無効/Negate †
召喚・攻撃・効果・発動が「なかったこと」にされる事。
このカードゲームでは、「破壊」と「無効」が似て非なるものとなっている。
また、「効果の無効」と「発動の無効」にも区別がある。
この違いをしっかりと認識することが、ルール把握の第一歩である。
OCGには現在、大きくわけて以下の5種類の「無効」がある。
- 召喚・反転召喚・特殊召喚を無効
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚が「できなかった」事になる。
これら召喚行為を無効にされたモンスターは、フィールドに出る事なく墓地へ送られる。
- 発動を無効
魔法・罠カードのカードの発動、効果の発動およびモンスター効果の発動が「できなかった」事になる。
魔法・罠カードのカードの発動の場合、そのまま効果を処理できず墓地へ送られる。
魔法・罠カードの効果の発動やモンスター効果の発動の場合、効果を処理できないのは同様だが、「発動を無効にして破壊」するような効果でなければ墓地へは送られない。
- 発動した効果を無効
魔法・罠カードのカードの発動および効果の発動、モンスター効果の発動について、「発動はしたが、効果は適用されない」形となる。
無効になったのは発動したその効果だけなので、そのカードが持つ他の効果は無効にしない。
- 効果の無効
魔法・罠カードおよびモンスター効果について、「効果が適用されない」事になる。
効果が無効化されたカードは、仮に複数の効果を持っていても、全ての効果が適用されなくなる。
- 攻撃の無効
モンスターが攻撃できなかった事になる。
攻撃宣言は原則として1ターンに1度しかできないので、攻撃を無効にされたモンスターはそのターンもう攻撃できない。
また不可能にする効果も無効と似て非なるものとして本稿で解説する。
召喚・特殊召喚・反転召喚を無効 †
《昇天の角笛/Horn of Heaven》
カウンター罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。
召喚・特殊召喚・反転召喚を無効にする事。
そのモンスターはフィールドに出なかった事になる。
また、墓地に存在するカードはルール上破壊できないが、《マシンナーズ・フォートレス》のようなチェーンブロックを作らずに墓地から特殊召喚する事ができるモンスターの特殊召喚を無効にした場合、墓地ではない扱いの為、破壊される。
この時、改めて墓地に行く扱いとなるので、《マクロコスモス》などがあると除外される。
召喚等を無効にして手札に戻された場合やデッキに戻された場合、除外された場合も同様。
また、反転召喚や再度召喚など、直前までフィールドに存在したことが明らかな場合も同様である。
- 召喚行為を無効にされ成功していない場合、その召喚行為を行った扱いにはならない。
発動を無効 †
《マジック・ジャマー/Magic Jammer》
カウンター罠
(1):魔法カードが発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
魔法・罠カードのカードの発動、カードの発動を伴わない効果の発動またはモンスター効果の発動を無効にする事。
(カードの発動、カードの発動を伴わない効果の発動の違いについてはカードの発動や効果の発動のページを参照。)
発動を無効にされたカードまたは効果は、「発動できなかった」事になり、その効果処理は行われない。
- 上記の「銃と弾丸」の例えでいうなら、発動の無効は、「タイムマシンで時間を遡り、銃の発射自体を妨害する」行為にあたるだろう。
発動を無効にする効果の特徴は以下の通り。
発動した効果を無効 †
《灰流うらら/Ash Blossom & Joyous Spring》
チューナー・効果モンスター
星3/炎属性/アンデット族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、
このカードを手札から捨てて発動できる。
その効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果
カードの発動または効果の発動に反応し、その効果を無効にする事。
「発動を無効」と異なり、「発動は行われたが、効果を適用できなかった」事になる。
「発動した効果を無効にする効果」の特徴は以下の通り。
特に「発動を無効にする効果」との違いを中心に解説する。
- 無効になるのはあくまでも「発動した効果」である。
そのカードが別の効果を持っていればそれは無効にならない。
また、同じ効果を再度発動できるのであればそれも無効にならない。
- 「銃と弾丸」の例えで言うならば、「発動した効果を無効」は飛んできた弾丸をはたき落とす行為と言える。
カード=銃自身を無力化したわけではないので、銃にまだ弾丸が残っていれば再度撃つことができる。
通常魔法や通常罠等は、発動時にしか効果が発揮されない=銃に弾丸が1発しかないと考えると良い。
効果を無効 †
効果が無効になったカードは、そのカードの持つ全ての効果が無効となる。
ただし、同じ「効果を無効」でも、無効にするカードによって無効となる範囲が異なる。
ここではそれら「無効化のタイプ」のうち、主要な6つのタイプについて解説を行う。
以下はすべての「効果を無効」の共通事項である
- 効果が無効になっていても発動は制限されない。
コストも通常通り支払われる。
- 既に「効果が無効」になっているカードには、「効果を無効にする」だけの効果は適用されない。
その際、「無効化のタイプ」の違いは考慮されない。
ただし「効果を無効にし、攻撃力をアップする」など、効果の無効化以外の処理が追加効果以外である効果は適用でき、両方のカードによって無効化されている扱いとなる。
《スキルドレイン/Skill Drain》
永続罠
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
《スキルドレイン》・《デモンズ・チェーン》・《D−HERO Bloo−D》など、該当モンスターが表側表示で存在する限りモンスター効果を無効にするカード。
《エフェクト・ヴェーラー/Effect Veiler》
チューナー・効果モンスター
星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0
(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、
相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
《エフェクト・ヴェーラー》・《ブレイクスルー・スキル》・《禁じられた聖杯》など、「無効にする」効果を持つカードが表側表示で存在し続けなくても、効果の無効化が持続するカード。
《ジャンク・シンクロン/Junk Synchron》
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
《ジャンク・シンクロン》・《炎王の急襲》など、「この効果で特殊召喚されたモンスターは、効果が無効化される」カード。
そのうち、「無効にする」効果を持つカードが表側表示で存在し続けなくても、効果の無効化が持続するものを指す。
いわゆる「残存効果」による無効化である。
- 効果の分類は、特殊召喚に関わる効果処理の一部に当たる。
つまり、特殊召喚が成立している限り、いかなる手段によっても無効効果を妨害することはできない。
《冥界の魔王 ハ・デス/Dark Ruler Ha Des》
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2450/守1600
このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に存在する悪魔族モンスターが戦闘で破壊した
効果モンスターの効果は無効化される。
「戦闘で破壊したモンスターの効果は無効になる」効果。
相手モンスターの戦闘破壊がダメージ計算時に決定した時から適用される。
永続効果であり、発動する効果ではない。
《アームズ・シーハンター/Armed Sea Hunter》
効果モンスター
星4/水属性/海竜族/攻1800/守 400
自分フィールド上にこのカード以外の水属性モンスターが存在する場合、
このカードと戦闘を行った効果モンスターの効果をダメージ計算後に無効化する。
また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、
代わりに自分フィールド上に表側表示で存在する
レベル3以下の水属性モンスター1体を破壊できる。
《アームズ・シーハンター》・《エレキタリス》・《極戦機王ヴァルバロイド》など、「戦闘を行ったモンスターの効果をダメージ計算後に無効にする」効果。
《冥界の魔王 ハ・デス》型と異なりこちらは誘発効果であり、発動を伴う。
《王宮のお触れ/Royal Decree》
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
このカード以外のフィールドの全ての罠カードの効果は無効化される。
《王宮のお触れ》・《王宮の勅命》・《ナチュル・バンブーシュート》など、「無効にする」効果を持つカードが表側表示で存在する限り魔法・罠カードの効果を無効にするカード。
その他 †
その他《エンド・オブ・アヌビス》など範囲が特殊な無効化効果は、それぞれのページを参照。
発動または効果の無効化の処理方法について †
無効化する効果には、チェーンを組んで無効化するものと、チェーンを組まず効果処理時に無効化するものとに別れる。
前者は、カードの発動や効果の発動を要するもので、後者は永続効果(永続的効果)によるものになる。
また、《人造人間−サイコ・ショッカー》のように、「チェーンブロックを作らない効果やすでに発動済みの永続効果までも無効にする」場合は、その効果が無いのと同様に処理をする。
《古代の機械工兵》は「効果を無効にし破壊する永続効果」で発動した効果は効果処理時に、既に適用済みの効果も即座に無効にし破壊する。
攻撃を無効 †
《ヒーローバリア/Hero Barrier》
通常罠
自分フィールド上に「E・HERO」と名のついたモンスターが
表側表示で存在する場合、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
モンスターの攻撃を無効にする処理。
バトルフェイズ内のバトルステップで発動ないし効果の適用が行われ、ダメージステップに入ることなく攻撃は終了する。
不可能にする効果について †
《大寒波/Cold Wave》
通常魔法(禁止カード)
メインフェイズ1の開始時に発動する事ができる。
次の自分のドローフェイズ時まで、
お互いに魔法・罠カードの効果の使用及び発動・セットはできない。
「◯◯できない」は、「無効」とは異なる概念である。
基本的に封じられた行動は能動的に行えず、また、効果発動時、効果処理時にその行動が伴う「カードの発動・効果の発動」は空撃ち扱いとなり発動すらできない。
ただし、様々な例外があるので以下に分類して列挙する。
関連カード †
※以下の一覧は、カウンター罠を除く。
―条件による特殊召喚のみが対象のもの
―その他
自身以外の召喚を無効化されない効果を持つカード †
(基本的にカードの発動しか無効にできず、効果の発動は無効にできない。)
(基本的にカードの発動しか無効にできず、効果の発動は無効にできない。)
(基本的にカードの発動しか無効にできず、効果の発動は無効にできない。)
(基本的にカードの発動、効果の発動のどちらにも対応する。)
(魔法・罠カードの効果の発動は無効にできない。古いテキストの場合、「カードの発動」と書かれている。)
―チェーンブロックを作る
―チェーンブロックを作らない
(基本的にカードの発動、効果の発動のどちらにも対応する。)
―チェーンブロックを作る
―チェーンブロックを作らない
(基本的にカードの発動、効果の発動のどちらにも対応する。)
―チェーンブロックを作る
―チェーンブロックを作らない
(基本的にカードの発動、効果の発動のどちらにも対応する。)
―チェーンブロックを作る
―チェーンブロックを作らない
(基本的にカードの発動、効果の発動のどちらにも対応する。)
―チェーンブロックを作る
―チェーンブロックを作らない
―特殊召喚のデメリット
(基本的にフィールドの魔法カードしか無効にできない。)
(基本的にフィールドの罠カードしか無効にできない。)
(基本的にフィールドの魔法・罠カードしか無効にできない。)
攻撃を参照。
その他、無効に関連する効果を持つカード †
関連リンク †
FAQ †
Q:デュアルモンスターの召喚・反転召喚・再度召喚を《神の警告》によって無効にして破壊された場合、《補給部隊》の効果を発動できますか?
A:いいえ、発動できません。(14/05/23)
Q:《クリッター》の反転召喚を《TG ハルバード・キャノン》の効果によって無効にして破壊された場合、《クリッター》の効果は発動しますか?
A:いいえ、発動しません。(14/05/23)
Q:《クリッター》の反転召喚に《TG ハルバード・キャノン》の効果を発動された場合、チェーンして《サンダー・ブレイク》を《クリッター》に対して発動できますか?
A:はい、《サンダー・ブレイク》を発動でき、《クリッター》の効果は発動します。(14/05/23)
Q:モンスターの反転召喚に対して《TG ハルバード・キャノン》の効果を発動されました。
これにチェーンして《セイクリッド・プレアデス》や《真六武衆−エニシ》の効果で反転召喚しようとしたモンスターを手札に戻せますか?
A:《セイクリッド・プレアデス》の効果は発動できますが、《真六武衆−エニシ》の効果は発動できません。(14/06/02)
Q:《龍王の聖刻印》を召喚・ペンデュラム召喚する際に《神の警告》を発動された場合、チェーンして《反射の聖刻印》を発動できますか?
A:いいえ、その《龍王の聖刻印》をリリースして《反射の聖刻印》を発動できません。(14/05/28)
Q:《龍王の聖刻印》を反転召喚・再度召喚する際に《神の警告》を発動された場合、チェーンして《反射の聖刻印》を発動できますか?
A:はい、その《龍王の聖刻印》をリリースして《反射の聖刻印》を発動できます。(14/05/28)
Q:《星輝士 デルタテロス》を召喚・反転召喚・エクシーズ召喚する際に《神の警告》を発動された場合、チェーンして《神星なる因子》を発動できますか?
A:いいえ、その《星輝士 デルタテロス》を墓地へ送って《神星なる因子》を発動できません。(14/05/28)
Q:デュアルモンスターを召喚・ペンデュラム召喚する際に《TG ハルバード・キャノン》の効果を発動された場合、そのデュアルモンスターを対象に、フィールドのカードを破壊する《サンダー・ブレイク》をチェーンして発動できますか?
A:いいえ、発動できません。(14/05/29)
Q:デュアルモンスターを反転召喚・再度召喚する際に《TG ハルバード・キャノン》の効果を発動された場合、そのデュアルモンスターを対象に、フィールドのカードを破壊する《サンダー・ブレイク》をチェーンして発動できますか?
A:はい、発動できます。(14/05/29)
Q:デュアルモンスターを召喚・反転召喚・ペンデュラム召喚する際に《TG ハルバード・キャノン》の効果を発動された場合、そのデュアルモンスターを対象に、表側表示のモンスターを破壊する《死者への供物》をチェーンして発動できますか?
A:いいえ、発動できません。(14/05/29)
Q:デュアルモンスターを再度召喚する際に《TG ハルバード・キャノン》の効果を発動された場合、そのデュアルモンスターを対象に、表側表示のモンスターを破壊する《死者への供物》をチェーンして発動できますか?
A:はい、発動できます。(14/05/29)
Q:《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の(3)の効果にチェーンして、発動を無効にする《天罰》を発動した場合どうなりますか?
A:(3)の効果は無効になりますが、(2)の効果は無効にならず破壊されないため《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》はフィールドに残ります。(17/12/14)
Q:《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の(3)の効果にチェーンして、効果を無効にする《威風堂々》を発動した場合どうなりますか?
A:(3)の効果は無効になりますが、(2)の効果は無効にならず破壊されないため《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》はフィールドに残ります。(17/12/14)
Q:このターンに《リビングデッドの呼び声》で特殊召喚された《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の(3)の効果にチェーンして、《蟲惑の落とし穴》を発動した場合どうなりますか?
A:(3)の効果は無効になりますが、(2)の効果は無効にならず破壊されないため《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》はフィールドに残ります。(17/12/14)
Q:《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の(3)の効果にチェーンして、《ガガガラッシュ》を発動した場合どうなりますか?
A:(3)の効果は無効になりますが、(2)の効果は無効にならず破壊されないため《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》はフィールドに残ります。
破壊できていないため、ダメージは発生しません。(17/12/14)
Q:《サモン・ソーサレス》の(2)の効果で《雨天気ラズラ》を特殊召喚しました。
その後で《雷の天気模様》を発動し、「効果が無効にされた《雨天気ラズラ》」に後から効果を与えました。
この《雨天気ラズラ》が「《雷の天気模様》に与えられた効果」を発動した場合、効果は無効になりますか?
A:はい、発動はできますが効果が無効になります。(17/12/16)
Q:この《ジャンク・シンクロン》の効果で特殊召喚した《捕食植物フライ・ヘル》の(1)の効果を発動しました。
《月の書》をチェーンして《捕食植物フライ・ヘル》を裏側表示にした場合、効果は適用されますか?
A:はい、《捕食植物フライ・ヘル》の効果は有効であり捕食カウンターを置きます。(20/08/22)
Q:この《ジャンク・シンクロン》の効果で特殊召喚した《捕食植物フライ・ヘル》の(1)の効果を発動しました。
《強制脱出装置》をチェーンして《捕食植物フライ・ヘル》をフィールドから移動した場合、効果は適用されますか?
A:いいえ、《捕食植物フライ・ヘル》の効果は無効化され、対象のモンスターに捕食カウンターは置かれません。(20/08/23)
Q:《マシンナーズ・ルインフォース》を墓地から特殊召喚しようとした際、《神の宣告》によって特殊召喚を無効にされ、破壊されました。
この時、《マクロコスモス》が適用されている場合、墓地に行く代わりに除外されますか?
A:除外されます。(21/08/02)