊滅術師 カイクウ》・《王宮の弾圧》を採用した【除去ガジェット】や【カオス】がベスト4の実績を残している。
終盤から【ダムドビート】・【剣闘獣】・【ライトロード】等の速度の早いデッキが流行した。
これらは特殊召喚・モンスター効果・墓地利用の依存度が高く、特に特殊召喚を対策すれば、上記のデッキの速度を落とすことができるため、それほど速くないビートダウンでも対抗しやすかった。
第6期 †
シンクロ召喚の概念が登場したことで「特殊召喚対策」の重要度が増す。
一方で《王宮の弾圧》を採用した【レスキューシンクロ】や【BF】が出現する等、主流デッキが他のデッキを黙らせるためにメタカードを使用する流れを見せ始めている。
第7期 †
11/09/01で《王宮の弾圧》が禁止カードに指定される。
これまでは、《王宮の弾圧》を投入したデッキは全て【メタビート】と扱われる事があり、【メタビート】の内容も大きく変化する事になる。
以降は、「主流デッキにメタを張るテーマデッキやデザイナーズデッキ」を【メタビート】と呼ぶ場合が多くなり、定まったコンセプトは実質的に消滅したと言える。
第8期 †
終盤から【征竜】・【魔導書】が流行し始めると、除外への対抗手段が必要となり、《霊滅術師 カイクウ》・《王宮の鉄壁》等の除外封じのカードが注目された。
しかし《霊滅術師 カイクウ》を1番使いこなせるのも他ならぬ【魔導書】であったため、《昇霊術師 ジョウゲン》と併せた【魔導書】自体が主要なメタターゲットでありながら【メタビート】代表格という状態に陥っていた。
2013/09/01で【魔導書】が大幅に弱体化したものの、一方の【征竜】が健在であったため、《王宮の鉄壁》を投入したメタデッキも根強く残った。
また、第8期〜9期中頃にかけてはレベル5以上の特殊召喚を封じる《ヴェルズ・オピオン》を用いる【ヴェルズ】が環境で時折活躍した。
《ヴェルズ・オピオン》の規制や環境での主流デッキによって浮き沈みはあったものの、【メタビート】に近い動きのデッキが比較的長期に渡って活躍した例は珍しい。
第9期 †
第9期はOCG史上でも稀な長期に渡る時代だが、そのスタートから終焉まで実戦級の新規テーマが登場・伸長し、併せて行われる制限改訂が大きく環境を変える興隆・退潮・交替が常態化した時代となり、メタを張るターゲットもその都度一新されていった。
当初から《星守の騎士 プトレマイオス》の流行、【影霊衣】の登場など、環境は目まぐるしく変遷。
その間は大きな結果を残すことはできなかったが、防御面を手札誘発に特化させた【罠無しメタビ】が入賞し、話題を集めていた。
それに限らず《幽鬼うさぎ》・《灰流うらら》を筆頭に、単純な1:1交換以上のメタ効力を見込める手札誘発モンスターが汎用カード化した事により、あらゆるビートダウンデッキに【メタビート】要素を搭載できる時代の到来となった。
その後、第9期後半以降では《命削りの宝札》、《強欲で貪欲な壺》といった【メタビート】と相性の良いドローソースが登場。
初手に厚い布陣が築きやすくなったこともあってか、【メタビート】軸の【クリフォート】や、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を採用した【結界像ビート】など、新しい構築が登場している。
第10期 †
召喚制限はあるものの、高い制圧力と打点を併せ持つ《インスペクト・ボーダー》の登場により先攻1ターン目に強い布陣を作りやすくなる。
また、汎用ドローソースとして《強欲で金満な壺》が登場し、更に手札に余裕が持ちやすくなった。
カテゴリデッキとしては【オルターガイスト】や【サブテラー】が【メタビート】に近い動きであり、環境でも結果を残す。
アドバンス召喚軸の【真竜】も、モンスターの枚数を絞って【メタビート】に寄せた構築が多く見られた。
また、【トリックスター】にもデッキの基本枚数が少なく済む利点を活かした【メタビート】軸の構築が見られ、2018年の世界大会一般の部で優勝を飾った構築が正にこれであった。
2019年になると【除外ビートダウン】の派生と言える【叢雲ダイーザ】が環境で地雷気味に結果を残した。
代表的なカード †
サンプルレシピ †
関連リンク †