このページには、各時代に流行した主なデッキ・カードについて記す。
制限・準制限カードは存在せず、《強欲な壺》や《天使の施し》で多くドローすることが勝利に直結していた。
モンスターを墓地に送り、《死者蘇生》で蘇生する戦術から、《サンダー・ボルト》で除去し攻撃する戦術へと徐々に移動していった。
途中から効果モンスターやカウンター罠が誕生し、ゲームの幅が加速的に広まった。
また、後期にはEXの発売により、《デーモンの召喚》や《死者蘇生》等、当時、数多くの必須カードが、比較的簡単に入手可能になった。
開始直後にチェーンの概念が誕生し、ルールが整えられた。
速攻魔法が誕生。
魔法・罠カードにアイコンが導入され、永続魔法等の種類判別が分かりやすくなった。
トゥーンやスピリットといった一定の共通テキストを持つ特殊な効果モンスター群も登場。
デッキジャンルは【スタンダード】や【トマハン】といった、強力な制限カードを駆使したデッキほぼ一色。
終盤ではそれらに《八汰烏》や《悪夢の蜃気楼》が加わり、その立場は揺ぎ無いものとなった。
そんな中で《生還の宝札》を用いた幾つかの1ターンキルも目立った。→【宝札エクゾディア】
また、この時期には4種のストラクチャーデッキが登場しており、《サンダー・ボルト》・《天使の施し》等の必須カードが入手しやすくなった。
カードのデザインが世界統一フォーマットに変更された。
ハンデス三種の神器を取り入れたハンデスから「《第六感》+【カオス】」を交えたデッキに流行が変化。
時代が進むにつれて、【サイエンカタパ】を筆頭に【デッキ破壊1キル】・【現世と冥界の逆転】・【デビル・フランケン】・【ラストバトル!】などの1ターンキルが環境を支配した。
公認大会では1ターンキルや【カオス】、ハンデスデッキが列をなして襲って来た事から、暗黒時代と呼ばれる事も多い。
その影で、上記のような主流デッキを徹底的に対策した【ジャマキャン】が誕生。
環境の主流デッキに対するメタという点では、現在の【メタビート】などの元祖ともいえるデッキであった。
《魔導戦士 ブレイカー》・《異次元の女戦士》・《同族感染ウィルス》・《魂を削る死霊》等の強力なカードがこの時代に登場。
これらのカードは、後の第4期〜第5期でもほとんどは主力カードとして使用され続けている。
原作キャラたちの恐らく最後のストラクチャーデッキは、この時代に登場。
第4期以降は「種族」「属性」をテーマとしている。
まだまだ第3期の迷走が続いていた中で第4期は始まったが、《混沌帝龍 −終焉の使者−》が禁止されたことで、一応の沈静がなされた。
その後、前期は強力なドローコンボを搭載した【やりくりターボ】が、中期には《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》を切り札とする、【カオス】全盛期最後の姿である【変異カオス】がそれぞれ猛威を振るった。
どちらも必要な魔法・罠が多かったためにモンスターを少なめにする構築が基本とされていた。
《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》が禁止された後期には、一転して《サイバー・ドラゴン》・《死霊騎士デスカリバー・ナイト》、ガジェットなどを主とした、「モンスターの効果に注目したデッキ」が良く見られた。
その傾向は【除去ガジェット】・【雑貨貪欲ターボ】・【黄泉帝】など、今までのデッキ構築常識を覆すデッキが多数考案されていることによく現れている。
制限改訂では、第2期〜第3期に登場した超強力カードが次々と禁止指定され、環境が整えられた。
それに伴い【スタンダード】は汎用性を失い形骸化していき、デッキの多様化が始まった。
一方で残ったカードや新カードにより強力なロック・コンボも多く生み出されたが、いずれもすぐに対策された。
→【トランス】・【MCV】
また原作が2004年3月に、アニメが同年9月に終了し、パックから原作の主人公である武藤遊戯の姿が消えたのは第4期から。
その後はアニメ「GX」からのカードが主なパック収録カードとして変遷していく。
他には、「ストラクチャーデッキを最も多くリリースした時代である」という特徴もある。
第3期までの「原作キャラクター」をテーマとしたものではなく、種族や属性をテーマにしたデッキが多数登場。
その関係でノーマル仕様ながら強力カードを入手しやすくなり、新規参入を容易にした。
第5期の大きな特徴の一つとして雑誌や単行本、ゲームに多くの強力なカードが付属収録されたということが言える。
Vジャンプ等の雑誌は期間限定であることに加えて強力なカードが付属され、すぐに絶版となってしまうという難点があった。
逆に雑誌に対して単行本などの付属カードは、いつでも定価で買えるというメリットもあった。
ただし、高額であるゲームに環境を変えるほどの強力なカードを収録し複数の購入を促進させたりと購入者泣かせの物も多々見られた。
これらの理由から同梱販売に対する悲鳴も多かった。
第6期の大きな特徴として、第5期中盤から行われたパック収録枚数の増加、DUEL TERMINALの導入、EXTRA PACKによる海外組の参戦等、過去と比べてカードプールの増加スピードが大幅に早まった事が挙げられる。
それに伴い、デザイナーズデッキが形となりやすい環境が生み出されメタゲームに参戦可能なほどに強化された。
第5期までのデザイナーズデッキには貧弱なものが多く、大会上位に入るようなデッキの多くはプレイヤーの考案で生まれたものであった。
それに対して第6期は【剣闘獣】・【ライトロード】・【BF】などが相次ぐ強力な専用カードの登場により長期的に大会上位に名を連ねた。
このようにデザイナーズデッキが大きな影響力を持った環境は、今日まで他に類を見ないものである。
第7期は、シンクロモンスターとエクシーズモンスターという2つの強力な特殊召喚モンスター群によって、環境の高速化が極まった期だと言える。
これまでは制限改訂によりある程度の調整は計られてきたが、それも難しくなり、ミラーマッチでなくとも1ターンキルデッキ同士の戦いが珍しくなくなった。
しかし決して環境がマンネリしているわけでもなく、カードの登場ごとに新たなデッキ、プレイングも試されている。
また1ターンキルデッキの多くは前期も活躍していたデザイナーズデッキだが、そうでないデッキの活躍も見られるようになる。
【レスキューシンクロ】を初めとし、【デブリダンディ】や【ジャンクドッペル】はその一例である。
この年の世界大会では使用デッキが【征竜】・【魔導書】の2種類のみという上記の2極化を体現したような結果となった。
この背景もあり、この時期を暗黒時代とするプレイヤーも少なくない。
第8期は、【甲虫装機】・【征竜】・【魔導書】等、即座に莫大なアドバンテージを獲得するデザイナーズデッキが多くの環境の中心にあり、1ターンキルとは行かずともカード・アドバンテージの物量で相手を押し倒す光景が多発した。
【シャドール】のキーカードである《影依融合》は、切り札モンスターがエクストラデッキに依存しているデッキほど強く作用する。
その対策として、《ダーク・アームド・ドラゴン》等のメインデッキに投入できるモンスターが評価され、環境に姿を見せるようになった。